01来歴

衛兵団時代
紀元前30年前後〜紀元前9年頃、ザブは惑星ラサン王家を守る精鋭部隊『ラサン名誉衛兵団(Lasan Honor Guard)』の伍長(Corporal)を務めた。同団員だけが制式武器AB-75ボー・ライフル(AB-75 bo-rifle)の使用権を持っていた。伝統と義務を重んじる実直な若年戦闘員であり、後に示す白兵戦と捕縛術もこの時代に身につけたものである。
ラサンの大虐殺
銀河帝国(Galactic Empire)はアグリパー・カラス率いる帝国保安局(Imperial Security Bureau)の指揮で惑星ラサンへ侵攻した。ラサン名誉衛兵団は全滅し、住民も『ラサンの大虐殺(Siege of Lasan)』によって大量虐殺された。ザブはわずかな同胞と脱出した数少ない生存者となり、帝国とカラスへの深い憎悪、故郷を守れなかった罪悪感を抱え続けた。
ゴーストへの加入
ザブは紀元前5年頃までにヘラ・シンドゥーラとケイナン・ジャラスが率いるVCX-100軽貨物船『ゴースト(Ghost)』へ合流し、小規模な抵抗活動に加わった。『スパーク・オブ・リベリオン(Spark of Rebellion)』で、チョッパー、サビーヌ・レンらと共にエズラ・ブリッジャーを迎える。シーズン1全15話ではエズラと二段ベッドを共有し、小競り合いを重ねながら兄貴分としての人情味を見せ、同シーズンは2015年3月2日に終了した。
反乱軍への合流
シーズン2(2015年6月20日〜2016年3月30日全22話)では、ゴースト・クルーが反乱軍の活動へ本格的に加わる。初回放送1時間特別編『ザ・シージ・オブ・ロザル(The Siege of Lothal)』では、ダース・ベイダーとの遭遇後、ザブが砲塔銃座で『ゴースト』の撤退を支えた。第10話『ゴースト・オブ・ジオノーシス(The Honorable Ones)』(2016年1月13日米国Disney XD放送)では、氷の衛星バーラ=ノン(Bahryn)にカラスと不時着し、地下洞窟で協力して生還した。
同胞との再会
第15話『古代の戦士(Legends of the Lasat)』(2016年2月17日米国Disney XD放送)で、ザブは長老チャヴァ・ザ・ワイズ(Chava the Wise)、グレル・トルム(Gron)と古代の予言や航路をたどった。星間航路の難所を越えて、同胞が暮らす隠れた入植惑星リラ・サンを発見する。種族がほぼ絶滅したという思いから解放され、同地は精神的な『帰る場所』となった。
カラスとの和解
シーズン3(2016年9月24日〜2017年3月25日全22話)では、ザブとカラスの関係が憎悪から相互理解へ変化した。第5話『リランの解放(Hera's Heroes)』(2016年10月22日米国Disney XD放送)以後も変化は続き、第18話『太古の戦士(An Inside Man)』周辺でカラスはフルクラム(Fulcrum)情報提供者として反乱軍側へ転向する。最終話『ゼロ・アワー(Zero Hour)』前後編では、ザブが戦闘員、砲塔担当、歩兵指揮を担い、グランド・アドミラル・スローン率いる帝国機動艦隊に包囲されたアトラン基地から、カラスの内通情報を受けて脱出した。
ロザル解放とその後
シーズン4でザブは反乱同盟軍の部隊長格となり、リラ・サン同胞の代表としても行動した。第10話『ジェダイ・ナイト(Jedi Night)』(2018年2月26日放送)では、惑星ロザル帝国軍燃料デポの爆発で犠牲死したケイナンを見送った。最終話『ファミリー・リユニオン・アンド・フェアウェル(Family Reunion – and Farewell)』のロザル解放後、カラスを伴ってリラ・サンへ向かう未来が明かされた。
帝国崩壊後
紀元9年、ザブは惑星モラック(Morak)の帝国残党アデルファイ(Adelphi)採掘施設近くにあるカンティーナへ姿を見せた。背景の通行人としての短い登場で、マンダロリアン本人であるディン・ジャリンとの接点はない。アニメで描かれた時代を越えて生存していることを示し、ゴースト・クルーの物語と後代をつなぐ登場となった。
02能力・特徴

- ラサット種族特有の強靱な脚力、跳躍力、握力、耐久力を持つ。身長約2メートル超の体格を生かし、帝国スターム・トルーパーやAT-DP操縦兵を素手で投げ飛ばし、垂直の壁面も跳躍で駆け上がる。
- AB-75ボー・ライフルを熟練の域で扱う。両端のエレクトロスタッフ刃による近接スタン格闘と、中央部の高出力ブラスター・ライフル形態による中距離射撃を自在に切り替える。
- ラサン名誉衛兵団仕込みの徒手格闘術と捕縛術を持つ。カラスが同じボー・ライフルを使用した際には、共通する武術形態で互角に対峙した。
- ラサット種族特有の暗所視覚を備え、地下施設や暗夜での索敵と行動に長ける。バーラ=ノンの地下洞窟でもカラスと協力して生存経路を探った。
- 『ゴースト』の砲塔銃座で対戦闘機戦を担い、高い射撃精度を発揮する。操舵補助や機関兵装にも通じた重火力担当である。
- シーズン3-4ではファントム部隊(Phoenix Squadron)と後の反乱同盟軍で部隊長格を担い、戦闘員を越えた指揮力を示す。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

初回特別編で新加入のエズラに二段ベッドの上段を奪われ、文句を口にしながら受け入れる。両者の凸凹コンビの始まりである。
第2話『ドロイド・イン・ディストレス(Droids in Distress)』でカラスとボー・ライフルを交え、虐殺への個人的な恨みを露わにする。
バーラ=ノンへカラスと不時着し、地下洞窟で生き延びるため共闘する。長い敵対関係が対話によって揺らぎ始める転機である。
古代航路をボー・ライフルで導き、同胞が暮らすリラ・サンへ到達する。種族絶滅のトラウマから精神的解放を得る場面である。
ロザル解放後のエピローグでカラスをリラ・サンへ連れて行く。宿敵との和解とザブ自身の救済を結ぶ物語の終幕である。
06制作背景

DisneyによるLucasfilm買収(2012年10月30日)後、ルーカスフィルムは最初の長編 Star Wars TV アニメーション・シリーズとして同作を立ち上げ、2013年5月20日 StarWars.com 公式発表、2014年5月4日(Star Wars Day)に主要キャストとデザインを順次公開した。製作総指揮はデイヴ・フィローニ、サイモン・キンバーグ、キャリー・ベック、シーズン1のリード・ライター兼コンサルティング・プロデューサーはグレッグ・ウィーズマンである。
ラサットの造形は、ラルフ・マッカリー(Ralph McQuarrie、1929-2012)が1970年代後半に描いた未使用のチューバッカ初期コンセプト・スケッチを、フィローニが発掘・再解釈したものである。フィローニはStarWars.com公式とスター・ウォーズ・セレブレーション・アナハイム2015(2015年4月16日-19日カリフォルニア州アナハイム・コンベンション・センター開催)で起源を明かした。初回特別編はスティーヴァード・リー監督、ウィーズマン脚本であり、リーは『古代の戦士』も担当した。
英語版はスティーヴ・ブラム(Steve Blum、本名 Steven Jay Blum、1960年4月29日米国カリフォルニア州サンタモニカ生まれ)が一貫して担当し、日本語吹替は山路和弘である。ブラムは『カウボーイビバップ』スパイク・スピーゲル英語吹替版、『ナルト』ザブザ・桃地英語吹替版、『ウルヴァリン』X-Men アニメ版で知られる。低音の渋い声質と人情味ある演技が、毒舌と戦闘員としての激しさを併せ持つ人物造形を支えた。
共演声優はテイラー・グレイ、ヴァネッサ・マーシャル、フレディ・プリンゼ・Jr.、ティヤ・シルカー、デイヴ・フィローニ、英国/ナイジェリア出身俳優デヴィッド・オイェロウォである。『アソーカ』2023ではヘラをメアリー・エリザベス・ウィンステッド、サビーヌをナタシャ・リュー・ボルディッゾが演じた。『マンダロリアン(The Mandalorian)』シーズン2第7話(チャプター15)『信者(The Believer)』(2020年12月11日米国Disney+配信)はリック・ファムイーワ監督、ジョン・ファヴロー脚本で、実写プロップ/CGとブラムの声によるカメオを実現した。関連短編、『フォーセズ・オブ・デスティニー(Forces of Destiny)』(2017-2018)、『スター・ウォーズ:レゴ・スター・ウォーズ』クロスオーバー、StarWars.com公式短編にも登場した。
07評価・考察

ザブはゴースト・クルーの『力持ち/戦闘員』として、重火力と身体能力によって戦闘描写の中核を担う。一方で、ラサンの大虐殺を生き延びた『生き証人』として、帝国の残虐性と故郷を失った者の痛みを物語へ持ち込む。粗野な毒舌と仲間への人情を併せ持つため、戦闘要員にとどまらず家族的なチームを支える存在となっている。
アグリパー・カラスとの関係は、敵、対話、相互理解、戦友という段階を経て変化する。虐殺の被害者であるザブが憎悪だけに縛られず、カラスの転向を受け入れる過程は、単純な勧善懲悪を越えた道徳的成熟を示す。最後にカラスをリラ・サンへ導く行為は、復讐ではなく共同の贖罪を選んだ両者の人物アークを完成させる。
リラ・サンの発見は、絶滅したと思われた種族の存続を明らかにし、ザブを罪悪感から一定程度解放する。これにより物語は短期的な戦闘ドラマを越え、『種族の絶滅』『故郷の喪失』『同胞との再会』という長い感情線を獲得した。帝国崩壊後の姿が示されたことも、アニメ時代の救済が後代まで続いたことを印象づける。
08トリビア
- 正式名はガラゼブ・オーレリオス(Garazeb Orrelios)、愛称は『ザブ(Zeb)』である。表記はGarazeb "Zeb" Orreliosで統一されている。
- 灰紫色の体毛、緑色の瞳、鋭い犬歯、長い尻尾を持つ哺乳類系人型種族であり、大型の体格と強靱な脚力を備える。
- AB-75ボー・ライフルはラサン名誉衛兵団員だけに支給される神聖な制式武器であり、ザブにとって同郷の生存者としての精神的な遺品でもある。
- エズラとは二段ベッドを共有し、サビーヌとは悪戯や賭け事、チョッパーとは口論を繰り返す。粗野な態度の裏に仲間への愛情を持つ。
- リラ・サンは銀河系外縁部の星間航路の難所の先にあるラサット種族の隠れた入植惑星であり、古代の予言と航路が発見の手がかりとなった。
09よくある質問
『反乱者たち』シーズン1初回放送2話分連結特別編『スパーク・オブ・リベリオン』が原典である。『ゴースト』所属のラサット種族戦闘員としてエズラと初対面した。
英語版はスティーヴ・ブラム、日本語吹替は山路和弘である。実写カメオでもブラムが声を担当した。
惑星ラサンを母星とする大型のヒューマノイド種族で、体毛、鋭い犬歯、長い尻尾、強い脚力を持つ。大虐殺でほぼ絶滅したと思われたが、リラ・サンで同胞の生存が判明した。
カラスはラサンの大虐殺を指揮した宿敵である。バーラ=ノンでの共闘を機に相互理解が進み、カラスの反乱軍転向後は戦友となった。
『マンダロリアン』シーズン2第7話のカンティーナに、実写プロップ/CGによるカメオで登場する。2026年5月時点では『アソーカ』シーズン2やその他の今後の作品への登場について、Lucasfilmから公式な詳細発表は出ていない。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Garazeb "Zeb" Orrelios
- StarWars.com 公式シリーズページ: Star Wars Rebels
- StarWars.com 公式シリーズページ: The Mandalorian
- IMDb: Star Wars Rebels (TV Series 2014-2018)
- IMDb: The Mandalorian — Chapter 15: The Believer (2020)
- Wookieepedia: Garazeb Orrelios (canon)
- Wookieepedia: Spark of Rebellion (episode)
- Wookieepedia: The Honorable Ones
- Wookieepedia: Legends of the Lasat
- Wookieepedia: Family Reunion – and Farewell