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イニシエの黄金

イニシエの黄金は、PlayStation用ゲーム『From TV animation ONE PIECE とびだせ海賊団!』に登場する伝説の財宝である。複雑な文様と紫色の宝石を持つ黄金の環で、普段は六つの「イニシエのカケラ」に分かれている。

イニシエの黄金は、PlayStation用ゲーム『From TV animation ONE PIECE とびだせ海賊団!』に登場する伝説の財宝である。複雑な文様と紫色の宝石を持つ黄金の環で、普段は六つの「イニシエのカケラ」に分かれている。二十七年に一度の特定の日に六片をつなぐと本来の姿を取り戻し、所有者へ莫大な富をもたらすと伝えられる。

ただし、富だけを与える安全な宝ではない。黄金へ執着した者を「イニシエののろい」で支配し、ロカイの中にスカルフェイスという別人格を生んだ。ゲームの物語は、プレイヤーが作った海賊団が六片を集める宝探しであると同時に、財宝を完成させるべきか、力を拒むべきかを選ぶ筋になっている。

基本情報

  • 日本語名:イニシエの黄金
  • 英語圏での便宜名:Ancient Gold
  • 初出:『From TV animation ONE PIECE とびだせ海賊団!』
  • 媒体:PlayStation用ゲーム
  • 構成:六つの「イニシエのカケラ」
  • 元の所有者:王イニシエ
  • 主な関係者:ロカイ/スカルフェイス、ウーナン、プレイヤー海賊団、麦わらの一味
  • 効果:完成時に莫大な富をもたらすとされる
  • 危険:所有欲を刺激し、呪いによって人格・行動を支配する
  • 最終状態:プレイヤー海賊団が破壊を試み、海へ沈む
  • 正史区分:ゲーム独自設定。原作漫画の正史には含めない

元台帳では「事件」に分類されていたが、イニシエの黄金そのものは物品・財宝である。過去の虐殺、六片の探索、再結合、海没は、この物品をめぐる事件として本文内で分ける。

ゲーム『とびだせ海賊団!』

『From TV animation ONE PIECE とびだせ海賊団!』は、2001年8月2日にバンダイから発売されたPlayStation用RPGである。開発はエイムアット・エンターテインメント。プレイヤーは船長と男女二人の仲間を作成し、独自の海賊団で東の海を航海する。

航海中はゴーイング・メリー号を使い、島への訪問、食料管理、海戦、カードを使った戦闘を進める。麦わらの一味や原作人物は支援役として関わるが、物語の中心はプレイヤー海賊団とゲーム独自人物である。

イニシエの黄金は、このオリジナル筋を各地へつなぐ目的物になる。麦わらの一味が持っていたカケラ、謎の船の襲撃、離れ離れになった仲間、ロカイの警告を追うことで、原作や劇場版第1作の舞台・人物が一つのゲーム世界へ接続される。

外見と六つのカケラ

完成したイニシエの黄金は、腕輪または大きな装身具を思わせる輪の形を持つ。表面には細かな意匠があり、中央の紫色の宝石が目印になる。輪には六片の継ぎ目が残り、分割されていたことが視覚的に分かる。

六つに分かれた状態は「イニシエのカケラ」と呼ばれる。各片は単なる金属片ではなく、再結合の条件を満たすための鍵である。五片だけでは黄金は完成せず、最後の一片を持つロカイの協力が必要になる。

ゲーム開始前、麦わらの一味はカケラを五つまで集めていた。しかし謎の敵に襲われ、一味とカケラは再び散り散りになる。プレイヤー海賊団が仲間を捜しながら片を集めるため、宝探しと救出が同じ進行になる。

カケラの入手順や所持者は、プレイヤーの移動順・遭遇条件で見え方が変わる可能性がある。攻略順を一本道の物語年表として固定せず、ゲーム内イベントフラグと実機記録を照合する必要がある。

王イニシエの伝説

遠い過去、王イニシエは世界中の黄金の在りかを知り、それらを自分のもとへ集めて隠したと伝えられる。その富を象徴する財宝がイニシエの黄金だった。王の死後、国は滅び、黄金は六つのカケラへ分裂して各地へ散った。

この由来はゲーム内の伝承であり、原作の空白の100年、巨大な王国、古代兵器と結びつける根拠はない。「イニシエ」という名や古代王国風の設定だけで、原作史の伏線へ組み込まない。

二十七年ごとに訪れる特定の日、六片をそろえると黄金が復元し、所有者へ富を与えるとされる。周期の起点、天体現象、復元の科学的仕組みは説明されない。ゲーム内では伝説と呪いの規則として機能する。

ロカイとウーナンが見つけた黄金

前回の周期、若いロカイとウーナンは同じ海賊団で財宝を探していた。二人は兄弟のように親しく、仲間とともにイニシエの黄金へたどり着く。

黄金を目にしたロカイは呪いに取り込まれ、夜になるとスカルフェイスという人格に支配される。スカルフェイスは黄金を守るため仲間を殺し、ウーナンだけが生き延びる。黄金は再びカケラへ分かれて飛び去り、正気へ戻ったロカイは自分の行為に絶望する。

ロカイは船へ閉じこもり、黄金の再完成を防ごうとする。外から見れば、宝を狙う海賊を襲う敵だが、目的は呪いの再発と新たな犠牲を止めることにある。昼のロカイと夜のスカルフェイスが同じ身体で対立するため、警告、誘拐、襲撃の意図は時間帯によって異なる。

ウーナンは劇場版第1作『ONE PIECE』の人物で、世界の黄金の約三分の一を集めたと噂された黄金の大海賊である。ゲームは映画独自人物の若い時代へロカイを追加し、二つの非正史媒体を結ぶ。原作漫画のウーナンの過去として扱うのではなく、ゲーム版の設定として記録する。

ロカイ/スカルフェイスの呪い

イニシエののろいは、黄金の美しさと力へ心を奪われたロカイに作用する。日中は罪を悔いるロカイが表へ出るが、夜にはスカルフェイスが主導権を握り、黄金を守るため容赦なく攻撃する。

スカルフェイスは配下を「魅入られし者」と呼び、霧を起こして航行を妨げ、呪いの力を戦闘へ使う。最終局面では「ゴールデン・スカルフェイス」と呼ばれる強化形態になり、反撃を主体とした攻撃でプレイヤー側を追い詰める。

どこまでが黄金の自動的な力で、どこからがスカルフェイス自身の技能かは明確でない。霧、天候、配下への支配、反撃、呪いの伝播を一つの能力として断定せず、実際の戦闘演出と台詞を分ける。

スカルフェイスは「イニシエの玉座」へ力を戻すことを口にするが、玉座の場所・形・王イニシエとの関係は詳しく説明されない。未回収の固有語を、完成後に行ける隠し場所や原作世界の王座だと推測しない。

カケラをめぐる航海

プレイヤー海賊団は、散らばった麦わらの一味を助け、イニシエのカケラを集めながら東の海を進む。航路にはコノミ諸島、ローグタウン、バラティエなど既存の場所が組み込まれ、原作の敵や映画人物とも遭遇する。

ロカイは宝探しをやめさせるため、スカルフェイスの姿でナミを連れ去る。朝になって支配が弱まると、ナミをクレセント島へ置き、ガンゾウの店へ向かう。プレイヤー側は誘拐犯を追ううち、敵が一貫して宝を欲しがっているのではなく、完成を恐れていることへ気づく。

ローグタウンやコノミ諸島の事件は、原作の時系列をそのまま再現したものではない。ゲーム用に人物と場所を再配置しているため、麦わらの一味の正史航路へ挿入できる空白期間として扱わない。

最終決戦と完成

最終局面で、スカルフェイスは呪いの力を広げ、ルフィたちとプレイヤー海賊団の攻撃を受けても立ち上がる。強化形態では相手の攻撃を返す性質を見せ、力だけで押し切ることが難しい。

モンキー・D・ルフィたちは朝まで戦いをつなぎ、日光によってロカイが自分を取り戻す機会を作る。仲間の言葉とロカイ自身の抵抗によってスカルフェイスの支配は退き、ロカイは長い罪悪感から解放される。

正気に戻ったロカイは、過去と呪いを説明し、自分が守っていた最後のカケラを渡す。六片がそろうとイニシエの黄金は復元され、伝説の財宝が目の前へ現れる。

しかしプレイヤー海賊団は、ロカイと仲間たちを破滅させた力を所有しないと決める。完成した黄金へ一斉攻撃を加え、海へ吹き飛ばす。黄金は海底へ沈み、回収された描写はない。宝を手に入れることがゲームの達成条件に見えて、最終的には所有を拒むことが冒険の結論になる。

原作正史との区分

イニシエの黄金、王イニシエ、六つのカケラ、ロカイ、スカルフェイスは、ゲーム独自の設定である。原作漫画や通常のTVアニメに同じ財宝は登場しない。

ウーナン、ガンゾウ、クレセント島とのつながりは劇場版第1作に由来し、ゲームが独自に拡張した関係である。映画の全設定とゲームの全設定が同じ媒体内で相互に公式化された、と広げない。

プレイヤー海賊団は名前を入力・選択でき、構成員名にも固定されない要素がある。後発ゲームで便宜的な名称が使われても、『とびだせ海賊団!』の全プレイに共通する唯一の正史名とは限らない。

類似する黄金との違い

イニシエの黄金は、他媒体の黄金・財宝と混同されやすい。

  • ウーナンが集めた黄金は、劇場版第1作の生涯と伝説に属し、六片の呪物そのものではない。
  • シャンドラの黄金は空島に実在した都市の財宝で、二十七年周期や人格を支配する呪いを持たない。
  • ピュアゴールドはTVスペシャル『ハートオブゴールド』の発光物質で、老化を遅らせる性質を持つ。名称が似ても別物である。
  • グラン・テゾーロの黄金は『ONE PIECE FILM GOLD』の都市・能力・経済に関わり、王イニシエの六片とは関係しない。
  • 原作の「ひとつなぎの大秘宝」は、イニシエの黄金の正体や別名ではない。

画像や検索語では単に「黄金」と表示される場合があるため、黄金の環、紫の宝石、六つの継ぎ目、ゲーム画面の名称で識別する。

物語上の意味

海賊ゲームの目標として「莫大な富をもたらす黄金」を置きながら、完成後に捨てさせる点が特徴である。ロカイは所有欲に負けて仲間を失い、ウーナンは生き残って別の黄金伝説へ進み、プレイヤー海賊団は同じ力を拒む。

六片を集める行為は、散らばった仲間を再会させる航海と重なる。物品を完成させるだけならロカイの悲劇を繰り返すが、仲間との経験を得た後では、黄金を持たない結末を選べる。ゲーム独自の財宝でありながら、『ONE PIECE』が繰り返す「何を宝とするか」という問いを、プレイヤーの獲得と放棄へ変えた題材である。

関連項目