『ONE PIECE』には、人間だけでなく、もともと動物だった個体が悪魔の実を食べ、能力者になった例がある。 代表者は、ヒトヒトの実を食べたトナカイのトニートニー・チョッパーである。
本記事では「実を食べる前から動物だった個体」を対象にする。 銃や剣などの無生物へ動物系の能力を与えた例、人間や魚人族、ミンク族が動物へ変身する例、SMILEで身体に動物の部位が現れた人間は、仕組みが異なるため別枠とする。
対象一覧
| 個体 | 元の種 | 悪魔の実 | 分類 | 媒体 | |---|---|---|---|---| | トニートニー・チョッパー | トナカイ | ヒトヒトの実 | 動物系 | 原作正史 | | ピエール | 空島の鳥 | ウマウマの実 | 動物系 | 原作正史 | | オニ丸 | 狛狐 | ヒトヒトの実 幻獣種 モデル“大入道” | 動物系幻獣種 | 原作正史 | | ストロンガー | 馬 | ウマウマの実 幻獣種 モデル“ペガサス” | 動物系幻獣種 | 原作正史 | | ビブロ | フクロウ | イクイクの実 | 超人系 | 原作正史 | | バズ | ブルドッグ | トリトリの実 モデル“鷲” | 動物系 | 映画非正史 | | ノコ | タツノオトシゴ | ネムネムの実 | 超人系 | ゲーム非正史 |
一覧の「媒体」は、その能力設定がどの作品で確定したかを示す。 同名人物がTVアニメへ登場しても、ゲーム版だけにある悪魔の実までアニメ設定へ自動的に引き継がれるとは限らない。
トニートニー・チョッパー
トニートニー・チョッパーは、青い鼻を持つトナカイで、ヒトヒトの実を食べた。 人の言葉を話し、二足歩行し、人型と人獣型へ変身できるようになった。
通常の動物系能力者は、人間が動物の姿と力を得る例が多い。 チョッパーでは方向が反転し、動物が人の身体能力、言語、道具を扱う手を得る。 ただし完全な人間の外見になるわけではなく、角、毛、鼻などトナカイの特徴が残る。
ランブルボールによって変形の波長へ干渉し、脚力強化、重量強化、頭脳強化など多数の形態を使い分ける。 能力は戦闘だけでなく、医学を学び、患者と会話し、船医として働く条件にもなった。
ヒトヒトの実が知性を「無から作った」と断定することはできない。 チョッパーは食べる前から仲間外れや恐怖を経験していたが、能力を得た後、人と動物の両方から異物として扱われ、その経験を医者になる意思へ変える。
ピエール
ピエールは、空島でガン・フォールと行動する大きな鳥で、ウマウマの実を食べた。 鳥から馬の姿へ変身し、中間形態では翼を持つ馬、すなわちペガサスのような外見になる。
実そのものは通常の動物系ウマウマの実であり、幻獣種モデル“ペガサス”ではない。 もともと翼を持つ鳥が馬の性質を得た結果、組み合わせとして伝説上の生物に似る。
ガン・フォールはピエールへ乗って空を移動する。 鳥の飛行能力と馬の体格を合わせた人獣型は、騎乗者を運びながら戦う役割に適する。
動物が別の動物系を食べる例では、元の種と実のモデルがどう混ざるかを示す早期の事例である。 人間を基準にした「人型・獣型・人獣型」という呼び方だけでは、ピエールの変形を正確に説明しにくい。
オニ丸
オニ丸は、ワノ国鈴後で霜月牛マルに仕えていた狛狐である。 ヒトヒトの実 幻獣種 モデル“大入道”を食べ、僧兵のような巨漢「牛鬼丸」へ変身する。
牛マルの死後、河松と共に墓荒らしから刀を守り、鬼ヶ島の決戦へ備えて武器を集める。 河松がいなくなった後も、橋の上で通行人から武器を奪い、単独で守り続けた。
チョッパーの通常のヒトヒトの実に対し、オニ丸の能力は伝承上の大入道をモデルとする幻獣種である。 人型になるだけでなく、巨大な僧兵の姿、武器を扱う手、言葉を用いて他者と交渉する能力を見せる。
ただし「牛鬼丸」という別人が常に存在したわけではない。 オニ丸が能力で姿と役割を変えたもので、河松との再会を経て本来の姿へ戻る。
ストロンガー
ストロンガーは、黒ひげ海賊団船医ドクQが乗る馬である。 常に病弱そうな外見で、乗っているドクQと一緒に倒れ込むことも多い。
後に、ウマウマの実 幻獣種 モデル“ペガサス”の能力者だと明かされる。 馬が馬系統の幻獣種を食べたため、翼を生やして飛行できる。
ピエールとの違いが重要である。 ピエールは鳥が通常のウマウマの実を食べた結果、翼を持つ馬のようになる。 ストロンガーは元から馬で、実のモデル自体がペガサスである。
外見上の到達点が似ていても、元の種と実の分類は反対である。 能力一覧では「翼のある馬」という見た目だけで同じ実にまとめてはいけない。
ビブロ
ビブロは、エルバフのフクロウの図書館に暮らす巨大なフクロウである。 超人系のイクイクの実を食べ、無機物を大きく成長させる能力を持つ。
図書館へ持ち込まれた本は、ビブロの能力によって巨人族が読みやすい大きさになる。 オハラから運ばれた書物を、巨人の生活尺度へ合わせて保存・閲覧できる仕組みの一部である。
動物能力者と聞くと動物系を想像しやすいが、ビブロは超人系を食べた正史の例である。 本人が別の生物へ変身するのではなく、周囲の物体へ作用する。
能力対象は「生物を育てる」と一般化せず、作中で示された無機物の拡大を基準にする。 本を巨大化できることと、内容を書き換えたり知識を与えたりすることは別である。
バズ
バズは、映画『ONE PIECE 3D 麦わらチェイス』に登場するシュナイダーのブルドッグである。 トリトリの実 モデル“鷲”を食べ、鷲と犬鷲の中間のような姿へ変わる。
翼、鷲の感覚、飛行能力を得て、ルフィの麦わら帽子を奪い、海軍艦隊や海王類のいる海域を越えて逃げる。 老犬でありながら、主人との約束を果たすために危険な任務を続ける。
映画固有の人物と能力で、原作漫画の正史へ登場した例ではない。 尾田栄一郎によるデザイン要素があっても、原作世界の既知の能力者一覧とは媒体を分ける。
ノコ
ノコは、ゲーム『ONE PIECE オーシャンズドリーム!』に登場するタツノオトシゴで、ネムネムの実を食べた超人系能力者である。 相手を夢の世界へ引き込み、記憶を奪い、蓄えた記憶で自分を強化する。
物語はTVアニメの「オーシャンズドリーム編」へ翻案され、ノコに似たタツが登場する。 しかしアニメ版では能力の由来が悪魔の実だと確定せず、海中を泳げる。
ゲーム版のネムネムの実を、アニメ版のタツへそのまま適用すると、能力者が海で泳げないという基本規則と衝突する。 同じ筋を持つ翻案でも、能力の設定は媒体別に記録しなければならない。
なぜ動物系が多いのか
動物が悪魔の実を食べる場合も、実の三分類は人間と同じである。 一覧では動物系が多いが、動物だから動物系しか食べられない規則はない。 ビブロとゲーム版ノコは超人系の例になる。
動物系は、元の種と実のモデルを組み合わせた中間形態を作れるため、視覚的な差が分かりやすい。 鳥と馬、狐と大入道、犬と鷲のように、二種類の特徴が同時に現れる。
一方、超人系は外見が大きく変わらない場合があり、能力の作用対象を見なければ判別できない。 一覧を姿だけで作ると、ビブロのような例を漏らす。
無生物の動物系能力者は別枠
悪魔の実の技術には、銃ラッスー、剣ファンクフリード、ゲル状有毒ガスのスマイリーなど、もともと一般的な生物ではなかった対象へ動物系を与えた例がある。
これらは能力を得たことで生命的な行動や動物形態を持つが、「動物が実を食べた」例ではない。 どのように無生物へ食べさせるかは、Dr.ベガパンクが発見した技術と関係する。
本記事の一覧から除外するのは重要度が低いからではなく、能力を得る前の状態と仕組みが異なるからである。 無生物の動物系能力者は、物に悪魔の実を食べさせる技術の記事で整理する。
ミンク族・魚人族・SMILE能力者を含めない理由
ミンク族は生まれつき動物の特徴を持つ人型種族で、悪魔の実を食べた動物という区分ではない。 魚人族や人魚族も同様に、世界の知的種族として扱われる。
百獣海賊団のギフターズは、人間がSMILEによって動物の部位や別の動物個体を身体へ持つ。 もともと動物だった者が実で能力者になったわけではない。
また、人間の動物系能力者が獣型になった場面だけを見て、動物能力者へ数えることもできない。 「現在の見た目」ではなく、「実を食べる前の種」と「実の種類」を二軸で確認する。
海という弱点
元が海や空を移動できる動物でも、悪魔の実を食べれば海に嫌われ、泳ぐ力を失う。 鳥が飛べること、馬が陸を走れることは残っても、海中で自由に動く能力は基本規則の対象になる。
ゲーム版ノコとアニメ版タツを分ける必要があるのは、この規則が明確だからである。 アニメ版で泳ぐ個体へ、根拠なく悪魔の実能力者という説明を加えることはできない。
チョッパーのように言葉を話せる動物でも、海へ落ちれば仲間の救助が必要になる。 知性や元の生態は、共通弱点を免除しない。
まとめ
原作正史で確認できる動物の悪魔の実能力者は、チョッパー、ピエール、オニ丸、ストロンガー、ビブロが中心である。 動物系だけでなく、ビブロのイクイクの実のような超人系もある。
映画ではバズ、ゲームではノコが加わるが、非正史であること、アニメ翻案では能力設定が変わることを明記する必要がある。 銃や剣が動物系を得た例、ミンク族、SMILE能力者は別の仕組みであり、本一覧には含めない。
元の種、悪魔の実、変身後の姿、媒体の四点を分けると、ピエールとストロンガーのように似た外見を持つ能力者も正確に比較できる。


