バウンティ丸は、元賞金稼ぎのヨサクとジョニーが、ココヤシ村近海で漁師となってから使用する漁船である。 原作第624話の扉絵連載「世界の甲板から」Vol.10で初めて姿を見せた。
巨大海賊船や戦艦ではなく、二人の生活を支える小型の仕事船である。 船体、帆、旗、積み荷のすべてが、海賊を追う旅から地域に根ざした漁業へ移った二人の現在を伝える。
基本情報
船名は「バウンティ丸」。 英語表記ではBounty Maruとされる。
使用者はヨサクとジョニーで、所属海域は東の海のコノミ諸島、ココヤシ村近海である。 初登場は本編の航海場面ではなく、二年後の世界各地を描く扉絵である。
作中で武装船として戦闘する場面は確認されていない。 用途は漁、獲物と道具の運搬、村の近海での移動と考えるのが自然である。
船体の外見
バウンティ丸は、木造の小型漁船に一本の帆柱を備える。 船体の左右には救命用の浮輪が付き、側面には錨が見える。
甲板には樽や漁の道具を積める空間があり、二人が持ち上げる巨大な魚も運んでいる。 船の大きさに対して積み荷は重いが、沈み込まず航行している。
船首に巨大な動物像を持つ海賊船とは異なり、装飾は控えめである。 目を引くのは船体よりも、帆と二枚の旗に記された文字である。
帆にある「海」の文字
帆には大きく「海」と書かれている。 これはジョニーの左頬にある「海」の印と共通する意匠である。
海賊旗のように敵を威圧する図柄ではなく、漁師として海で働く二人の職業と、ジョニーの外見的特徴を結びつける。 遠くからでも船の持ち主を認識しやすい、簡潔な印になっている。
「海」の一字が正式な船章として登録されたと説明されたわけではない。 扉絵に描かれた意匠として確認できる範囲を越えて、所属組織の紋章と断定しない。
二枚の旗
帆柱の上部には二枚の旗が掲げられている。 上の旗には「ココヤシ村 港の兄弟」、下の旗には「第二 バウンティ丸 ヨサク&ジョニー」と読める文字がある。
上の旗は、二人がココヤシ村の港で活動する仲間として受け入れられたことを示す。 血縁上の兄弟という説明ではなく、港で働く二人組を表す呼称と読むのが妥当である。
下の旗にある「第二」が船名の一部か、船団・漁船の番号かは明言されていない。 同様に「ヨサク&ジョニー」は所有者表示と考えられるが、すべてをつなげた長い名称が正式船名だと断定はできない。
本項では、作中で確認できる中心名を「バウンティ丸」とする。
「丸」の意味
日本では船名の末尾へ「丸」を付ける伝統があり、漁船、商船などで広く見られる。 バウンティ丸も、海賊船らしい英語名だけでなく、日本の生活船を思わせる語尾を持つ。
「Bounty」は賞金や報奨を意味し、二人の以前の職業である賞金稼ぎとも重なる。 しかし、名前の由来が作中で詳しく解説されたわけではない。
過去の仕事を示すBountyと、現在の漁船らしい丸が一つになり、ヨサクとジョニーの経歴を短い名前へ収めている。
ヨサクとジョニー
ヨサクとジョニーは、ロロノア・ゾロが海賊狩りをしていた時代からの知人である。 二人はゾロを「兄貴」と呼び、東の海で賞金稼ぎとして活動していた。
ゴーイングメリー号と出会った後は、バラティエとアーロンパークへ続く航海に関わる。 戦闘力では大海賊に及ばないが、東の海の情報を一味へ伝え、傷ついたゾロへ刀を貸し、ココヤシ村の住民が無謀に突入するのを止めた。
二人がバウンティ丸を使う時点では、賞金首を追う仕事を離れ、漁師になっている。
ココヤシ村とのつながり
ココヤシ村は、アーロン一味の支配から解放された後、住民が生活と産業を立て直した場所である。 ヨサクとジョニーは事件の当事者として村に残り、近海で漁をするようになる。
公式人物情報でも、二人は漁が成功して漁師になったと説明される。 バウンティ丸は一時的に借りた乗り物ではなく、その新しい生活を示す仕事場である。
アーロンパーク編では、海は魚人海賊団が村を支配する経路だった。 二年後の扉絵では、同じ海が住民の食料と仕事を支える場所へ戻っている。 小さな漁船の存在が、村の平和を具体的に見せる。
賞金稼ぎから漁師へ
賞金稼ぎ時代の二人は、剣を持ち、海賊の情報を追い、危険な相手からは逃げることもあった。 収入は討ち取った賞金首と運に左右される。
漁師となった後は、海の状況を読み、獲物を捕り、港へ持ち帰る日常へ変わる。 危険な海で働く点は同じでも、他人を倒して報奨金を得る仕事ではない。
バウンティ丸に大きな魚、樽、漁具が積まれていることは、この変化を台詞なしで示す。 二人の逞しい体つきも、海上労働を続けてきた時間を感じさせる。
航行能力
バウンティ丸の速度、最大航続距離、建造者は明らかになっていない。 偉大なる航路の長距離航海用設備を持つとも説明されない。
帆走でき、二人と大量の漁獲物、樽、道具を載せても航行可能な耐久性と積載力は確認できる。 救命用の浮輪と錨があり、港と漁場を往復する実用性を優先した構成である。
大砲らしき物が積まれて見える場合もあるが、海賊船との砲戦に使った実績はない。 危険生物への備え、漁具、過去の賞金稼ぎ装備のどれに当たるかは、描写以上に断定しない。
海賊船との違い
海賊船は、海賊旗、船首像、居住区、武装などで一味の勢力と航海目的を示す。 バウンティ丸は、旗を持っていても海賊団の旗ではなく、ココヤシ村の港と二人の名を掲げる。
目的も島から島へ財宝を追うことではなく、近海の漁と帰港である。 船に名前を付け、仲間の印を掲げる海の文化は共通していても、社会的な役割は異なる。
この差を無視して、バウンティ丸を「ヨサク&ジョニー海賊団の海賊船」と分類しない。
二人が以前に使った船との区別
ヨサクとジョニーは賞金稼ぎ時代にも小型船で海を移動しており、麦わらの一味との出会いでは海上の岩場や別の舟が描かれる。 それらを、後年に初めて名が示されたバウンティ丸と自動的に同一視することはできない。
バウンティ丸の確実な初出は第624話の扉絵である。 同じ二人が所有する小型船、似た木造船という条件だけでは、修理、買い替え、別船の可能性を消せない。
船の記事では人物の初登場と船の初登場を分ける必要がある。 ヨサクとジョニーが第42話から登場していても、バウンティ丸がその時点から存在した証拠にはならない。
「第二」という表記
下側の旗にある「第二」は、バウンティ丸が二代目の船である、港の第二号船である、漁の班番号であるなど複数の読み方ができる。 しかし、扉絵以外に番号制度を説明する台詞や一覧はない。
このため「初代バウンティ丸が存在した」「同型船が第一から並ぶ」といった情報は確定事項にしない。 見える文字はそのまま記録し、意味が未説明であることも同時に残す。
漁獲物と二人の仕事
扉絵で二人が掲げる魚は、二人の身体より大きい。 バウンティ丸はその獲物を海上で扱い、港まで運べるだけの甲板面積と浮力を持つ。
漁獲量は、ココヤシ村近海の資源と二人の腕前を示す。 公式人物紹介が「漁が成功し漁師になった」と述べるため、偶然一匹を捕まえた記念写真ではなく、職業として定着した姿と読める。
魚を村へ供給すれば、二人の仕事は自分たちの生活費だけでなく、アーロン支配後の地域経済にもつながる。
武装の見え方
船上には円筒形の物や道具があり、大砲と解釈されることがある。 元賞金稼ぎの二人が海上の危険へ備えること自体は不自然ではない。
ただし、バウンティ丸が砲撃した場面、砲門の数、弾薬、射程は示されない。 「大砲を搭載する重武装船」と評価するには情報が足りない。
作中世界の漁場には大型魚や海獣もいるため、武器らしい装備があっても、対海賊、対生物、合図のどれが主目的かは決められない。
扉絵連載「世界の甲板から」
「世界の甲板から」は、麦わらの一味が再集結した知らせを、過去に出会った人々が各地で受け取る様子を描く扉絵連載である。
第624話の扉絵では、ココヤシ村近海で大きな魚を捕ったヨサクとジョニー、そしてバウンティ丸が描かれる。 二人が本編から消えたままではなく、二年間に仕事と居場所を得たことが一枚で分かる。
扉絵は本編の章間に置かれるが、単なる読者投稿イラストとは異なり、登場人物の現在を伝える原作漫画の情報である。
船名が伝える過去と現在
「バウンティ」という語は賞金稼ぎだった過去を残し、「丸」は漁船としての現在を感じさせる。 旗にはココヤシ村、港の兄弟、ヨサクとジョニーの名が並ぶ。
どれか一つだけなら小型船の装飾に見えるが、合わせて読むと、二人が過去を捨てて別人になったのではなく、経験を持ったまま地域へ根を下ろしたことが分かる。
海賊王を目指す大航海とは別に、同じ海で暮らしを立て直す人々がいる。 バウンティ丸は、その日常側の海を代表する船である。
まとめ
バウンティ丸は、ヨサクとジョニーがココヤシ村近海で使う小型漁船である。 原作第624話の扉絵で初登場し、帆の「海」、二枚の旗、浮輪、錨、大きな漁獲物が特徴となる。
戦闘用の海賊船ではなく、二人が賞金稼ぎから漁師へ転身したことを示す生活の船である。 名称と旗は、過去の仕事、現在の所有者、ココヤシ村との結びつきを同時に伝える。
登場は一枚の扉絵でも、アーロンの支配を終えた海で人々の仕事が戻ったこと、旧友たちも二年間を生きたことを具体的に示す重要な船である。


