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ONE PIECE百科事典ANNA MOVIES

人物

シャーロット・カタクリ

シャーロット・カタクリは、『ONE PIECE』に登場するビッグ・マム海賊団の「スイート3将星」の一人であり、万国(トットランド)の小麦大臣である。特殊なパラミシア「モチモチの実」の能力者で、全身を粘着質の餅に変え、数秒先の未来を見通す見聞色の覇気で敵の動きを先回りして潰す。

シャーロット・カタクリは、『ONE PIECE』に登場するビッグ・マム海賊団の「スイート3将星」の一人であり、万国(トットランド)の小麦大臣である。特殊なパラミシア「モチモチの実」の能力者で、全身を粘着質の餅に変え、数秒先の未来を見通す見聞色の覇気で敵の動きを先回りして潰す。懸賞金は10億5700万ベリー。ホールケーキアイランド編ではモンキー・D・ルフィと鏡世界で激突し、「完璧な兄」の仮面の下に隠してきた素顔を明かした。

初登場は原作第860話、TVアニメ第825話。ビッグ・マムことシャーロット・リンリンの次男で、ダイフク・オーブンと三つ子の長兄にあたる(SBS第87巻)。茶会当日、警備をすり抜けようとした男が母への復讐を企てていると未来視で見抜き、遠距離からゼリービーンズを弾いて一撃で仕留めた。災いは起きてから対処するのではなく、未然に摘み取る。この行動原理が、彼を海賊団の守護神にしている。

カタクリという人物の核は、家族を守るためなら仮面を被り続ける覚悟と、仮面の下で抑えてきた人間味の落差である。作中で最も「強くて完璧」に近い位置にいる敵でありながら、その強さの出所が幼少期の傷にあると知ったとき、読者は彼の敗北を惜しむことになる。

基本情報

  • 名前:シャーロット・カタクリ
  • 年齢:48歳
  • 誕生日:11月25日
  • 身長:509cm
  • 血液型:XF
  • 出身:偉大なる航路(船上)
  • 所属:ビッグ・マム海賊団スイート3将官。万国小麦大臣(小麦島在住)
  • 懸賞金:10億5700万ベリー
  • 悪魔の実:モチモチの実(特殊なパラミシア)
  • 武器:三叉槍「土竜(モグラ)」
  • 声優:杉田智和(アニメ)

509cmの巨体に短いクリムゾンの髪、口の両側に走る深い傷。普段はマフラーで口元を覆い隠している。三つ子の弟たちより背が高く、兄弟の中でもひと際巨体である。歯はフウセンウナギのような鋭い並びで、頬を大きく開いて食べ物を呑み込める。部下たちに見せるのは整った横顔だけである。

未来視で災いを摘み取る男

カタクリの見聞色の覇気は、数秒先の未来が「見える」段階にまで達している。茶会の前日から警護に当たったカタクリは、城の屋上から式場全体を見張っていた。ボディチェックをすり抜けようとした男ジャイグラの復讐心を読み切り、ベージとの会話の最中に狙撃して事態を終わらせた。動機を問われたカタクリは、理由を語ると同時にルークの位にあるベージへ格の違いを淡々と突きつけた。

未来視は戦闘以外でも使われる。捕らえられたヴィンスモーク家をいたぶる長兄ペロスペロに「早く撃て」と急かした場面でも、無益な時間を排す彼の性格が表れている。未来が見えるからこそ、不確定要素の残る現状を嫌い、すべてを計画通りに収めようとする。この几帳面さが、後の決戦で最大の「油断」を生むことになる。カタクリの戦いは、常に事前処理である。

茶会の警護と、失敗した殺し

カタクリ自身もまた、未来視を武器にした殺しの実行役だった。プリンとサンジの結婚式は、母が企てたヴィンスモーク家の殺害計画の舞台である。式の途中でプリンの任務が破綻すると、カタクリは自らサンジの殺害に動いた。サンジは最後の瞬間に身をかわした。殺しは失敗で、返す刃の睨みを受けたカタクリは、直後の乱痴気騒ぎに備える余裕もなかった。

ブリュレの能力で作られた大量のルフィの複製が会場を撹乱し、ベージの暗殺計画が発動して母の命が懸かる。カタクリは母の前に躍り出て身を守った。続く追撃戦では包囲の先頭に立つ。ペドロの自爆でペロスペロが巻き込まれると、長兄の安否に動揺を見せた。ブリュレの鏡の能力を使ってサニー号へ潜入し、逃走を試みるルフィを鏡世界へ引き込んで、決戦の舞台を用意した。

口元の傷と、隠された幼少期

カタクリは3歳の頃、早食いの癖で口が大きく裂け、両頬に深い傷を負った。容貌を理由に恐れられ、孤立して育った。5歳(43年前)でモチモチの実を食べ、10歳のとき、いじめっ子たちの報復で妹ブリュレの顔を切られた。激怒して報復した。それでも足りない。カタクリは、自分の甘さが妹を傷つけたと結論づけた。以降、恐れられる冷酷な男として振る舞うことを決め、口元をスカーフで隠した。長兄ペロスペロの「口を隠せば友達ができる」という助言が、その決断を後押しした。

完璧な兄の姿は、部下の目にも限定して見せている。重圧を癒す時間は「メリエンダ」と呼ばれる間食である。ドーナツと紅茶に囲まれ、一人きりで過ごす。好物のドーナツは、2歳で初めて口にした時から変わらない。素顔と引き換えに維持してきた時間であり、決戦中にこの場面をルフィに目撃したことが、二人の関係を変える転機になった。

モチモチの実と三種の覇気

モチモチの実は、体を餅に変え、自在に生成・操作できる特殊なパラミシアである。粘着質の餅は強靭な敵も絡め取る。触手を無数に伸ばし、連打を浴びせた。覇気で硬化させた餅の蹴りは、ルフィの武装色の拳を上回る威力を持つ。液に触れると粘着力を失うのが弱点で、ルフィはこれを突いて脱出の糸口を探った。覚醒の段階まで到達しており、鏡世界の床や壁を餅に変えて戦場ごと支配した。

三叉槍「土竜」は餅の体内にしまっていつでも抜き放ち、突きと餅の操作を組み合わせた攻撃で相手を追い詰める。遠距離ではゼリービーンズを指で弾く。弾丸代わりの一粒で人を仕留める狙撃の腕前である。覇気は三種すべてを使いこなし、武装色はルフィより上と自任し、覇王色も備えている。見聞色の未来視と相まって、単純な能力の強さ以前に「当てられない・逃げられない」戦闘を強いる敵である。

鏡世界の決戦

茶会が崩壊した後、カタクリはサニー号に潜伏していたルフィを鏡世界へ引き込み、逃げ道を断って決戦を挑んだ。終始、ルフィの動きを先回りして潰した。未来視が見る敗北の形に、迷いはない。武器の土竜を抜き、餅の海の中で追い詰めていく。しかし長い戦いの途中、メリエンダの場面を覗かれたカタクリは、素顔を見たルフィを口封じも含めて殺しにかかる。

決着を歪めたのは妹フランペの介入だった。兄を助けようとルフィの足を引っ掛けたフランペに対し、カタクリは「男の決闘に余計な手出しをするな」と怒り、自らの腹を刺してルフィの傷と揃えた。さらに駆けつけたフランペと部下は、二人の覇王色の衝突で気絶させられた。この場面から、カタクリは未来視の優位を捨てて真正面からの打ち合いを選ぶようになり、ルフィの見聞色も「未来」を読み合えるまで成長する。最後はスネークマンの連撃に敗れた。何時間もの攻防の果てに、二人とも立っていられなくなっていた。

倒れたカタクリは、起き上がるルフィに問うた。「お前はビッグ・マムを倒しに来るのか」。ルフィの「当たり前だ」という答えを聞き、カタクリはマフラーを外して傷だらけの口を晒し、笑った。敗北と開き直りではない、一人の男との決闘の終わり方である。

完璧な兄の実像

優等生の仮面の裏で、家族思いは本物である。それは演技ではなかった。ビッグ・マムの絶叫で倒れた妹たちには、餅で耳栓を作って渡した。塔が崩落した際にはガレットを抱き留め、落下から救い出した。ペロスペロがペドロの自爆に巻き込まれた報せには動揺を見せた。部下に対しても、ルフィに潰される未来を見た見習い兵たちを鏡世界へ退避させている。

その一方で、自分の弱点を部下に見せることは最後までなかった。敗北後もペロスペロに状況を正確に伝え、嘘で誤魔化すことはしなかった。強さで恐れられることを選んだ少年の延長線上に、スイート3将官の完璧さがある。それは演出された強さであり、決戦でルフィにだけは「本当の顔」を見せられた。仮面を外した相手は、今のところ一人だけである。

アニメでの描かれ方

TVアニメでは杉田智和が声を担当している。低く抑えた静かな声色が、未来視で揺るがない男の不気味さと、素顔を見せた場面での人間味を両立させた。声の演じ分けは、仮面と素顔の落差そのものだ。原作とアニメの差異では、斬切餅(ざんぎりもち)の武装色の輝きの色合いが異なるほか、鏡世界の決戦は攻防の展開が細かく膨らんで描かれた。劇場版『ONE PIECE FILM RED』ではブリュレとオーブンを救出するためエレジアへ赴き、赤髪海賊団や海軍と共闘してトットムジカと戦った。原作のワノ国編後を描く表紙連載では、ヴィンスモーク家の脱獄を阻もうとしてガスの幻覚に晒される場面がある。

関連項目