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ONE PIECE百科事典ANNA MOVIES

扉絵連載

〝ギャング〟ベッジのオーマイファミリー

「〝ギャング〟ベッジのオーマイファミリー」は、『ONE PIECE』の短期集中表紙連載第24弾である。原作第948話から第994話までのうち37回の扉絵に掲載され、コミックス第94巻から第98巻に収録された。

「〝ギャング〟ベッジのオーマイファミリー」は、『ONE PIECE』の短期集中表紙連載第24弾である。原作第948話から第994話までのうち37回の扉絵に掲載され、コミックス第94巻から第98巻に収録された。ホールケーキアイランド編の後、トットランドを脱出したカポネ・ベッジとファイアタンク海賊団が、妻シフォンの双子の姉妹ローラを探す航海を描く。

本編では別々の場所へ分かれた人物のその後を、一枚ずつ連ねて進める扉絵連載である。出発時の目的はシフォンとローラの再会だが、途中でドレスローザの復興、海軍の新人物、パウンドの生存、ローラとゴッティの結婚までが結び付き、題名どおり「家族」が増えていく物語になる。

掲載情報

  • 連載名:〝ギャング〟ベッジのオーマイファミリー
  • 区分:短期集中表紙連載第24弾
  • 掲載:原作第948話〜第994話の扉絵
  • 構成:全37回
  • 収録巻:コミックス第94巻〜第98巻
  • 掲載時期:2019年〜2020年
  • 前の扉絵連載:押し掛け麦わら大船団物語
  • 次の扉絵連載:ジェルマ66のあゝ無感情海遊記

第948話から第994話まで毎号連続で37枚あるわけではない。巻頭カラーや読者リクエスト扉絵が入った号を挟むため、実際の掲載話は948、950、952〜956、958〜966、968〜971、973〜975、977〜980、982〜984、986、988〜991、993、994話である。

扉絵連載は原作漫画の一部であり、本編と無関係なファン向けの絵ではない。本作で描かれたローラとシフォンの再会、パウンドの生存、プリンス・グルスの登場は、後の人物関係を確認する上で正史情報として扱われる。

トットランドからの脱出

物語はファイアタンク海賊団がトットランドを脱出した後から始まる。ベッジたちはホールケーキアイランドでビッグ・マム暗殺を試み、麦わらの一味と一時的に共闘した。作戦は計画どおりには終わらず、旗艦ノストラ・カステロ号も失われたため、彼らは奪ったタルト船で航海している。

シャーロット・シフォンは、生き別れた双子の姉妹シャーロット・ローラへ会いたいと望む。ベッジは妻の願いを自分の願いとして受け入れ、ローラが最後に確認されたスリラーバークを目指す。敵から新しい船を奪う決断も、これまでのギャングらしい方法で家族の目的を実現するためのものになる。

ベッジは冷酷な海賊として登場したが、シフォンと息子ペッツには一貫して強い愛情を示す。本連載では暗殺者や「最悪の世代」としての野心より、夫と父としての判断が航路を決める。危険なレッドライン越えを試みる理由も財宝や勢力拡大ではなく、妻の姉妹を探すためである。

レヴェリーによる航路変更

一行はスリラーバークのある前半の海へ向かうが、レヴェリー開催に伴う警備のためレッドラインを越えられない。世界の王族がマリージョアへ集まる本編の大事件が、扉絵側では一家の私的な旅を阻む障害として現れる。

そこでベッジたちは補給のためドレスローザへ進路を変える。偶然に見える変更だが、ローラは少し前までドレスローザにいた。目的地へ直進できなかったことが、かえって再会への近道になる。

この航路変更は、世界全体で事件が同時進行していることも示す。扉絵の人物だけが本編から切り離された時間を生きるのではなく、レヴェリーの警備、ドレスローザの復興、海軍の活動と同じ世界にいる。

傷跡の残るドレスローザ

ドレスローザへ上陸した一行は、ドフラミンゴの鳥カゴと戦いが残した大地の傷を目にする。王政が戻っても町が即座に元どおりになったわけではなく、住民は再建の途中にいる。扉絵は本編の勝利後に残る生活の時間を短い背景で伝える。

港で出会った音楽家はシフォンをローラと見間違え、夫を見つけたことを祝う。双子の外見が似ているために生じた誤認から、ローラが数日前まで島にいたと分かる。ベッジたちは変装し、町で捜索を始める。

しかし国王リク・ドルド3世がレヴェリーで不在の隙を狙い、バイキン海賊団が町を襲っていた。キュイーンが「キスキス菌」を広げ、住民は無差別に人へ接吻する混乱へ陥る。ベッジとヴィトは目立って海軍へ見つかることを避けたいが、捜索を続けるため結果的に海賊団を退ける。

シフォン逮捕とゴッティの救出

捜索中、散髪へ出た女性が海軍に捕らえられる。ファイアタンク海賊団はその人物をシフォンだと思い、ゴッティが救助へ走る。彼の前に立つ海兵は、後に本編でSWORD隊員として登場するプリンス・グルスである。

グルスはゴッティを一度退ける。ベッジとヴィトもキスキス菌に巻き込まれて動けず、救出をゴッティへ任せるしかない。普段は船長の指示で動く部下が、船長の妻を守るため一人で立ち上がる場面である。

ゴッティは武器化した腕で爆発を起こして海兵を攪乱し、檻から女性を連れ出す。救われた女性は彼へ感謝の口づけをするが、ゴッティを知らない者として話す。その直後、本物のシフォンがベッジたちと現れ、救出されたのが探していたローラだったと判明する。

扉絵一枚ごとの誤認を重ね、読者にも「捕らわれたのはシフォン」と思わせてから、双子を同じ画面へ置く。ローラとシフォンは長い別離を経て抱き合い、最初の航海目的は達成される。

ローラとゴッティ

ローラは自分を助けたゴッティへすぐ好意を示し、結婚を申し込む。スリラーバーク編で何度も求婚しては断られてきた性格は変わらないが、今回は彼女自身が危機から救われ、相手の行動を知った上での申し出である。

ゴッティは強面の戦闘員だが、ローラの感謝と率直さへ動揺する。二人の関係は長い恋愛過程を描くものではない。37枚しかない扉絵連載の速度を利用し、救出、求婚、逃走、家族再会、結婚を一気に進める。

ローラが率いるローリング海賊団も合流し、ファイアタンク海賊団との関係ができる。ベッジにとってローラは妻の姉妹であり、ゴッティとの婚姻によって部下の妻にもなる。血縁、船員、婚姻が重なり、題名の「ファミリー」がギャング組織と家庭の双方を意味するようになる。

パウンドの生存

一方、レヴェリーから戻るトンタッタ海賊団は、グリーンビット付近で漂流するタルト船を発見する。そこには、カカオ島で娘たちの脱出を助けたパウンドが生きていた。

ホールケーキアイランド編では、パウンドがオーブンに斬られたように見える場面で別れたため、生死は明示されないままだった。扉絵連載は彼が生還したことを示し、シフォンとローラの再会へさらに父親を加える。

パウンドは港で二人へ自分が父だと訴えるが、娘たちは顔を知らないため信じない。ビッグ・マムは双子が幼い頃に彼を家族から追い出しており、父と娘が互いを知る機会は奪われていた。パウンドは海軍の砲撃下でも船を追い、リナリンに蹴り出された際の写真を証拠として見せる。

娘たちは母から聞いた「何度蹴られてもしつこく食い下がる父」という特徴と、目の前の行動を重ねて彼を受け入れる。26年を経て、パウンドは初めて二人の娘を同時に抱き締める。ホールケーキアイランド編で届かなかった自己紹介が、別の海と扉絵連載で完了する。

最終回:祝砲の中の結婚式

終盤ではゴッティがローラの求婚を受け入れ、両海賊団と家族が船上で結婚を祝う。海軍は逃走する船へ砲撃を続けるが、ベッジはそれさえ祝砲として受け取る。追跡と危険が消えたわけではないのに、画面の意味を家族側が変えてしまう結末である。

連載開始時、ファイアタンク海賊団は故郷も旗艦も失い、奪った船で逃げていた。最終回でも追われる海賊であることは変わらない。しかしシフォンは姉妹と父を取り戻し、ローラは夫を得て、ゴッティには新しい家庭ができる。船は物理的には同じ逃走を続けながら、乗っている家族は大きく増えている。

本編への接続

本連載で先に姿を見せたプリンス・グルスは、後に原作本編で海軍本部機密特殊部隊SWORDの隊員として本格登場する。扉絵時点では名前や所属の全容が示されないが、ドレスローザでベッジ一味を追った海兵が後の人物へつながる。

また、ローラが結婚した事実は、彼女へ求婚した過去を持つエルバフの王子ロキとの関係を考える上でも重要である。ただし、本連載の時点でロキが結婚を知ったこと、婚約問題が解消されたことまでは描かれていない。後の物語へ影響し得る事実と、まだ示されていない反応を分ける必要がある。

「〝ギャング〟ベッジのオーマイファミリー」は、ホールケーキアイランド編で分断されたシャーロット家の一部を、ビッグ・マムの支配外で結び直す後日譚である。家族を所有し追放する母の構造に対し、ここでは互いを探し、救い、信じる行動によって家族が作られる。

関連項目

  • カポネ・ベッジ
  • シャーロット・シフォン
  • シャーロット・ローラ
  • ゴッティ
  • パウンド
  • ファイアタンク海賊団
  • ドレスローザ
  • プリンス・グルス