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ONE PIECE百科事典ANNA MOVIES

公式書籍

小説『ONE PIECE ローグタウン編』

『ONE PIECE ローグタウン編』は、尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』を原作に、浜崎達也が執筆した公式ノベライズである。JUMP j BOOKSから2000年7月17日に発売され、原作のローグタウン編を軸に、麦わらの一味それぞれの町での行動と小説独自の物語を加えている。

『ONE PIECE ローグタウン編』は、尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』を原作に、浜崎達也が執筆した公式ノベライズである。JUMP j BOOKSから2000年7月17日に発売され、原作のローグタウン編を軸に、麦わらの一味それぞれの町での行動と小説独自の物語を加えている。

2011年3月1日には、東映アニメーションの絵を用いた集英社みらい文庫版が刊行された。二つの版は同じローグタウンのノベライズを基礎とするが、判型、対象読者、表紙、書誌番号が異なる。通常コミックス第12巻、TVアニメ第48話以降、実写版のローグタウンとは別の媒体として扱う必要がある。

書誌情報

### JUMP j BOOKS版

  • 書名:ONE PIECE ローグタウン編
  • 著者:浜崎達也
  • 原作:尾田栄一郎
  • 発売日:2000年7月17日
  • 判型・ページ数:B6判変型、244ページ
  • ISBN:4-08-703096-2(ISBN-13:978-4-08-703096-9)
  • 出版社:集英社

集英社は本書を『ONE PIECE』ノベライズ第2弾として案内している。第1弾は「倒せ!海賊ギャンザック」の小説版であり、本書の次には劇場版などを題材にしたノベライズが続く。

### 集英社みらい文庫版

  • 書名:ONE PIECE ローグタウン編 みらい文庫版
  • 原作:尾田栄一郎
  • 著者:浜崎達也
  • 絵:東映アニメーション
  • 発売日:2011年3月1日
  • ISBN:978-4-08-321002-0
  • 出版社:集英社

みらい文庫版は小学中級以上を主な対象とし、TVアニメのビジュアルを入口に物語を読みやすくした再刊である。2000年版と2011年版を別作品として二重に数えるのではなく、同一ノベライズの版違いとして整理する。

原作ローグタウン編との関係

原作漫画では、麦わらの一味偉大なる航路へ入る直前、海賊王ゴール・D・ロジャーが生まれ処刑されたローグタウンへ立ち寄る。ルフィは処刑台へ向かい、ゾロは新しい刀を探し、ナミやウソップ、サンジも出航準備のため町へ分かれる。

本書はこの骨格を保ちながら、各人物の行動を一幕ずつ広げる。原作では短く通過する買い物や出会いへ、会話、背景、人物の内面を加え、五人が何を求めてグランドラインへ向かうかを再確認する構成である。

集英社の公式紹介が「オリジナルストーリーを加えて」と明記する通り、小説のすべてが原作漫画の場面を文章へ置き換えたものではない。ダディ・マスターソンとの狙撃勝負、サンジの料理対決などは、漫画本編にない独自部分を含む。

六幕と前後章

本書はプロローグとエピローグの間に六つの幕を置く。各幕は一人または一つの主題を中心にし、最後にローグタウン脱出へ収束する。

第一幕「ゴーイング・メリー 〜赤毛の航海士〜」では、ゴーイング・メリー号と航海士ナミに焦点が当たる。東の海で仲間になった経緯と、次の海へ船を進める役割を文章で整理する。

第二幕「KATANA 〜剣士の約束〜」は、ミホーク戦で二本の刀を失ったロロノア・ゾロが武器屋を訪れ、妖刀三代鬼徹と雪走を得る過程を描く。たしぎがくいなと似ていること、刀への価値観、ゾロが自分の運を試す場面が中心になる。

第三幕「ダディ・マスターソン 〜狙撃の誇り〜」は、小説独自要素が最も明瞭な章である。第四幕「すべての海へ 〜コックの夢〜」は、ヴィンスモーク・サンジの料理とオールブルーへの夢を扱う。第五幕「伝説の交差点」、第六幕「BATTLE ROYAL」で、処刑台、バギー、アルビダ、スモーカー、ドラゴンが交差し、出航へ至る。

ナミと航海の準備

小説はローグタウンだけを切り出さず、東の海での冒険を振り返る説明を随所へ置く。ナミの場合、アーロンの支配から解放され、正式に仲間として航海へ加わった直後である。次の海を越えるための買い物や海図の確認は、日常的な作業であると同時に、故郷へ留まらず自分の夢へ進む選択を示す。

文章では、漫画の一枚絵で済む町の空気、船内の距離、天候への注意を具体的に描ける。戦闘員ではない航海士が、出航可能かどうかを決めるという一味内の役割も分かりやすい。

ただし、小説内の入浴場面や会話など、原作漫画にない描写をそのまま原作の出来事一覧へ加えることはできない。本書という媒体で付加された場面として出典を示す必要がある。

ゾロ、たしぎ、二本の刀

ゾロはバラティエでミホークに敗れ、和道一文字を除く二本を失っている。ローグタウンの武器屋で新しい刀を探すことは、装備の補充であると同時に、世界最強の剣士へ再挑戦するための立て直しである。

三代鬼徹が持つ妖刀の性質を聞いたゾロは、刀の呪いと自分の運のどちらが強いかを腕一本で試す。店主いっぽんマツはその覚悟を認め、雪走も託す。この一連は原作でも描かれる中核場面であり、小説では刀を持つ重み、店内の緊張、たしぎの反応を文章で補う。

たしぎは刀を愛し、名刀が悪人へ渡ることを嫌う海兵である。くいなと同じ顔を持つことがゾロを動揺させるが、同一人物ではない。小説の内面描写からも、たしぎをくいなの生存後の姿と断定することはできない。

ウソップとダディ・マスターソン

ウソップは新しいゴーグルをめぐり、賞金稼ぎダディ・マスターソンと出会う。ダディは元海軍の狙撃手で、赤髪海賊団のヤソップに敗れた過去を持つ。ウソップがヤソップの息子だと知り、狙撃手としての誇りを試す。

ウソップは最初から勇敢に勝負を受けるわけではない。逃げたい気持ちと、父の名を口にした以上は退けない気持ちの間で揺れ、遠くの風見鶏を一発で射抜く課題へ挑む。目標そのものに加え、見えにくい細部まで当てることで技量を示し、ダディから認められる。

この出来事は原作漫画のローグタウン編にはない。TVアニメでもダディと娘キャロルの話が映像化されたが、人物の外見や勝負の細部は小説版と異なる。小説を「アニメ第50話の文章版」とだけ説明せず、互いに近い素材を用いた別バージョンとして比較する必要がある。

ダディとの出会いは、ウソップが父の名を自慢に使うだけでなく、自分自身の射撃でその名に応える章である。エルバフへ憧れる「勇敢なる海の戦士」という夢が、グランドライン突入前に小さく試される。

サンジと料理人の夢

サンジの幕では、ローグタウンで料理人カルメンと関わる独自展開が扱われる。航海中のコックは食料を買い、保存と栄養を考える実務者である一方、サンジ自身は世界中の海の食材が集まるオールブルーを探している。

料理の勝負は、敵を蹴り倒す戦闘とは異なる形でサンジの技術を示す。食材をどう見て、誰に食べさせるために作るかが評価の軸になる。バラティエでゼフから受け継いだ職業倫理を、海上レストランから離れた町でも確認する場面である。

カルメンはTVアニメ版にも登場するが、小説と映像の描写を完全に同一の台詞・場面として扱わない。原作人物のサンジに関する確定情報、小説独自の対戦、アニメの演出を分けることで、媒体ごとの差を保てる。

処刑台とスモーカー

後半では、モンキー・D・ルフィがロジャーの処刑台へ立ち、バギーとアルビダに捕らえられる。刀が振り下ろされる直前、ルフィは仲間へ別れを告げ、死を受け入れたように笑う。雷が処刑台へ落ち、ルフィは脱出する。

スモーカーは、その笑顔をロジャーの処刑時と重ねる。モクモクの実の力を持つ彼は、当時のルフィが正面から突破できない初めての自然系能力者である。町の出口で追い詰めるが、謎の男ドラゴンの介入と突風によって一味は船へ到達する。

この結末は、ローグタウンを「始まりと終わりの町」と呼ぶ意味を一味の出航へ重ねる。ロジャーの人生が終わった場所から、ルフィたちのグランドライン航海が始まる。小説は六幕で仲間の夢を一人ずつ確認した後、樽へ足を置いてそれぞれの目標を誓う場面へ戻す。

原作・アニメ・小説の区分

本書は公式出版物だが、追加されたすべての場面が原作漫画の正史として描かれたわけではない。原作の中核出来事、浜崎達也による小説の拡張、TVアニメが採用・変更した場面を三層に分けるのが安全である。

ダディ・マスターソンやカルメンは、小説とアニメでローグタウンに登場する一方、原作漫画の該当話には登場しない。尾田栄一郎によるオリジナル挿絵があることも、漫画本編へ登場済みであることと同じではない。

『ONE PIECE ローグタウン編』の意義は、原作の短い移動章を、麦わらの一味五人の夢と技量を確認する群像的な物語へ広げた点にある。海賊王の処刑台だけでなく、航海、刀、狙撃、料理、仲間の合流を順番に描き、東の海の終わりを一冊の小説として読める形へ整えている。

関連項目

  • ローグタウン編
  • ローグタウン
  • ダディ・マスターソン
  • スモーカー
  • たしぎ
  • 麦わらの一味
  • 東の海編