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ONE PIECE百科事典ANNA MOVIES

デービーバックファイト編

デービーバックファイト編は、空島から青海へ戻った麦わらの一味が、ロングリングロングランドでフォクシー海賊団のゲームへ挑む物語である。原作では第303話から第321話にあたり、ウォーターセブンサガの入口に位置する。

デービーバックファイト編は、空島から青海へ戻った麦わらの一味が、ロングリングロングランドでフォクシー海賊団のゲームへ挑む物語である。 原作では第303話から第321話にあたり、ウォーターセブンサガの入口に位置する。

前半は仲間を賭けた三回戦、後半は海軍大将・青雉との遭遇で構成される。 陽気な競技と圧倒的な国家戦力が連続し、「仲間を失う」という共通の不安を異なる形で描く。

基本情報

公式サイトで用いられる日本語の編名は「デービーバックファイト編」。 英語圏では主な舞台名からLong Ring Long Land Arcと呼ばれることが多い。

原作漫画はコミックス第32巻から第34巻にまたがる。 TVアニメでは第207話から第219話を中心に原作部分が映像化され、競技の追加や順序変更が行われた。

本項のURLは英語圏で定着したslugを維持するが、記事名と本文では公式日本語編名を優先する。

空島からの帰還

麦わらの一味は空島での冒険を終え、ゴーイングメリー号ごと青海へ帰還する。 高空から落下した衝撃と、その後の航海を経て、次の島へ向かう。

空島編では歴史、黄金、神をめぐる大規模な戦いが描かれた。 そこから一転して、ロングリングロングランドでは、伸びた動物、ゆっくりした時間感覚、海賊同士のゲームという軽快な世界へ入る。

しかし、戦いの規模が小さく見えても、敗北の代償は一味の解体に直結する。

ロングリングロングランド

ロングリングロングランドは、植物、動物、地形のあらゆるものが縦や横へ長く伸びた島である。 島は普段、海によって複数の陸地へ分かれている。

年に一度の大きな引き潮によって海底が現れると、住民は隣の陸地へ移動する。 一つの場所に永住するのではなく、潮の周期に合わせて群れで旅を続ける生活がある。

島の「自由な気分」が動物の身体を長くしたと語られるのは、厳密な生物学の説明というより、この土地の伸びやかな性格を表す。

トンジットとシェリー

麦わらの一味は、竹馬から降りられず長年取り残されていた遊牧民トンジットと出会う。 彼の馬シェリーは、主人が戻るのを待っていた。

トンジットが不在の間に一族は引き潮を利用して移動しており、再会してもすぐ追いつけない。 一味が次の移動を助けようとしたところへ、フォクシー海賊団が現れる。

フォクシーはシェリーを撃ち、島の穏やかな空気を一変させる。 競技の提案は友好的な交流ではなく、すでに相手の生活を傷つけた側からの挑発である。

フォクシー海賊団

船長フォクシーは、ノロノロの実の能力者である。 放ったノロマ光子を浴びた物体や人間の動きを一定時間遅くし、その間に攻撃や妨害を重ねる。

フォクシー海賊団は、デービーバックファイトを繰り返して船員を増やしてきた。 競技選手、審判、実況、応援団、会場設備まで抱え、海賊団全体が大会運営組織のように機能する。

ポルチェ、ハンバーグなどの幹部は、それぞれの競技へ特化した能力と道具を持つ。 フォクシー本人だけを倒せば全競技が簡単になるわけではない。

三枚コインの挑戦

フォクシーは三枚のコインを海へ投げ、三回戦のデービーバックファイトを申し込む。 モンキー・D・ルフィは挑発を受け、仲間を賭ける勝負を承諾する。

勝者は各試合の後、相手の船員一人か海賊旗を選べる。 フォクシー側の審判は自分たちの反則を見逃し、競技場にも罠がある。

ルフィの決断は船長の自由であると同時に、全員の帰属を危険へさらす。 この編は、即断するルフィの魅力だけでなく、船長の選択が仲間へ負わせる責任も描く。

第一回戦―ドーナツレース

第一回戦では、ナミウソップニコ・ロビンが樽を組み合わせた艇で島を一周する。 航海術、工作、能力を使い、相手の妨害をかわしながらゴールへ迫る。

フォクシー海賊団は海上と岸から介入し、最後はフォクシーのノロノロビームが結果を覆す。 麦わら側は敗北し、フォクシーはチョッパーを選ぶ。

仲間の役に立ちたいと願うチョッパーが、本人の意思と無関係に相手の帽子をかぶせられる姿は、ゲームの残酷さを示す。

第二回戦―グロッキーリング

第二回戦は、相手チームのボールマンをゴールへ入れる格闘競技である。 麦わら側はロロノア・ゾロサンジが出場する。

本来の三人目だったチョッパーを奪われているため、二人だけで相手の巨体と反則へ対処しなければならない。 ゾロとサンジは衝突を繰り返すが、短時間だけ互いの動きを読み、試合を逆転する。

勝利後、ルフィは他の有能な船員を取る誘惑へ流れず、チョッパーを選ぶ。 勝負の目的が人員増強ではなく、仲間の回復にあると明確になる。

最終戦―コンバット

最終戦はルフィ対フォクシーのコンバットで、セクシーフォクシー号全体が戦場になる。 フォクシーは船内の隠し通路、武器、罠とノロノロの実を組み合わせる。

ルフィはアフロをかぶり、ボクサーのような姿で挑む。 外見は笑いを誘うが、何度倒されても立ち上がり、仲間と旗を守る意志は揺らがない。

ノロノロビームを鏡で反射し、フォクシー自身へ当てたことで形勢が逆転する。 最後はルフィが船の外まで吹き飛ばして勝利する。

海賊旗をめぐる決着

三回戦を制したルフィは、フォクシー海賊団の海賊旗を選ぶ。 旗を奪った後、代わりの図柄を自分で描くが、その出来はフォクシーたちを別の意味で打ちのめす。

海賊旗は単なる布ではなく、船長の名と一味の誇りを表す。 一味の仲間を奪おうとしたフォクシーへ、同じ掟の中で象徴を奪い返す決着になっている。

麦わらの一味が人数を増やさなかったことは、勝てば誰でも仲間にするのではなく、航海で築いた関係を重視する姿勢を示す。

青雉の登場

ゲーム後、一味の前に海軍本部大将・青雉が現れる。 青雉はトンジットたちの移動を助ける一方、ロビンの過去と危険性を一味へ告げる。

ロビンは過去に所属した組織が次々と壊滅した人物であり、青雉は麦わらの一味も同じ道をたどる可能性を示唆する。 フォクシー戦では明るく競技へ参加したロビンが、青雉を見て明確な恐怖を示す。

ルフィは仲間を守るため一対一を申し出るが、ヒエヒエの実の力に圧倒される。 ロビンとルフィは凍結され、一味は国家最高戦力との隔絶した差を知る。

ロビンの過去への予告

青雉の警告は、次のウォーターセブン・エニエスロビーへつながる。 ロビンが一味を離れようとする背景には、幼少期から追われ、仲間となった組織を巻き込みたくない恐れがある。

デービーバックファイトでは、外部の掟によって仲間を奪われる。 続く物語では、仲間自身が残る資格を失ったと思い、離れようとする。

「勝って取り戻す」だけでは解けない問題へ進む前に、仲間とは所有物ではなく、互いに選び続ける関係だという問いが置かれる。

ゴーイングメリー号の状態

この時期のゴーイングメリー号は、空島までの航海で損傷を重ねている。 一味はまだ航行を続けるが、船体の限界は次の島で重大な問題になる。

フォクシーとのコンバットが相手の船で行われるため、メリー号は最終決戦の舞台にならない。 それでも、船を含めた「一味の居場所」を守る意識が、編全体の背後にある。

次のウォーターセブンで船の修理不能が告げられることを踏まえると、明るいゲームの間にも航海の終わりが近づいている。

TVアニメ版の構成

TVアニメ版は、原作の三競技を拡張し、追加のデービーバックファイトを描く。 ローラーレースなど独自種目が加わり、出場者、勝敗、奪われる仲間の順序も変わる。

また、青雉と出会う場所や、その前後に挟まるアニメオリジナルエピソードの影響で、原作と航路の見え方が異なる。

アニメ独自競技も映像版の正式な物語だが、原作漫画でフォクシーと行った三回戦へ混入しない。 媒体別に競技表を分けると理解しやすい。

短編に見えて重要な理由

この編は、空島編やエニエスロビー編に比べて話数が少なく、敵も世界支配を狙う大勢力ではない。 しかし、仲間を賭ける船長の責任、ゾロとサンジの連携、チョッパーの帰属、ロビンの恐怖、青雉との力の差を一続きに置く。

フォクシー戦だけなら勝負に勝って元へ戻れる。 青雉の警告は、一味の中にすでに存在する過去と不安が、ゲームの終了後も残ることを示す。

軽さと重さの切り替えが、ウォーターセブンサガの入口として機能する。

まとめ

デービーバックファイト編は、ロングリングロングランドを舞台に、麦わらの一味とフォクシー海賊団が仲間を賭けて三回戦を行う編である。 ドーナツレースでチョッパーを失い、グロッキーリングで取り戻し、コンバットでルフィがフォクシーを倒す。

その後に青雉が現れ、ロビンの過去と海軍大将の脅威を突きつける。 笑いの多い競技編でありながら、船長の責任、仲間の帰属、ロビンの離脱、メリー号の限界へつながる主題を準備した物語である。