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コミックス

ONE PIECE 第105巻〝ルフィの夢〟

『ONE PIECE』第105巻〝ルフィの夢〟は、2023年3月3日に集英社から発売されたコミックスである。原作第1056話から第1065話までの10話を収録する。

『ONE PIECE』第105巻〝ルフィの夢〟は、2023年3月3日に集英社から発売されたコミックスである。 原作第1056話から第1065話までの10話を収録する。

ワノ国を出航する麦わらの一味、四皇とクロスギルドを中心に動く世界情勢、ルフィが仲間へ語る夢、未来島エッグヘッドへの上陸が一冊に入る。 一つの長編を閉じる巻であると同時に、最終章の複数の物語を同時に始める転換点である。

書誌情報

著者は尾田栄一郎、出版社は集英社。 発売日は2023年3月3日で、ジャンプコミックスとして刊行された。

収録範囲は第1056話から第1065話。 巻題の〝ルフィの夢〟は、収録第1060話の題名と、そこで仲間へ初めて明かされる夢に由来する。

前巻は第104巻〝ワノ国将軍 光月モモの助〟、次巻は第106巻〝天才の夢〟である。

表紙

表紙は、モンキー・D・ルフィを中心に、新たな四皇、クロスギルド、エッグヘッドへ関わる人物を配置する。 ワノ国の和風意匠を主役にした前巻までと異なり、海へ広がる勢力図と次の島の科学的な雰囲気へ視線を移す。

一冊の中で扱う場所がワノ国、カライ・バリ島、女ヶ島、ルルシア王国、エッグヘッド、勝者島周辺へ広がるため、表紙も一つの決戦場だけを表さない。

カバーを外した本体表紙や巻内イラストには、本編と異なる遊びのある絵が用いられる。 書影とカバー内側は別の画像として区別する。

第1056話―ワノ国の次へ

ワノ国での戦いを終え、麦わらの一味は出航の準備へ入る。 ロビンは火ノ傷の男というロードポーネグリフへ関わる手掛かりを耳にする。

一方、世界ではクロスギルドが海兵へ懸賞金をかける制度を始めたことが知らされる。 海賊だけが追われる側だった構図が反転し、海軍も市民や賞金稼ぎから狙われ得る。

ルフィ、ロー、キッドは同じ航路を進まず、くじで別々の方向を選ぶ。 同盟による共闘を終え、それぞれが「ひとつなぎの大秘宝」へ進む競争者へ戻る。

第1057話―ワノ国編の終幕

ヤマトはルフィたちとすぐ海へ出ず、まずワノ国を巡る道を選ぶ。 光月おでんのように生きるという願いを、船へ乗る行為だけで再現しない決断である。

ルフィはモモの助へ麦わらの旗を渡し、危険が迫った時に掲げるよう伝える。 正式な乗船者ではなくても、モモの助、錦えもん、ヤマトを仲間として認める。

ワノ国では、鬼ヶ島の戦いが講談として語られ始める。 読者が見た出来事と、国内で後世へ伝わる物語が分かれ、ワノ国編は幕を閉じる。

第1058話―新懸賞金とクロスギルド

出航後、麦わらの一味の新しい懸賞金が発表される。 ルフィが四皇となり、ゾロ、サンジ、ジンベエを含む船員の評価も更新される。

同時に、バギー、クロコダイル、ミホークによるクロスギルド成立の経緯が明らかになる。 世間にはバギーが二人を従えた組織として伝わるが、実際の主導権と資金関係は異なる。

誤解されたポスター一枚が、バギーを四皇へ押し上げる。 評判が事実を先回りし、世界の制度がその評判へ合わせて動く、彼らしい組織形成である。

第1059話―女ヶ島の戦い

アマゾン・リリーでは、海軍と黒ひげ海賊団が九蛇海賊団を同時に襲う。 黒ひげはハンコックのメロメロの実を狙い、海軍は王下七武海制度廃止後の捕縛へ動く。

新型パシフィスタ「セラフィム」が投入され、幼い頃の七武海を思わせる姿と高い戦闘力を見せる。 コビーは黒ひげ側に連れ去られ、レイリーの介入で島の壊滅は避けられる。

世界政府、四皇、元七武海の力関係を、一つの島で更新する話である。

第1060話―ルフィの夢

サボがコブラ王を殺害したという新聞記事を知り、ルフィはアラバスタやマリージョアへ向かおうとする。 ゾロは情報が不足したまま動くことを止め、ビビを信じるよう促す。

その後、ルフィはエースとサボにだけ語っていた「夢の果て」を仲間全員へ明かす。 内容そのものは読者へ伏せられ、船員たちの驚き、笑い、困惑だけが描かれる。

一方、サボは革命軍へイムの存在につながる重大な情報を伝えようとし、ルルシア王国は上空からの攻撃で消される。 個人の無邪気な夢と、世界を消す支配の力が同じ話へ置かれる。

第1061話―未来島エッグヘッド

サウザンドサニー号は、巨大な暖水渦と機械仕掛けの海獣に遭遇する。 ルフィ、チョッパー、ジンベエは海へ投げ出され、渦からジュエリー・ボニーを救出する。

一味がたどり着いたのは、Dr.ベガパンクの研究所がある未来島エッグヘッドだった。 島は「五百年後の未来」を思わせる技術を持つ。

海上では巨大ロボットがサニー号を回収し、中からベガパンクを名乗る若い女性が現れる。 科学者像と外見のずれが、新章最初の謎になる。

第1062話―ベガパンクの六人

ベガパンクには、本体とは別に六人の猫と呼ばれる分身がいることが示される。 悪、正、想、知、暴、欲という役割へ人格と作業を分け、膨大な研究を並行して進める。

ルフィたちは島の衣服、食料機械、立体映像を体験する。 未来技術は便利だが、触れられる光、資源不足、管理者の権限など、夢だけでなく制約も持つ。

世界政府側ではCP0がベガパンク抹殺命令を受ける。 一味が到着した時点で、島はすでに政府から切り捨てられようとしている。

第1063話―ロー対黒ひげ

ワノ国から別航路を選んだハートの海賊団は、黒ひげ海賊団の待ち伏せを受ける。 黒ひげ側の船員たちは複数の悪魔の実を獲得し、それぞれの能力で海上戦を仕掛ける。

ローはオペオペの実の覚醒技で対抗し、ハートの海賊団も海中戦の強みを見せる。 四皇と三船長の競争が、島へ着く前の海戦として始まる。

エッグヘッドだけに物語を閉じず、同時刻の海で別の「最終章」が動いていることを示す。

第1064話―知識と過去

ローと黒ひげの戦いが続く一方、エッグヘッドではベガパンクの研究思想が語られる。 全人類が自分の脳へ接続できる知識共有の構想は、技術の理想と個人の境界という問題を含む。

ボニーは父バーソロミュー・くまを元へ戻すよう求め、ベガパンクへ怒りを向ける。 研究者にとっての技術的処置と、娘にとっての父の人格喪失は同じ出来事でも意味が違う。

ドラゴンとベガパンクの連絡も描かれ、科学者が自分の死期を予期していることが分かる。

第1065話―六人のベガパンク

麦わらの一味はセラフィムのジンベエを思わせる個体と戦い、その能力と身体的特徴を観察する。 ルナーリア族、七武海、悪魔の実、機械技術が一つの兵器へ統合されている。

ベガパンクの猫たちは、研究、食事、排泄、睡眠などを分担する。 天才一人の時間不足を、人格と肉体の分業によって解決した仕組みである。

島の動力や古代技術にも話が及び、未来島の科学が、実は失われた過去の文明へ接続している可能性が示される。

ワノ国編から最終章へ

第105巻は、ワノ国で勝者が決まった後の「次」を集中的に描く。 国を去る者、残る者、旗を託される者がそれぞれの未来を選ぶ。

世界では四皇、元七武海、革命軍、海軍が同時に動き、これまで別々だった組織が同じ競争へ近づく。 エッグヘッドへの到着は新しい島の冒険であると同時に、世界政府が隠す歴史と科学へ踏み込む入口になる。

長編一つを終えた余韻に留まらず、複数の戦場を並行して始める構成が、この巻の特徴である。

巻題「ルフィの夢」の意味

ルフィが海賊王を目指すことは、物語の最初から明らかである。 しかし第1060話では、海賊王になること自体が最終目的ではなく、その先に別の夢があると仲間へ伝える。

読者には言葉を直接聞かせず、仲間の反応だけを見せる。 実現不可能に見えるほど子供らしく、ルフィらしく、海賊王になれば可能かもしれない内容だと分かる。

巻題は答えを明かす見出しではない。 最終章で回収される大きな問いを、一冊の中心へ置く見出しである。

公式あらすじと収録範囲

公式コミックスページは、ワノ国からの出航、クロスギルド、サボの通信、女ヶ島、エッグヘッド上陸を段階的に紹介する。 巻の前半と後半で場所が大きく変わるため、一つの短い事件だけでは説明できない。

収録話数は第1056〜1065話で確定している。 TVアニメで同じ内容が複数話へ分割・再構成されても、コミックスの収録単位は変わらない。

まとめ

『ONE PIECE』第105巻〝ルフィの夢〟は、2023年3月3日発売、原作第1056話から第1065話を収録する。 ワノ国編の終幕、新懸賞金とクロスギルド、女ヶ島の戦い、ルルシア王国消失、エッグヘッド到着、ロー対黒ひげが一冊で進む。

巻題となったルフィの夢は内容を伏せたまま、海賊王の先にある目的を最終章へ持ち越す。 過去の長編を閉じ、世界規模の競争と未来島の謎を同時に開いた転換巻である。