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ONE PIECE 113巻 〝ロキ誕生〟

『ONE PIECE』113巻〝ロキ誕生〟は、尾田栄一郎による原作漫画の単行本である。2025年11月4日に集英社から発売され、第1145話から第1155話までの全11話を収録する。

『ONE PIECE』113巻〝ロキ誕生〟は、尾田栄一郎による原作漫画の単行本である。2025年11月4日に集英社から発売され、第1145話から第1155話までの全11話を収録する。エルバフ編の中盤に当たり、神の騎士団による子供たちの人質化と国への服従要求、麦わらの一味と巨人族の反撃、ロキが父王ハラルドの死を語り始める過程をまとめる。

巻の前半では、学校と図書館を燃やさせる脅迫、子供たちを運ぶ異形の存在、軍子の変化によって、現在のエルバフが崩されていく。後半では時間を14年前以前へ戻し、ロキの誕生、王家との関係、ハラルドとロックス・D・ジーベックの接点へ焦点が移る。

書誌情報

  • 書名:ONE PIECE 113巻
  • 巻題:〝ロキ誕生〟
  • 著者:尾田栄一郎
  • 出版社:集英社
  • レーベル:ジャンプコミックス
  • 発売日:2025年11月4日
  • 収録話:第1145〜1155話
  • ページ数:208ページ
  • ISBN:978-4-08-884738-2
  • 収録編:エルバフ編
  • 前巻:112巻〝神典(ハーレイ)〟
  • 次巻:114巻〝ゴッドバレー事件〟

公式コミックスページと集英社の書誌ページは、発売日、ページ数、ISBN、収録話を確認できる一次情報である。各話の細部は単行本本文を正本とし、連載時から単行本化までに行われた作画修正や台詞修正がある場合は単行本版を記事の基準にする。

113巻の位置づけ

111巻でエルバフへの到着が始まり、112巻では神典「ハーレイ」、太陽神ニカ、スコッパー・ギャバン、神の騎士団の侵入が物語へ組み込まれた。113巻は、それまで提示された神話と人物を、現実の占領作戦と王家の過去へ結びつける巻である。

神の騎士団は、巨人族を世界政府側の兵力として従わせるため、子供たちを人質に取る。単純に強敵を倒せば終わる戦いではない。敵へ攻撃すれば子供や国の文化が傷つき、命令へ従えばエルバフの自立そのものが失われる。巨人族が誇る戦闘力を、人質と命令によって封じる構造が前半の緊張を作る。

一方、冥界ではルフィたちが負傷したロキを治療している。陽界での事件を知ったロキは、自分なら神の騎士団と戦えるとして拘束を解くよう求める。しかしハイルディンは、ロキが14年前に父王を殺したとされる罪を理由に信用しない。現在の危機を切り抜けるには、過去の事件が本当に何だったのか確かめなければならない。

神の騎士団の作戦

フィガーランド・シャムロックが示した目的は、世界規模の戦いに備えて巨人族を兵力へ組み込むことだった。圧倒的な身体能力を持つ巨人を正面から服従させるのではなく、子供と文化施設を標的にして、長老へ選択を迫る。

シェパード・ソマーズは、エルバフの学校と、オハラの文献が保管されるフクロウの図書館を焼くよう命じる。学校は子供たちの未来、図書館は失われかけた過去の知識を象徴する。両方を破壊する命令は、現在の住民だけでなく、歴史の継承を支配する攻撃になる。

リモシフ・キリンガムの能力によって生み出された存在が子供たちを運び、住民の抵抗を困難にする。軍子はコロンを捕らえ、さらに異様な変化を見せる。公式あらすじは、口調と姿が変わった軍子が、一人で屈強な巨人たちを圧倒する状況を示している。

この巻では、神の騎士団各員の能力を一つの系統へ早合点してまとめないことが重要である。矢印状の力、再生、夢や恐怖から現れる存在、軍子へ介入する力は、それぞれ使用者と発動条件を確認して記述する。敵側の正体が未解明の段階で、すべてを同じ悪魔の実や同じ契約の効果と断定しない。

子供たちと文化施設の防衛

ナミたちはコロンと共に子供たちを救おうとする。ギャバンとロビンは、学校と図書館を破壊させる命令へ対抗する。ジンベエは樹道周辺の火災へ対応し、燃え広がる炎と子供たちの進路を切り離そうとする。

戦闘の目的は神の騎士団へ勝つことだけではない。人質を無傷で取り戻し、炎を止め、学校と図書館を守り、操られた者を救う必要がある。複数の危機が同時に動くため、各人物の行動を同じ場所の一続きの戦闘として混ぜず、陽界の地点と時間を整理する必要がある。

巨兵海賊団のドリーとブロギーも救出へ動くが、軍子の異変と敵の能力によって状況はさらに悪化する。国を守る英雄である二人が、本人の意志と異なる形で脅威へ変えられる展開は、エルバフの戦力そのものを住民へ向ける神の騎士団の支配方法を表す。

エルバフは戦士の国として語られてきたが、この巻で守る対象になるのは子供、学校、図書館である。強さを戦闘だけに限定せず、次の世代と知識を残せるかという問題へ広げている。

冥界のルフィとロキ

モンキー・D・ルフィは、ロキを一方的な悪人として処理せず、シャンクスや神の騎士団について話を聞く。ロキは負傷し拘束されたままだが、陽界の危機へ加わる意思を示す。チョッパーが上層の状況を伝え、軍子から発せられた異様な覇気を感じたことで、一行は急いで移動を始める。

ハイルディンはロキの異母兄であり、国を背負う立場から拘束解除を拒む。ロキが父王を殺したという認識がある以上、危機を理由に信頼することはできない。ここで兄弟の対立は、性格の不一致ではなく、14年前の事件をどう理解しているかの差として描かれる。

ロキが戦力として必要だという現在の要請と、罪を裁かなければならない過去の責任が衝突する。物語はどちらかを省略せず、ロキ自身に事件の真相を語らせることで次の段階へ進む。

巻題「ロキ誕生」

第1153話と単行本の巻題はいずれも「ロキ誕生」である。ただし、ここでいう誕生は出生の日だけを示す言葉ではない。ロキが王家の中でどのように生まれ、周囲からどう扱われ、後に「呪いの王子」や父殺しの罪人として見られる人物へ至ったのか、その起点を指す。

現在のロキは、エルバフを滅ぼす存在として恐れられる一方、太陽神を自称し、シャンクスやロックスについて独自の知識を持つ。113巻は、住民の評価をそのまま事実として繰り返すのではなく、本人の過去へ視点を移す。題名は、既知の悪評を解体し、人物を最初から見直す合図になる。

表紙でもロキ本人だけを大きく置くのではなく、現在の侵攻を担う神の騎士団、対抗するギャバン、物語の中心にいるルフィが並ぶ。巻題が過去を向き、表紙が現在の対立を向くことで、二つの時間軸を一冊に収めている。

ハラルド王をめぐる過去

ロキの語りは、父ハラルドがどのような王だったかへ遡る。現在のエルバフでは、ハラルドは国を外の世界へ開こうとした名君として記憶され、ロキはその王を殺した人物とされている。しかし真相を確かめるには、最期の瞬間だけでなく、ハラルドが世界政府や他国、海賊とどのような関係を築いたかを見る必要がある。

ハラルドは戦いを尊ぶエルバフの旧来の価値観を変え、交易や外交によって国を発展させようとする。後の樹道網や教育、他国との接続を理解するうえでも、王の政策は背景になる。ロキの反抗だけを切り出すと、父子の対立が国の進路をめぐる問題だったことを見落とす。

113巻の終盤では過去編がさらに広がり、ハラルドとロックス・D・ジーベックの接点、ロックスがどのように仲間を集めたかへ進む。ロキ誕生の物語が、そのままエルバフ王家、世界政府、ロックス海賊団の歴史を結ぶ入口になる。

ロックス海賊団への接続

第1155話ではロックス・D・ジーベックと後のロックス海賊団に焦点が移る。ロックスは完成した大海賊団の船長として突然現れるのではなく、各地で異なる目的を持つ人物を引き寄せ、集団を形作っていく。

これまでロックス海賊団は、ゴッドバレー事件、白ひげ、ビッグ・マム、カイドウ、ガープとロジャーの共闘を通して断片的に語られてきた。113巻はその前段へ踏み込み、伝説化した集団が成立する過程を人物の行動として見せ始める。

ただし、本巻だけでゴッドバレー事件の全貌が確定するわけではない。収録最終話は過去編の途中であり、114巻へ続く。113巻の記事では、後巻で判明した事実を本巻の読後情報へ逆流させず、「この巻でどこまで示されたか」を区切る。

表紙の構成

通常カバーは淡い青を基調とし、神の騎士団のシャムロック、軍子、ソマーズ、キリンガム、中央のギャバン、上部のルフィが描かれる。現在編で対立する勢力をまとめ、誰がエルバフへ侵入し、誰が迎え撃つのかを示す構成である。

巻題のロキが表紙中央にいない点は、内容とのずれではない。113巻前半の主要な動きは子供たちの救出と神の騎士団への抵抗であり、ロキの過去は後半から始まる。表紙は前半の群像、巻題は後半の転換点を代表する。

カバー裏や折り返し、扉絵、SBSは本文とは別の資料である。人物の名前や補足設定がSBSで示される場合は、どの情報が漫画本編の台詞にあり、どの情報が作者回答で追加されたかを分けて記録する。

収録話の構成

収録範囲は第1145〜1155話である。第1145話から第1152話までは、エルバフの現在で進む侵攻、人質救出、火災、軍子の異変、ロキ解放をめぐる判断が中心になる。第1153話「ロキ誕生」から王家の過去へ入り、第1155話でロックス海賊団の成立過程へ接続する。

一冊の中で現在の救出戦から長い過去編へ切り替わるため、個別話の要約では時間表示と語り手を明示する。回想内の人物年齢、出来事から何年前か、現在の登場人物が知っている範囲を混同しない。

扉絵連載は本編と別の場所・時間で進む。第1145話以降の表紙に描かれるヤマトの金稲荷代参などを、エルバフ本編の同時場面として本文へ組み込まない。各話記事では「本編」と「扉絵」を分ける。

読む際の要点

113巻は神の騎士団の能力紹介だけを追う巻ではない。支配する側が、子供、教育、歴史、英雄をどの順で利用するかを見ると、世界政府がエルバフを欲する理由と、その手段の性格が分かる。

ロキについては、住民の証言、ハイルディンの判断、ロキ本人の語りを区別する。父殺しという評価は物語開始時点の公的認識であり、回想はその認識を検証するために始まる。語りが始まっただけの段階で、すべての疑いが晴れたと先取りしない。

ロックスについても、伝説として後世に残った説明と、過去編で実際に示される行動を分ける。この巻の終点は真相の完結ではなく、114巻〝ゴッドバレー事件〟へ続く入口である。

関連項目

  • エルバフ編
  • エルバフ
  • ロキ
  • ハラルド
  • 神の騎士団
  • スコッパー・ギャバン
  • 軍子
  • ハイルディン
  • ロックス・D・ジーベック