本文へ移動
ONE PIECE百科事典ANNA MOVIES

アイテム

巻四十億一〝アンコール〟

巻四十億一〝アンコール〟は、映画『ONE PIECE FILM RED』のアンコール上映を記念して配布された冊子型の入場者プレゼントである。正式な配布開始日は2023年10月20日で、全国合計60万部限定。

巻四十億一〝アンコール〟は、映画『ONE PIECE FILM RED』のアンコール上映を記念して配布された冊子型の入場者プレゼントである。正式な配布開始日は2023年10月20日で、全国合計60万部限定。通常のコミックス第何巻かを表す「4000000001巻」ではなく、映画と連動した非売品の特典冊子である。

表紙にはモンキー・D・ルフィとウタがライブ会場で並ぶ姿が描かれる。中面は映画本編の場面写真に合わせ、全シーンの台詞、劇中歌の歌詞、観客が声や光で参加する応援タイミング、推奨するペンライトの色を案内する。物語設定を新規にまとめた一般的なファンブックというより、映画を「読み」、劇場で一緒に盛り上がるための上演ガイドである。

基本情報

  • 正式名:巻四十億一〝アンコール〟
  • 読み:かんよんじゅうおくいち アンコール
  • 配布開始:2023年10月20日
  • 配布数:全国合計60万部限定
  • 配布形態:『ONE PIECE FILM RED』アンコール上映の第1弾入場者プレゼント
  • 主な内容:本編の場面写真、全シーンの台詞、劇中歌の歌詞、応援の推奨箇所、ペンライトの色

公式告知は「コミックス」ではなく「冊子型プレゼント」と説明している。書店で一般販売された単行本ではなく、対象劇場で映画を鑑賞した観客へ先着で渡されたものだ。各劇場で在庫がなくなり次第終了する方式で、60万部は販売部数ではなく配布上限を指す。

第三者の書誌データベースでは81ページと整理されている。ただし、公開ページを作る際は現物の奥付とページ番号を再確認し、公式告知だけで確認できる配布条件と、現物・第三者資料で確認する書誌情報を区別する必要がある。

アンコール上映との関係

『ONE PIECE FILM RED』は2022年8月6日に公開され、2023年1月29日にいったん終映した。2023年10月20日からは、4Kアップコンバートと映像のリテイクを施した特別版として、1か月限定のアンコール上映が始まった。

再上映では通常鑑賞に加えて、声出し、ハンドクラップ、サイリウムの使用を認める「ウタLIVE in映画館」の応援上映が企画された。映画はウタのライブを軸に進み、楽曲ごとに画面の色、観客の反応、登場人物の状況が変わる。そのため応援上映では、どこで声を出し、どの色を掲げるかが鑑賞体験そのものに関わる。

巻四十億一はこの再上映に合わせて内容を組み替えている。初見の観客へ設定を先に教える資料ではなく、一度本編を知った観客が台詞と歌詞を追い、ライブへ参加するように再鑑賞できる構成である。題名の「アンコール」は単なる再版記号ではなく、映画の再上映と劇中ライブの再演という二つの意味を重ねている。

冊子の内容

中心となるのは、映画本編の進行を場面写真と文字でたどる部分である。公式告知は「全シーンのセリフや歌詞」を網羅すると説明する。一般的な映画パンフレットがスタッフ・キャストの解説や設定資料を中心に組むのに対し、本冊子は完成した映像の進行を追うことへ比重を置く。

台詞の掲載によって、ライブの歓声や音楽の中で聞き取りにくかった会話を文字で確かめられる。歌詞はウタが何を願い、現実の出来事へどう反応しているかを読み直す手掛かりになる。映画では楽曲が挿入歌ではなく、観客をウタワールドへ引き込む行為や戦闘の進行と結び付いているため、歌詞を物語から分離せず確認できる価値がある。

応援タイミングの案内は、脚本の書き起こしだけではない本冊子の特徴である。どの場面で声援を送り、どの色のペンライトを使うかが示されることで、観客はスクリーンの外からライブ演出へ加わる。通常上映では静かに見守る場面も、応援上映では反応を返す場面へ変わる。

したがって本冊子は、映画の情報を保存する記録資料と、当日の行動を案内する実用品の両方に属する。上映後に読む場合は全編の再確認資料になり、上映中に参照する場合は参加型イベントの手引きになる。

表紙のルフィとウタ

表紙は、ルフィとウタが共に指を掲げ、観客のサイリウムと照明に囲まれるライブ感の強い構図である。二人を対立する主人公と歌姫として離して置くのではなく、同じ舞台で観客へ向き合う姿を選んでいる。

映画本編で二人は幼なじみであり、互いを大切に思いながら「自由」と「新時代」の実現方法で衝突する。表紙だけを見れば祝祭の一瞬だが、本編を見た後には、同じ方向を向けたかもしれない関係への余韻を持つ。

また、サイリウムが描かれた表紙は、冊子の用途を視覚的に伝える。これは単に『FILM RED』の新しい表紙を作ったものではなく、観客が光を持って参加するアンコール上映のための版であることを示す。

巻四十億〝RED〟との違い

巻四十億〝RED〟は、2022年の映画初公開時に配布された特典である。尾田栄一郎によるキャラクター設定、デザイン案、ウタやシャンクス、赤髪海賊団に関する資料など、制作背景と人物情報を知るための性格が強い。

巻四十億一は題名の数字が一つ増えているが、通常単行本の続巻として漫画の新しい章を収録したわけではない。アンコール上映に合わせ、映画の場面写真、台詞、歌詞、応援方法へ重点を移した別冊である。両冊子を同じ「四十億巻の表紙違い」とだけ説明すると、収録目的の違いを失う。

同じ映画では、ウタに焦点を当てた「巻4/4〝UTA〟」も配布された。複数の特典冊子があるため、記事名、配布日、表紙、内容を分けて整理しなければならない。巻四十億一を探す読者が知りたいのは、2022年の初回特典ではなく、2023年アンコール上映で配布された台詞・歌詞ガイドである。

正史資料としての扱い

本冊子は集英社の通常コミックスではなく、映画公式が配布した公式プロモーション資料である。そこに収録された台詞や場面写真は『FILM RED』本編を確認する一次的な手掛かりになるが、映画の出来事すべてを原作漫画の正史へそのまま移せるわけではない。

ウタという人物の存在やルフィ、シャンクスとの過去には原作者が関与する設定が含まれる一方、映画本編の事件は映画作品として構成されている。原作の人物記事で参照する場合は、「映画で描かれたこと」「原作本編でも確認できること」「設定資料でのみ示されたこと」を分ける必要がある。

巻四十億一は映画の全シーンを追う性質上、結末までの重大なネタバレを含む。鑑賞前の人物紹介として無警告で引用すると、物語体験を損ねる可能性が高い。ページ冒頭で映画全編を扱うことを明示するべき資料である。

資料としての価値

映像作品は台詞、歌、色彩、編集が同時に進むため、一度の鑑賞ですべてを確認することが難しい。巻四十億一は、その流れを場面写真と文字へ固定し、特定の台詞や歌詞がどの場面に置かれたかを追いやすくする。

特にウタの楽曲は、感情表現であると同時に、ウタワールドの状態や観客への働き掛けを変える物語装置である。歌詞だけを音楽配信で読むのではなく、映画の場面と並べて読むことで、同じ言葉が希望、焦り、拒絶、救援のどこに位置するかを比較できる。

一方で、応援タイミングとペンライト色は2023年の上映企画に強く依存する。将来の再上映で同じ運用が採られるとは限らない。冊子を紹介する際は普遍的な映画脚本集としてだけでなく、2023年の参加型上映文化を記録した資料として扱う必要がある。

入手と識別

本冊子は劇場限定・数量限定の配布物であり、公式の一般販売品ではない。現在流通するものは個人が保管した中古品が中心になるため、百科事典ページは販売先を誘導するのではなく、正しい版を識別できる情報を示す役割を持つ。

確認点は「巻四十億一〝アンコール〟」という題名、ルフィとウタのライブ風表紙、2023年10月20日の配布開始、映画の全台詞・歌詞と応援ガイドという内容である。2022年の巻四十億〝RED〟、その新カバー版、巻4/4〝UTA〟とは別物として記録する。

数字の大きさだけを通常コミックスの巻数へ変換せず、映画特典という媒体区分を先に置くことが重要である。巻四十億一は、アンコール上映を「もう一度見る」だけでなく、観客が声と光で映画へ応答する体験へ変えるために作られた一冊である。

なお、公式サイトの配布告知と中古流通上の出品説明は証拠の強さが異なる。発行仕様を更新する場合は公式告知と現物を優先し、販売者が便宜的に付けた「41億巻」などの呼称を正式名として採用しない。

関連項目