01来歴

アーヴァラ・セヴン捕獲任務
シーズン1第1話『チャプター1:ザ・マンダロリアン(Chapter 1: The Mandalorian)』で本格初登場する。惑星アーヴァラ・セヴンで標的『ザ・チャイルド』(後にグローグーと判明するヨーダ族の幼児)の確保任務に独自出動し、同じ標的を狙うディン・ジャリンと一時的に共闘して武装傭兵団を制圧する。標的が幼児と判明し自己破壊プロトコルを発動しようとした直後、ディン・ジャリンがブラスターで頭部を撃ち抜いて機能停止させる。
クイールによる再プログラム
シーズン1第7話『チャプター7:清算(Chapter 7: The Reckoning)』で、ディン・ジャリンとグローグーがクイールの工房を再訪した際、機能停止していたIG-11がクイールの手で再起動する。クイールは出荷時の暗殺・賞金稼ぎプロトコルを完全に除去し、看護・護衛・育成支援を主目的とするプロトコルを新たに書き加えていた。再起動後のIG-11は一行に同行する非戦闘的な人格を獲得している。
ネヴァロ溶岩トンネルの自爆
シーズン1最終話『チャプター8:救済者(Chapter 8: Redemption)』で、IG-11は惑星ネヴァロの地下溶岩トンネルでディン・ジャリン、グローグー、グリーフ・カーガ、カラ・デューンと共に帝国残党モフ・ギデオン麾下の部隊に包囲される。IG-11は出口を確保するため自己破壊プロトコルを意図的に再有効化し、押し寄せる帝国部隊へ歩み出ると同時に自爆して一行を救出する。自らの判断で存在を消すこの自爆は、シリーズ代表的な自己犠牲場面として広く受容された。
ネヴァロでの再起動
シーズン3第1話『チャプター17:背教者(Chapter 17: The Apostate)』で、IG-11の残骸はネヴァロの市街中央広場に銅像状に再構成された姿で再登場する。高位執政官に転じたグリーフ・カーガが、ディン・ジャリンの不在中の都市防衛のため再起動を依頼する。しかし再起動直後、出荷時の暗殺プロトコル断片が残っていたことから即座に同行者グローグーを標的として攻撃を試み、再度シャットダウンを余儀なくされる。
完全復活とネヴァロ守護
シーズン3後半で、IG-11の再プログラムには稀少な記憶回路部品が必要と判明し、ディン・ジャリンら一行が同部品を入手して持ち帰る。シーズン3最終局面でIG-11は再び稼働状態へ復帰し、ネヴァロ市街の防衛と治安維持を担うドロイドとして本格的に活動を再開する。暗殺ドロイドから看護ドロイド、自爆による自己犠牲、そしてネヴァロ守護ドロイドへという長期の人物アークは、ドロイドの自己同一性と再生の物語の中核に位置付けられる。
02能力・特徴

- 暗殺・賞金稼ぎ能力:IGシリーズの設計仕様に基づく重ブラスター・ライフル2丁の同時射撃と、360度可動の上半身による全方位の標的捕捉能力を備える。初登場時の傭兵団との銃撃戦で複数の敵を同時に制圧する。
- 自己破壊プロトコル:標的を第三者に奪取された場合や捕獲不能と判断した場合に自動発動する出荷時の安全装置。後には自らの判断で意図的に再発動し、ネヴァロでの自己犠牲につながる。
- 看護・育成補助能力:クイールによる再プログラム後に獲得した非戦闘的能力。乳幼児への食事・体調管理・移動補助・基本的医療応急処置のプロトコルを備え、グローグーの世話を実行できる。
- 自然言語応答:再プログラム後は銀河共通語での自然言語応答能力を備え、一行と同行する。『ようこそ』『これは私の役目です』など簡潔・端的な定型応答が多く、代表的台詞の一群を形成する。
- 再起動・再構築耐性:自爆後もネヴァロ広場の銅像状に残骸が再構成され、稀少部品の入手を経て再稼働へと至る高い再起動可能性を持つ。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

シーズン1第1話:アーヴァラ・セヴンでIG-11が武装傭兵団を360度可動の上半身と重ブラスター2丁で同時制圧する初登場の戦闘場面。IG-88のシルエットを再訪したデザイン上の宣言でもある。
シーズン1第1話:捕獲標的が幼児と判明した直後、IG-11が自己破壊プロトコルを発動しようとし、ディン・ジャリンが頭部を撃ち抜き機能停止させる場面。シリーズの人物関係の出発点となる。
シーズン1第7話:クイールの工房で、機能停止していたIG-11が再プログラムされた看護ドロイドとして再起動し、自己紹介を行う場面。
シーズン1最終話:ネヴァロ地下溶岩トンネルで包囲された一行を救うため、IG-11が自己破壊プロトコルを再有効化し、帝国部隊へ歩み出ながら自爆する自己犠牲場面。シリーズ屈指のクライマックス。
シーズン3第1話:ネヴァロ広場で銅像状に再構成されたIG-11の残骸をグリーフ・カーガが再起動させ、直後にグローグーへ攻撃を試みて再シャットダウンに至る場面。
06制作背景

IG-11が登場するDisney+の実写ドラマ『マンダロリアン(The Mandalorian)』は、ジョン・ファヴローがクリエイター・ショーランナー・製作総指揮を務め、デイヴ・フィローニが監修を担当する。シーズン1は2019年11月12日から12月27日にかけて米国Disney+で全8話が配信された。IG-11の英語版声はニュージーランド出身の映画監督・俳優・脚本家タイカ・ワイティティが担当し、『ジョジョ・ラビット』2019で第92回アカデミー賞脚色賞を受賞した人物である。
各話は複数の監督が演出した。初登場のシーズン1第1話はデイヴ・フィローニ、第2話はリック・ファミュイワ、再プログラムの第7話はデボラ・チョウ、自爆する最終話はタイカ・ワイティティ、シーズン3第1話はリック・ファミュイワが監督した。ワイティティは自らが声を演じるキャラクターの自己犠牲場面を自ら演出した珍しい事例として知られる。第1話の脚本はジョン・ファヴローが手掛けた。
劇伴音楽はシーズン1以来、スウェーデン出身の作曲家ルドウィグ・ゴランソン(Ludwig Göransson)が担当する。ゴランソンは映画『ブラックパンサー』2018で第91回アカデミー賞作曲賞を受賞し、シリーズでは第72回プライムタイム・エミー賞の楽曲・作詞賞およびメイン・タイトル・テーマ音楽賞を受賞した。ジョン・ウィリアムズのオーケストラ主体の旋律から距離を取り、民族打楽器やシンセサイザーを併用する小規模アンサンブルがシリーズの音響的アイデンティティを形作っている。
IG-11の実物大アニマトロニクス・パペット本体は、スタン・ウィンストン・スタジオ後継工房のレガシー・エフェクツ社が製作した。長身・細身・円筒頭の意匠と360度可動の上半身は実物パペットとして組み上げられ、撮影現場で操演された。機械音声・歩行音・関節駆動音、およびワイティティの素声に機械的処理を加える音声プロセッシングは、ルーカスフィルム傘下のスカイウォーカー・サウンドが手掛けた。デザインは、ダース・ベイダーが召集した賞金稼ぎの一体として『スター・ウォーズ/帝国の逆襲(The Empire Strikes Back)』に登場した暗殺ドロイドIG-88の意匠を直接的に継承している。
07評価・考察

IG-11は『暗殺ドロイドの再プログラムによる自己同一性の書き換え』という主題を体現する中心的キャラクターで、ドロイドの『役目』が誰によって書かれるのかという問題系をシリーズ全体に提示する。暗殺ドロイドとしての初登場、クイールによる再プログラム、自爆による自己犠牲、銅像状残骸の再起動、そして完全復活と守護ドロイド化という長期アークは、『ドロイドの再生と償い』というテーマの軸となる。
最終話の自爆場面はシリーズ屈指の感情的クライマックスとしてファン文化に定着した。シーズン3でのネヴァロ広場の銅像状再構成と再起動エピソードを通じて、シリーズがIG-11の記憶を物語内設定として継続的に参照していることが示される。自爆は、クイールの再プログラムを経た出荷時の自己破壊プロトコルが『仲間を守るための自己犠牲』へと意味的に転換される演出として描かれる。
デザイン面では、IG-11は『帝国の逆襲』のIG-88の長身・細身・円筒頭の意匠を直接的に継承しており、シリーズが標榜する『初代三部作のディテール再訪』のコンセプトを象徴するキャラクターの一つに位置付けられる。
08トリビア
- 声を担当するタイカ・ワイティティは、自爆する最終話の監督も兼任した。自らが声を演じるキャラクターの自己犠牲場面を自ら演出した珍しい事例であり、『ジョジョ・ラビット』で第92回アカデミー賞脚色賞を受賞している。
- デザインは『帝国の逆襲』でダース・ベイダーが召集した6人の賞金稼ぎの一体、暗殺ドロイドIG-88の意匠を直接的に継承している。
- IG-11はDisney移行後のカノンで新規創作されたキャラクターで、レジェンズ(旧拡張宇宙)には固有の個体として存在しない。IGシリーズ全体としてはIG-88が先行する。
- 実物大アニマトロニクス・パペット本体はスタン・ウィンストン・スタジオ後継工房のレガシー・エフェクツ社が製作し、長身・細身・円筒頭の実物パペットとして撮影現場で操演された。
- 命を救われるグリーフ・カーガ役のカール・ウェザースは、シーズン2・3で複数話の監督も兼任した。自爆で救われた登場人物が後に再起動の主導者として再登場する物語的接続が展開される。
09よくある質問
Disney+の実写ドラマ『マンダロリアン』シーズン1第1話が初登場である。惑星アーヴァラ・セヴンでグローグー(ザ・チャイルド)を狙う賞金稼ぎドロイドとして現れ、ディン・ジャリンと一時的に共闘する。
ニュージーランド出身の映画監督・俳優タイカ・ワイティティが英語版声を担当している。ワイティティはシーズン1最終話でエピソード監督も兼任した。
シーズン1最終話で、ネヴァロ地下の溶岩トンネルに帝国残党部隊に包囲された一行の出口を確保するためである。IG-11は自己破壊プロトコルを意図的に再有効化し、自らの判断で自爆して一行を救出した。
登場する。第1話でネヴァロ広場に銅像状に再構成された残骸をグリーフ・カーガが再起動させるが、旧プロトコル残滓で一時再シャットダウンされる。シーズン3後半で稀少部品を得て完全復活し、ネヴァロの守護ドロイドとして再稼働する。
別個体だが、同じIGシリーズの同系統ドロイドとして設計上の系譜を共有する。IG-88は『帝国の逆襲』でダース・ベイダーが召集した賞金稼ぎの一体で、IG-11はその意匠を継承して新規創作された。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: IG-11
- StarWars.com 公式シリーズページ: The Mandalorian
- IMDb: The Mandalorian (TV Series 2019-)
- IMDb: Taika Waititi
- Wookieepedia: IG-11 (canon)
- StarWars.com 公式シリーズページ: The Mandalorian Season 3
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Kuiil
- IMDb: Jon Favreau
- IMDb: Dave Filoni
- IMDb: Rick Famuyiwa
- IMDb: Deborah Chow
- IMDb: Pedro Pascal
- IMDb: Carl Weathers
- IMDb: Nick Nolte
- IMDb: Giancarlo Esposito
- IMDb: Ludwig Göransson
- IMDb: The Empire Strikes Back (1980)