01来歴

ネヴァロでの初登場
実写ドラマ『マンダロリアン(The Mandalorian)』シーズン1第3話『チャプター3:罪(Chapter 3: The Sin)』(2019年11月22日米国Disney+配信)でパズ・ヴィズラは初登場する。舞台は惑星ネヴァロ(Nevarro)地下のマンダロリアン宗派『子の見守り者(Children of the Watch)』の隠れ家コヴァート(Covert)である。ヘビー歩兵の重ベスカー(beskar)鎧を纏う彼は、帰還した主人公ディン・ジャリンが帝国残党『クライアント(The Client)』との取引で持ち帰ったベスカーの鋳塊を、銀河帝国によるマンダロアの大粛清(Great Purge of Mandalore)を背景に強く非難する。
ネヴァロ包囲戦での共闘
シーズン1最終話『チャプター8:救済者(Chapter 8: Redemption)』(2019年12月27日米国Disney+配信)で、パズはネヴァロ市街のコヴァート上空に展開した帝国残党モフ・ギデオン麾下の包囲部隊に応戦する。重連射ブラスター・キャノン(Heavy Repeating Blaster Cannon)を構えて単独で帝国部隊と対峙し、ディンとグローグー(Grogu)一行の脱出を援護する。ディンに『これが我らの道(This is the Way)』と応唱して見送る場面で本話の描写は終わる。脱出後の所在は明示されず、シーズン2には登場しない。
宗派再集結と息子の登場
シーズン3第1話『チャプター17:背教者(Chapter 17: The Apostate)』(2023年3月1日米国Disney+配信)で、パズは海洋型惑星に移った『子の見守り者』の新たな移動コヴァートに再登場する。本話では息子ラグナー・ヴィズラ(Ragnar Vizsla)が紹介される。ラグナーが幼年マンダロリアンの通過儀礼(Rite of Passage)に臨む途中で巨大な飛行生物に拉致され、パズは救出隊の発起人となる。以降、彼はシーズン3全8話に主要レギュラーとして登場する。
マンダロア帰還作戦と宗派再統合
シーズン3第6話『チャプター22:放浪者(Chapter 22: Guns for Hire)』(2023年4月5日米国Disney+配信)以降、パズは宗派指導者アーマラー(The Armorer)、ディン、ボ=カタン・クライズ(Bo-Katan Kryze)が進める宗派と旧マンダロアン難民の再統合とマンダロア帰還の方針に賛同する。ラグナーと共に中核戦力として行動し、第7話『チャプター23:間者たち(Chapter 23: The Spies)』(2023年4月12日米国Disney+配信)でマンダロアに着陸した彼は、帝国残党のプレトリアン・ガード(Praetorian Guards)に率いられた基地襲撃で同志と共に拘束される。
プレトリアン・ガードとの死闘
シーズン3最終話『チャプター24:リターン(Chapter 24: The Return)』(2023年4月19日米国Disney+配信)で、パズは惑星マンダロアの帝国残党基地内でモフ・ギデオン麾下のプレトリアン・ガード3体と単身対峙する。仲間の脱出時間を稼ぐため、ベスカー製の重歩兵槍と素手の格闘で3体と長時間戦う。しかし最終的に背後からのヴィブロボルテック・ハルバード(Vibro-Voulge)の刺突で胸部を貫かれ戦死する。この戦死シーンは本シリーズで最も印象的なマンダロリアン戦士の最期の一つとして広く議論された。
02能力・特徴

- ヘビー歩兵戦闘:重ベスカー鎧と重連射ブラスター・キャノンを組み合わせ、正面からの火力制圧を担う『子の見守り者』のヘビー歩兵として戦う。
- ベスカー製重歩兵槍:シーズン3以降はベスカー製の重歩兵槍を副装備として用い、対プレトリアン・ガード戦では同槍による近接戦闘を見せる。
- ジェットパック飛行:マンダロリアン標準装備のジェットパックによる短距離飛行を行い、包囲戦や作戦行動で繰り返し用いる。
- 近接格闘:宗派内でも特に体格に優れ、重鎧着用状態での素手格闘と組み技も用いる。最終話では3体のプレトリアン・ガードと長時間の近接戦を担う。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

第3話:ネヴァロ地下のコヴァートで帰還したディンと初対面し、帝国残党『クライアント』との取引で持ち帰ったベスカー鋳塊を、マンダロア大粛清の歴史を背景に強く非難する。
第8話:ネヴァロ市街上空の帝国包囲部隊と単独対峙し、重連射ブラスター・キャノンでディン一行の脱出を援護し、『これが我らの道』と応唱して見送る。
第1話:息子ラグナーが通過儀礼中に巨大な飛行生物に拉致され、パズが救出隊の発起人となって奪還する。彼に家族関係が示される最初の場面。
第7話:マンダロアに着陸した『子の見守り者』本隊が、プレトリアン・ガードに率いられた基地襲撃で奇襲を受け、パズを含む戦士たちが拘束される。
最終話:仲間の脱出時間を稼ぐためプレトリアン・ガード3体と単身対峙し、重歩兵槍と素手で長時間戦った末、背後からヴィブロボルテック・ハルバードで胸部を貫かれ戦死する。
06制作背景

パズ・ヴィズラの声は、本作のクリエイター(Creator)兼製作総指揮(Executive Producer)兼主要脚本を務める米国俳優・脚本家・監督ジョン・ファヴロー(Jon Favreau、本名 Jonathan Kolia Favreau、1966年10月19日米国ニューヨーク州クイーンズ生まれ)が一貫担当する。シリーズの中核制作者がメインキャストの一人を声で兼任する事例として特筆される。ファヴローは自ら監督した2008年公開『アイアンマン(Iron Man)』でもハッピー・ホーガン(Happy Hogan)役で出演した。製作総指揮には『クローン・ウォーズ』『反乱者たち』の中核クリエイターであるデイヴ・フィローニ(Dave Filoni、1974年6月7日米国ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ)、キャスリーン・ケネディ(Kathleen Kennedy、ルーカスフィルム社長)、コリン・ウィルソン(Colin Wilson)が名を連ねる。
鎧スーツ内のアクションは米国スタント俳優テイト・フレッチャー(Tait Fletcher)が務める。フレッチャーはドラマ『ブレイキング・バッド(Breaking Bad)』(2008-2013)にカルテルの殺し屋ロニー役で出演した経歴を持ち、本作では複数話にわたり重ベスカー鎧着用状態での近接格闘・素手戦闘を含むスーツ・パフォーマンスを継続担当する。撮影拠点が米国カリフォルニア州マンハッタン・ビーチおよびニューメキシコ州サンタフェに置かれた時期のスタント・チームの中心人物の一人でもある。共演にはディン・ジャリン役ペドロ・パスカル(Pedro Pascal)、モフ・ギデオン役ジャンカルロ・エスポジート(Giancarlo Esposito)、アーマラー役エミリー・スワロウ(Emily Swallow)、ボ=カタン・クライズ役ケイティ・サッコフ(Katee Sackhoff)、『クライアント』役ヴェルナー・ヘルツォーク(Werner Herzog)がいる。
パズの登場話は複数の監督が演出した。初登場の第3話は中国系カナダ人監督デボラ・チョウ(Deborah Chow、1973年カナダ・モントリオール生まれ、後に『オビ=ワン・ケノービ(Obi-Wan Kenobi)』シリーズ監督)、『これが我らの道』の場面を含む第8話はニュージーランド人監督タイカ・ワイティティ(Taika Waititi、1975年8月16日ウェリントン生まれ、『ジョジョ・ラビット』で第92回アカデミー賞脚色賞受賞。同話ではドロイドIG-11の声も担当)が手掛けた。シーズン3の主要回と戦死シーンの最終演出はナイジェリア系米国人監督リック・ファミュイワ(Rick Famuyiwa、1973年6月18日米国カリフォルニア州イングルウッド生まれ)、第6話はロン・ハワードの長女で女優・監督のブライス・ダラス・ハワード(Bryce Dallas Howard、1981年3月2日米国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ)が担当した。
本キャラクター登場話を含む全話の劇伴音楽はスウェーデン人作曲家ルドウィグ・ゴランソン(Ludwig Göransson、1984年9月1日スウェーデン・リンシェーピング生まれ)がシーズン1〜3を通じて担当し、パズのアクション場面の音楽も手掛ける。ゴランソンはメインテーマで第72回プライムタイム・エミー賞作曲賞(2020)を、2018年公開『ブラックパンサー(Black Panther)』ライアン・クーグラー監督で第91回アカデミー賞作曲賞(2019)を受賞している。本作はルーカスフィルム(Lucasfilm Ltd.)製作で、視覚効果と巨大LEDボリュームによる仮想撮影技術StageCraftの運用をインダストリアル・ライト&マジック(ILM)が担い、ディズニー・プラットフォーム配信経由でDisney+にて配信された。
07評価・考察

パズ・ヴィズラはシーズン1で主人公ディンと宗派内部の方針対立を体現する人物として導入され、シーズン3では同じ宗派の中核戦力として共闘する立場へ段階的に転換する『同志型ライバル』の構造的役割を担う。その『ヘビー歩兵』という戦闘類型は、賞金稼ぎ=ディン、鍛冶兼指導者=アーマラー、伝統旗手=ボ=カタンといった明確な役割分担を宗派の群像劇に導入する装置として機能し、旧来のスター・ウォーズが描いてきた『一枚岩でない武装集団』像をマンダロリアン宗派の内部にも投影している。
『ヴィズラ』姓はマンダロアの伝説的氏族ヴィズラ家(Clan Vizsla/House Vizsla)の系譜を示唆する。『クローン・ウォーズ』『反乱者たち』で描かれたダークセイバー創始者タール・ヴィズラ(Tarre Vizsla)やデス・ウォッチ指導者プリ・ヴィズラ(Pre Vizsla)の系譜を背景に、本シリーズのマンダロリアン世界観に歴史的厚みを補強する命名である。パズ自身はディズニー移行後カノン(2019年以降)で新規創作されたキャラクターで、1977-2014年のレジェンズ(旧拡張宇宙)に固有の人物としては存在しないが、命名によってプリ・ヴィズラらの系譜との連続性が示唆されている。
声を担当するファヴローが本シリーズの製作総指揮かつ主要脚本でもある点は、中核制作者がメインキャストを兼任する事例として特筆される。最終話でパズを討つプレトリアン・ガードは2017年公開『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で初登場したファースト・オーダーの精鋭護衛部隊であり、これを新共和国期(紀元9年頃)のマンダロアの戦闘へ前倒し導入したシリーズ間連結の演出でもある。またシーズン3での息子ラグナー導入は、戦闘者としてのみ描かれてきたパズに家族ドラマを加え、戦死シーンの感情的な重みを補強する伏線として機能する。
08トリビア
- 声を担当するジョン・ファヴローは本作の製作総指揮かつ主要脚本でもあり、自らが制作の中核を担うシリーズにメインキャストの一人として声で参加している。
- クレジット表記はシーズン1公開当初『Paz Vizla』だったが、シーズン3放送時にヴィズラ家(Clan Vizsla)との連続性を明確化するため『Paz Vizsla』表記に統一された。
- スーツ・アクションを務めるテイト・フレッチャーは、ドラマ『ブレイキング・バッド』にカルテルの殺し屋ロニー役で出演した経歴を持つスタント俳優である。
- 最終話でパズを討つプレトリアン・ガードは2017年公開『最後のジェダイ』で初登場した護衛部隊で、本シリーズが新共和国期の戦闘へ前倒し導入した形となる。
- 重連射ブラスター・キャノンと重ベスカー鎧を組み合わせた立ち姿は宗派の視覚記号として多用され、最終話の戦死シーンは英語圏批評メディアで繰り返し議論された。
09よくある質問
実写ドラマ『マンダロリアン』シーズン1第3話『チャプター3:罪』(2019年配信)で初登場する。惑星ネヴァロ地下の宗派『子の見守り者』のコヴァートで、帰還したディン・ジャリンと対面する場面である。
製作総指揮兼主要脚本のジョン・ファヴローが一貫して担当する。ファヴローは『アイアンマン』のハッピー・ホーガン役でも知られる。
シーズン3最終話で帝国残党モフ・ギデオン麾下のプレトリアン・ガード3体と単身戦い戦死する。重歩兵槍と素手で長時間戦った末、背後からの刺突で胸部を貫かれる、本シリーズ屈指の名場面とされる。
息子はラグナー・ヴィズラである。シーズン3第1話で通過儀礼中に巨大な飛行生物に拉致され、パズを発起人とする救出隊に取り戻される幼年マンダロリアンとして登場する。
姓『ヴィズラ』はマンダロアの伝説的氏族ヴィズラ家の系譜を示唆する命名である。『クローン・ウォーズ』等のタール・ヴィズラやプリ・ヴィズラと同氏族の末裔の一人と位置付けられるが、直接の血縁は明示されていない。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Paz Vizsla
- StarWars.com 公式シリーズページ: The Mandalorian
- StarWars.com 公式エピソードガイド: Chapter 3 The Sin
- StarWars.com 公式エピソードガイド: Chapter 8 Redemption
- StarWars.com 公式エピソードガイド: Chapter 17 The Apostate
- StarWars.com 公式エピソードガイド: Chapter 24 The Return
- IMDb: The Mandalorian (TV Series 2019-)
- IMDb: Jon Favreau
- IMDb: Tait Fletcher
- IMDb: Deborah Chow
- IMDb: Taika Waititi
- IMDb: Rick Famuyiwa
- IMDb: Bryce Dallas Howard
- IMDb: Ludwig Göransson
- IMDb: Dave Filoni
- Wookieepedia: Paz Vizsla (canon)
- Wookieepedia: Children of the Watch
- Wookieepedia: Clan Vizsla