01来歴

クローン戦争末期の初登場
『クローン・ウォーズ』第7シーズン第1話「バッド・バッチ」(2020年2月21日配信)で、クローン・フォース99(バッド・バッチ)の工作・情報担当として初登場する。同シーズン第1〜4話のアネクシス前哨基地奪還アークでは、敵戦闘ドロイドのアルゴリズム解析と通信妨害を主導した。エコー救出作戦では、スキャコ・マイナーのテクノ・ユニオン施設の制御系ハッキングを担う。
オーダー66とチップの異常
『バッド・バッチ』第1シーズン第1話「エイフターマス」(2021年5月4日配信/90分スペシャル)で、銀河共和国から銀河帝国への政体転換と同時に発令されたオーダー66に立ち会う。テックを含む部隊員4名のインヒビター・チップは遺伝的変異により命令へ正常に反応しない。テック自身は、自分のチップが他のクローンと異なる反応を示すことをデータ的に分析・確認する役を担う。
カミーノ脱出と船の運用
第1シーズン第1〜2話を通じて、テックは部隊の脱出用シャトル「ハバル=7(Havoc Marauder/オムニクロン級攻撃シャトル)」の操縦・整備を一手に担い、カミーノ脱出と以降の移動拠点を確保する。少女クローンのオメガを部隊が受け入れる際には、彼女のDNA構造の特殊性を分析した発言を残し、部隊内における「データに基づく理解」の起点を提示する。
傭兵団としての情報運用
第1シーズン全16話を通じて、テックは情報屋シドからの依頼任務に必要な暗号解読・ハッキング・潜入計画の立案を担う。第8話・第15話「リターン・トゥ・カミーノ」および第16話「カミ」(2021年8月13日配信/第1シーズン最終話)では、カミーノのカミノアン研究施設のセキュリティ突破と研究データ抽出を主導する。帝国に残る道を選んだクロスヘアとの最終局面でも、情報面から部隊を支える。
第2シーズンの活動と関係深化
『バッド・バッチ』第2シーズン(2023年1月4日配信開始/全16話)を通じて、テックは「ハバル=7」の操縦・整備と部隊全体の情報運用を継続する。惑星セレリアでのフェネック・シャンドおよびホリーの賞金稼ぎチームとの共闘や、惑星トリスでの賞金稼ぎ団との攻防では、テックの即時情報解析が部隊の生存判断を直接左右する描写が反復される。
コルサント潜入とデータ抽出
第2シーズン第14話「チック・チック・チック・ブーム(Tipping Point)」(2023年3月22日配信)で、バッド・バッチはフェネック・シャンドと共にコルサントの帝国軍データセンターへ潜入する。テックは、オメガがカミーノで生まれた「一次クローン」であり、皇帝直属の科学者ロイス・ヘムロック博士率いる先進科学部門の最重要捕獲対象であることを示すデータの抽出を主導する。この情報が、終盤の犠牲行動の物語的前提を構築する。
プラン99での犠牲退場
第2シーズン第15話「プラン99(Plan 99)」(2023年3月29日米国時間配信/最終話)で、バッド・バッチは惑星エリアドゥの山岳鉄道路線上で帝国軍工作員の包囲下に置かれる。脱線寸前の橋上で停止した極限状況で、テックは部隊残員(ハンター/レック/エコー/オメガ)の脱出のため車両連結ケーブルを意図的に切断し、自身は谷底へ落下する。「プラン99」は部隊残員の生存のため最後の1名が犠牲となる最終手段で、本話で初めて明示される。遺体は回収されず、テックのゴーグルだけが現場から回収される。
不在の中で残る影響
『バッド・バッチ』第3シーズン(2024年2月21日配信開始/全15話・最終シーズン)以降、テックは作中に直接登場しない。フィー・ジェノアがパブー島へテックのゴーグルを届ける場面など、テックの遺品と遺した分析手段が、部隊残員の心情と判断に与え続ける影響として継続的に描かれる。
02能力・特徴

- 高度な認知・分析能力:遺伝子変異により認知・分析・記憶能力が常人を超えて高度化されており、暗号解読・統計処理・パターン認識など情報運用全般を一義的な戦闘技能とする。潜入・情報抽出任務の中心役。
- 船体操縦・整備:脱出用シャトル「ハバル=7」の操縦・整備を一手に担い、カミーノ脱出からエリアドゥ任務まで部隊の移動と機動を支える操縦士/整備士として運用される。
- ハッキング・暗号解読:帝国軍データセンター、カミノアン研究施設、敵戦闘ドロイドのアルゴリズム解析など、電子・通信突破任務では専用データパッドとハッキング・スパイクを用いた現場ハッキングを担当する。
- 射撃・格闘:DC-17m系ブラスターを通常クローンと同等の精度で運用し白兵戦でも一定の戦闘力を保つが、戦術上は最前線ではなく後方支援の情報担当として配置される。
- 論理的判断軸:データに基づく最適解の即時提示を行動原理とし、「プラン99」では部隊残員4名の生存を可能にする最適解として自身の犠牲を即時に算出・実行する。
- 部隊内コミュニケーション役:早口で抑揚を抑えた論理話法を識別記号とし、ハンターの戦術・レックの感情・クロスヘアの強硬路線・エコーの戦術運用を仲介する論理的対案の提示役を担う。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

『クローン・ウォーズ』第7シーズン第1話「バッド・バッチ」:クローン・フォース99の工作・情報担当として初登場する場面。
第1シーズン第1話「エイフターマス」:オーダー66発令時、自身と部隊員のチップが命令に正常反応していないことをデータ的に分析・確認する場面。
第1シーズン第1〜2話:「ハバル=7」の操縦士としてカミーノ脱出を実行し、オメガのDNA構造の特殊性を分析する情報担当確立の場面。
第2シーズン第14話「チック・チック・チック・ブーム」:コルサントの帝国軍データセンターへ潜入し、オメガが最重要捕獲対象であるデータを抽出する場面。
第2シーズン第15話「プラン99」:エリアドゥの山岳鉄道上で車両連結ケーブルを切断し、谷底へ落下して残員4名の脱出を成立させる犠牲退場の場面。
06制作背景

テックの声を演じるのは米国の声優ディー・ブラッドリー・ベイカー(Dee Bradley Baker)である。彼は『クローン・ウォーズ』(2008年〜2020年)以来のスター・ウォーズ作品で全クローン役を一貫して兼任し、『バッド・バッチ』ではハンター/レック/テック/クロスヘア/エコーの5人全員を1人で演じ分けている。テックは早口・高精度・抑揚を抑えた論理話法を識別記号とし、低音域で寡黙なハンター、大音量で感情豊かなレック、冷徹なクロスヘア、標準クローン的なエコーとの声質差を担保する、ベイカーのレンジ運用の中核の一つに位置付けられる。
キャラクターを導入したのはデイヴ・フィローニ(Dave Filoni)で、『クローン・ウォーズ』の監修者・スーパーバイジング・ディレクターを務め、スピンオフ『バッド・バッチ』全3シーズンの製作総指揮も担当する。同作のショーランナー兼ヘッドライターはジェニファー・コーベット(Jennifer Corbett)、スーパーバイジング・ディレクター兼製作総指揮はブラッド・ロー(Brad Rau)が務め、製作総指揮にはキャリー・ベック、ジョシュ・ライムズ、アシーナ・イヴェット・ポルティーヨが名を連ねる。ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディが会社全体の総責任者である。制作・配給はルーカスフィルム・アニメーションで、Disney+が独占配信する。
劇伴は作曲家ケヴィン・キナー(Kevin Kiner)が手掛ける。『クローン・ウォーズ』『反乱者たち』から『バッド・バッチ』へ続くフィローニ系アニメ作品を一貫して担当してきた音楽体制の最終章にあたり、テックの犠牲退場シーン「プラン99」でもバッド・バッチのメイン・モティーフを変奏しながら谷底へ落下する姿に重ね、シリーズ屈指の感情的クライマックスを音楽的に支える。
テックを含むバッド・バッチ4人組の物語は、もともと『クローン・ウォーズ』第6シーズン用に制作されながら未放送だったエピソード4本に由来する。これらは2013年にフィローニ監修でStarWars.com上のモーション・コミック『The Bad Batch』(4話)として先行公開され、その後『クローン・ウォーズ』第7シーズン冒頭4話に再編集して放送されアニメ化された。犠牲退場を描いた「プラン99」は屈指の衝撃的退場回として広く言及され、コーベットとローは公開後インタビューで、この退場がオメガの成長と第3シーズンの動機付けの前提として設計されたと説明している。
07評価・考察

テックはバッド・バッチ5名の中で最も学究的・分析的な人格として設計されており、感情よりもデータと論理を優先する参謀型の描写が第1〜第2シーズンを通じて一貫している。この設計は第2シーズン最終話「プラン99」の犠牲退場で、部隊残員4名の生存を成立させる論理的最適解として自身の犠牲を即時算出・実行するという形で物語的に結実する。
5名のうちテックのみが「高度な認知能力」という遺伝的変異を担う設計は、ハンターの感覚鋭敏化、レックの超人的筋力、クロスヘアの超人的視力・射撃精度、エコーの戦術運用に対する「情報・分析能力」というポジショニングを担保する。5名の戦闘特性を相互補完的に配置するシリーズ全体のキャラクター設計思想の中核ピースとなっている。
またテックは、『クローン・ウォーズ』のスピンオフとしての性格と、独立作品『バッド・バッチ』の主役級レギュラーとしての性格を併せ持つキャラクター設計の要でもある。その退場はオメガの成長と、残員が帝国先進科学部門へ正面から挑む第3シーズンの物語を駆動する起点として機能している。
08トリビア
- 常時着用する大型ゴーグルは視覚補正と光学計測を兼ねるバッド・バッチ随一の学究的な意匠で、第7シーズン初登場時から一貫して描かれ、公式でも最大の識別記号として明記される。
- テックのゴーグルだけが回収される「プラン99」の結末から、第3シーズン以降も「実は生存しているのでは」というファン理論が議論されたが、作中で公式に再登場することはなかった。
- 彼が整備し続けたシャトル「ハバル=7」は退場後の第3シーズンでも継続運用され、部隊の物語的継続性を象徴する装置として機能する。
- テックの外見上の識別記号(大型ゴーグル・スリムな体格・分析担当)は、2013年に先行公開されたモーション・コミック『The Bad Batch』の段階で既に定まっていた。
- テック登場の『クローン・ウォーズ』第7シーズンと『バッド・バッチ』全3シーズンはいずれもDisney+独占配信で、米国は2019年11月12日、日本は2020年6月11日にサービスを開始した。
09よくある質問
初登場は『クローン・ウォーズ』第7シーズンのバッド・バッチ・アーク。続くスピンオフ『バッド・バッチ』第1〜2シーズンの主要レギュラーで、第2シーズン最終話「プラン99」で退場する。第3シーズンには登場しない。
ディー・ブラッドリー・ベイカーが担当する。『クローン・ウォーズ』以来スター・ウォーズの全クローン役を兼任する米国の声優で、『バッド・バッチ』では主要5人全員を1人で演じ分けている。
第2シーズン第15話「プラン99」で死亡する。エリアドゥの山岳鉄道路線上で、部隊残員4名の脱出を可能にするため車両連結ケーブルを切断し、自ら谷底へ落下する。遺体は回収されず、ゴーグルだけが残される。
高度に発達した認知・分析・記憶能力をクローン遺伝子変異として持つ。暗号解読・統計処理・パターン認識・ハッキングなど情報運用全般が、彼の一義的な戦闘技能として描かれる。
部隊残員の生存のため最後の1名が犠牲となるクローン部隊の最終手段の呼称で、第2シーズン最終話で初めて明示される。テックは車両連結ケーブルを切断し自ら落下することで残員4名の脱出を成立させる。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Tech
- StarWars.com 公式テレビページ: Star Wars: The Bad Batch
- StarWars.com 公式テレビページ: Star Wars: The Clone Wars
- IMDb: Star Wars: The Bad Batch (TV Series 2021-2024)
- IMDb: Dee Bradley Baker
- Wookieepedia: Tech (clone trooper)
- IMDb: Dave Filoni
- IMDb: Jennifer Corbett
- IMDb: Kevin Kiner
- Wookieepedia: Star Wars: The Bad Batch (TV series)
- Wookieepedia: Plan 99