JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 4 / 人物

噴上裕也

ふんがみ ゆうや

第一世界線main_manga_and_tv_anime

ネタバレ範囲: Part 4「ハイウェイ・スター」編と「エニグマの少年」編の結末まで

# 噴上裕也噴上裕也は、第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する暴走族の高校生で、追跡と養分吸収を行うスタンド「ハイウェイ・スター」の使い手である。バイク事故で重傷を負った後、吉良吉廣の矢で能力へ目覚め、早く回復するため岸辺露伴東方仗助から生命エネルギーを奪おうとする。仗助に敗れて治療と制裁を受けた後は敵対をやめ、宮本輝之輔のエニグマに捕らえられた仗助と東方朋子を救うため自ら危険へ踏み込む。

外見への自信と自分本位な言動を保ちながら、他人の覚悟に応えて行動を変える人物である。

基本情報

裕也は杜王町の高校生で、バイクを乗り回す暴走族の一員である。姓名は「噴上裕也」で、読みは「ふんがみ ゆうや」である。ラテン文字ではYuya FungamiまたはYūya Fungamiと表記される。公式人物紹介では容姿に強い自信を持つナルシスト気質と、能力覚醒に伴って発達した鋭い嗅覚が特徴として示される。

外見

裕也は側面を短く刈った髪型と、顎にあるHとSを組み合わせた印を持つ。改造した学生服の胸元にはベルト状の装飾を付け、首には文字入りの布を巻いている。入院中も髪型と顔立ちへの自信を失わず、自分を見舞う女性たちの前で格好を意識する。交通事故で全身を損傷した状態と、本人が誇る整った外見の落差が、回復への執着を強める。

性格

裕也は自分の魅力と格好を高く評価し、周囲からどう見られるかを行動の基準にする。負傷から早く回復するためなら、面識のない相手から養分を奪うこともためらわない。一方、仗助が危険を承知で人を救う姿を目撃すると、見過ごすことの方が自分の格好を損なうと考える。道徳的な人物へ急に変わるのではなく、自己像と誇りを通して共闘を選ぶ点に裕也らしさがある。

バイク事故

裕也は二ッ杜トンネル付近を走行中に事故を起こし、脊椎と手足へ重傷を負う。ぶどうヶ丘総合病院へ運ばれ、通常なら長い治療を要する状態になる。事故そのものはスタンド攻撃によって起きたのではなく、能力を得る前の出来事である。身体を自由に動かせない焦りと、早く元の生活へ戻りたい欲望が、後の養分吸収を選ぶ動機になる。

吉良吉廣の矢

入院した裕也は、吉良吉廣が持つ弓と矢に射られてスタンド能力へ目覚める。吉廣は息子の吉良吉影を追う者へ対抗する能力者を増やしており、裕也もその候補にされた。裕也は吉影へ忠誠を誓った部下ではなく、能力を自分の負傷回復へ使う独立した敵として動く。矢で生まれた能力者をすべて吉良の協力者として一括せず、目的と関係を個別に区別する必要がある。

ハイウェイ・スターの外見

ハイウェイ・スターは細身の人型で、身体の表面を格子状の模様が覆う。追跡時には人型を分解し、複数の足跡のような平面形状へ変わって地面を走る。対象へ取り付くと身体を小さな区画へ分解するように包み、養分を吸い取る。本体から離れて自動で追跡を続けるため、入院中の裕也は病室にいながら道路上の敵を攻撃できる。

匂いを記憶する能力

ハイウェイ・スターは罠へ入った人物の匂いを覚え、その匂いを手掛かりに追跡する。一度認識した対象が遠くへ逃げても、おおまかな位置へ足跡型の身体を出現させて追い続ける。壁や曲がり角だけで完全に振り切ることは難しく、道路を走る速さと長距離の持続力が脅威となる。対象を見失っても匂いへ反応するため、通常の視覚を利用した囮や隠れ場所は効果が限られる。

時速60キロの追跡

ハイウェイ・スターの追跡速度は時速60キロで一定とされる。仗助はバイクでそれ以上の速度を保つ必要があり、信号、車両、曲がり角を避けながら本体を探す。速度だけなら高速の乗り物で距離を取れるが、減速すれば足跡が接触し、養分を奪われる。一定速度という制約が逃走側へ明確な条件を与え、杜王町の道路全体を戦場へ変える。

養分吸収

ハイウェイ・スターは捕らえた人間から生命維持に必要な養分とエネルギーを吸収する。奪われた相手は力を失い、身体を動かすことが困難になる。吸収した養分は本体の裕也へ送られ、事故で傷ついた身体の回復を早める。医療的な治癒能力ではなく、他人の生命力を自分へ移すため、被害者の存在を前提とする能力である。

幻覚の部屋

ハイウェイ・スターは二ッ杜トンネル内に、現実には存在しない部屋を見せて対象を誘い込む。室内の壁には本体を示すような情報が置かれ、好奇心を持つ者が自ら接近する罠になっている。露伴はトンネルの異常を調べるため部屋へ入り、匂いを記憶される。自動追跡を始める前に標的を登録する段階が必要であり、幻覚はその入口を担う。

岸辺露伴への襲撃

露伴はハイウェイ・スターに追われ、バイクでトンネルから逃げるが、時速60キロの追跡に捕まる。スタンドは露伴へ取り付いて養分を吸い、トンネルの部屋へ引き戻す。裕也は露伴へ、代わりに仗助を罠へ入れれば解放するという取引を持ちかける。露伴は仗助を嫌っていても他人を差し出さず、仗助へ逃げるよう警告する。

仗助の逃走

仗助は露伴を救うため自分が標的になり、ハイウェイ・スターを引きつけてバイクで杜王町を走る。康一へ電話をかけ、本体が入院している人物だと絞り込ませる。燃料、速度、交通状況が限られる中で、仗助はクレイジー・ダイヤモンドを道路やバイクの修復へ使う。追跡する足跡と逃げる仗助の距離が一定速度で縮まり続けるため、本体へ先に到着できるかが勝敗になる。

病室での対面

仗助はぶどうヶ丘総合病院へ到着し、嗅覚と見舞客の反応から裕也を本体として見つける。裕也はハイウェイ・スターで養分を吸い、負傷した身体を急速に回復させて迎え撃とうとする。仗助は攻撃の前にクレイジー・ダイヤモンドで裕也の事故による傷を完全に治す。治療を終えた後で殴り倒すことにより、負傷者を攻撃したのではなく、露伴を苦しめた健康な敵へ制裁した形にする。

仗助による治療と制裁

裕也は自分の回復を望んで他人を襲ったため、仗助の治療は最大の目的を先に実現する行為でもある。しかし治したことを理由に罪を免じず、露伴から養分を奪った責任を打撃で負わせる。仗助の治療は無条件の友情ではなく、負傷を言い訳にできない状態へ戻す判断である。裕也は完敗した後に執拗な復讐をせず、病院で回復を続ける。

鋭い嗅覚

スタンドの覚醒後、裕也本人の嗅覚も人間離れした水準へ発達する。果物の傷み、他人の体調、汗やアドレナリンの変化を匂いから識別できる。エニグマ戦では恐怖した人間が示す身体反応を読み、宮本輝之輔の能力条件を見抜く助けとなる。匂いはハイウェイ・スターだけの追跡機能ではなく、本体の観察力と推理へ接続している。

三人の見舞客

裕也の病室には、親しい三人の女性が見舞いに来て世話をしている。彼女たちは裕也の外見と態度に好意を示し、本人もその注目を当然のように受け止める。単独行動の不良として登場しながら、日常では自分を慕う小さな人間関係を持っている。後に輝之輔の罠へ女性たちが巻き込まれると、裕也は彼女たちを救うことを優先する。

エニグマの少年との遭遇

宮本輝之輔は人が恐怖を感じた時に現れる癖を観察し、紙へ封印するスタンド「エニグマ」を使う。仗助は康一が入っている可能性のある紙を見捨てず、自分の恐怖の合図を読まれて封印される。裕也は事前に仗助から協力を求められていたが、吉良捜索へ関わる危険を避けようとしていた。それでも目の前で仗助の行動を見たことで、傍観を続ける判断を変える。

共闘を選ぶ理由

裕也は仗助の自己犠牲を見て、自分も同じ状況なら助けに行くと認める。吉良のような殺人犯を野放しにすることが自分の格好を悪くするという、ナルシストらしい理屈も口にする。正義感だけを掲げるのではなく、自分がどのような男でありたいかを基準に危険を選ぶ。敵対時の自己中心性が消えたのではなく、その自尊心が他人を救う方向へ働き始める。

ハイウェイ・スターでの追跡

裕也は逃走する輝之輔の匂いを追い、ハイウェイ・スターを長距離へ走らせる。スタンドは力比べに向かないが、一度覚えた匂いを失わず、車で移動する相手にも追いつく。輝之輔は紙にした物や生物を罠として配置し、追跡者の恐怖の癖を引き出そうとする。裕也は嗅覚で不自然な匂いと相手の反応を読み、罠の構造を一つずつ見抜く。

自分を紙へ変えさせる作戦

輝之輔に勝つには、紙へ封じられた仗助と朋子を取り戻す必要がある。裕也は自分の恐怖の合図を知られ、最終的にエニグマの紙へ変えられる状況へ入る。しかしハイウェイ・スターを紙の内側でも動かし、閉じ込められた仗助を解放する機会を作る。敵の能力へ捕まる危険を引き受ける行動は、他人を罠へ送ったハイウェイ・スター戦と反対の選択である。

輝之輔への勝利

仗助が紙から出ると、輝之輔はクレイジー・ダイヤモンドの攻撃を受ける。裕也は仗助と朋子の救出を達成し、敵対していた仗助から協力者として認められる。戦いの中心は破壊力ではなく、嗅覚、追跡の持続、恐怖の癖を巡る観察である。ハイウェイ・スターは養分を奪う能力から、人を救うため標的を逃さない能力へ用途を変える。

戦闘能力の評価

ハイウェイ・スターは長距離を自動追跡し、接触した相手を弱らせながら本体を回復できる。本体が安全な場所にいれば、標的だけが継続的に消耗する有利な状況を作れる。反面、追跡速度は一定で、人型の近接攻撃はクレイジー・ダイヤモンドほど強くない。裕也の嗅覚と判断を組み合わせた時に能力の価値が高まり、単純な速度競争を超えた追跡と救出が可能になる。

物語上の役割

裕也は吉良吉廣が生み出した敵の一人として登場しながら、敗北後に町の協力者へ変わる。仗助は裕也を治してから殴り、後には自分の母を救う局面で力を借りる。敵対時の犯罪を消さず、相手の長所を認めて関係が変化する第4部の住民型の人物構成を示す。外見への自信という軽い特徴が、最後には危険から逃げないための個人的な倫理へつながる。

媒体別の扱い

テレビアニメ版では谷山紀章が声を担当し、自信に満ちた口調と追跡時の緊張を表現する。海外版ではスタンド名が権利上の都合から「Highway Go Go」などへ変更される場合がある。『オールスターバトルR』では追加操作キャラクターとなり、足跡型の突進、養分吸収、嗅覚を対戦技へ再構成している。ゲーム内の速度、回復量、攻撃範囲は対戦用の数値であり、原作の時速60キロという追跡条件と分ける。

参照時の注意

裕也は吉良吉廣に矢で射られたが、吉良吉影の身元や犯罪を知って協力していたとは確認できない。嗅覚の向上はスタンド覚醒後の本人の能力として描かれ、ハイウェイ・スターの遠隔追跡と区別して説明する。仗助に治された後も、最初の襲撃で露伴と仗助から養分を奪った事実は残る。エニグマ戦での協力は更生の転機だが、以後の全人生や暴走族からの離脱まで確定した設定として広げない。