ブローノ・ブチャラティ
ぶろーの・ぶちゃらてぃ
ネタバレ範囲: Part 5全編、ブチャラティの過去、死亡、チャリオッツ・レクイエム戦まで
# ブローノ・ブチャラティブローノ・ブチャラティは、第5部『黄金の風』の主要人物であり、ギャング組織パッショーネで自分のチームを率いる20歳の青年である。物体や人体へジッパーを取り付けるスタンド「スティッキィ・フィンガーズ」を操り、潜入、分断、治療、移動、接近戦へ応用する。麻薬に苦しむ街の住民を守りたい思いを持ちながら、自分の力だけでは組織の取引を変えられずにいたが、ジョルノとの出会いによってボス打倒へ踏み出す。
護衛対象のトリッシュを実父が殺そうとした瞬間に命令へ反逆し、致命傷を負った後も仲間をコロッセオまで導く。
基本情報
ブチャラティは1980年9月27日生まれで、本編時点では20歳である。パッショーネの構成員としてネアポリス周辺の任務を担い、ポルポの死後は隠し財産を組織へ納めて幹部へ昇進する。公式人物紹介では、明晰な頭脳、強い精神力、責任感、困っている人へ手を差し伸べる優しさを持つリーダーと説明される。部下だけでなく街の住民からも信頼され、相談、捜索、問題解決を頼まれる。
組織上の地位と地域の信頼を利用しながら、パッショーネが麻薬を売る現実へ強い嫌悪を抱く。
名前と表記
日本語表記は「ブローノ・ブチャラティ」で、ラテン文字ではBruno Bucciaratiと書かれる。Bucciaratiの表記は、シチリアの菓子buccellatiを連想させる。海外資料ではBruno Buccellatiと表記されることがあるが、日本語版の人物と別人へ分けない。「ブチャラティ」「ブローノ」は同一人物の姓と名で、作中では主に姓で呼ばれる。
スタンド名は「スティッキィ・フィンガーズ」で、海外版の変更名は別名欄へ保持する。
外見
ブチャラティは顎の長さで切りそろえた黒髪に、前髪へ複数の装飾を付ける。胸元を大きく開け、縁へレース状の模様がある白い服を着る。服の胸、肩、首元にはジッパーが配置され、スティッキィ・フィンガーズの能力を先に示す意匠になっている。普段は表情と声を落ち着かせるが、部下や一般人へ危害が及ぶと強い怒りを見せる。
原作カラー版、テレビアニメ、ゲームでは髪、服、瞳の色に差があるため、一つの配色だけを固定設定としない。
漁師の家庭
ブチャラティは海辺の村で漁師の父と母の間に生まれる。幼い頃に両親が離婚を決め、母は都会へ移り、父は故郷で漁を続けることになる。両親は子供にどちらと暮らすか選ばせ、ブチャラティは一人で残る父を心配して父の側を選ぶ。本人は都会へ憧れを持っていたが、自分の希望より、孤独になる家族を守る判断を優先する。
この選択は、後に不利な状況でも仲間を残さず、自分が危険を引き受ける性格へつながる。
父への襲撃
ブチャラティが12歳の頃、父は漁船へ乗せた客が麻薬取引を行う現場へ巻き込まれる。証人となった父は銃撃され、重傷を負いながら病院へ運ばれる。取引に関わった男たちは口封じのため病室へ入り、意識を失った父を殺そうとする。ブチャラティは病室に潜み、刃物で襲撃者を殺して父を守る。
子供が警察や社会の保護を信じる状況ではなく、自分で犯罪者を排除しなければ家族を失う危機だった。
パッショーネへ入った理由
麻薬組織から父を守り続けるため、ブチャラティは地域を支配するパッショーネへ接近し、庇護を求める。組織へ入れば別の犯罪者から狙われにくくなる一方、自分も犯罪の仕組みへ加わることになる。父は襲撃の傷が原因となって数年後に死亡し、ブチャラティは組織へ残る。パッショーネが自分の街へ麻薬を流していると知り、父を傷つけたものと同じ問題を組織内部に見る。
しかしボスの正体も取引の全体像も分からず、一構成員として反対すれば自分と部下が処刑されるため、怒りを行動へ変えられずにいる。
チームの形成
ブチャラティは組織内で信頼と実績を積み、自分の部下を持つようになる。元警官のアバッキオ、社会から外れたミスタ、フーゴ、ナランチャを受け入れ、それぞれに役割と居場所を与える。経歴や性格の違う部下を同じ規則で押さえ付けず、能力と判断を見て任務を割り当てる。ナランチャがギャングへ入りたいと望んだときは、恩を利用して加入させず、危険だから来るなと叱る。
それでも本人が入団試験を選んだ後は部下として守り、戦える仲間へ育てる。アバッキオは新入りのジョルノを疑っても、ブチャラティが決めた任務と命令には従うほどリーダーを信頼する。
街の住民からの信頼
ブチャラティは恐怖だけで地域を支配せず、住民の相談へ応じ、困っている人へ具体的な助けを出す。店や路上で声を掛けられ、警察や行政へ頼みにくい問題の仲介者として扱われる。子供へ麻薬を売る者を嫌い、腕に注射痕がある少年を見て攻撃をためらう。ギャングの地位を私的な贅沢だけへ使わず、組織の害と地域の生活の間で矛盾を抱える。
善人だから犯罪へ関わっていないのではなく、犯罪組織の内部にいながら守れる範囲を作っている人物である。
ジョルノとの出会い
涙目のルカが重傷を負った事件を調べるため、ブチャラティは列車内でジョルノ・ジョバァーナへ接触する。丁寧な質問から始め、ルカの眼球を手へ入れて動揺を誘い、汗を舐めて嘘を見抜いたと告げる。スティッキィ・フィンガーズで身体と空間を開き、逃げるジョルノを追い詰める。ゴールド・エクスペリエンスの攻撃を受け、感覚だけが加速して身体が動かない状態を経験する。
戦いでは敵として互いの覚悟と能力を測り、ジョルノはブチャラティが麻薬を注射された少年への攻撃をためらったことへ気づく。
ジョルノと結んだ協力
ジョルノはブチャラティを倒しても殺さず、街から麻薬をなくすためパッショーネのボスを倒す夢を話す。ブチャラティは同じ怒りを抱きながら実行できなかった目標を、新入りの少年が言葉と行動で示したことに動かされる。すぐに全面的な反乱を起こすのではなく、ジョルノを入団させ、組織内で地位を上げてボスへ近づく計画を選ぶ。裏切りが発覚すれば助けられないと警告しつつ、ポルポの試験を受ける機会を用意する。
二人の関係は一方が部下になるだけでなく、ブチャラティが決断する勇気をジョルノから受け取る協力関係である。
スティッキィ・フィンガーズ
スティッキィ・フィンガーズは高い力と速度を持つ近距離型スタンドである。触れた壁、床、物体、人体へジッパーを作り、開閉して空間や部位を分ける。壁を開いて通路を作る、地中へ潜る、物体の内部へ隠れる、相手の手足を外す、傷口を閉じるなど用途が広い。自分の腕をジッパーで伸ばし、射程外へ拳を届けることもできる。
切り離した人体を完全に治療する生命能力ではないが、損傷部位を接続し、出血と動きを一時的に制御できる。能力の詳細と各戦闘での技は独立記事で扱い、人物記事では判断と使用目的を中心に整理する。
ポルポの遺産と幹部昇進
ポルポの死後、ブチャラティチームはカプリ島に隠された100億リラを回収する。ズッケェロとサーレーの襲撃を受けるが、ブチャラティは二重の船を使ったズッケェロの罠を見抜く。財産をペリーコロへ渡し、組織への功績として幹部に昇進する。ネアポリスの賭博や宿泊施設に関する権限を得て、ボスへ近づく計画を一段進める。
同時に最初の幹部任務として、ボスの娘トリッシュを暗殺チームから守る命令を受ける。望んだ昇進がボス打倒の機会となる一方、チーム全員を大規模な抗争へ入れる責任も背負う。
トリッシュ護衛任務
ブチャラティはトリッシュの要求と不安を受け止めながら、暗殺チームへ居場所を知られない移動経路を選ぶ。列車ではプロシュートのザ・グレイトフル・デッドが乗客を老化させ、ペッシのビーチ・ボーイがチームを探す。ブチャラティは老化と負傷を受けても、幹部として任務と部下の生存を同時に守ることを宣言する。列車外へプロシュートと自分を落とし、ジッパーで車体へつかまりながら敵の能力を止める。
成長したペッシが仲間を道連れにしようとすると、戦術ではなく逆恨みで殺す態度を否定し、スティッキィ・フィンガーズで倒す。
ボスの最終指令
ヴェネツィアへ到着すると、ボスはサン・ジョルジョ・マジョーレ島の大鐘楼へトリッシュを連れて来るよう命じる。部下を同行させず、ブチャラティ一人がエレベーターで受け渡し地点へ上がる。キング・クリムゾンが時間を消し、トリッシュの腕を切断して連れ去ると、残された血痕から目的へ気づく。ボスは娘を保護するためではなく、自分の過去へつながる血縁を殺すため護衛させていた。
ブチャラティは命令達成と組織への忠誠を捨て、その場でトリッシュを救うため攻撃する。計画を相談する時間も勝算もない状況で、見過ごせない行為へ即座に反逆を選ぶ。
ディアボロとの最初の戦い
キング・クリムゾンは近い未来を予知し、時間を消してブチャラティの攻撃を回避する。ブチャラティは柱、床、携帯電話へジッパーを作り、ジョルノの指示を受けて見えない敵の位置を狙う。ディアボロは背後へ移動して腹部を貫き、さらに身体を大きく切り裂く致命傷を与える。ブチャラティは傷口をジッパーでつなぎ、残った力でトリッシュを回収する。
ジョルノが作ったココ・ジャンボの複製を利用してボスの動きを遅らせ、柱へ開いた通路から脱出する。この時点で肉体としては死亡したが、本人と仲間は直後に状態を完全には理解しない。
反逆を仲間へ選ばせる
ボートへ戻ったブチャラティは、ボスへ反逆してトリッシュを守ると部下へ伝える。自分の命令だから全員を従わせるのではなく、組織へ残るか危険な道へ来るかを各人へ選ばせる。ジョルノ、ミスタ、アバッキオは同行し、ナランチャは迷った末に泳いで追い、フーゴは岸へ残る。ブチャラティは離れたフーゴを攻撃も処罰もせず、本人の判断として受け止める。
リーダーの権威を守るためではなく、個々の覚悟がなければボスとの戦いを続けられないと理解している。
死体として動く身体
ジョルノはゴールド・エクスペリエンスでブチャラティの傷を修復するが、失われた生命そのものは戻らない。生命エネルギーと本人の意志によって身体が動き続ける、通常の生者とも死者とも異なる状態になる。脈拍、呼吸、体温、痛覚が失われ、負傷しても血が出ず、食事も身体の維持へつながらない。時間が経つほど視覚と聴覚も衰え、皮膚と指が崩れ始める。
本人は異常を隠して任務を続けるが、ジョルノは傷の反応と身体の冷たさから真実へ気づく。ブチャラティは与えられた時間を奇跡と考え、死を避けるためではなく使命を完了するために使う。
アバッキオを失った後
サルディニアでディアボロはアバッキオを殺し、ボスの顔を再生する作業を止めようとする。ナランチャは遺体を置いて進むことを拒み、ジョルノへ治療を求め続ける。ブチャラティは自分も死んでいる状態でありながら、その事実を明かさず、チームへ前進を命じる。冷淡だから悲しまないのではなく、アバッキオが最期に残した手掛かりを無駄にしないため指揮を続ける。
仲間の死を悼む時間を持てない責任が、リーダーと一人の友人としての感情を分ける。
グリーン・ディとセッコ
ローマ近郊の村では、生物が低い位置へ動くとグリーン・ディのカビが増殖する。ブチャラティの身体はすでに生命活動を失っているため、他の仲間と同じようにはカビが広がらない。その性質を利用してセッコへ接近し、仲間が高い場所へ逃げる時間を作る。ローマではオアシスをまとったセッコと再戦し、速度と力でスティッキィ・フィンガーズを上回る敵に苦戦する。
地中の音で位置を探す能力を見抜き、自動車のタイヤを破裂させて互いの鼓膜を壊す。生者なら致命的な痛覚と呼吸の制約を受けない自分の身体を、地下戦の逆転へ利用する。
コロッセオへの到達
視覚と聴覚をほぼ失ったブチャラティは、コロッセオで待つ協力者へ向かう。ディアボロはドッピオの姿で接近し、トリッシュのふりをして誘導させようとする。ブチャラティは血縁者が持つ気配に似た感覚と、自分の失われた感覚を頼りにドッピオを連れて進む。ポルナレフのもとへ到達した直後、ディアボロが表へ出て時間を消し、真の姿を現す。
ブチャラティの身体は限界に近いが、仲間と矢を結ぶ最後の役割が残る。
チャリオッツ・レクイエム
ポルナレフが矢でシルバー・チャリオッツを貫くと、チャリオッツ・レクイエムが周囲の精神を入れ替える。ブチャラティの精神はディアボロの身体へ入り、ドッピオの精神がブチャラティの身体へ入る。仲間はボスの身体にいる人物を敵と誤認するが、ブチャラティはスティッキィ・フィンガーズを使って自分を示す。精神が別の身体へ移ってもスタンドと本人の結び付きが残り、指揮と戦闘を続ける。
一方、ドッピオは生命を失ったブチャラティの身体で衰弱し、ディアボロへ呼び掛けながら死亡する。
レクイエムの破壊と最期
ディアボロはレクイエムの影が各人の精神の背後にあり、その光を攻撃すれば能力を弱められると見抜く。矢を奪ってキング・クリムゾンを進化させようとするが、ブチャラティは自分の背後にある光を破壊する。チャリオッツ・レクイエムは消滅し、入れ替わっていた精神が元の身体へ戻る。ブチャラティの魂もすでに限界を迎えた自分の身体へ戻り、トリッシュを救い、矢をジョルノへ渡す結果を確定させる。
身体から光と共に離れる際、ジョルノへ感謝を伝え、自分が再び生きる勇気を得たと告げる。ジョルノは別れを受け止め、ブチャラティがつないだ矢でゴールド・エクスペリエンス・レクイエムを発現する。
リーダーとしての特徴
ブチャラティは最も強いから命令するだけでなく、任務の危険と部下の状態を同時に引き受ける。列車では敵と自分を外へ落とし、ヴェネツィアでは一人でトリッシュを連れ、ローマではセッコを引き受ける。部下へ選択を与える一方、決断後は迷いを見せず、前進に必要な命令を出す。ジョルノの提案を年下だから退けず、合理性と覚悟があれば採用する。
アバッキオやナランチャの死へ感情を止める時間がなくても、犠牲を目的へつなぐことで敬意を示す。優しさ、判断、責任が別々の性質ではなく、誰を守るか決めた後の行動として結び付いている。
運命と「眠れる奴隷」
物語終幕の回想では、ジョルノと出会う前のブチャラティがローリング・ストーン(ズ)の対象だったと分かる。石へ触れれば近い死を安らかに迎えるはずだったが、ミスタが石を破壊して接触を阻止する。死の運命そのものは消えず、ブチャラティは致命傷後も動き、トリッシュと仲間を最後まで導く時間を得る。その旅ではアバッキオとナランチャも死亡し、石の破片に三人の姿が現れる。
運命を完全に回避した英雄ではなく、避けられない結末へ向かう過程で何を残すかを選んだ人物である。
原作とテレビアニメ
原作ではジョルノの最初の強敵として登場し、直後から協力者とチームリーダーになる。テレビアニメ公式では20歳、強い責任感と優しさを持ち、幹部、部下、住民から信頼される人物として掲載される。テレビアニメ版の声は中村悠一が担当する。アニメは過去、街の住民との関係、死後に近い身体の変化、魂の別れを映像と音声で補強する。
小説やゲームで描かれる追加任務と別の生存展開は媒体を明記し、原作第5部の経歴へ混在させない。
未判明事項
ブチャラティの母親の本編時点での消息、父親の名前、組織へ入った直後の任務は詳しく描かれない。ポルポの部下になった時期、アバッキオやミスタをチームへ迎えた正確な順序にも資料差がある。致命傷後の身体を動かした生命エネルギーが何日維持できたか、通常の治療で延長できたかは確定しない。死後に遺体がどう扱われたか、街の住民へ死が伝えられたかも原作では示されない。
作中で確定する選択と、能力や奇跡の仕組みに関する推測を分けて記述する必要がある。