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ジョジョ百科事典ANNA MOVIES
Part 6 / 人物

女囚のパーマ

じょしゅうのぱーま

第一世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 6ジェイル・ハウス・ロック戦まで

# 女囚のパーマ女囚のパーマは、第6部『ストーンオーシャン』に登場する氏名不詳の女性受刑者である。グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の食堂で配膳係を務め、徐倫へ施設内の奇妙な慣習を「七不思議」として教える。電話の順番や席を金で譲る現金な性格を持つ一方、食堂の仕事をこなし、刑務所の日常を繰り返し映す脇役でもある。

名称

作中で本名は示されず、髪型を表す「女囚のパーマ」という呼称で区別される。英語圏の資料ではCurly-Haired Prisoner、Female Prisoner with Perm、Catererなどの表記が使われる。Catererは食事を配る役目に由来する呼び方であり、別の登場人物ではない。容姿だけを指す通称と職務を指す通称が併存しているため、登場場面を整理する際は同一人物として扱う必要がある。

外見

パーマをかけたような巻き毛と横に広い顔立ちが特徴で、ふくよかな体格をしている。食堂では帽子とエプロンを着用し、受刑者でありながら給食を配る担当者だと一目で分かる服装を取る。漫画とテレビアニメでは色彩が異なるが、巻き毛、作業着、エプロンという人物を特定する要素は共通する。戦闘員らしい装飾や武器を持たず、刑務所内で生活する一般の受刑者として描かれる。

性格

口調は荒く、列へ割り込もうとする徐倫を押しのけ、食券を出さない者を泥棒扱いするほど遠慮がない。反面、金を見せられると態度をすぐ変え、自分の順番だけでなく椅子や飲み物まで用意する。この変化は忠誠心を意味せず、刑務所内で得になる側へ短時間で乗り換える処世術を示す。腕力やスタンド能力で序列を作る人物ではなく、情報、順番、食事の配分といった小さな権利を取引材料にする。

食堂での役割

初登場時は食堂で徐倫へ食事の仕組みを説明する。受刑者は好きな時間に眠れるが、食堂へ遅く来れば料理が残っていないことを彼女は「七不思議」の一つとして語る。朝から作業へ出る受刑者には弁当が用意されることも、同じ調子で不思議な規則として数える。説明内容は超常現象ではなく、施設の運用と受刑者同士の力関係を知らない新入りが直面する現実である。

そのため彼女は、読者と徐倫へ刑務所の生活条件を伝える案内役の機能を持つ。

電話の予約

徐倫が母へ電話をかけようとした場面では、電話は予約制で、待ち時間が一か月に達すると告げる。彼女はこれも刑務所の七不思議に数えるが、直後に自分の順番を別の受刑者へ二十ドルで売る。表向きの規則と、金を介して実際に動く非公式な秩序が同じ場所に存在することが分かる場面である。徐倫にとって電話は母の声を聞くための切実な手段だが、彼女にとって予約枠は換金できる資産になる。

両者の温度差が、収監直後の徐倫が置かれた孤立を強調する。

百ドルの賄賂

後の電話列では、徐倫に押された彼女が怒り、脅すように詰め寄る。徐倫は現金を入れたガムの包みで彼女を殴るように差し出し、百ドルを受け取らせる。金額を知った彼女は即座に態度を変え、徐倫へ順番を譲るだけでなく、待つ間の椅子まで用意する。さらに他の受刑者から取った飲み物を無料サービスのように差し出し、先ほどの敵意を忘れたかのように振る舞う。

この場面では暴力より金銭が有効な交渉手段となり、徐倫が刑務所内の裏の規則を学んだことも表れる。

F・Fとの交流

中庭では、F・Fが他の受刑者とのキャッチボールへ何度も割り込み、彼女が不満をぶつける。F・Fはアトロエとは反対の行動を取ろうとして、豚肉の反対は何かと彼女へ尋ねる。彼女は、一日中だらける豚に対し、鮭は流れへ逆らって泳ぐから反対だと答える。分類として正確な反対語ではないものの、生活態度の印象から即興で組み立てた説明である。

人間社会の言葉を学ぶF・Fと、独自の理屈をためらわず教える彼女の会話は、緊張の続く刑務所編に短い可笑しさを加える。

ジェイル・ハウス・ロック戦

ミューミュージェイル・ハウス・ロックにより、徐倫は新しく覚えられる事柄を三つに制限される。食堂へ来た徐倫が食券をめぐる状況を理解できないと、女囚のパーマは券を見せるよう要求する。徐倫の記憶障害を知らない彼女は、食事を盗もうとしているのだと判断し、いつもの荒い態度で追い払おうとする。超常的な攻撃の説明を担う人物ではないが、日常の手続きが徐倫にとって突破困難な障害へ変わったことを見せる。

能力の被害は記憶の独白だけでなく、食券という単純なやり取りの失敗を通して具体化される。

スタンド能力

女囚のパーマがスタンドを持つ描写はない。F・Fや徐倫との場面にも能力を示す現象はなく、受刑者としての立場と性格だけで物語へ関わる。ジェイル・ハウスロック戦に登場しても、彼女がミューミューの共犯者だと示す情報はない。徐倫へ食券を要求した行動は、刑務所の日常業務を続けた結果として読むのが自然である。

物語上の意味

女囚のパーマは大きな事件を起こさないが、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所が戦闘の舞台だけではないことを示す。食事、電話、列、賄賂という反復は、自由を奪われた環境で小さな便宜にも価格が付く現実を形にする。初登場時には徐倫へ規則を教え、中盤ではF・Fの社会学習へ応じ、終盤では記憶を失う恐怖を日常側から可視化する。同じ人物が別々の局面に顔を出すことで、長く続いた刑務所生活の時間にも連続性が生まれる。

固有名を持たない脇役でありながら、刑務所編の生活感を支える反復登場人物として識別する価値がある。

刑務所の「七不思議」

彼女が七不思議と呼ぶ事柄には、怪談のような超常現象は含まれていない。遅れて食堂へ行けば料理がなくなること、作業へ出る者には弁当があること、電話の予約が長期間埋まっていることなど、どれも施設の運用で説明できる。それでも新入りの徐倫には事前の案内がなく、知っている受刑者だけが便宜を得られるため、不可解な現象に近く感じられる。女囚のパーマは説明役であると同時に、その知識を利用して電話の順番を売る側でもある。

規則を知ること自体が小さな権力となる環境を、彼女の冗談めいた呼び方が端的に表している。

お金への反応

二十ドルでは電話の順番を一つ譲り、百ドルでは椅子と飲み物を付けて徐倫を客のように扱う。金額に応じて提供する便宜が増えるため、単に気まぐれで態度を変えたのではなく、刑務所内に独自の相場を持っていると考えられる。ただし飲み物は他の受刑者から勝手に取ったもので、本人が正当に提供できる所有物ではない。自分の得のためなら周囲の権利を軽く扱う性格が、短い動作の中に表れる。

徐倫もその仕組みを理解して利用するため、二人のやり取りは善悪の対立より、閉鎖環境での交渉として描かれる。

徐倫との距離

女囚のパーマは徐倫の友人にも敵にもならず、場面ごとに利害が一致したり衝突したりする。初対面では施設を案内し、電話列では妨害者となり、賄賂を受け取れば協力者のように振る舞う。ジェイル・ハウス・ロック戦では、徐倫が異常な状態だと知らないまま日常の規則を突き付ける。固定した陣営へ所属しないため、徐倫の評判や戦いの成果に応じて忠誠を誓う人物ではない。

この中立に近い距離が、刑務所の受刑者全員が主人公の争いへ関わっているわけではないという現実味を保つ。

F・Fから見た社会

F・Fは他人の身体と記憶を借り、人間の生活習慣を学びながら仲間になる。女囚のパーマはその事情を知らず、少し変わった受刑者へ接するのと同じ態度で言葉を返す。豚肉の反対を鮭とする答えは論理学上の定義ではないが、動物の生き方を対比させた比喩としてF・Fには理解しやすい。専門家ではない人物の即興の説明が、F・Fに新しい行動の手掛かりを与える点に可笑しさがある。

二人の短い交流は、F・Fが戦闘だけでなく食事や雑談を通じて人間社会へ加わった時間を示す。

登場の連続性

初登場からジェイル・ハウス・ロック戦まで、彼女の職務と性格は大きく変化しない。同じ食堂と電話設備へ繰り返し現れることで、徐倫が経験した日々の場所と人物が読者にも定着する。物語が刑務所外へ移ると登場しなくなるのも、配膳係という生活範囲に沿った自然な退場である。脱獄後の徐倫を追跡したり、プッチ神父の計画へ加わったりした事実はない。

終盤の世界の変化後に彼女がどうなったかも描かれず、確認できる活動範囲は収監中の施設内に限られる。

漫画とテレビアニメ

テレビアニメは漫画の主要な役割を保ち、配膳、電話列、F・Fとの会話、食券をめぐる場面を映像化した。徐倫とF・Fがミラションを追う途中で、彼女が他の受刑者と話す短い姿も追加されている。追加場面は新たな能力や経歴を与えるものではなく、施設内で普段から生活している人物としての存在感を補う。配色や細部の演技は媒体によって違うため、衣服の色を人物設定の固定情報として扱うべきではない。

原作の出来事とアニメ独自の短い補足を区別すれば、登場回の整理と人物像の把握を両立できる。