JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 9 / 人物

アッカの祖父

あっかのそふ

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 9第23話から第32話まで

# アッカの祖父アッカの祖父は、第9部『The JOJOLands』に回想で登場するハウラー家の当主であり、HOWLER社を継いだアッカ・ハウラーの祖父である。作中で個人名は明かされておらず、アッカの少年期と青年期を通して一族の土地、財産、溶岩の秘密を伝える人物として描かれる。孫へ愛情を向ける家庭人である一方、土地を守るためなら無関係の運転手まで殺す苛烈さを持つ。

その二面性は、ハウラー家の繁栄が健全な経営だけで築かれたのではなく、先祖から受け継ぐ超常的な仕組みと暴力の上に成立していたことを示す。

基本情報

本名と生没年は不明で、作中では一貫してアッカの祖父として扱われる。姓はハウラーであり、イタリア系の血を引くハワイ出身のアメリカ人である。HOWLER社の当主として、ハワイ島フアラライ山北斜面に広がる一族の土地を管理していた。アッカが単行本で第8代当主へ修正された現在の系譜に従えば、祖父は二代前の第6代に位置する。

ただしアッカの親に当たる第7代の人物は、現時点で氏名も活動も描かれていない。

名前の扱い

ハウラー家では、始祖ラトラートからアッカまで、イタリア語のアルファベット読みを思わせる名が世代順に並ぶ。アッカはHに対応するオランダ語名ではなく、イタリア語でHを読む「アッカ」に由来すると考えられる。祖父が第6代ならFに対応する「エッフェ」が候補になるが、これは命名規則から導いた推定であり、作中で確定した本名ではない。人物記事では「アッカの祖父」を正規名称とし、「エッフェ・ハウラー」は検索用の推定別名に留める必要がある。

外見

祖父は、横幅のある顔、下へ伸びた口ひげ、側頭部を短く刈った髪形を持つ大柄な老人である。若い頃から肩幅が広く、モンテ・ブルットを襲った際にはフード付きの服を着て顔を隠している。幼いアッカとテレビを見る場面では、Tシャツ、短いパンツ、サンダル、花のレイというくつろいだ装いを見せる。青年期のアッカへ話す場面では、花柄を取り入れた服と上着を身に着け、一族の富を体現する落ち着いた風格を備える。

服装の差は、土地を守る実行者、家庭の祖父、財産を継承させる当主という役割の切り替わりを視覚化している。

1967年の火災

1967年、ハウラー家の農場は火災で大きな被害を受け、一族は破産寸前へ追い込まれる。土地の所有はハワイがアメリカへ併合される以前の口約束に由来し、近代的な法制度から見れば権利の根拠が弱かった。政府側のモンテ・ブルットは、土地だけでなく、その内部にある水源を州の管轄へ移すべきだと主張する。ブルットはハワイのマフィアとつながりを持ち、農場の火災にもその勢力が関与していたとされる。

祖父にとって火災は単なる経営上の損失ではなく、ラトラート以来の土地を制度と犯罪の両面から奪う攻撃だった。

モンテ・ブルットの殺害

祖父はトラックを低速で走らせ、モンテ・ブルットの乗る車が追い越しを図るように仕向ける。二台が並んだ瞬間に銃を撃ち、ブルットの頬を撃ち抜いて車を横転させる。事故後も生きていた運転手へ、ブルットの企みに関係がないことは承知していると謝る。それでも先祖から継いだ土地を優先すると告げ、石で運転手を殴り殺す。

敵対者だけを排除したのではなく、目撃者である無関係の人物まで口封じした行為であり、祖父の土地への執着が明確に犯罪へ達した場面である。アッカが後に部下へ調査者の排除を命じる態度は、祖父から受け継いだ支配の論理と重なる。

土地権利書を作る

ブルットとの争いを経た祖父は、フアラライの土地について正式な権利書を作成する。口約束と伝承だけに依存していた所有関係を、国家の制度内で主張できる文書へ置き換えたのである。幼いアッカを隣へ呼び、その権利書を見せながら、自分たちが土地を守る根拠を説明する。後年、権利書の原本を調査したドラゴナたちがHOWLER社の資産凍結へつながる情報を得るため、この文書は第9部の土地争奪戦を動かす中心資料になる。

祖父の対策は一族を長期間守ったが、同じ文書が精査されることで不正な資金と土地利用を追跡する入口にもなった。

宝箱と一族の財産

祖父はアッカへ、一族が価値ある品を保管してきた宝箱を見せる。箱の中には美術品や先祖の形見とともに、細かく分けられた溶岩の欠片が置かれていた。家が困窮した時は高価な品を売ってよく、それらは溶岩の作用によっていずれ箱へ戻ると教える。一族は7000万ドル相当のティントレットの絵画などを手放して資金を得たが、売却品は長い時間をかけて再び引き寄せられた。

ティントレットの絵は十年以上も所有者を移りながら戻ったとされ、溶岩の作用が即時の瞬間移動ではないことも分かる。この仕組みによってハウラー家は、資産を現金化しても元の価値物を失わない循環を作り、火災後の危機から富を回復した。

溶岩について教える

祖父は溶岩を、欲しい物を命令どおり運ぶ道具としてではなく、価値ある物が流れ着く仕組みとして扱う。箱へ溶岩を置き、戻ってほしい品との関係を保つことで、売却先や所有者が変わっても最終的な流れを一族側へ向ける。一方で、祖父が使っていた最初の溶岩は永続せず、年月とともに劣化して力を失う。そのため財産循環は完成された永久機関ではなく、新しい溶岩を発見できなければ途切れる相続資源だった。

祖父は使用法を伝えられても、ラトラートが新しい石を発見した過程までは完全に再現できていない。

アッカへの愛情

幼いアッカと過ごす祖父は、犯罪者としての冷酷さとは異なる穏やかな表情を見せる。テレビの前へ孫を呼び、権利書と宝箱を順に示し、最後には愛していると明言する。財産の話だけで終わらず、将来困った時に形見を売ってもよいと伝える姿勢には、孫の生存を一族の品より優先する情がある。ただしその愛情は、アッカを土地と会社の継承者へ組み込む教育と分離できない。

祖父が残した安心は、溶岩と土地を守り続ける義務を同時に孫へ背負わせる。

浴室での対話

青年期のアッカが女性と浴槽で過ごしていると、祖父は予告なく部屋へ入る。女性は驚いて逃げるが、祖父は孫の享楽そのものを叱責しない。代わりに、何でも手に入る家へ長男として生まれたことが、幸福だけでなく転落の危険を意味すると説く。一族が頂点で強く輝くほど、その背後には長く濃い影ができると説明する。

欲望を禁止する道徳教育ではなく、特権を当然と感じる孫へ、繁栄には終わりがあると認識させる継承教育だった。

頂上から落ちるという警告

祖父は、恵まれた時代の長男であるアッカが、すでに頂上から下る道へ立っていると警告する。上り続けている者ではなく、最高点から落下し得る者として孫の立場を定義した。アッカは成人後、巨額の融資、土地開発、軍需品製造、私的支出を重ね、溶岩を失った会社を規模だけで維持しようとする。資産凍結、捜査、部下の離反、土地交換、ヨットの沈没が連鎖する第32話では、祖父の言葉が現実の説明として回想される。

アッカが「なぜ自分の時代なのか」と嘆くほど、祖父は衰退が特定の不運ではなく継承構造に内在すると見抜いていた。

ラトラートの日記

祖父はハウラー家の始祖ラトラートが残した日記を、青年期のアッカへ渡す。日記には新しい溶岩の見つけ方が暗号めいた言葉で記録されていた。手掛かりは新月の稲妻と、大地から噴き出す息を結び付ける内容で、若いアッカには意味を理解できない。祖父は答えを解説できないまま、必要な時が来れば読み解く責任があると伝える。

後にアッカは船内礼拝堂の十字架に開いた穴と、ラトラートの写真に写る同じ形を見て、それが落雷で形成された閃電岩だと気付く。稲妻が溶岩原を貫いた痕跡を探すという発見法へ到達できたのは、祖父が意味不明な記録を捨てずに継承したためである。

知識の継承と欠落

祖父が残した情報は、溶岩の使用法、土地の権利、宝箱の運用、ラトラートの日記という複数の層に分かれる。使用法は幼いアッカにも理解できたが、新しい石の発見法は文字と象徴に埋もれたまま伝わった。情報を保存することと、次代が実行できる知識へ変換することは同じではない。アッカは数十年にわたりフアラライの区域を閉鎖し、工場で石を砕いて探したものの、新しい溶岩を発見できなかった。

祖父の継承は完全な解答ではなく、家の危機が極限へ達した時にようやく読み解かれる遅延した手掛かりになった。

ハウラー家における役割

始祖ラトラートが土地と溶岩を得た創業者なら、祖父はそれらを20世紀の法制度と企業資産へ接続した維持者である。権利書を作り、売却品の帰還を利用し、HOWLER社を破産から立て直した実務能力を持つ。同時に、殺人による排除を家の防衛手段へ組み込み、その倫理まで次代へ残した。アッカは祖父の警告を記憶していても、暴力と特権の部分を反復し、土地を失う可能性を受け入れられない。

祖父は善良な助言者でも単純な悪人でもなく、愛情、先見性、犯罪を一つの家督にまとめた人物である。

物語上の意味

祖父の回想は、溶岩を偶然拾ったジョディオたちと、何世代も石を管理してきたハウラー家を対照させる。若者たちは石の流れを実験しながら学ぶが、ハウラー家は知識を相続してなお肝心の発見法を失っている。また、土地の所有が祖先の口約束、近代の権利書、銀行融資、国家による接収へ形を変える過程を一人の生涯へ凝縮する。祖父が守った土地はアッカへ富を与える一方、その所有へ固執させ、ジョディオたちとの対決から逃れられなくする。

回想だけの人物でありながら、第9部の中心にある富の流れ、土地の正当性、継承と衰退を結び付ける役割を担う。

関連項目

- アッカ・ハウラー- ラトラート- HOWLER社- 溶岩

- モンテ・ブルット- フアラライ山- 第23話「ドルフィン銀行の債権回収 その2」- 第28話「隙間に潜む者たち その1」