闇を目指した連星とは
『メイドインアビス 闇を目指した連星』は、スパイク・チュンソフトが発売した一人用3DアクションRPGである。日本ではPlayStation 4、Nintendo Switch版が2022年9月1日、PCのSteam版が9月3日に発売された。
プレイヤーがアビスへ下り、原生生物との戦闘、遺物採集、食料調達、地上への帰還を自分で行う。アニメの物語を追体験するモードと、独自の探窟家を育てる原作者監修の物語を分けて収録する。


二つのゲームモード
ゲームは「HELLO ABYSS」と「DEEP IN ABYSS」の二本立てである。前者はリコとレグの物語を通じて操作と世界を学び、後者は作成した新米探窟家で独自の探窟生活を進める。
発売後の更新により、DEEP IN ABYSSを最初から選べるよう解放条件が撤廃された。現在の仕様を説明するときは、発売初期の進行条件と更新後を混同しない。二つは難易度差だけでなく主人公と物語の位置が異なる。
HELLO ABYSS
HELLO ABYSSは、リコが深界一層でレグと出会い、二人で奈落底を目指すアニメ序盤を操作可能な形へ置き換える。原作人物の能力を使いながら、移動、採集、戦闘、料理の基礎を学ぶ導入モードである。
映像作品をそのまま再生するのではなく、プレイヤーが崖を登り、素材を選び、敵を避ける時間が加わる。物語の主要点はアニメに基づくが、ゲーム進行のための地形、資源配置、戦闘頻度は媒体固有の設計として区別する。
DEEP IN ABYSS
DEEP IN ABYSSでは、外見と名前を設定した新米探窟家がベルチェロ孤児院から出発する。リコとレグが旅立って数日後を起点に、依頼を受け、遺物を納め、笛の階級を上げながら深層を目指す。
物語は原作者つくしあきひとの監修を受けたゲーム独自内容である。原作人物も登場するが、漫画本編の同時期にすべてのゲーム事件が起きたと無条件に統合せず、ゲーム媒体の正史区分を明示して扱う。
主人公を作る
DEEP IN ABYSSの主人公は、性別表現、顔、髪、声、名前などを選び、プレイヤー自身の探窟家として作成する。固有の完成済み主人公を追うのではなく、装備と技能の選択が生存方法へ反映される。
外見を自由にしても、ベルチェロ孤児院の見習い、赤笛から始めるという社会的な位置は共通する。経験のない子どもが制度の中で任務を受けるため、自由探索と階級による制限が同時に存在する。
探窟の基本循環
地上のオースで装備と食料を準備し、アビスへ下り、依頼、採集、狩猟、遺物発掘を行い、生存した状態で帰還する。持ち帰った遺物を査定へ出すと経験と資金を得て、次の探窟へ備える。
下降だけでなく帰路までが一回の行動である。深く進むほど価値ある成果が増える一方、上昇負荷、食料消費、装備破損、荷物の重量も積み重なる。欲張った採集が帰還不能へ直結する設計になっている。
アビスの呪いの再現
ゲーム内でもアビスの呪いは上昇時に発生する。浅層では吐き気などで行動が乱れ、深層ほど感覚や身体への影響が重くなる。上方向へ移動するだけで安全が減る点を操作へ組み込む。
映像では物語上の要所で描かれる現象が、ゲームでは経路選択の継続的な制約になる。短い段差を何度も登る場面でも管理が必要で、敵から逃げて高所へ移る判断が別の危険を生む。原作の設定をゲームルールへ翻訳した部分である。
体力・空腹・スタミナ
主人公は生命力だけでなく、空腹とスタミナを管理する。壁登りや移動でスタミナを使い切れば落下し、長時間食べなければ行動能力が下がる。戦闘に勝っても帰る体力が残るとは限らない。
数値は別々に見えて互いへ影響する。重い荷物は移動を遅くし、遅れれば食料を消費し、焦って崖を登ればスタミナが尽きる。探窟前の計画と、現地で持ち物を捨てる決断が同じくらい重要になる。
荷重と持ち物
武器、採掘道具、食材、遺物には重量があり、持てる量を超えると移動が困難になる。高価な遺物を見つけても、帰還に必要なロープ、薬、食料を捨てれば生存率が下がる。
何を持ち帰るかは得点だけの選択ではない。壊れかけた装備を交換する素材、依頼品、料理用の水を比較し、目的に合わない成果を諦める。アビスが魅力で探窟家を深く引き込む性質を、所持品の判断で体験させる。
クラフトと料理
採集した鉱石、植物、原生生物の素材から、武器、道具、薬品、料理を作る。地上で買った物資だけに頼らず、現地で消費分を補えるかが長い探窟を左右する。レシピは成長とともに増える。
料理は空腹を満たすだけでなく、限られた材料を安全な形へ変える技術である。必要素材、調理設備、携帯重量を考え、採った物をすべてその場で使うわけではない。作品の食文化を生存システムへ結び付ける。
武器と耐久度
つるはし、斧、弓などは採掘と戦闘に使えるが、使用で耐久度が減り、破損する。強い敵へ一本の武器だけで挑むと、帰路で攻撃手段を失う可能性がある。予備と素材の配分が必要である。
戦闘は敵をすべて倒すことが目的ではない。原生生物の縄張りを避け、食料が必要なときだけ狩り、追われたら地形を使って逃げる。装備の消耗が、討伐より観察を選ぶ理由になる。
原生生物との戦闘
原生生物は種類ごとに攻撃範囲、移動、感知方法が異なり、同じ武器で正面から戦えばよいわけではない。小型の群れ、飛行する捕食者、地形を利用する大型生物へ対応を変える。
倒した生物から食材や素材を得られる一方、戦闘中にも空腹と装備が消耗する。危険度と利益を比較し、任務と関係のない敵を避けることも探窟技能である。図鑑情報が次の遭遇の準備に役立つ。
遺物の収集と査定
アビス内で発見した遺物は、地上へ持ち帰って査定される。価値に応じて経験や資金となり、探窟家としての評価を高める。深層ほど希少性が上がるが、持ち帰る距離と危険も増える。
すべての遺物が戦闘装備になるわけではない。用途不明の品や生活用品も世界の歴史を示す。ゲームでは収集報酬として整理されるが、原作設定では出所と製造者が不明な古代の品である点を保つ。
笛の階級と成長
主人公は赤笛から始まり、任務と成果によって蒼笛、月笛、黒笛へ昇格する。階級が上がると許可される深度、装備、技能が広がり、より難しい依頼へ進める。
探窟家制度をレベル表示へ置き換えるだけでなく、街から認められる過程として描く。白笛は通常の経験値だけで到達する単純な最上位ではなく、生命の響く石を必要とする特別な存在なので分けて理解する。
スキルの選択
成長で得たポイントを、戦闘、探窟、クラフトなどの技能へ振り分ける。武器の扱い、採集効率、携帯能力、料理の種類を伸ばし、同じ地形でも異なる準備で挑める。
一つの能力だけを高めると別の場面で不足する。攻撃力があってもロープや荷重管理が弱ければ帰れず、料理が豊富でも素材を守れなければ使えない。主人公の成長を生存計画の選択として表す。
クエストと街の関係
オースでは孤児院や探窟家から依頼を受け、指定品の納入、調査、救助などを行う。報酬は装備購入と次の探窟へ回り、街とアビスを往復する生活の循環を作る。
依頼は目的地を示すだけでなく、同じ層に複数の事情を持つ人がいることを伝える。リコの冒険とは別の探窟家たちが、日々の仕事として遺物を集め、失敗し、昇格を目指す世界を補う。
探窟手帳
探窟手帳には、出会った人物、原生生物、遺物などの情報が記録される。プレイヤーが自分の経験から項目を増やし、次の行動へ参照できるゲーム内百科事典として働く。
ただし手帳に載るゲーム独自の生物や遺物を、説明なしに漫画本編の確定設定へ混ぜない。情報源がアニメ、原作、ゲームのどれかを分けることで、媒体ごとの追加設定を正確に活用できる。
原作人物の登場
ベルチェロ孤児院のジルオ、リコの仲間、オーゼンなど既存人物が、主人公の任務と成長へ関わる。アニメ版キャストによるフルボイスのイベントが、別の主人公から見た日常を広げる。
既存人物との出会いはファンサービスだけでなく、階級ごとの役割を具体化する。ただしゲーム主人公との関係や独自事件は、漫画の同人物記事で本編の出来事と混同せず「ゲーム版」として区分する。
ゲーム独自の物語
DEEP IN ABYSSは、リコたちの出発後に残った孤児と探窟家を中心に進む。奈落底へ一方向に下る本編とは異なり、地上へ帰還して装備を整え、階級を上げる通常の探窟家生活を長く体験できる。
物語後半では深層と人物の過去が結び付き、単なる自由探索ではなく主人公固有の選択へ収束する。結末を知る前の読者には詳細を伏せ、攻略情報と百科事典のあらすじを分けて扱う。
CERO Zの理由
日本での年齢区分はCERO Zで、18歳以上のみを対象とする。原生生物による捕食、負傷、死亡、深層の身体的な危険を操作可能なゲームとして描くため、アニメ視聴と同じ感覚で年齢区分を判断できない。
過激さを宣伝語として消費せず、失敗の結果が主人公の身体へ返る設計を見る。落下、飢餓、毒、呪いは数字の減少だけでなく、探窟計画の誤りとして現れる。年齢区分は購入時の重要情報である。
発売後の更新
発売後には各機種へ更新データが配信され、DEEP IN ABYSSの解放条件撤廃、再出現する敵のバランス調整、攻撃判定、イベント入力、テキストなどが修正された。
プレイ環境を説明するときは、初期版の問題を現在も必ず発生する仕様として書かない。Steam版と家庭用版で更新番号や配信時期が異なる場合があるため、公式の更新情報と使用機種を照合する。
主題歌
オープニング曲は「憧れに捧ぐ花」で、リコ役の富田美憂、レグ役の伊瀬茉莉也、ナナチ役の井澤詩織が歌う。エンディング曲「灯火」は安月名莉子が担当する。
物語を映像版へ接続する声と、ゲーム独自の探窟家へ開く歌を配置する。音楽情報は作品の雰囲気だけでなく、ゲームがアニメ版キャストと制作系譜を引き継ぐことを示す資料にもなる。
作品世界への貢献
本作の価値は、既知の物語を3Dで再現したことだけではない。下降より帰還が難しく、欲しい遺物ほど重く、食事とロープが英雄的な武器と同じくらい重要だという探窟の日常を、繰り返しの操作で理解させる。
一方、ゲーム上の再出現、資源配置、主人公の技能は遊びを成立させる規則であり、すべてを原作世界の物理法則として一般化できない。原作監修の独自物語とゲームシステムを分けて読むことで、資料としての精度が上がる。
公式情報
- https://www.spike-chunsoft.co.jp/pages/miabyss/top.html
- https://www.spike-chunsoft.com/news/details-on-made-in-abyss-binary-star-falling-into-darkness-deep-in-abyss-mode/
- https://www.spike-chunsoft.com/news/made-in-abyss-binary-star-falling-into-darkness-notebook-introduced-original-story-to-feature-characters-from-made-in-abyss/
- https://www.spike-chunsoft.co.jp/update/17305/
- https://www.spike-chunsoft.co.jp/update/17153/
