ネタバレ注意 関連するコミックと映像作品の展開を含みます。
ケイト・プライドは、自分と触れている物体の分子をずらし、壁や攻撃をすり抜けるミュータントです。13歳でX-MENへ加わった読者視点の少女は、コンピューター、格闘、語学を学び、エクスカリバーの冒険家、教師、マローダーズの船長、シャドウキャットという苛烈な戦士へ成長しました。複数の名前は単なるコードネーム変更ではなく、誰かの生徒、恋人、象徴として見られる自分から、その時の責任を自分で選び直す節目を示します。
- 本名
- キャサリン・アン・キティ・プライド
- 主な呼称
- キティ・プライド、シャドウキャット、ケイト・プライド、レッド・クイーン
- 能力
- 物質透過、接触対象の同時透過、電子機器の攪乱
- 技能
- コンピューター、格闘術、剣術、操船、教育
- 主な所属
- X-MEN、エクスカリバー、マローダーズ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
- コミック初登場
- Uncanny X-Men #129(1980年)
01物質透過は防御だけでなく環境を変える
ケイトは自分の原子を物体の間へずらし、壁、床、弾丸、相手の身体を通過できます。触れている人や物も一緒に透過させられるため、救助、潜入、落下回避に向きます。攻撃が当たらない防御能力に見えますが、呼吸や重力、再実体化する位置を管理しなければ本人も危険です。
透過中に電子機器を通ると回路を乱し、コンピューターや警備装置を停止させられます。敵を床へ沈めて一部だけ実体化させ拘束する使い方もあり、直接殴らず戦況を終わらせます。触れた対象の速度と大きさが増すほど集中が必要で、巨大構造物を透過させる行為は極端な負担になります。

能力は境界を無視しますが、ケイト本人の物語は境界を尊重する学習でもあります。他人の部屋へ入れることと入ってよいこと、敵の装備を壊せることと壊すべきことは同じではありません。侵入能力が高いからこそ、同意、秘密、情報への責任が人物の成長を測る基準になります。
0213歳でX-MENへ入った読者視点の少女
イリノイ州ディアフィールドで能力が発現したキティを、プロフェッサーXとエマ・フロストが同時に勧誘しました。エマはマサチューセッツ・アカデミーの教育者を装い、ヘルファイア・クラブの戦力へしようとします。キティは大人の説明を受けるだけでなく、危険の中で自分が信頼する相手を判断しました。
X-MEN加入時はチーム最年少で、読者と同じように館、セレブロ、宇宙人、異世界へ驚きます。訓練不足から失敗しても、コンピューター知識と観察で先輩が見落とす道を見つけました。子どもを戦場へ送る制度の問題は残りますが、物語は彼女を守られるだけのマスコットへ固定しません。

スプライト、アリエル、シャドウキャットとコードネームを変えたのは、周囲が与える子ども向けの像から離れる試みでした。特にシャドウキャットは日本での訓練とオグンの支配を経て、危険な技能も自分のものとして管理する決意を示します。名前は成長の結果ではなく、その時点で選ぶべき責任の宣言です。
03ロッキードとエクスカリバーが作った別の家族
宇宙のブルードとの戦いで、キティは小型ドラゴンのような異星生物ロッキードと出会います。彼はペットの外見でも高い知性と独自の判断を持つ仲間で、キティの所有物ではありません。言葉が通じにくい相手との信頼は、命令ではなく繰り返し互いを助ける行動から作られます。
X-MENが死んだと思われた時期、キティはナイトクローラー、レイチェル・サマーズ、キャプテン・ブリテン、メガンとエクスカリバーを結成しました。英国を拠点に異次元事件へ対応し、学校の生徒ではなく創設メンバーとしてチーム文化を作ります。奇妙な冒険と共同生活が、先輩に評価される段階から仲間へ責任を持つ段階へ進めました。

エクスカリバーではコンピューター担当、潜入者、戦術家として能力を広げます。異世界を越える任務は、壁を抜ける力を世界の境界へ拡張したような経験でした。X-MENだけを唯一の家族にせず、新しい共同体を作れたことが、後に教師や船長として若者を迎える基礎になります。
04コロッサスとの恋愛を成長の必須条件にしない
キティは加入後、年上のコロッサスへ強く惹かれます。長期的に人気の高い関係ですが、始まりには年齢と経験の差があり、若い彼女の憧れと成人した彼の責任を同じ重さで扱えません。別離を裏切りだけで語らず、キティが恋愛以外の自己像を育てる時間として見る必要があります。
再会と交際を重ねた後、二人は結婚式へ進みます。しかしキティは式の直前に、自分たちの歴史が結婚生活の安定を保証しないと気づき、撤回しました。相手を傷つけた事実と、同意を最後まで変更できる権利は両立します。長く続いたカップルだから結婚が正解という外部の期待を拒んだ選択です。

キティはスター・ロードことピーター・クイルとも関係を持ち、宇宙で一時的にスター・ロードの名を用います。異なる恋愛を遍歴として消費するのではなく、地上、英国、宇宙という環境ごとに自分が何を望むかを試した過程です。人物の完成を特定の相手との結婚へ置かないことで、ケイトの主体性が見えます。
05巨大弾丸を透過させた自己犠牲と帰還
Astonishing X-Menで、ブレイクワールドは地球を破壊する巨大な弾丸を発射します。ケイトは弾丸全体を透過させて地球を通過させ、衝突を防ぎました。惑星規模の物体へ能力を使う極限の行為で、成功後も弾丸と一緒に宇宙を飛び続け、仲間から失われます。
この自己犠牲は彼女の能力の最大規模を示しますが、死を美化するだけでは足りません。地球を救う他の時間がなく、本人が選んだとしても、残された仲間とロッキードには喪失が生じます。ヒーローの価値をどれほど大きく自分を消せるかで測ると、若い頃から背負わされた期待を反復します。

後にマグニートーが磁力で弾丸を地球へ戻し、ケイトは救出されました。しかし長期間物質化できない状態など、帰還後も能力と身体へ影響が残ります。救出は事件の巻き戻しではなく、失われた時間と身体感覚を回復する新しい章です。生きて戻った後に支援を受けることも英雄の物語へ含める必要があります。
06ケイト、レッド・クイーン、シャドウキャット
クラコア建国後、キティはゲートを通れない異常に直面し、島の理想から距離を感じます。エマ・フロストに招かれてヘルファイア・トレーディング・カンパニーのレッド・クイーンとなり、マローダーズの船長として国外のミュータントを救助しました。この時期からケイトという成人名を前面に出します。
セバスチャン・ショウに殺され、復活手続きも難航しますが、仲間の協力で戻ります。エマとともにショウへ報復した行為は、被害者が主導権を取り戻す場面である一方、クラコアの司法が私的制裁へ流れる危険も示します。ケイトは制度の外へ出入りできる能力を持つからこそ、法と復讐の境界に立ちます。

クラコア崩壊後、オーキスへ対抗するためシャドウキャットの名とオグンから学んだ殺傷技術を再び用います。任務後は暴力の影響から距離を置き、シカゴで若いミュータントを支える側へ移りました。戦える教師であることより、戦わなくて済む選択肢を次世代へ渡せるかが現在の成長です。
07アニメ・実写映画で役割が分割されたキティ
テレビアニメPryde of the X-Menでは視聴者がX-MEN世界へ入る入口として大きな役割を持ちましたが、1990年代アニメ本編ではジュビリーが近い役割を担います。アニメごとに最年少の視点人物が入れ替わるため、キティが原作で長期にわたりチームを成長させた事実は映像だけでは見えにくくなります。
実写映画では複数の俳優を経て、X-MEN: THE LAST STANDやDAYS OF FUTURE PASTで存在感が増します。後者では他人の意識を過去へ送る能力が加えられ、原作コミックでタイムトラベルの主体だったキティの役割を別の方法で残しました。映画独自能力をEarth-616の標準能力へ含めない注意が必要です。

どの版でも壁を抜ける視覚は分かりやすい一方、人物の核心は回避の能力ではありません。少女として大人の組織へ入り、別チームを作り、恋愛や自己犠牲から戻り、船長と教師になるまで、境界を越えた後に誰を連れて戻るかを学びます。ケイト・プライドは通り抜ける人ではなく、通路を他者へ開く人へ成長しました。