Earth-295は、1995年の大型企画「Age of Apocalypse」で主舞台となった別世界です。リージョンが過去へ戻ってマグニートーを殺そうとした際、チャールズ・エグゼビアが身代わりとなって死亡し、X-MENを結成する未来が失われました。アポカリプスは抵抗勢力が整う前に行動を起こし、北米を征服します。亡き友の理想を受け継いだマグニートーがX-MENを率い、人類とミュータントの双方を守ろうとする一方、サイクロップス、ビースト、シニスターらは別の立場へ置かれます。刊行時には既存Xタイトルが4か月にわたり別題へ置き換わり、世界全体を複数の前線から描きました。時間修復後もEarth-295は独立世界として残り、X-Man、ダーク・ビースト、シュガーマンらがEarth-616へ影響します。
- 世界番号
- Earth-295
- 分岐点
- 過去でリージョンの攻撃からマグニートーを守り、チャールズ・エグゼビアが死亡
- 主要企画
- Age of Apocalypse(1995)
- 支配勢力
- アポカリプスと配下の四騎士
- 抵抗勢力
- マグニートーが率いるX-MEN、人類最高評議会
- 入口
- X-Men: Alpha #1
- 終幕
- X-Men: Omega #1
- 注意
- Earth-616の一時的な上書きとして発表された後、独立世界として継続
01リージョン・クエストが作った分岐
デイヴィッド・ハラーことリージョンは、父チャールズ・エグゼビアの理想を実現するため、過去のマグニートーを殺そうとします。ミュータントと人類の対立を生む宿敵を早期に排除すれば、父の夢が成功すると考えたからです。しかしチャールズが攻撃を受け、マグニートーをかばって死亡します。
意図した標的と実際の死者が入れ替わったことで、X-MENを創設する人物が歴史から失われます。若いマグニートーは友の犠牲を目撃し、後にその理想を自分の方法で継ぐ。一方、アポカリプスは対抗勢力の形成前に活動を早め、社会の混乱を利用して勢力を広げます。善意を名乗る過去改変が最悪の空白を作る構造です。

ビショップは時間移動の影響を受けながら、元のEarth-616の記憶を保持します。他の人物がEarth-295を唯一の現実として生きるなか、彼だけが失われた歴史の証人になる。世界を戻す計画は抽象的な正史の保護ではなく、彼が覚えている別の人生を他者へ信じてもらう作業から始まります。
02アポカリプスの北米支配と選別思想
アポカリプスは「適者生存」を、強者が弱者を支配してよいという政治へ変えます。北米を征服し、人間を収容・選別し、協力するミュータントへ地位を与える。ミュータントの自由を実現した社会ではなく、能力と忠誠を基準に命の価値を決める帝国です。
配下の四騎士やシニスターは、それぞれの領域と実験を任されます。シニスターは遺伝子研究のため捕虜を利用し、サイクロップスとハボックを育てて軍事組織を管理させる。人物の善悪が単純に反転するのではなく、育った制度、与えられた情報、守ろうとする対象が変わった結果として別の役割へ置かれます。

人類最高評議会はヨーロッパ側で抵抗し、最終的に北米への核攻撃を準備します。アポカリプスを止める現実的な選択である一方、収容された人間と抵抗するミュータントも巻き込みます。X-MENは独裁と大量破壊のどちらかを受け入れるのではなく、時間修復を含む第三の可能性を探します。
03マグニートーのX-MENと変化した家族
マグニートーはチャールズの死を忘れず、ミュータントと人類の共存を守るX-MENを結成します。Earth-616での過激な敵対者という経歴とは異なりますが、人格が別物になったのではありません。喪失、責任、早い時期の選択が、同じ強い意志を抵抗運動へ向けています。
彼はローグと結婚し、息子チャールズを育てています。ローグはチームを率い、家庭と戦争の両方で判断を担う。ガンビットとの過去や能力による接触の問題も別の形を取り、恋愛関係の変更が装飾ではなく、部隊編成と信頼へ影響します。家族は守るべき希望であると同時に、敵から狙われる弱点です。

X-MENにはウェポンX、ジーン・グレイ、ストーム、クイックシルバー、セイバートゥース、ワイルドチャイルド、ナイトクローラーらが異なる部隊で参加します。Earth-616の所属歴をそのまま当てはめると役割を誤ります。各人物が誰に育てられ、何を失い、どの任務を選んだかを世界内の経歴から読む必要があります。
041995年の刊行構造と読む順番
企画は『X-Men: Alpha』で始まり、当時の主要Xタイトルを4号ずつ別題へ置き換えました。『Astonishing X-Men』『Amazing X-Men』『Factor X』『Weapon X』『Generation Next』『Gambit and the X-Ternals』『X-Calibre』『X-Man』が同じ世界の異なる任務を描き、『X-Men: Omega』で合流します。
全シリーズを厳密に一号ずつ交互に読まなくても、各部隊の4号をまとめてから『Omega』へ進めば主要因果は追えます。世界修復の中心は、ビショップ、マグニートー、デスティニー、M'Kraanクリスタルに関わる任務です。一方、収容所、避難民、核攻撃、シニスターの研究は別タイトルで厚くなります。

単行本によって収録順や追加の前日譚が異なるため、題名だけでなく原書号を確認します。後年の『Age of Apocalypse』周年シリーズや前日譚はEarth-295を拡張しますが、1995年の本筋と刊行時期を分けると理解しやすい。まず『Alpha』、主要8誌、『Omega』を核として押さえる方法が安全です。
05世界修復と、Earth-295から移動した人物
X-MENはビショップの記憶を手掛かりに、リージョンの過去介入を防いでEarth-616を回復させようとします。複数部隊がM'Kraanクリスタル、時間移動、アポカリプスへの最終攻撃を分担する。核攻撃が迫るため、勝利後の統治を準備する余裕はなく、世界そのものを戻す試みと現在の住民を守る戦いが同時に進みます。
Earth-616が戻ると、発表時の読者には上書きされた現実が消えたように見えました。しかしX-Manことネイト・グレイ、ダーク・ビースト、シュガーマン、ホロコーストらは主世界へ移動し、その後も活動します。彼らの存在は、Earth-295の人物と歴史が単なる夢ではなかったことを示します。

後の多元宇宙作品ではEarth-295自体も再訪されます。したがって「修復」は住民全員の人生を無効にしたという意味ではなく、Earth-616の歴史線を取り戻し、別世界を残したと整理できます。移動者をEarth-616版の同名人物と混同せず、出身世界と現在地を別々に記録する必要があります。
06本世界がX-MEN史へ残したもの
Earth-295は、善人と悪人の配役を交換するだけの企画ではありません。チャールズがいない社会で、マグニートー、サイクロップス、ビースト、ローグらがどんな制度に属し、誰へ責任を持つかを作り直しました。同じ能力と性格の核が、異なる歴史でどこまで変わるかを世界規模で試しています。
ビジュアル面では人物の衣装、欠損、所属、名称が一斉に再設計され、通常誌が別タイトルへ変わる刊行形式と結びつきました。後年の大型イベントが短期間だけ出版ライン全体を別世界へ移す手法にも影響します。読者は一人の主人公ではなく、複数の同時進行から社会全体を組み立てます。

映像やゲームで「Age of Apocalypse」の名称が使われても、Earth-295の全経歴を共有するとは限りません。映画『X-MEN:アポカリプス』は1980年代の映画世界を舞台にし、リージョンによる分岐やマグニートーのX-MENは同じ形で存在しません。原作を調べるときは1995年の『Alpha』を起点にします。