8.4/10IMDb 63位 ・ 2018
『スパイダーマン:スパイダーバース』のあらすじ
警察官の父に期待されながら自分らしさを模索する高校生マイルズ・モラレスは、放射能を帯びたクモに噛まれて壁を這う力や危険感知能力を手に入れる。キングピンが異次元を開く実験に巻き込まれ、ピーター・パーカーの死を目の当たりにした彼は、異世界から現れたスパイダーマンたちと協力して危機に立ち向かう。
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『スパイダーマン:スパイダーバース』のあらすじ【ネタバレなし】
ブルックリンに住む高校生マイルズ・モラレスは、警察官である父親から大きな期待をかけられていた。叔父のアーロンとはグラフィティを描く時間を共有するなど、家族との関係の中で自分の居場所を探している。そんなある日、廃墟のような地下駅で突然変異したクモに噛まれたマイルズは、壁に張り付く力や蜘蛛のような感覚を獲得する。 能力に戸惑う彼は、キングピンが主導する大規模な科学実験の現場に遭遇する。そこでスパイダーマンと出会い、事件に深く関わることになる。スパイダーマンから重要な装置を託されたマイルズは、ヒーローとして行動を起こそうとするが、力の制御に苦労する。ニュースではスパイダーマンの死が大きく報じられ、マイルズは遺志を継ぐ決意を固める。
実験の影響により異次元から複数のスパイダーマンたちがこの世界に現れる。彼らはそれぞれ異なる背景を持ち、ピーター・パーカーの変種である中年男性、女性のスパイダーウーマン、フィルムノワール調のヒーロー、アニメ風の少女、動物型のキャラクターなど個性豊かだ。マイルズは彼らと出会い、協力関係を築いていくが、この次元に長く留まると彼らの体が徐々に弱っていくことが分かる。マイルズは仲間たちを元の世界に戻す方法を探りながら、自分自身の力と向き合い成長しようとする。
ネタバレあり
詳しいあらすじ【ネタバレあり】
能力の獲得と最初の衝撃
マイルズ・モラレスは叔父のアーロンと高架下でグラフィティを描いていた際に放射能を持つクモに噛まれ、壁を這う力や敵の位置を察知する能力、超人的な敏捷性を手に入れる。能力の意味が分からぬまま駅の地下に戻った彼は、キングピンが加速器を使って異次元との扉を開く実験を行っている現場に居合わせてしまう。 そこに現れたスパイダーマン(この世界のピーター・パーカー)は実験を阻止しようとするが、グリーンゴブリンに突き飛ばされて加速器に巻き込まれ重傷を負う。瀕死のピーターはマイルズに加速器を無力化するための小型装置が入ったメモリースティックを託し、キングピンによって殺害される。マイルズは恐怖のあまりその場から逃げ出す。街中がスパイダーマンの死を伝えるニュースで埋まり、ピーターの告別式が執り行われる中、マイルズは彼の後を継ごうと試みるが、装置を誤って壊してしまう。
異次元の仲間たちと協力関係
ピーターの墓前でマイルズは別の次元から来たピーター・B・パーカーと出会う。彼は人生に疲れた38歳のスパイダーマンで、マイルズに協力して元の次元に戻る方法を探すことになる。二人はキングピンの施設アルケマックスに潜入し、新しい装置を作成するためのデータを盗もうとするが、ドクター・オクトパスに発見され追われる。 そこにグウェン・ステイシーが現れて助け、ピーターの叔母メイの家に逃げ込む。メイの家にはさらにスパイダーマン・ノワール、ペニー・パーカー、スパイダー・ハムが集まっていた。彼らは加速器の影響でこの次元に飛ばされてきたが、長く留まると細胞崩壊を起こして死に至ることが判明する。マイルズは彼らを元の次元に送り返す決意をするが、自分の未熟さを指摘され自信を失う。
叔父の正体と成長のきっかけ
自信を失ったマイルズは叔父のアーロンの元を訪ねるが、彼がキングピンの手下であるプラウラーだと知って衝撃を受ける。メイの家に戻った直後、キングピン率いる一味が襲撃を仕掛け、激しい戦闘が展開される。戦いの中でマイルズは叔父の正体を明かすが、アーロンは甥を殺すことを拒み、代わりにキングピンに射殺されてしまう。 この出来事で深く傷ついたマイルズだったが、父親ジェファーソンの言葉を思い出し、能力を完全にコントロールできるようになる。叔母メイの助けを借りて新しいスーツを作成したマイルズは、仲間たちと共に最終決戦に挑む準備を整える。
結末まで解説
結末を解説【ネタバレ】
マイルズは成長した姿で仲間たちと合流し、キングピンの施設で最終対決を迎える。ピーター・B・パーカーは自ら犠牲になる覚悟を見せるが、マイルズの活躍を信じて装置の操作を任せる。戦闘の中、キングピンはマイルズを圧倒するが、父親ジェファーソンがスパイダーマンを信頼する言葉を発したことでマイルズはさらに力を発揮する。 マイルズはキングピンを加速器の停止スイッチに叩きつけ、装置を破壊することに成功する。これにより次元の歪みは収まり、キングピン一味は逮捕される。アーロンの死はマイルズに深い悲しみをもたらしたが、ジェファーソンはスパイダーマンが街を守っていたことを知り、息子を信じるようになる。マイルズは家族との関係を修復し、本物のスパイダーマンとして新たな一歩を踏み出す。
後日、グウェンは自分の次元からマイルズに連絡を取る手段を見つけ、二人の絆は続く。また、別の次元からミゲル・オハラが登場する場面が描かれ、さらなる物語の可能性を示唆する。マイルズはこれまでの経験を通じて、ヒーローとは完璧であることではなく、自分らしく責任を果たすことだと学んだのだ。
物語を深く知る
人物の選択と物語の仕組み
名門校で居場所を失うマイルス
ブルックリンで育ったマイルスは抽選で名門校へ進むが、授業の速さと寮生活になじめない。警官の父ジェファーソンは期待を込めて送り出し、芸術へ理解のある叔父アーロンは落書きの才能を認める。二人の大人が示す将来像の間で、本人は自分の選択を言葉にできない。
試験でわざと誤答して退学を狙っても、教師は能力があるから失敗を選んだと見抜く。うまくできないのではなく、期待される場所へ所属したくない気持ちが成績に現れる。スパイダーマンになる前から、才能を受け入れる怖さが彼の課題として置かれる。
地下道の落書きとクモの一刺し
アーロンはマイルスを地下道へ連れ、他人に見られない壁へ大きな絵を描かせる。学校で評価される課題とは違い、自分の色と文字を自由に選ぶ時間になる。そこで別次元から来た放射性のクモが彼の手を刺す。
翌日から身体能力が変化し、手が物へ吸着し、思考が声のようにあふれる。新しい力は本人の自信を高めるより、教室や街で失敗を増やす。制御できない才能が、もともと感じていた場違いさを身体全体へ広げる。
加速器の事故とピーターの死
地下道へ戻ったマイルスは、キングピンが並行世界をつなぐ加速器を起動している場面へ迷い込む。この世界のスパイダーマン、ピーター・パーカーは彼の力に気づき、装置を止める方法を教えると約束する。
戦闘で加速器が暴走し、別次元の一部が街へ重なる。負傷したピーターはマイルスへ停止装置を託し、キングピンに殺される。憧れの英雄から訓練を受ける前に使命だけを渡され、少年は自分が助けられなかった罪悪感と都市を守る課題を同時に抱える。
疲れた別世界のピーターとの取引
墓前で出会った別次元のピーター・B・パーカーは、中年になり、離婚と失敗で自信を失っている。マイルスが期待した完成された師匠ではなく、帰るため加速器へ入ることを優先する。
マイルスは停止装置の修理を条件に同行し、ピーターから移動や糸の使い方を実地で学ぶ。追手から逃げる中では、教える側も少年の透明化や電撃能力を知らず、二人で試す。継承は一方向ではなく、未熟な弟子が疲れた英雄を再び責任へ向かわせる関係になる。
グウェンが隠していたもう一つの力
学校で知り合ったグウェンは、加速器事故より前にこの世界へ飛ばされ、同級生として潜入していた。アルケマックスで追われたマイルスとピーターを助け、別世界のスパイダーウーマンだと明かす。
彼女は親友だった自分の世界のピーターを救えなかったため、人と深く関わらないと決めている。マイルスへ距離を置く態度は冷淡さではなく、再び喪失する恐怖から生まれる。異なる世界の三人が、同じ力とそれぞれ別の失敗を共有する。
アルケマックスで判明する身体の崩壊
停止装置を作るため一行はアルケマックスへ侵入し、オリヴィア・オクタビアス博士の研究室からデータを盗む。別次元の人物はこの世界へ長くいると身体が不安定になり、やがて崩壊すると説明される。帰還には時間制限がある。
オリヴィア自身がドクター・オクトパスとして襲い、森の中まで追跡する。マイルスは力を制御できず仲間の足を引っ張るが、停止装置に必要な情報は守る。練習が終わるまで待てない状況で、未完成のまま任務へ参加するしかない。
メイおばさんの地下基地と三人の来訪者
ピーターの家を訪ねると、メイおばさんは夫の死を知りながら一行を地下基地へ案内する。そこには別世界から来たスパイダーマン・ノワール、ペニー・パーカーとロボット、スパイダー・ハムも集まっている。
外見、年齢、身体、世界の法則が異なっても、全員が力を得た後に誰かを失った経験を持つ。誰が本物かを競うのではなく、各自が同じ役割を別の形で生きている。マイルスにとってスパイダーマンは一人の完成形ではなく、喪失後にも選び直す人々の集合になる。
プラウラーの仮面の下にいるアーロン
敵の拠点を探ったマイルスは、キングピンの追跡者プラウラーが叔父アーロンだと知る。自由な表現を教えた最も身近な大人が、犯罪組織の仕事をしていた。家族の前の顔と街で恐れられる仮面が同じ人物に属する。
戦闘でマイルスが仮面を外すと、アーロンは甥を撃てず武器を下ろす。命令に背いた彼をキングピンが撃ち、マイルスは路地へ運ぶが助けられない。父ジェファーソンは倒れた弟と逃げる影を見て、スパイダーマンを犯人だと誤解する。秘密の身元が家族の悲しみをさらに分断する。
寮の扉越しに届く父の言葉
仲間はマイルスの力が不安定なままでは危険だと判断し、ピーターは彼を寮の椅子へ糸で拘束する。誰か一人がこの世界へ残って加速器を止める覚悟を決め、少年には待つ役割を与える。守るための判断でも、本人には能力を否定された痛みとして届く。
扉の外へ来た父は返事のない息子へ、期待のかけ方を誤ったこと、創造性を誇りに思うことを話す。その言葉を聞いたマイルスは電撃で糸を外し、自分の意思で立つ。父は正体を知らないまま、スパイダーマンになる決断を支える。
自分のスーツで行う信頼の跳躍
マイルスはメイの基地で自分のスーツを作り、黒い生地へ赤い色を加える。既存のピーターと同じ外見を選ばず、落書きで培った色彩を英雄の装いへ持ち込む。力を受け継いでも、表現まで模倣する必要はない。
高層ビルの壁から身を投げ、糸を放つ。上昇する街を背景にした落下は、恐怖が消えてから飛ぶのではなく、恐れたまま手を離す行為である。訓練の合格を誰かに判定されず、自分が行動した瞬間にスパイダーマンとしての最初の成功を得る。
加速器で仲間を故郷へ返す
暴走する加速器では複数の都市や物体が重なり、仲間たちの身体も限界へ近づく。マイルスは戦闘へ加わり、各人を順番に元の次元へ送る。ピーターはこの世界へ残って装置を止めようとするが、マイルスが役目を引き受け、彼にも自分の生活へ戻るよう促す。
師匠を救うとは敵を倒すことだけでなく、失敗を恐れて避けていた家庭へ帰らせることでもある。ピーターはMJと向き合う決意を持ってポータルを越える。マイルスが成長した証拠は単独で勝つ強さより、他者の役割を終わらせて帰す判断に現れる。
キングピンを倒し父の信頼を得る
キングピンは失った妻子のいる別世界へつなぐため加速器を止めず、マイルスを圧倒する。家族を取り戻したい動機は理解できても、別の世界と都市を壊す手段は許されない。倒れたマイルスは父の呼びかけを聞き、立ち上がって電撃を使い相手を制圧する。
ジェファーソンは仮面の人物が息子とは知らず、スパイダーマンを街の仲間として認める。マイルスは正体を明かさず父を抱きしめ、家へ戻る。事件後は学業と活動を両立し、別次元のグウェンから声が届く。自分の世界へ所属できたことで、他の世界との友情も再び開く。
読み解き
物語が描くもの
自分らしさと責任の継承
マイルズは父親の期待や叔父との関係の中で自分を見失いがちだった。ピーター・パーカーの死によりスパイダーマンの役割を継ぐことになるが、それは単に真似をするのではなく、自身の出自や環境を活かした方法で責任を果たすことだと気づいていく。アーロンの死や仲間からの重圧が彼の内面的成長を促し、ヒーローとは周囲の期待に応える存在ではなく、自分を信じて行動する存在であることを体現する。
並行宇宙が描く多様性と可能性
異なる次元から集ったスパイダーマンたちは、人種、時代、表現スタイルが多様だ。マイルズ自身が伝統的な白人男性のピーター・パーカーとは異なる背景を持つことで、誰にでもスパイダーマンになれる可能性を提示している。この設定は、固定された英雄像を崩し、個々の違いが強みになるというメッセージを伝え、視覚的にもアニメ、ノワール、カートゥーンなど多彩なタッチで表現されている。
この映画の見どころ
- コミックと手描き風を融合させた革新的なアニメーション
- 個性豊かな異次元スパイダーマンたちの共演
- マイルズと家族の複雑な関係がもたらすドラマ
- 加速器を巡るダイナミックなアクション描写
こんな人におすすめ
- 革新的なアニメーションを求める映画ファン
- スーパーヒーローの成長と家族の物語が好きな人
- 多様なキャラクターと世界観を楽しみたい視聴者
『スパイダーマン:スパイダーバース』のよくある質問
主人公のマイルズ・モラレスはこれまでのスパイダーマンと何が違うか?
マイルズはアフリカ系アメリカンとプエルトリコ系の高校生で、家族が健在である点が特徴です。従来のピーター・パーカーは孤児という設定が多いのに対し、マイルズは父親や母親、叔父との関係が物語の中心となっています。
この作品はアカデミー賞を受賞したか?
はい。第91回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞しました。独自のビジュアルスタイルと革新的なアニメーション技術が評価の対象となりました。
続編は公開されているか?
はい。2023年に『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が公開され、さらなる続編も制作中です。本作の物語は直接繋がっています。





