『From TV animation ONE PIECE グランドバトル!2』は、ガンバリオンが開発し、株式会社バンダイから2002年3月20日に発売されたPlayStation用の対戦アクションゲームである。
前作『From TV animation ONE PIECE グランドバトル!』の基本操作を受け継ぎつつ、アラバスタ編までに登場した人物、舞台、技を大幅に加えたシリーズ第2作に当たる。
短い対戦を何度も遊ぶ構造のなかへ、人物ごとの会話、原作を下敷きにした組み合わせ、アニメ版声優陣による音声、収集要素をまとめている。
後年に海外で発売された『One Piece: Grand Battle!』や、2003年の『ONE PIECE グランドバトル!3』とは別の作品である。
基本情報
- 正式名:From TV animation ONE PIECE グランドバトル!2
- 発売日:2002年3月20日
- 対応機種:PlayStation
- ジャンル:対戦アクション
- プレイ人数:1〜2人
- 開発:株式会社ガンバリオン
- 発売:株式会社バンダイ
- 発売時価格:5,800円+税、税込6,090円
- 主な収録範囲:東の海編からアラバスタ編
- 操作可能な人物:24人
開発会社の制作実績には、対応機種、発売日、人数、価格に加え、新しい人物・舞台・システム、全人物に対応した新作エンディング、40人以上のフルボイス、修行モード、ビジュアルアドベンチャーアルバムが本作の特徴として記録されている。
発売時の販売会社は株式会社バンダイであり、現在の公式記録でバンダイナムコエンターテインメント名義が併記される場合は、当時の会社名と現在の権利管理を分けて読む必要がある。
どこまでの物語を扱うか
本作は、モンキー・D・ルフィが仲間を集める東の海編から、グランドライン突入後のアラバスタ編までを主な素材とする。
前作の時点ではまだ対戦人物として扱われなかったトニートニー・チョッパー、ネフェルタリ・ビビ、ワポル、バロックワークスの幹部、クロコダイル、ポートガス・D・エースなどが加わり、発売当時の原作・TVアニメの進行を対戦ゲームへ反映した。
ただし、イベントバトルの対戦順や人物ごとの結末は、原作の物語を最初から最後まで再現するストーリーモードではない。
原作で接点の少ない人物が戦う場合もあれば、対立関係を短い会話へ圧縮する場合もあり、人物の能力値、勝敗、衣装違いも本作固有のルールとして扱われる。
対戦システム
戦闘は、立体的な人物モデルと背景を用いながら、左右方向を中心に相手と向き合う形式で進む。
操作人物は走る、跳ぶ、二段跳びをする、しゃがむ、防御する、通常攻撃を連ねる、相手や物をつかむといった行動を使える。
舞台上の箱や樽、武器、食べ物などを拾い、投げ、場合によっては相手が投げた物を受け取る動作も対戦へ入るため、技の応酬だけでなく、物の位置と出現を読む必要がある。
人物には攻撃、防御、素早さの傾向があり、同じ入力でも間合い、連続攻撃、投げ、必殺技の性質が異なる。
巨体で押すワポルと、素早い移動から技をつなぐサンジでは、原作上の強弱を単純な数値へ置き換えるのではなく、対戦ゲームとして別の長所が与えられている。
メシチャージと逆転
本シリーズを特徴付けるのが、食べ物を取って力を蓄える「メシチャージ」である。
舞台に現れる食料を確保すると、体力の回復や必殺技に関わる蓄積が進み、相手へ攻め続けるだけでは得られない資源を管理できる。
食事が活力へ直結する『ONE PIECE』らしい表現を、対戦中に奪い合う仕組みへ翻訳したものだ。
食料を取ろうとして無防備になれば攻撃され、相手が投げた物を逆用できれば流れが変わる。
体力差がついても、舞台の物と必殺技の準備によって逆転が起こり得るため、単に連続技を正確に入力するだけの設計ではない。
この効果はゲーム上の共通規則であり、原作で全人物が食事によって同じ強化を得るという設定を示すものではない。
イベントバトル
一人用の中心となる「イベントバトル」では、選択した人物で五回の対戦を進める。
途中では二人の候補から次の相手を選ぶ場面があり、人物に応じて原作で関係の深い相手や舞台が優先される。
チョッパーならドラム城、クロコダイルならアルバーナというように、人物と場所の記憶を短い対戦へ結び付ける構成である。
対戦前後には会話や描き起こしの絵が入り、五戦を終えると人物ごとに用意されたエンディングへ進む。
開発会社が「全キャラ対応のエンディング」を特徴として掲げた点からも、同じ戦闘規則を使いながら、選択人物を替えて繰り返すことが本作の主要な遊びになっている。
敗北時には続行の機会が用意されるが、無制限に物語を進められるわけではない。
対戦をやり直す緊張と、別人物の会話・結末を集める動機が一つのモードに重ねられている。
グランドバトル
「グランドバトル」は、プレイヤー同士またはCPUを相手に、人物と舞台を選んで自由に戦うモードである。
制限時間、勝利に必要な本数、CPUの強さなどを調整でき、同じ人物同士の対戦も衣装違いによって見分けられる。
舞台は固定の順番、ランダム選択、複数戦ごとの変化などを選べるため、イベントバトルの物語的な組み合わせから離れて、純粋に対戦条件を試せる。
二人対戦では、相手が何を拾うか、どこで防御するか、いつ食料へ向かうかがCPU戦より読みやすくもあり、同時に駆け引きになる。
原作では決着しなかった組み合わせを遊べる一方、その勝敗は正史上の人物評価には使えない。
修行モード
「修行」は、移動、攻撃、防御、投げ、人物固有の技を段階的に確かめるためのモードである。
本作は一つのボタンだけで完結する攻撃と、方向入力や複数操作を組み合わせる技が混在するため、説明を読むだけでなく実際に成立させる練習が必要になる。
二段跳びからの攻撃、つかんだ物の投擲、相手との距離によって変わる技などを安全な状況で確認できる。
シリーズ経験者にとっても、新しく追加された人物の間合いと必殺技を調べる場所になる。
「初心者向けの付録」ではなく、24人の差を理解してイベントバトルや対人戦へ戻るための導線として位置付けられている。
操作できる人物とサポート
操作可能な人物は24人で、モンキー・D・ルフィ、ロロノア・ゾロ、ナミ、ウソップ、ヴィンスモーク・サンジ、トニートニー・チョッパー、ビビ、カルー、スモーカー、たしぎ、ワポル、Mr.2・ボン・クレー、Mr.3、ミス・オールサンデー、クロコダイルらが含まれる。
東の海編からはアルビダ、バギー、クロ、クリーク、アーロンが続投し、隠し要素を含めてパンダマン、ジュラキュール・ミホーク、シャンクス、ポートガス・D・エースも操作できる。
一部の人物は、戦闘を補助する仲間を選べる。
ビビにはチャカ、ペル、カルーや超カルガモ部隊、ワポルにはチェス、クロマーリモ、チェスマーリモ、バギーにはモージ、リッチー、カバジ、アーロンにはチュウ、はっちゃん、クロオビが結び付く。
サポート人物は独立した操作枠ではないため、画面に登場する人数とプレイアブル24人を混同しないことが重要である。
同じ理由で、会話、背景、エンディングだけに出る人物を「参戦キャラクター」と数える場合は、操作可能かどうかを明記する必要がある。
舞台と原作世界の圧縮
対戦舞台には、ウイスキーピーク、リトルガーデン、ドラム城、アルバーナ、海上レストラン バラティエ、アーロンパーク、ローグタウン、フーシャ村など、複数の編を象徴する場所が用意される。
舞台は原作の地図を歩く探索空間ではなく、短時間の対戦に合わせて足場、障害物、投擲物、背景演出を配置し直した場所である。
そこで人物が同時に存在しても、原作の時系列で同じ事件に参加したことにはならない。
一方で、人物に縁のある場所を選び、背景と音声を組み合わせることで、限られた容量のなかでも各編の記憶を呼び起こす役割を持つ。
アラバスタ編までを一本の長い映像で要約するのではなく、場所を対戦単位へ分けて再構成した点が本作の特徴である。
お宝とビジュアルアドベンチャーアルバム
対戦とイベントの進行は、人物データ、描き起こしの絵、映像、音声などを確認する「お宝」系の収集機能につながる。
公式説明でいうビジュアルアドベンチャーアルバムは、勝敗だけで遊びを終わらせず、別の人物でもイベントバトルを進める理由を作る。
一度見たエンディングや集めた要素を振り返れるため、ゲームは対戦部分と作品資料集の二層を持つ。
ただし、収録された人物紹介や数値は2002年時点の作品とゲーム用設定に基づくもので、後年明らかになった懸賞金、能力、所属の変更まで反映する百科事典ではない。
音声や絵の解放条件を攻略情報として示す場合も、通常の進行で開くものと、特定の人物・難度・回数を要求するものを実機または説明書で確認する必要がある。
音声とアニメーション
本作では40人以上の人物に音声が用意され、テレビアニメ版の声優陣が対戦、会話、イベントを演じる。
操作できないサポート人物まで音声と描き起こしの絵で参加するため、24人という操作枠以上の広がりが感じられる。
オープニングと全操作人物のエンディングも新作アニメとして用意され、対戦ゲームの前後をアニメ作品のような導入と余韻で包む。
原作のコマをそのまま並べるだけではなく、ゲームの選択人物に合わせた短い展開を作ったことが、繰り返しプレイと相性のよい部分である。
同時に、そこで描かれる勝利や結末はゲーム固有の分岐であり、原作・TVアニメ本編の出来事へ逆輸入して解釈しない。
シリーズ内での位置
『グランドバトル!2』は、前作の横方向を中心とした対戦を拡張した作品であり、次作『ONE PIECE グランドバトル!3』が本格的な3D空間へ移行する直前の到達点でもある。
24人の操作枠、13組に分かれるサポート、アラバスタ編までの舞台、人物別エンディング、修行と収集を一枚のPlayStation用CDへまとめた。
後続作と比べれば表示や操作は簡潔だが、その制約のなかで「人物を選ぶ」「原作にちなむ舞台で戦う」「会話と結末を見る」「資料を集める」というシリーズの循環を明確にした。
現在振り返る際は、懐かしさや売上だけで評価するより、どの時点の『ONE PIECE』を、対戦・音声・収集へどう分解したかを見ると本作の輪郭が分かる。
正史との区分
本作は漫画・TVアニメを原作とする派生ゲームであり、ゲーム内の対戦結果、能力値、衣装、人物別エンディングは原作正史の出来事ではない。
原作で示された所属や関係は参照されるが、遊びを成立させるために時系列と場所を越えた組み合わせが作られる。
百科事典では「原作で起きた事実」「TVアニメで加えられた表現」「ゲームの操作・演出」を分け、本作だけにある要素にはゲーム固有と明記する。
この区分を守れば、原作人物の記事を誤って書き換えることなく、2002年当時の映像・音声・対戦設計を独立した作品として記録できる。


