クザンは、元海軍本部大将「青雉」であり、現在は黒ひげ海賊団の十番船船長である。 自然系悪魔の実「ヒエヒエの実」の能力者で、身体を氷へ変え、海や人間を広範囲に凍結させる。 海軍時代に掲げた標語は「だらけきった正義」だった。
海軍の命令へ従いながら、目の前の人間を自分の判断で生かす余地を残してきた。 オハラではハグワール・D・サウロを凍らせる一方、サウロが守ったニコ・ロビンを逃がした。 頂上戦争後はサカズキとの元帥争いに敗れて海軍を去り、かつて敵だったマーシャル・D・ティーチの一味へ加わる。
基本情報
- 現所属:黒ひげ海賊団
- 現役職:十番船船長
- 旧所属:海軍本部
- 旧役職:大将
- 通称:青雉
- 悪魔の実:ヒエヒエの実
- 年齢:49歳
- 誕生日:9月21日
- 掲げた正義:だらけきった正義
- 声優:子安武人
ONE PIECE.comは、元海軍大将であり、頂上戦争後にサカズキとの決闘へ敗れて海軍を除籍された人物として紹介している。 黒ひげ海賊団加入後の行動は、海軍時代と同じ正義を続けているのか、別の目的へ移ったのかが明かされていない。
外見と性格
クザンは長身で、海軍大将時代は白いスーツや青いシャツにアイマスクを着けていた。 自転車「あおチャリ」で海上を走り、行く先の海を能力で凍らせる。 海軍を離れた後は左脚を失っており、氷で義足を作る。
普段は眠そうに振る舞い、予定を立てず旅をする。 しかし怠けた口調のまま、相手の危険性や戦場の状況を正確に見ている。 命令を機械的に遂行しないため、海軍上層部から見れば扱いにくい一方、民間人や部下からは人間的な判断をする将校でもあった。
ガープの弟子
若いクザンは、海軍の英雄モンキー・D・ガープへ弟子入りを求めた。 ガープと同じく軍艦をサンドバッグにする「軍艦バッグ」で拳を鍛え、武器や悪魔の実だけに頼らない身体を作る。 二人の打撃音がやがて同じ大きさになるほど修練を重ねた。
ガープは自由奔放で、天竜人直属の大将になることを拒んだ人物である。 クザンが海軍組織の中で独自判断を残す姿勢には、師の影響が見える。 ただし、クザンは大将へ昇進し、政府の大規模作戦にも参加した。 師と同じ選択をそのまま繰り返したわけではない。
オハラのバスターコール
22年前、クザンは中将としてオハラへのバスターコールに参加する。 同僚だったサウロは、考古学者の扱いに疑問を持ち、拘束されていたニコ・オルビアを逃がして海軍を離れていた。 オハラで再会した二人は対立し、クザンは「アイスタイムカプセル」でサウロを凍結する。
サウロは最後まで幼いニコ・ロビンを守り、海へ逃がそうとした。 クザンはその意志がどこへ行き着くかを見届けるため、ロビンが島を脱出することを許す。 海を凍らせて避難経路を作り、政府には生存を報告しなかった。
同じ作戦でサカズキは一般住民の避難船を沈めた。 クザンは政府が危険視する考古学者を逃がした。 二人はともに海軍の作戦へ参加したが、脅威を一人も残さないサカズキと、目の前の意志を見届けようとするクザンでは正義の境界が異なる。
ロビンへの追跡と見守り
クザンはロビンを逃がした後も、その行動を遠くから確認していた。 ロビンが所属した組織は次々に壊れ、政府から追われ続ける。 クザン自身も、自分が生かした判断が正しかったのか結論を出せないまま時間を重ねた。
ロングリングロングランドで麦わらの一味と会うと、クザンはクロコダイル討伐の功績を認めながら、将来の危険性を警告する。 ロビンを凍結し、ルフィも一対一で退けたが、一味を全滅させず立ち去った。 ガープへの借りを理由に挙げたものの、ロビンが仲間の中で何を選ぶかを再び見る機会にもなった。
エニエス・ロビー事件後、クザンはロビンへ、サウロの生存を受け継いで生きるよう伝える。 ロビンが自分を守る仲間を得たことで、クザンが22年前に残した判断は一つの答えへ近づいた。
マリンフォード頂上戦争
頂上戦争では三大将の一人として白ひげ海賊団と戦う。 白ひげが起こした津波を「氷河時代」で凍らせ、湾内に戦場となる氷面を作った。 海を凍らせる行為は津波を防ぐと同時に、海賊が処刑台へ進む足場にもなる。
ジョズとの戦いでは一度攻撃を受けるが、相手が白ひげへ気を取られた瞬間に全身を凍らせ、片腕を失わせた。 ルフィへも攻撃するものの、マルコや白ひげ海賊団の隊長が割って入る。 海軍大将として任務を遂行し、戦争の終結まで前線に立った。
サカズキとの決闘
センゴクの退任後、次期元帥にはクザンとサカズキが候補となる。 クザンは普段、地位へ執着する人物ではなかったが、サカズキの指揮下に入ることを拒んだ。 二人はパンクハザードで十日間戦い、クザンが敗れる。
島の半分は氷雪地帯、半分は灼熱地帯となり、能力の影響が気候として残った。 クザンは左脚を失い、全身へ火傷を負う。 サカズキはとどめを刺さず、クザンは海軍から退いた。
敗北は単なる昇進争いではない。 オハラ以来異なっていた二人の正義のうち、どちらが海軍全体を率いるかを決める戦いだった。 サカズキが元帥となったため、クザンは組織の内側で自分の判断を続ける道を失う。
海軍離脱後
海軍を離れたクザンは、単独で新世界を旅する。 パンクハザードでは、ドフラミンゴに殺されかけたスモーカーを救った。 ドフラミンゴを凍結して撤退させ、スモーカーへ海軍本部へ連絡するよう促す。
自分は海軍ではないと述べながら、世界の動きを見ている。 海軍を離れたからこそ分かることがあるとも話し、組織外から行動する立場へ移った。 この時点で、誰のために何を調べているかは明言されない。
黒ひげ海賊団への加入
クザンは新世界の酒場で黒ひげ海賊団と出会う。 仲間を凍らされたティーチは敵対する代わりに、海賊は利害が一致すれば同じ船に乗れると勧誘した。 クザンは自分の意思で生きる道を示され、十番船船長として一味へ加わる。
加入後はビッグ・マム海賊団の領地へ入り、ヴァン・オーガーとともにシャーロット・プリンを連れ去る。 黒ひげ海賊団のため実際に作戦へ参加しているため、名前だけを置いた潜入者と断定はできない。 一方、ティーチへ全面的な忠誠を誓った理由も示されていない。
クザンは海軍時代にも命令と自分の判断を分けていた。 現在も利害の一致で一味に属しながら、別の目的を持つ余地が残されている。
ハチノスでのガープ戦
コビー救出のためガープたちが海賊島ハチノスへ攻め込むと、クザンはかつての師を迎え撃つ。 ガープはクザンへ、今を生きろと教えたはずだと語る。 クザンは迷う者は弱いと返し、自分の選択で黒ひげ海賊団側に立つ。
二人は覇気をまとった拳で衝突し、島の中心に大きな衝撃を生む。 クザンの身体能力はガープとの軍艦バッグで鍛えられており、ヒエヒエの実を封じても近距離戦を行える。 ガープはシリュウの攻撃からコビーを守って重傷を負いながら、若い海兵を逃がす時間を作った。
最後にクザンは氷の刃でガープを貫き、周囲を凍らせる。 新聞はガープがハチノスで消息不明になったと伝えるが、死亡は確定していない。 クザンが師を殺したのか、凍結によって別の状態に置いたのかも断定できない。
ヒエヒエの実
ヒエヒエの実は、身体を氷へ変え、周囲を凍結させる自然系悪魔の実である。 海面を島から島へ届く規模で凍らせ、人や武器を一瞬で氷漬けにする。 能力者が海へ落ちれば力を失うが、クザンは触れた海を先に凍らせるため海上を移動できる。
代表技「氷河時代」は広範囲の海や津波を凍らせる。 「アイスタイム」は接触した相手の全身を凍結し、「アイスサーベル」では草などへ息を吹きかけて氷の剣を作る。 失った左脚も氷で補い、日常の移動と戦闘へ使う。
凍結された人間は砕かれれば死亡するが、慎重に解凍すれば生存できる場合がある。 そのため凍らせた事実だけでは、相手を殺したか拘束したかを区別できない。
覇気と身体能力
クザンは武装色と見聞色の覇気を使う。 頂上戦争では他の大将とともに白ひげの衝撃波を防ぎ、ハチノスではガープと覇気をまとった拳で打ち合った。 自然系の能力者でありながら、身体を鍛える修練を長く続けている。
サカズキと十日間戦った持久力、ジョズを一瞬の隙で無力化した判断、ガープの攻撃を受けて立ち上がる耐久力を持つ。 氷による広範囲制圧と近距離の打撃を切り替えられるため、戦場の規模を選ばない。
正義と現在の目的
クザンは、海軍の外へ出た後も無差別な破壊を望む人物にはなっていない。 スモーカーを救い、海軍へ情報を渡し、黒ひげ海賊団の中でも一般人を積極的に傷つける姿は描かれていない。 しかしプリンの拉致とハチノス防衛には参加しており、過去の海軍大将としてだけ評価することもできない。
「黒ひげ海賊団へ潜入している」と確定すれば、現在の矛盾は簡単に説明できる。 原作はまだその答えを示していない。 クザンは組織から自由になった後、自分が何を守り、何を犠牲にするかを試されている途中にある。


