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ONE PIECE百科事典ANNA MOVIES

コミックス

ONE PIECE 第109巻「きみの味方」

『ONE PIECE』第109巻は、2024年7月4日に集英社から発売されたコミックスである。巻題は「きみの味方」。原作第1101話から第1110話までの10話を収録し、バーソロミュー・くまの回想の結末から、エッグヘッドに五老星が集結する局面までを描く。

『ONE PIECE』第109巻は、2024年7月4日に集英社から発売されたコミックスである。

巻題は「きみの味方」。

原作第1101話から第1110話までの10話を収録し、バーソロミュー・くまの回想の結末から、エッグヘッドに五老星が集結する局面までを描く。

少女だったジュエリー・ボニーが父を捜して海へ出た理由、人格を失ったくまが娘を救うために戻った瞬間、ルフィのギア5を見たボニーが「ニカ」を現実の存在として認識する過程が一冊の中心に置かれている。

書誌情報

  • 巻数:第109巻
  • 巻題:きみの味方
  • 著者:尾田栄一郎
  • 出版社:集英社
  • 発売日:2024年7月4日
  • 収録話:第1101話〜第1110話
  • 収録話数:10話
  • 主な編:エッグヘッド編
  • 前巻:第108巻「死んだ方がいい世界」
  • 次巻:第110巻「時代のうねり」

表紙に描かれた家族と仲間

表紙中央には、ボニーを肩に乗せたくまが大きく描かれる。

その上をギア5のモンキー・D・ルフィがニカを思わせる姿勢で飛び、前景にはベガパンク、黄猿、戦桃丸、ステューシーが並ぶ。

エッグヘッドの研究者たちも同じような姿勢を取り、くまを中心に複数の人生が交差したことを示す構図になっている。

第109巻で重要なのは、血縁だけを家族と呼ぶのではなく、誰かの味方であろうとした選択が人物を結び付ける点である。

くまとボニー、ベガパンクとくま、戦桃丸とベガパンク、ルフィとボニーは、それぞれ異なる理由で同じ戦場へ集まる。

収録話一覧

1. 第1101話「ボニーへ」 2. 第1102話「くまの人生」 3. 第1103話「ごめんね、お父さん」 4. 第1104話「ありがとう、お父さん」 5. 第1105話「愚の骨頂」 6. 第1106話「きみの味方」 7. 第1107話「あんたを探してたんだ!!」 8. 第1108話「応答せよ、世界」 9. 第1109話「阻止」 10. 第1110話「降星」

巻題は第1106話と同じである。

回想の締めくくりだけでなく、現在のボニーがルフィと巨兵海賊団という新たな味方を得る場面に置かれているため、過去と現在をつなぐ言葉として機能する。

ボニーの出航

第1101話では、くまが世界政府の命令に従いながら、ボニーへ直接会えない生活を続ける。

一方のボニーはソルベ王国で成長し、監視役だったCP8のアルファを退けて海へ出る。

彼女の海賊行為は名声や財宝を求めたものではなく、父の所在を確かめるための捜索から始まった。

くまは手紙を書き続けていたが、アルファがそれを握り潰していたため、父娘は互いに見捨てられたと誤解し得る状況へ置かれていた。

読者だけが双方の行動を知る構成により、再会までの時間が残酷に感じられる。

くまの人格消去

第1102話では、くまがルフィたちの航海を遠くから見守っていた事実が回想される。

スリラーバークやシャボンディ諸島での行動は、革命軍の任務や政府の兵器としての命令だけでは説明できない。

彼はドラゴンの息子であるルフィに希望を見いだし、サニー号を守るプログラムをベガパンクへ依頼してから人格を失う。

その最後の記憶は、ボニーへ十歳の誕生日を祝う言葉を託す場面へつながる。

第109巻は、すでに結果を知っている過去の場面へ、本人が何を考えていたかを与え直す巻でもある。

サターン聖の告白

物語が現在へ戻ると、ジェイガルシア・サターン聖はボニーの母ジニーを薬物実験に利用したこと、青玉鱗とボニーの能力がその実験に関係したことを語る。

ボニーは自分が想像できる未来を現実の身体へ反映するが、ニカの実在を疑うほど変身の力も弱くなる。

サターン聖は肉体だけでなく、希望の根拠を壊して彼女を無力化しようとする。

ここでの戦いは単純な腕力比べではない。

ボニーが父から聞いた物語を信じられるかどうかが、能力の幅と直結している。

くまの拳

自我を失ったはずのくまは、マリージョアから姿を消し、エッグヘッドへ到達する。

彼はサターン聖の攻撃からボニーを守り、怒りを込めた拳を振り抜く。

なぜ命令系統を越えて娘のもとへ戻れたのかは、この巻だけでは完全に説明されない。

しかし、くまの行動が偶然の転送ではなく、ボニーを守る方向へ一貫していることは明確である。

過去編で積み上げられた選択が、現在の一撃によって報われる構成になっている。

バスターコールと権威順位

サターン聖は再生し、エッグヘッドへのバスターコールを命じる。

海軍の包囲だけでなく、島内にはパシフィスタが配置されているため、脱出者は自分たちを守るはずの兵器にも追われる。

ベガパンクは事前に、ボニーがパシフィスタの命令権で最高位になるよう仕込んでいた。

くまの姿をした兵器が娘を殺す事態だけは避けたいという判断である。

ボニーが命令を出すとパシフィスタは海軍へ砲口を向け、サターン聖はその改変を知ってベガパンクを刺す。

技術の仕様が、科学者の倫理と親子への感情を表す場面である。

ルフィが示すニカ

食料を得て体力を回復したルフィはギア5となり、黄猿とサターン聖へ立ち向かう。

解放のドラムを聞き、白い姿で笑うルフィを見たボニーは、父が語ったニカと目の前の人物を重ねる。

ルフィ自身はボニーの信仰を利用して英雄を演じるわけではない。

いつも通り仲間を守り、敵を殴り、自由に戦う姿が結果として彼女の希望を回復させる。

巻題の「味方」は、救われる側が一方的に依存する関係ではなく、立ち上がる理由を互いに渡す関係として描かれる。

巨兵海賊団の到着

海軍艦隊を突破して現れたのは、ドリーとブロギーが率いる巨兵海賊団だった。

彼らは新聞でルフィの姿を見て、太陽の神として迎えに来たと語る。

リトルガーデンで別れた巨人たちが、エッグヘッド脱出の援軍として戻ることで、初期の冒険が最終章へ直接つながる。

島内ではルフィたちが五老星と戦い、海上では巨人たちが包囲を崩す。

局地的だった脱出計画が、長い航海で結んだ縁によって可能になる。

黒ひげ海賊団の動き

カタリーナ・デボンとヴァン・オーガーはエッグヘッドへ潜入し、サターン聖へ接触する。

デボンは彼の身体へ触れ、マネマネではなくイヌイヌの実・幻獣種モデル九尾の狐による変身の条件を満たしたように描かれる。

そこへカリブーが現れ、黒ひげに会わせてほしいと頼む。

ボニーとくまの物語が決着へ向かう裏で、別の海賊団が世界政府最高権力者の姿と古代兵器に関わる情報を得る可能性が生まれる。

ベガパンクの世界放送

黄猿の攻撃を受けたベガパンクは倒れ、あらかじめ準備されていた映像が世界へ流れ始める。

配信はすぐに核心を話すのではなく、映像受信の準備時間を設ける。

そのため五老星には妨害する時間が生まれ、世界中の人々には同じ情報を待つ時間が生まれる。

サターン聖は他の五老星をエッグヘッドへ召喚し、異形の姿となった五人が一つの戦場へ集結する。

第109巻は放送内容を完結させず、世界史が語られる直前で緊張を最大化して次巻へ渡す。

ゾロとルッチの決着

ロロノア・ゾロはロブ・ルッチとの戦闘を続けていたが、サンジの言葉に反応して一気に決着をつける。

エッグヘッドの戦況では、五老星、黄猿、海軍艦隊、CP0が同時に動く。

一つの戦闘へ時間を使い過ぎれば脱出全体が崩れるため、勝敗以上に合流の時機が重要になる。

第1110話では、ルフィがピーター聖に呑み込まれかけたところをドリーとブロギーが救い、次巻の総力戦へ接続する。

SBSで明かされた情報

第109巻のSBSでは、シャクヤクとボア・ハンコックの間にあたるアマゾン・リリー先代皇帝の名、CP9が再び政府機関へ戻った経緯、アルファとカリファの血縁などが補足される。

藤虎の刀「やくざ火線」が最上大業物12工に数えられること、エースが倒した元七武海ハナフダ、ボニー海賊団の構成員も扱われる。

また『STRONG WORLD』とシキの扱いについて作者の説明があるが、映画の全事件を原作正史へそのまま移す趣旨ではない。

SBSは本編を補う公式情報である一方、漫画内で誰が知っている事実かとは分けて読む必要がある。

単行本での修正

週刊連載版から単行本になる際、台詞の表記、人物の口元、背景の線、衣装や装備の細部などが修正された。

物語の因果を別物にする改変ではないが、厳密な引用、コマ比較、年表作成では単行本版を基準にするのが適切である。

第109巻は回想と現在が頻繁に切り替わるため、吹き出しや視線の微調整も感情の読み取りへ影響する。

第109巻の位置づけ

第108巻はくまがどのような人生を送り、なぜ政府の改造を受け入れたかを描いた。

第109巻はその人生を最後まで見届け、現在のボニーが真実を知った後に誰を信じるかを描く。

続く第110巻では焦点が世界放送、空白の100年、海面上昇へ広がる。

したがって第109巻は、個人史から世界史へ視点を移す蝶番である。

くまの記憶は失われても、彼が残した命令、手紙、行動、味方は消えない。

その残り方を「きみの味方」という巻題が最も簡潔に表している。

関連項目