01来歴

前史とファースト・オーダー加入
ファースト・オーダー軍内で精鋭ストームトルーパー部隊指揮官へ昇格した経緯について、続三部作の映画本編では明示的な前史は描かれない。出身惑星パーノン(Parnassos)からファースト・オーダーへ加入するまでの経緯は、続三部作公開と並行して刊行された補完メディアで設定として整理されている。映画本編における描写はジャクー村襲撃の場面から始まる。
ジャクー村襲撃
精鋭ストームトルーパー部隊を率いて惑星ジャクー(Jakku)のトゥアナル村(Tuanul Village)を強襲し、ローア・サン・テッカ所有のホロマップを捜索する。この作戦中、初任務のストームトルーパーFN-2187が発砲を拒否し、ファズマはこの異常を指揮系統のシステムでマーキングする。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』における実写本編初登場シーンである。
スターキラー基地配備
精鋭ストームトルーパー指揮官としてスターキラー基地(Starkiller Base)に配備される。基地内通路でフィンと再会した際、『FN-2187』と呼びかけて素性を確認する。クライマックスの潜入戦では、ハン・ソロ、チューバッカ、フィンの3名に脅迫されて惑星級スーパーレーザー砲のシールド発生装置を停止させ、直後にゴミ圧縮機へ放り込まれる。これが『フォースの覚醒』における退場シーンとなる。
スプレマシー艦内での再登場
旗艦級メガ・スター・ドレッドノート『スプレマシー(Supremacy)』艦内で再登場し、潜入したフィンとローズ・ティコに対峙する。直率の精鋭ストームトルーパー部隊(黒装甲のエクセキューショナー・トルーパーを含む)に2名を捕縛させ、艦内の処刑場でフィンの公開処刑を取り仕切る。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』での再登場場面である。
フィンとの一騎打ちと最期
BB-8が操縦するAT-ST型ウォーカーの強行突入で処刑場が崩壊し、ファズマはフィンと一対一の白兵戦に突入する。伸縮式クォータースタッフを用いた一騎打ちの末、フィンのF-11Dブラスター直撃を受けて装甲右目部分が損壊し、艦内火災で崩落した構造体へ落下する。最期の台詞は『元 stormtrooper の屑め(You were always scum.)』。映画本編では明確な死亡描写は与えられず、生存・退場の解釈差が許容される演出となった。
その後の処遇
ファズマは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(The Rise of Skywalker)』には本編登場しない。精鋭ストームトルーパー指揮官の系譜は『最後のジェダイ』での退場をもって続三部作の物語線から離脱し、実写本編での再登場は実現していない。エピソード9の物語に本キャラクターの直接的関与は描かれない。
後世への影響
ファズマは続三部作以降のシリーズにおける精鋭ストームトルーパー指揮官像、特に銀色・反射素材の装甲を持つ高位指揮官のビジュアル原型として、後続のメディアミックスで繰り返し参照される存在となった。フィンの脱走アークの心理的対称軸として、『元ストームトルーパー』描写の参照点としても機能する。
02能力・特徴

- 精鋭ストームトルーパー指揮:ファースト・オーダーの精鋭部隊を統括するキャプテン階級として、ジャクー村襲撃、スターキラー基地シールド管制、『スプレマシー』艦内警備まで大規模部隊を直接指揮する作戦級の指揮能力。
- 白兵戦闘技術:伸縮式クォータースタッフを用いた近接戦闘技術。フィンとの一騎打ちで実演される、長身を活かしたリーチ重視の打撃格闘スタイルを持つ。
- クロミウム装甲運用:ナブー王室宇宙船船体クロミウムを再利用したとされる銀色装甲を、軍内で唯一フルボディ装備として運用する。鏡面反射する装甲は心理的威圧と部隊統率のシンボルを兼ねる。
- F-11Dブラスター運用:ファースト・オーダー標準装備のF-11Dブラスター・ライフルを長距離射撃から近接掃射まで使い分ける、精鋭指揮官としての射撃技能。
- 個体識別管理:ストームトルーパー個体管理システムを運用する権限を持ち、FN-2187の発砲拒否を即座に検知してマーキングし、後に本人を『FN-2187』と呼んで素性を特定する。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

ジャクー村襲撃:精鋭ストームトルーパー部隊を率いてトゥアナル村を強襲し、FN-2187の発砲拒否を識別マーキングするファズマの実写本編初登場シーン。
スターキラー基地通路:フィンを『FN-2187』と直接呼びかけ、ファースト・オーダー側からフィンの脱走を確定的に認識する場面。両者の個人的因縁が初めて画面上で明示される。
シールド発生装置停止:ハン・ソロらに脅迫されてスーパーレーザー砲のシールドを停止させ、直後にゴミ圧縮機へ放り込まれるエピソード7の退場カット。
スプレマシー艦内処刑場:捕縛したフィンの公開処刑を取り仕切る場面。直後のBB-8操縦AT-ST強行突入で処刑場が崩壊し、クライマックスへつながる。
フィンとの一騎打ちと最期:伸縮式クォータースタッフでの白兵戦の末、F-11Dブラスター直撃で装甲右目が損壊し、『元 stormtrooper の屑め』を残して崩落構造体に落下する。
06制作背景

キャプテン・ファズマを演じたのは、英国サセックス州出身の俳優グウェンドリン・クリスティー(Gwendoline Christie、1978年10月28日生)である。身長191cmの長身を活かしたフルアーマー姿の存在感が起用理由として公表された。HBOドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)』のブライエニー・オブ・タース役で国際的に認知された俳優で、続三部作公開後のインタビューでは『ファズマがあの瞬間に死んだとは思っていない』と生存解釈を公言している。
本キャラクターはJ・J・エイブラムス(J. J. Abrams、1966年6月27日生)監督が続三部作開発時に、シリーズ初の実写本編精鋭ストームトルーパー指揮官の女性キャラクターとして設計した。設計段階では男性として構想されていたが、ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディの提案を受けて女性へ変更された。エピソード7『フォースの覚醒』はエイブラムス、エピソード8『最後のジェダイ』はライアン・ジョンソン(Rian Johnson、1973年12月17日生)が監督・脚本を担当した。
劇伴音楽は、シリーズ通算9作の本編劇伴を手掛けた米作曲家ジョン・ウィリアムズ(John Williams、1932年2月8日生)が担当した。ファズマ登場場面はファースト・オーダー側マーチ系の楽曲群で支えられ、旧三部作の『帝国のマーチ』が帝国軍を表象したのと並行する。ウィリアムズは『フォースの覚醒』のスコアで第88回アカデミー賞(2016年2月授賞式)の作曲賞にノミネートされた。
銀色クロミウム調コーティング装甲を含む続三部作の衣装は、リドリー・スコット監督『ブレードランナー』(1982年)でも知られる衣装デザイナー、マイケル・カプラン(Michael Kaplan)が手掛けた。前史を補完する正史小説『Phasma』(デライラ・S・ドーソン著、Del Rey/2017年9月1日米国発売)と短編コミック『Captain Phasma』全4号(マーベル・コミックス/脚本ケリー・トンプソン、作画マルコ・チェッケット/2017年9月〜12月刊)が、出身惑星パーノンからの加入経緯や、ゴミ圧縮機脱出からスプレマシー艦内再登場までの間を補完している。
07評価・考察

キャプテン・ファズマは、続三部作のファースト・オーダー側ビジュアルにおける『銀色クロミウム装甲+黒マント』の象徴性を担い、ストームトルーパー軍団の没個性性と精鋭指揮官の固有性を一体で表現する役割を持つ。長身俳優をフルアーマー姿で起用した点は、威厳ある女性戦士像をシリーズに取り込む続三部作のキャスティング原則を象徴する。マイケル・カプランが手掛けた鏡面反射装甲は、旧三部作の白色プラスチック調装甲と対比され、ファースト・オーダー側のビジュアル・アイデンティティを代表する造形となった。
物語面では、ファズマはフィンの脱走を識別マーキングした直接的上官として、続三部作前2作を通じてフィンの『元 stormtrooper』アイデンティティ・アークの対称軸として機能する。ジャクー村襲撃の識別、スターキラー基地通路の『FN-2187』呼びかけ、スプレマシー艦内の一騎打ちという三つの節目に必ず立ち合う構造は、脱走兵テーマの中核を成す。一方、退場シーンは明確な死亡描写を欠き、装甲下の素顔の一部だけが露出する曖昧な処理となり、主要悪役の中でも珍しい『退場演出の曖昧さ』を残した。
装甲の設定上の由来である『ナブー王室宇宙船船体クロミウムの再利用』は、エピソード1『ファントム・メナス』(1999年5月19日米国公開)冒頭のパドメ・アミダラ脱出機体の銀色機体を直接の典拠とし、プリクエル時代の意匠を悪役側装備に再注入することでシリーズ全体の物語的連続性を補強している。前史を補完する小説とコミックがゴミ圧縮機脱出経緯を整理している点も、キャラクターの物語的余白を埋める試みとして特徴的である。
08トリビア
- キャラクター名『ファズマ(Phasma)』は、ジョン・カーペンター監督のホラー映画『ファンタズム(Phantasm)』(1979年)に登場する銀色球体兵器の語感に由来すると、J・J・エイブラムス監督が言及している。
- 本キャラクターは設計段階では男性として構想されていたが、ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディの提案を受けて女性に変更され、続三部作唯一の女性精鋭ストームトルーパー指揮官となった。
- 銀色装甲は設定上『ナブー王室宇宙船船体クロミウムの再利用』とされ、その典拠はエピソード1『ファントム・メナス』でパドメ・アミダラが脱出に用いた銀色機体である。プリクエル時代の意匠を悪役装備に仕込む形で連続性が補強された。
- 前史小説『Phasma』(デライラ・S・ドーソン著)は米国のハードカバー発売と同時に、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー・リストのハードカバー・フィクション部門にランクインした。
- 演者グウェンドリン・クリスティー(身長191cm)は『ゲーム・オブ・スローンズ』ブライエニー役で知られ、その後Netflix『ウェンズデー』(2022〜)のラリッサ・ウィームズ役でもティム・バートン監督に長身俳優として起用された。
09よくある質問
実写本編での初登場は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジャクー村襲撃〜スターキラー基地配備パートである。ファースト・オーダーの精鋭ストームトルーパー部隊指揮官として登場する。
英国出身の俳優グウェンドリン・クリスティーが演じている。身長191cmの長身を活かした存在感が起用理由で、『ゲーム・オブ・スローンズ』のブライエニー役でも知られる。
『最後のジェダイ』終盤、旗艦『スプレマシー』でフィンと一騎打ちの末、ブラスター直撃で装甲が損壊し崩落構造体へ落下する。ただし明確な死亡描写はなく、生存解釈も許容される曖昧な演出となっている。
公式設定では『旧共和国時代のナブー王室宇宙船船体クロミウムを再利用した装甲』とされる。鏡面反射する装甲はファースト・オーダー軍内でファズマ唯一の装備として描かれる。
フィン(FN-2187)はファズマ直率の部隊に所属していた脱走兵で、ファズマはその直接的上官にあたる。発砲拒否の識別マーキングがフィン脱走の契機となり、『最後のジェダイ』では一騎打ちで再対決する。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Captain Phasma
- StarWars.com 公式映画ページ: The Force Awakens
- StarWars.com 公式映画ページ: The Last Jedi
- IMDb: The Force Awakens (2015)
- IMDb: Gwendoline Christie
- Wookieepedia: Captain Phasma (canon)
- StarWars.com 公式映画ページ: The Rise of Skywalker
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Finn
- StarWars.com 公式組織データベース: First Order
- IMDb: The Last Jedi (2017)
- IMDb: J.J. Abrams
- IMDb: Rian Johnson
- IMDb: Lawrence Kasdan
- IMDb: Michael Arndt
- IMDb: John Williams
- IMDb: Michael Kaplan