01来歴

マンダロリアン養子化
コンコード・ドーン周辺で家族を失った孤児が、現行カノンではマンダロリアン傭兵集団トゥルー・マンダロリアンズの長ジャスター・メリールに拾われ、フォウンドリング(養子)としてマンダロリアン文化圏で育てられたという背景設定を持つ。後のマンダロリアン式アーマーとマンダロリアン気質の根拠として描かれる。
賞金稼ぎ時代
銀河系全域で『最も危険な男』と評される賞金稼ぎとして名を上げ、その評判を聞きつけた分離主義者ドゥークー伯爵の指示で、カミーノの遺伝学者ティラニッド・コミューンに遺伝子テンプレートとして契約する。報酬は通常の依頼に加え、本人専用の非改変クローン(息子ボバ・フェット)の作成権利と養育権が条件として与えられた。
カミーノでの遭遇
オビ=ワン・ケノービがパドメ・アミダラ暗殺未遂事件の犯人特定のため、毒ダートの出自を辿ってカミーノのティポカ・シティに到着し、ジャンゴおよび少年ボバと対面する。取り調べに応じた後、追跡を撒くため Slave I で離陸し、オビ=ワンの戦闘機との小惑星帯追跡戦に突入する。シリーズの追跡戦を代表する長尺アクション・シーケンスの中心人物となる。
ジオノーシスの戦い
ドゥークー伯爵およびジオノーシス側の分離主義評議会と合流し、コロシアムでパドメ、アナキン・スカイウォーカー、オビ=ワンの処刑場面に立ち会う。直後にメイス・ウィンドゥ率いるジェダイ救出部隊が乱入してジオノーシスの戦いが開かれ、ジャンゴはジェットパックを駆使してメイスと一騎打ちを展開、最終的にメイスの紫色ライトセーバーで斬首死を遂げる。
ボバへのヘルメット継承
終戦処理場面で、少年ボバ・フェットが斬首された父のマンダロリアン式ヘルメットを地面から拾い上げ、遺骸を前に泣き崩れるカットで本編アークが閉じる。本場面はボバがエピソード5『帝国の逆襲』の伝説的賞金稼ぎへと至る原体験として明示的に描かれ、シリーズ全体のクローン群/賞金稼ぎ群の起源シーンとして機能する。
遺伝子テンプレートの影響
死後も、本人の遺伝子から複製された約200万体のクローン・トルーパーが銀河共和国クローン軍の中核として運用される。コマンダー・コーディ(CC-2224)、キャプテン・レックス(CT-7567)、コマンダー・ウルフ、コマンダー・ブライ、コマンダー・グリーらの固有名を持つ士官級、およびアニメ『バッド・バッチ』の遺伝子改変ユニット『クローン・フォース99』ハンター/クロスヘアー/テック/レッカー/エコー/オメガらが、すべて本人の遺伝子を基盤とする。
ボバ・フェットの書での再登場
実写ドラマ『ボバ・フェットの書』全7話の、息子ボバ・フェットの少年期回想場面にジャンゴが複数回再登場する。エピソード2以来となる本人の長期スパンでの再登場であり、少年ボバから見た父の記憶映像として描かれる。
後世への影響
シリーズ全体での『マンダロリアン式アーマー姿の賞金稼ぎ』像の原型として、エピソード5の息子ボバ・フェット、実写ドラマ『マンダロリアン』の主役ディン・ジャリン、『ボバ・フェットの書』のフェネック・シャンドなど、後続の主要マンダロリアン/賞金稼ぎ群の造形源として継承される。クローン軍からストームトルーパー、ファースト・オーダー兵までが本人の遺伝子に源流を持つ系譜は、シリーズ最大の『遺伝的中心』を形成している。
02能力・特徴

- 賞金稼ぎ戦闘技術:双連装WESTAR-34ブラスター・ピストルの両手射撃、ジェットパック空中機動と組み合わせた立体的攻撃、ワイヤー射出ガントレットによる捕縛、毒ダートによる暗殺射撃を操る総合的な戦闘技能。
- マンダロリアン式アーマー運用:養子として育った経歴を背景に、青/銀基調のベスカー風アーマー、Tバイザー・ヘルメット、ジェットパック内蔵ミニミサイルと火炎放射器、踵ブレード等をフル装備で実戦運用する技能。
- Slave I 操縦:本人専用のFirespray-31級巡視艦 Slave I の主操縦士として、カミーノ離脱戦から小惑星帯追跡戦でオビ=ワン・ケノービの戦闘機を相手に高機動・反重力宇宙戦闘を展開する操縦技能。
- 対ジェダイ戦闘:ジオノーシスの戦いでメイス・ウィンドゥと一騎打ちを展開し、ジェダイ評議会マスターを相手にジェットパック機動と多重武装で一時的に互角の戦闘を成立させた、非フォース・センシティブの賞金稼ぎ。
- 遺伝学的価値:カミーノのティラニッド・コミューンが銀河共和国クローン軍の遺伝子テンプレート(Prime Clone)に選定した屈指の身体・戦闘能力の持ち主。複製された約200万体がクローン戦争の共和国側主力となる。
- 地震弾運用:小惑星帯追跡戦で初投入したSlave I専用兵装・地震弾(Seismic Charge)。発射直後の短い無音の後に強い爆発音が遅延して鳴り、オビ=ワンのスターファイターを撹乱する戦術兵装として運用した。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

カミーノ本人居住区:オビ=ワン・ケノービが暗殺未遂事件の毒ダート出自を辿り、ジャンゴと少年ボバの住居を訪ねる。雨に濡れた水中都市プラットフォーム上で展開される実写本格初登場シーン。
カミーノ離脱戦・小惑星帯追跡戦:Slave Iを起動してカミーノを離脱し、オビ=ワンの追跡を撒くため小惑星帯に突入する。専用兵装・地震弾が初投入される、宇宙戦闘を代表する起源場面。
コロシアム上空ジェットパック戦:ジェダイ救出部隊乱入後、ジャンゴがジェットパックでメイス・ウィンドゥと一騎打ちを展開する、屈指のジェダイ・マスター対賞金稼ぎ場面。
ジャンゴ斬首死:メイス・ウィンドゥの紫色ライトセーバーで斬首死を遂げる、本編アークの直接的終結シーン。シリーズで最も有名な賞金稼ぎ退場場面のひとつ。
戦後・ヘルメット回収:少年ボバが斬首された父のヘルメットを拾い上げ遺骸を前に泣き崩れる、シリーズ屈指の継承場面。後のエピソード5ボバ・フェットの原体験として位置づけられる。
06制作背景

ジャンゴ・フェットは、『スター・ウォーズ』創造者ジョージ・ルーカスが脚本・監督を務めた『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002年5月16日米国公開)で本格的に創造された。1980年『帝国の逆襲』で登場したボバ・フェットの起源を遡及的に説明する形で、1999年から2002年の開発段階で生み出された『先に登場した子の親を後から作る』設計を取る。マンダロリアン養子という背景設定はジョン・ジャクソン・ミラー著の小説『Open Seasons』(2002年4月発売)が原典で、ディズニー期のカノン化を経て公式データベースに継承された。
演じたのはニュージーランド・ロトルア出身のマオリ系俳優テムエラ・モリソン(Temuera Morrison、1960年12月26日生)で、1994年の『戦士の鎮魂歌』のジェイク役で国際的に注目された。本作以降、モリソンはクローン・トルーパー、コマンダー・コーディ、キャプテン・レックス等の全クローン群の英語版声を一貫担当し、『マンダロリアン』『ボバ・フェットの書』では成年期ボバ・フェットも続演する。息子の少年ボバは同郷・同系統のマオリ系俳優ダニエル・ローガンが演じ、父子の遺伝的同一性を視覚的に補強した。ローガンは後年『クローン・ウォーズ』でも少年期ボバの声を担当した。日本語版では森山栄治がジャンゴおよびボバ役を担当した版がある。
マンダロリアン式アーマーおよびSlave Iのリデザインは、プリクエル三部作の主任コンセプトデザイナー、ダグ・チャンが統括し、息子ボバの緑基調アーマーと対をなす青/銀基調の親世代アーマーとして造形した。衣装デザインはプリクエル三部作衣装デザイナーのトリッシャ・ビガーが担当し、実物スーツを構築した。プロデューサーのリック・マッカラムはルーカスと共同でデジタルシネマ撮影と並列ポストプロダクション体制を構築し、カミーノ・パートとジオノーシス・パートを別ユニットで並行撮影した。ILMが水中都市や小惑星帯追跡戦の合成を担当し、主要撮影はシドニーのフォックス・スタジオ・オーストラリアで行われた。
音楽はジョン・ウィリアムズ(John Williams)が担当し、カミーノ離脱戦から小惑星帯追跡戦を低音金管と打楽器中心の緊張感あるアクション・キューで描いた。ジャンゴ専用のライトモチーフは与えられず、息子ボバの『帝国のマーチ』内サブモチーフと一体化する構造で配置された。音響デザイナーのベン・バートは専用WESTAR-34の射撃音、ジェットパック噴射音、ヘルメット内呼吸音、そしてSlave Iの地震弾の『無音→爆音』効果を設計した。地震弾効果音は本作で初導入され、以降『マンダロリアン』『ボバ・フェットの書』まで一貫運用されている。
07評価・考察

ジャンゴ・フェットは、1980年『帝国の逆襲』のボバ・フェット登場時には存在しなかったキャラクターを、2002年にボバの起源として遡及的に創造したという、シリーズ史でも稀な『先に登場した子の親を後から作る』設計を取った人物である。テムエラ・モリソンの起用により、以降のクローン群、ボバ・フェット、『マンダロリアン』『ボバ・フェットの書』の全マンダロリアン傭兵描写までが一本の『顔の系譜』でつながり、シリーズの人的構成原理を最も大きく規定したキャラクターのひとつとなった。
ジオノーシスでの斬首死は『マンダロリアン文化圏の損失』を象徴する場面として、『クローン・ウォーズ』『反乱者たち』『マンダロリアン』『ボバ・フェットの書』のマンダロリアン描写の重要な参照点となっている。本人の遺伝子が共和国クローン軍として複製され、その後継が帝国のストームトルーパーへ組み込まれる構造は『勝者なき遺伝的継承』テーマの中核をなす。息子ボバとの非改変クローン関係、クローン士官個々の固有名、『バッド・バッチ』の個別アイデンティティ問題まで、すべて本人由来の遺伝子テンプレートが分岐する形で『複製と個体性』が問われる。
コンコード・ドーンの孤児がジャスター・メリールに拾われ養育されるという設定は、後年の『マンダロリアン』の主役ディン・ジャリンや、ジェダイ寺院から救出されたグローグーの『家族を失った孤児がマンダロリアン共同体に拾われる』テーマ構造の原型となっている。ジャンゴの設定はディン・ジャリンとグローグーの物語を遡及的に正当化する『マンダロリアン文化圏のフォウンドリング伝統』の起点として、シリーズ全体の人的継承構造を支える参照点になっている。
08トリビア
- 演者テムエラ・モリソンは、以降のクローン群(コーディ、レックス、全ストームトルーパー含む)の英語版声を一貫担当し、『マンダロリアン』等で成年期ボバも続演する、シリーズ最長期スパンの単一俳優マルチロール起用例となった。
- 愛機Slave I(Firespray-31級巡視艦)は先にエピソード5でボバの代名詞的機体として映像登場しており、ジャンゴ登場時に『父から息子へ継承される機体』として遡及的に再構築された。
- 斬首したメイス・ウィンドゥの紫色ライトセーバーは、演者サミュエル・L・ジャクソンが『戦闘で自分のキャラをすぐ見分けられるように』とルーカスに希望して採用された配色である。
- 専用兵装・地震弾は本作で初導入された革新的音響効果で、『発射直後の短い無音→遅延した強い爆発音』という構造が特徴。以降フェット家の代名詞的兵装として継続使用されている。
- 愛機の名称『Slave』はディズニー期の公式データベースで削除され『ボバ・フェットの宇宙船』『Firespray-class ship』表記が増える一方、本編内では引き続きSlave Iが使われる段階的回避方針が取られている。
09よくある質問
実写初登場は2002年公開の『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』の前半カミーノ・パートである。銀河共和国クローン軍の遺伝子テンプレートとして登場し、本編アークは本作1作内で完結する。
ニュージーランド出身のマオリ系俳優テムエラ・モリソンが演じている。以降の全クローン群や成年期ボバ・フェットも続演し、少年期ボバはダニエル・ローガンが担当した。
ボバ・フェットはジャンゴ本人の遺伝的非改変コピーを息子として育てた『非改変クローン』である。大量複製されたクローン・トルーパーと異なり、ジャンゴと同一の遺伝子のまま成長し、本人が個人的に養育した。
エピソード2終盤のジオノーシスの戦いで、メイス・ウィンドゥと一騎打ちの末、その紫色ライトセーバーで斬首死した。直後に少年ボバが父のヘルメットを拾う継承場面が描かれる。
惑星カミーノで秘密裏に運用された銀河共和国クローン軍の遺伝子テンプレートとして契約していた。本人の遺伝子から約200万体のクローン・トルーパーが複製され、コーディやレックス、クローン・フォース99も源流を本人に持つ。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Jango Fett
- StarWars.com 公式映画ページ: Attack of the Clones
- StarWars.com 公式シリーズページ: The Book of Boba Fett
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Boba Fett
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Mace Windu
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Obi-Wan Kenobi
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Count Dooku
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Lama Su
- IMDb: Attack of the Clones (2002)
- IMDb: Temuera Morrison
- IMDb: Daniel Logan
- IMDb: George Lucas
- IMDb: Christopher Lee
- IMDb: Samuel L. Jackson
- IMDb: Ewan McGregor
- IMDb: John Williams (Composer)
- IMDb: Ben Burtt
- IMDb: Doug Chiang
- Wookieepedia: Jango Fett (canon)
- Wookieepedia: Slave I
- Wookieepedia: True Mandalorians