01来歴

森林衛星エンドアでの初登場
ウィケット・W・ウォリックは、リチャード・マーカンド監督『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(Return of the Jedi)』1983年5月25日米国公開でオリジナル三部作の完結編に登場するイウォーク族の少年戦士である。森林衛星エンドアに降下した反乱同盟軍のうち、スピーダーバイク追跡で仲間と分断され森に取り残されたレイア・オーガナ姫と、森でひとり遭遇する最初のイウォークとなる。当初は警戒の姿勢を見せるが、レイアがフードを脱いで友好的に接したことで警戒を解き、彼女をブライト・ツリー村へ案内する。
イウォーク族との同盟仲介
レイアを村へ案内した後、ハン・ソロ、ルーク・スカイウォーカー、チューバッカ、C-3PO、R2-D2から成る反乱同盟軍の地上チームが部族に捕らえられる場面でも、ウィケットは仲介役として動く。イウォーク族はC-3POを『黄金の神』と勘違いしており、ウィケットはその橋渡しを担う。族長チーフ・チャーパへの取りなしを通じて反乱同盟軍とイウォーク族の同盟を成立させ、観客の感情移入を支える子ども目線の語り部として機能する。
エンドアの戦い
4 ABYのエンドアの戦い(Battle of Endor)で、ウィケットはイウォーク族の地上戦闘部隊に参加する。第二デス・スターのシールド・ジェネレーター施設を守る帝国軍の二脚歩行戦車AT-STを相手に、丸太の落下罠、木製ハンググライダーからの投石、投石スリングなど原始的な戦術を用いた待ち伏せ戦闘を若手の指揮級として展開する。シールド・ジェネレーター破壊により、軌道上の連合艦隊がデス・スター反応炉破壊に成功する流れを地上から支える。
勝利の祝祭
戦い終結後、ブライト・ツリー村で反乱同盟軍とイウォーク族が祝祭を開く中、ウィケットはレイア、ルーク、ハン・ソロら主要人物と勝利を分かち合う。1997年の特別篇(Special Edition)以降、本シーンは銀河各地の祝祭モンタージュへ拡張され、ナブー、クラウド・シティ、コルサント、タトゥイーンの祝祭ショットが追加されたが、ウィケットを含むエンドアの祝祭部分は中心として残された。同シーンはオリジナル三部作の事実上の幕引きとなる。
派生作品でのレギュラー化
ウィケットは『ジェダイの帰還』公開翌年のTV映画『キャラバン・オブ・カレッジ/イウォーク・アドベンチャー(Caravan of Courage: An Ewok Adventure)』1984年11月25日ABC放送、続編『エンドア/決戦は森林の星(The Battle for Endor)』1985年11月24日ABC放送に再登板する。さらにアニメシリーズ『イウォークス(Ewoks)』1985年9月7日〜1986年12月13日ABC放送にも登場し、本作より前のエンドアでの少年期を前日譚として描いた。これらの派生作品群は、ウィケットを『スター・ウォーズ』ファミリー作品の常連枠として定着させた。
シークエル三部作でのカメオ
J.J.エイブラムス監督『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(The Rise of Skywalker)』2019年12月20日米国公開のエンドア集落シーンで、ウィケットは約36年ぶりに同役のカメオで再登場する。エクセゴル戦勝利後の祝祭の一場面に姿を見せ、シリーズ40年余の時間軸を視覚的に補強する。この場面では、ウィケットの息子ポミー・ウォリック(Pommet Warrick)も登場する。
02能力・特徴

- イウォーク族の森林戦闘術:丸太の落下罠、木製ハンググライダーからの投石、投石スリングなど森林エンドアの自然素材を用いた待ち伏せ戦闘を展開し、帝国軍の二脚歩行戦車AT-STを撃破する。
- 交渉と仲介:レイア・オーガナと最初に接触して警戒を解き、部族集落へ案内する。反乱同盟軍捕縛の場では族長チーフ・チャーパへの取りなしを通じて、反乱軍とイウォーク族の同盟成立に寄与する。
- 敏捷さと小柄な体格:身長約1m前後のイウォークとして、起伏の激しい森林の地形と灌木のあいだを高速で移動する。森に取り残されたレイアを最初に発見できたのも、身を隠す技能の高さによる。
- 観察者代理視点:子ども目線の若手戦士として、銀河帝国対反乱同盟軍という大規模な対立を観客へ等身大で翻訳する語り部機能を担う。手作り武器と帝国軍の機械的戦力の対比を強調する視点となる。
- 種族間の橋渡し:架空言語イウォーキーズを話し、レイアの身振りや表情から意図を読み取る。C-3POを介した意思疎通の流れを支え、原始種族と銀河規模の組織を結ぶ。
- コミュニティ動員:ブライト・ツリー村の若手として、族長チーフ・チャーパ、シャーマンのログレイ、チーフの娘ニーサ(Kneesaa)らとの関係を活かし、イウォーク族全体を反乱同盟軍側へ巻き込む。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

森でひとりレイア・オーガナと遭遇し、警戒の槍を構えるが、フードを脱いだ彼女にベリーを差し出して友情を結ぶ初登場シーン。
レイアをブライト・ツリー村へ案内し、C-3POを『黄金の神』と勘違いした部族の前で反乱同盟軍解放へ動く仲介シーン。
エンドアの戦いで、イウォーク族の地上部隊が帝国軍AT-STに丸太の落下罠を仕掛けて撃破する待ち伏せ戦闘の名場面。
戦い終結後、ブライト・ツリー村の祝祭でレイア、ルーク、ハン・ソロら主要人物と勝利を分かち合うエンディングシーン。
『スカイウォーカーの夜明け』のエンドア集落の祝祭シーンに約36年ぶりカメオで姿を見せ、息子ポミー・ウォリックと並ぶ再登場シーン。
06制作背景

ウィケットを演じたのは英国の俳優ワーウィック・デイヴィス(Warwick Davis)である。1970年2月3日英国サリー州エプソム出身、身長107cm。本作で11歳の子役として実写デビューした。当初はイウォーク族の端役『チェル』役で合格していたが、ウィケット役を務める予定だったケニー・ベイカー(R2-D2の中の人)が撮影中に体調を崩したため代役に抜擢された。後年はロン・ハワード監督『ウィロー/Willow』1988年5月20日米国公開で主役のウィロー・アフグッド役、ハリー・ポッター映画シリーズ2001〜2011年でフィリウス・フリットウィック教授役およびグリップフック役を務め、世界的に知られる。またシリーズ内では『ファントム・メナス』1999年のコルサント市民役、『最後のジェダイ』2017年のウォドリッチ役など複数の役を兼任している。
監督は英国出身のリチャード・マーカンド(Richard Marquand/1937年9月22日ウェールズ・カーディフ出身、1987年9月4日没)で、ジョージ・ルーカス本人以外として初めて『スター・ウォーズ』本編三部作を演出した。脚本は創始者ジョージ・ルーカス(George Lucas)とローレンス・カスダン(Lawrence Kasdan)が共同で担当し、製作はルーカスフィルム、配給は当時の20世紀フォックスである。音楽はジョン・ウィリアムズ(John Williams)が担当し、エンディングの祝祭に『イウォークのテーマ/Ewok Celebration』を作曲した。1997年特別篇では原曲『Yub Nub』を新曲『Victory Celebration』へ差し替えたが、ウィケットのイウォーク語のセリフ自体は各バージョンで一貫して保たれている。
派生実写第1作のTV映画『イウォーク・アドベンチャー』は、ジョン・コーティ(John Korty)が監督し、第37回プライムタイム・エミー賞の視覚効果優秀賞を受賞した。デイヴィス再演の実写作品では唯一のエミー受賞作である。続編『エンドア/決戦は森林の星』はジム・ウィート&ケン・ウィート(Jim Wheat & Ken Wheat)が監督・脚本を務めた。アニメ『Ewoks』はカナダ・トロントのネルヴァナ・スタジオ(Nelvana)が作画を担当し、『Star Wars: Droids』と並ぶルーカスフィルム初のテレビアニメ系派生作品となった。
『スカイウォーカーの夜明け』のカメオ出演時には、デイヴィスの実子で英国の俳優ハリソン・デイヴィス(Harrison Davis)が、ウィケットの息子ポミー・ウォリック役で共演した。現実の父子関係がそのままスクリーン上の父子関係として描かれた稀有な事例であり、シリーズ40年余の世代交代を視覚的に象徴する演出となった。
07評価・考察

ウィケット・W・ウォリックは、『ジェダイの帰還』のクライマックスであるエンドアの戦いを『観客の感情移入の入口』として機能させる中心装置のひとつである。原始的な森林種族イウォークと銀河帝国の超兵器・第二デス・スターの対比を、子ども目線の若手戦士という立場から橋渡しすることで、ジョージ・ルーカスが掲げた『神話としてのスター・ウォーズ』の主題を体現する。手作り武器と帝国軍の機械的戦力の対比は、ウィケットの視点を通じて強調される。
オリジナル三部作完結後のウィケットは、TV映画『イウォーク・アドベンチャー』『エンドア/決戦は森林の星』、アニメ『イウォークス』と続けて主役格を担い、ルーカスが当初想定した『未来世代のおもちゃ市場』向け派生作品群の核として機能した。その意味でウィケットはルーカスフィルムによる『スター・ウォーズ』IPの裾野拡張戦略を体現する初期事例であり、後のDisney+期『マンダロリアン』2019〜のグローグー(ベビー・ヨーダ)人気の構造的源流とも位置付けられる。
また『スカイウォーカーの夜明け』での約36年ぶりの再登場では、ウィケットの息子ポミー・ウォリックが加わり、一族の世代交代がシリーズの『継承』の主題と重ねて描かれた。オリジナル三部作の幕引きを飾ったキャラクターがシークエル三部作の終幕でも祝祭の場に立つことで、ウィケットはシリーズ40年余を貫く象徴として位置付けられている。
08トリビア
- ウィケットの完全な作中名は『ウィケット・W・ウォリック』。父ウィスティー、母シャシャ、兄ウィレイ/ウィークス、弟ウィンダなど、レジェンズ/カノン双方の補完資料で家族構成が描かれてきた。
- ルーカスは1973年の脚本初稿で森林戦の種族を『ウーキー族の惑星』として構想していたが、予算と『未来世代のおもちゃ市場』を意識し、身長1m前後の小柄な毛皮種族『イウォーク』へ再構成した。
- イウォーク族の架空言語『イウォーキーズ/Ewokese』は、ルーカスがチベット語やモンゴル語など実在言語を参照して構築したもので、ウィケットのセリフは全てこの言語で発話される。
- 派生アニメ『Ewoks』は1985年に『The Ewoks and Droids Adventure Hour』の同枠で始まり、1986年に『The All-New Ewoks』として独立30分枠へ再編された。
- TV映画『イウォーク・アドベンチャー』は第37回プライムタイム・エミー賞の視覚効果優秀賞を受賞し、視覚効果はILMが大型生物ゴーラックスの造形などを統括した。
09よくある質問
『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』(1983年)で初登場したイウォーク族の少年戦士である。『スカイウォーカーの夜明け』(2019年)にカメオ出演するほか、TV映画『イウォーク・アドベンチャー』『エンドア/決戦は森林の星』やアニメ『イウォークス』にも登場する。
英国の俳優ワーウィック・デイヴィスが11歳で演じ、実写デビュー作となった。後年は『ウィロー』の主役や、ハリー・ポッター映画シリーズのフリットウィック教授役/グリップフック役でも知られる。
森林衛星エンドアに住む身長約1m前後の小柄な二足歩行種族で、テディベア状の毛皮を持つ。槍や投石スリング、丸太罠など原始的な手作りの武器を用いて森林戦を行う。ウィケットはブライト・ツリー村の若い戦士である。
イウォーク族の地上戦闘部隊として、第二デス・スターのシールドを守る帝国軍のAT-STを迎え撃つ。丸太の落下罠や投石など森の自然素材を活かした待ち伏せ戦闘を展開し、シールド破壊作戦を地上から支える。
『スカイウォーカーの夜明け』のエンドア集落シーンに約36年ぶりカメオで再登場する。この場面では、演者ワーウィック・デイヴィスの実子ハリソン・デイヴィスが息子ポミー・ウォリック役で共演した。
10出典
- StarWars.com 公式データベース: Wicket W. Warrick
- IMDb: Warwick Davis
- IMDb: Return of the Jedi (1983)
- IMDb: The Rise of Skywalker (2019)
- IMDb: Caravan of Courage: An Ewok Adventure (1984)
- IMDb: Ewoks: The Battle for Endor (1985)
- IMDb: Richard Marquand
- IMDb: Harrison Davis
- Wookieepedia: Wicket Wystri Warrick
- Wookieepedia: Warwick Davis
- Wookieepedia: Star Wars: Ewoks
- Wookieepedia: Caravan of Courage: An Ewok Adventure
- Wookieepedia: Ewoks: The Battle for Endor
- Wookieepedia: John Korty