ハン・ソロ救出、皇帝との対決、そしてアナキン・スカイウォーカーの贖罪で旧三部作を締めくくる完結編。
ルーカスフィルム製作/20世紀フォックス配給。旧三部作(オリジナル・トリロジー)の完結編。上映時間131分。
凍結されたハンの救出から始まり、第2デス・スターと皇帝との決着まで。アナキン・スカイウォーカーの物語に区切りをつける。
アカデミー視覚効果特別業績賞を受賞。ベイダーの贖罪という情緒的クライマックスは高く評価される一方、イウォークの扱いには賛否がある。
オープニング・クロール全文、全編のあらすじ、登場要素、制作、特別篇の差分、舞台裏まで網羅。皇帝の最期とベイダーの正体に関わる重大なネタバレあり。
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概要
『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(Star Wars: Episode VI – Return of the Jedi)は、リチャード・マーカンドが監督し、1983年5月25日に米国で公開されたスペースオペラ映画である。1977年の『新たなる希望』、1980年の『帝国の逆襲』に続く、スカイウォーカー・サーガ旧三部作(オリジナル・トリロジー)の完結編にあたる。
前作のクリフハンガーを受け、物語は炭素凍結されたハン・ソロの救出から始まり、再建された第2デス・スター、銀河皇帝パルパティーンとの最終決戦、そしてダース・ベイダー=アナキン・スカイウォーカーの贖罪へと至る。ルーク・スカイウォーカーがジェダイとして完成し、父を闇から取り戻す——というアナキンの転落と救済の物語に、本作はひとまずの決着をつける。
脚本はローレンス・カスダンとジョージ・ルーカスが手がけ、製作総指揮はルーカスが務めた。情緒的なクライマックスと視覚効果は高く評価される一方、森の住人イウォークの扱いや商業性をめぐっては公開当時から賛否が分かれた。それでも本作は、三部作を貫く「赦しと再生」の主題を完結させる作品として、シリーズ史に不可欠の位置を占めている。
本記事は結末を含む全編の内容に踏み込む。物語の重大な驚きを保ちたい場合は、まず本編を鑑賞してから読むことを勧める。
- 原題
- Star Wars: Episode VI – Return of the Jedi
- 監督
- リチャード・マーカンド
- 脚本
- ローレンス・カスダン/ジョージ・ルーカス
- 製作総指揮・原案
- ジョージ・ルーカス
- 音楽
- ジョン・ウィリアムズ
- 米国公開
- 1983年5月25日
- 上映時間
- 131分
- ジャンル
- スペースオペラ、SF、冒険、ファンタジー
オープニング・クロール
前2作と同じ導入に続き、黄色い文字のオープニング・クロールが流れる。ハンの安否と、帝国が新たに建造する第2デス・スターの脅威が提示される。
エピソード6/ジェダイの帰還
ルーク・スカイウォーカーは、犯罪王ジャバ・ザ・ハットの手に落ちた友ハン・ソロを救うため、故郷の惑星タトゥイーンへ帰還した。
ルークは知らなかった。銀河帝国がひそかに、最初のものより恐るべき新たな装甲宇宙ステーション——第2のデス・スターの建造を開始していたことを。
それが完成したとき、悪の企みは反乱同盟軍にとって、自由を取り戻す望みの息の根を止めるものとなるだろう……。
あらすじ
以下は結末までを含む全編のあらすじである。物語は、ジャバの宮殿でのハン救出、ダゴバでの真実、エンドアの地上戦、そして玉座の間での決着という流れで進む。
ジャバの宮殿とハン・ソロ救出
建造途上の第2デス・スターに、進捗の遅れを叱責するためダース・ベイダーが降り立つ。皇帝じきじきの来訪が告げられ、計画の重大さが示される。場面は変わって惑星タトゥイーン。炭素凍結されたまま犯罪王ジャバ・ザ・ハットの手中にあるハン・ソロを救うため、仲間たちが周到な作戦を進めていた。
まずC-3POとR2-D2が「贈り物」としてジャバの宮殿へ送り込まれ、続いて賞金稼ぎボウシュに変装したレイア・オーガナが潜入し、夜陰に乗じてハンを炭素塊から解凍する。だがレイアは見つかって捕らえられ、奴隷の装いを強いられる。冬眠病で一時的に視力を失ったハンも牢へ繋がれる。
最後にルーク・スカイウォーカーが現れる。前作までの未熟な若者ではなく、落ち着いた所作のジェダイとして交渉を試みるが、ジャバは応じず、ルークを猛獣ランコアの檻へ突き落とす。ルークは機転でランコアを倒し、ジャバの怒りを買って、仲間とともに砂漠の大穴カークーンのサルラックへ——飲み込んだ獲物を千年かけて消化する怪物——の餌として処刑されることになる。
処刑場のスキッフ上でルークは合図を出す。R2-D2が射出した新しい緑色のライトセーバーを受け取り、反撃を開始する。混戦のなかで賞金稼ぎボバ・フェットはサルラックの口へ落ち、視力の戻りかけたハンも加勢する。レイアは鎖を奴隷の縛めごとジャバの首に巻きつけて絞め殺す。一行は帆船を爆破して脱出し、ルークはR2とともにダゴバへ、他の面々は反乱軍との合流地点へ向かう。
ダゴバとヨーダの最期
ルークは修行の続きを求めてダゴバへ戻るが、ヨーダはすでに900歳を超えて死を迎えようとしていた。ヨーダは、ベイダーがルークの父であることを認め、「修行は終わった……あとはベイダーと対峙するだけだ」と告げる。そして「もう一人スカイウォーカーがいる」と言い残し、フォースと一体化して静かに消える。
途方に暮れるルークの前にオビ=ワン・ケノービの霊体が現れ、語られなかった真実を明かす。ベイダーはかつてアナキン・スカイウォーカーという優れたジェダイであり、ダークサイドに堕ちて「ダース・ベイダー」となった。前作で告げられた『私がお前の父だ』は事実だった。さらにオビ=ワンは、皇帝が双子の存在を脅威とみなしたために引き離されたこと、そして「もう一人」とはルークの双子の妹レイアであることを明かす。ルークは、父の中にまだ善が残っていると信じ、彼を闇から取り戻すことを自らの使命とする。
反乱軍の作戦
反乱同盟軍の旗艦に全軍が集結する。モン・モスマ、アクバー提督らが作戦を説明する。第2デス・スターはまだ未完成だが主砲は稼働し、本体は森の月エンドアの地表から投射されるエネルギー・シールドで完全に守られている。地上の特殊部隊がシールド発生装置を破壊し、それと同時に艦隊と戦闘機隊が露出した炉心を叩く——勝機はこの連携にしかない。
地上部隊はハン・ソロが指揮し、レイア、チューバッカ、ドロイドたちが同行する。空の攻撃隊はランド・カルリジアンが「将軍」としてミレニアム・ファルコンで率い、ウェッジらが続く。エンドアへ向かう途中、ルークは接近する帝国船にベイダーが乗っていることをフォースで感じ取り、自分の存在が任務を危うくすると悟る。
エンドアの森とイウォーク
盗んだ帝国シャトルで森の月エンドアへ降下した地上部隊は、偵察兵に発見され、スピーダー・バイクの追跡戦の末になんとか撃退する。だが森ではぐれたレイアは、原住の小さな熊のような種族イウォークの若者ウィケットと出会い、心を通わせる。
やがて部隊全員がイウォークの集落に「客」として(一時は夕食の獲物として)迎えられる。金色に輝くC-3POを神と崇めたイウォークたちは、彼の語る反乱軍の物語に心を動かされ、帝国との戦いに加わることを決める。その夜、ルークはレイアに自分たちが双子であること、そして自分はベイダーと対峙せねばならないことを打ち明ける。ルークは父の中の善を信じ、自ら帝国軍に投降して、ベイダーのもとへ連行される。
皇帝の罠
ベイダーはルークを第2デス・スターの皇帝パルパティーンのもとへ連れていく。皇帝はルークを玉座の間で迎え、衝撃の事実を突きつける。シールドの秘密が反乱軍に漏れたのは皇帝の意図したことであり、デス・スターは完全に稼働している。反乱艦隊は罠の中へ自ら飛び込もうとしているのだ。
皇帝はルークの怒りを煽り、父と同じようにダークサイドへ堕ちるよう仕向ける。ライトセーバーに手を伸ばしたいという衝動と、ジェダイとしての自制との間で、ルークは激しく揺れる。眼下では、罠と知らぬ反乱艦隊がデス・スター宙域へ突入しようとしていた。
エンドアの戦いと宇宙戦
地上では、シールド発生装置の制御施設が罠だった。待ち伏せていた帝国軍団に部隊は包囲されるが、合図とともに森じゅうのイウォークが原始的な武器と仕掛けで反撃し、戦況をかき乱す。チューバッカがAT-STを乗っ取り、ハンが機転で施設へ侵入し、負傷したレイアらの奮闘もあって、ついにシールド発生装置が爆破される。
宇宙では、シールド健在のうちに突入したランドとウェッジの戦闘機隊が「罠だ!」と悟り、アクバー提督の艦隊が無数のスター・デストロイヤーと撃ち合う死闘に陥る。シールドが落ちると、ランドとウェッジはファルコンとXウィングでデス・スターの構造体内部へ突き進み、露出した主炉心を狙う。
玉座の間とアナキンの贖罪
玉座の間で、ルークとベイダーのライトセーバー戦が始まる。ルークは戦いを拒もうとするが、ベイダーが「妹」を闇に堕とすと示唆した瞬間、激情に駆られてベイダーを圧倒し、その右手を斬り落とす。皇帝はルークに、父にとどめを刺して自分の新たな弟子になれと唆す。
ルークは荒い息のまま、傷ついたベイダーと自分の機械の手を見比べ、自分が父と同じ道を歩みかけていることに気づく。彼はライトセーバーを投げ捨て、皇帝に言い放つ。「私はジェダイだ。父がそうであったように」。怒りを拒んだのである。
激昂した皇帝は、フォースの稲妻でルークを苛烈に責め苛む。死にゆく息子の叫びを前にして、ベイダー=アナキン・スカイウォーカーの中に眠っていた善が目覚める。アナキンは皇帝を抱え上げ、炉心のシャフトへ投げ落として絶命させ、ルークを救う。だがその身は皇帝の稲妻で致命傷を負っていた。
ルークは父をシャトルへ運ぶ。アナキンは、最後に一度だけ仮面を外して自分の目で息子を見たいと望む。ルークがマスクを外すと、傷だらけの老人の顔があった。アナキンは「お前は正しかった……」と告げ、贖罪を遂げて息を引き取る。一方、ランドとウェッジは炉心を撃ち抜き、第2デス・スターは巨大な爆発とともに消滅する。ルークは父の亡骸を抱えて寸前で脱出する。
エンドアの祝祭
夜のエンドアで、ルークは父ベイダーの甲冑を火葬し、アナキンを弔う。イウォークの集落では反乱軍と原住民が勝利を祝う盛大な宴が開かれ、ハンとレイア、ルーク、ランド、チューバッカ、ドロイドたちが再会する。レイアは自分がルークの妹であることを受け入れ、ハンとの関係も定まる。
炎の向こうに、フォースと一体化したアナキン・スカイウォーカー、ヨーダ、オビ=ワン・ケノービの霊体が並んで現れ、穏やかにルークを見守る。皇帝とデス・スターは滅び、銀河は祝祭に沸く。アナキンの転落から始まった長い物語は、息子の信念と父の最後の選択によって、ひとまずの完結を迎える。
登場要素
本作に登場・言及される主な要素を分類して示す。固有名詞はシリーズ理解の手がかりだが、初見で暗記する必要はない。
キャラクター
- ルーク・スカイウォーカー
- レイア・オーガナ
- ハン・ソロ
- ダース・ベイダー/アナキン・スカイウォーカー
- 皇帝パルパティーン
- ランド・カルリジアン
- チューバッカ
- C-3PO
- R2-D2
- ヨーダ
- オビ=ワン・ケノービ(霊体)
- ジャバ・ザ・ハット
- ボバ・フェット
- ビブ・フォーチュナ
- ウィケット(イウォーク)
- モン・モスマ
- アクバー提督
- ウェッジ・アンティリーズ
- モフ・ジャージュロッド
- ニーン・ナム
種族
- 人間
- イウォーク
- ハット(ジャバ)
- ウーキー
- モン・カラマリ(アクバー)
- サラスティアン
- トワイレック(ウーラ/ビブ)
- ヨーダの種族
- 各種エイリアン
ドロイド
- R2-D2
- C-3PO
- 拷問ドロイド
- EV-9D9
- 宮殿の各種ドロイド
- プローブ・ドロイド
クリーチャー
- ランコア
- サルラック
- バンサ
- エンドアの森林生物
- ジャバの宮殿の生き物
場所
- タトゥイーン(ジャバの宮殿、カークーンの大穴)
- ダゴバ
- エンドア(森の月)
- 第2デス・スター
- 反乱軍旗艦
組織・称号
- 銀河帝国
- 反乱同盟軍
- シス
- ジェダイ
- ジャバ・ザ・ハットの一味
- 帝国宇宙艦隊
- イウォーク族
乗り物・宇宙船
- ミレニアム・ファルコン
- Xウィング
- Aウィング
- Bウィング
- TIEインターセプター
- 帝国シャトル
- スピーダー・バイク
- AT-ST
- スター・デストロイヤー
- スーパー・スター・デストロイヤー エグゼクター
- ジャバの帆船
- スキッフ
テクノロジー・武器
- ライトセーバー
- ブラスター
- 第2デス・スターのスーパーレーザー
- エネルギー・シールド発生装置
- 炭素凍結(前作からの続き)
- フォースの稲妻
- カークーンの処刑装置
フォースと概念
- フォース
- ダークサイド
- ジェダイ
- シス
- フォースとの一体化
- フォース・ゴースト
- 贖罪
- 双子(ルークとレイア)
- エンドアの戦い
主要登場人物
本作は、ルークの完成、アナキンの贖罪、皇帝という黒幕の全貌という三点に人物を収束させる。前2作で積み上げた関係が、ここで結実する。
ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)
前作で打ちのめされたルークは、本作では落ち着いたジェダイとして登場する。武力よりも自制を選び、父の中に残る善を信じて、あえて投降するという危険な賭けに出る。
玉座の間でライトセーバーを投げ捨て「私はジェダイだ。父がそうであったように」と宣言する場面は、シリーズの精神を一言で体現する。彼を勝者にするのは剣の強さではなく、怒りを拒む選択であり、その姿が父アナキンを呼び戻す。ルークの英雄譚は、敵を倒すことではなく、誰かの善を信じ抜くことで完結する。
ダース・ベイダー/アナキン・スカイウォーカー(D・プラウズ/J・E・ジョーンズ/セバスチャン・ショウ)
本作はベイダーの物語の決着である。皇帝と息子の間で引き裂かれた彼は、息子が拷問される姿を前に、長く眠っていた父性と善を取り戻す。皇帝を投げ落とす行為は、復讐ではなく愛による選択として描かれる。
仮面を外したアナキンを演じたのはセバスチャン・ショウである(後年の改訂版でフォース・ゴーストの姿が差し替えられた)。アナキンの転落から始まった六部作の縦軸が、この贖罪によって閉じる。
皇帝パルパティーン(イアン・マクダーミド)
前作まで影と立体通信でのみ示された黒幕が、本作で初めて全身で姿を現す。シスの暗黒卿としての底知れぬ悪意と、相手の怒りを引き出して堕落させる老獪な話術が、フォースの稲妻という具体的な恐怖とともに描かれる。皇帝は本作で滅びるが、その存在感はシリーズ全体の悪の象徴として刻まれた。
ハン・ソロとレイア・オーガナ(ハリソン・フォード/キャリー・フィッシャー)
前作で凍結されたハンは、本作冒頭で救出され、エンドアの地上部隊を率いる。自由人だった彼が「将軍」として責任を引き受け、レイアとの関係も定まる。
レイアは賞金稼ぎへの変装でハンを救い、ジャバを自ら討ち、地上戦でも前線に立つ。終盤、自分がルークの双子の妹であると知り、スカイウォーカーの血脈の物語に組み込まれる。受け身ではなく行動で局面を動かし続ける人物像が、本作でも一貫している。
舞台と用語
舞台は三つの対照的な場所に分かれる。退廃した犯罪の巣ジャバの宮殿、原始的な生命に満ちた森の月エンドア、無機質な権力の頂点である第2デス・スターの玉座の間である。猥雑・自然・冷たい権威という三つの空間が、救出・連帯・決着という物語の段階を体現する。
用語面では、フォース、ダークサイド、ジェダイ、シス、フォース・ゴースト、エネルギー・シールドが鍵となる。とりわけ「贖罪」と「双子」という概念は本作で前面化し、前2作で張られた伏線(ベイダーの正体、もう一人のスカイウォーカー)を回収する。固有名詞は暗記より、人物が何を選ぶかを通して理解するほうが自然に入る。
制作
三部作の完結編は、規模・秘匿・技術のいずれでも前2作の到達点を踏まえて作られた。以下、主要な経緯を整理する。
企画と脚本
脚本はローレンス・カスダンとジョージ・ルーカスが手がけ、原案・製作総指揮をルーカスが務めた。前作で広げた物語——ベイダーの正体、もう一人のスカイウォーカー、皇帝の実体——をどう回収し、アナキンの転落の物語をどう閉じるかが中心課題となった。ベイダーを単なる悪役ではなく、救済されうる父として決着させる方針が、本作の情緒的な核を決めた。
監督には、ルーカスが演出を委ねつつ全体を統括する形でリチャード・マーカンドが起用された。前作の自己出資の重圧を踏まえ、ルーカスフィルムは制作体制と秘密保持を強化して臨んだ。
改題とコードネーム
本作の題名は当初『ジェダイの復讐(Revenge of the Jedi)』として準備され、その名の予告編やポスター、関連商品も一部世に出た。しかし「ジェダイは復讐をしない」というシリーズの倫理に反するとして、公開前に『ジェダイの帰還(Return of the Jedi)』へ改題された(この『Revenge』の名は後にプリクエル最終作の副題として再利用される)。
撮影現場では、ファンやマスコミの過熱と備品の高額転売を防ぐため、まったく無関係なホラー映画を装ったコードネーム『ブルー・ハーヴェスト』が用いられた。情報管理の徹底ぶりは、前作の『私がお前の父だ』の秘匿に続くシリーズの伝統となった。
キャスティング
マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、アンソニー・ダニエルズ、ピーター・メイヒュー、ケニー・ベイカーら主要キャストが続投した。ダース・ベイダーはデイヴィッド・プラウズが身体を、ジェームズ・アール・ジョーンズが声を担い、仮面を外したアナキンをセバスチャン・ショウが演じた。
前作まで影と立体通信のみだった皇帝パルパティーンは、本作でイアン・マクダーミドが全身で演じ、シリーズを代表する悪役像を確立した。ヨーダは引き続きフランク・オズ、オビ=ワンの霊体はアレック・ギネスが担当。イウォークのウィケットを若き日のウォーウィック・デイヴィスが演じている。
撮影とロケ地
タトゥイーンの砂漠の場面は再び米国の砂漠地帯などで撮影され、森の月エンドアの外景は米国カリフォルニアのレッドウッドの巨木林で撮られた。巨大なジャバの宮殿、玉座の間、デス・スター内部などの室内セットは英国のエルストリー撮影所に組まれた。
ジャバ・ザ・ハットは複数の人形遣いが操る大型パペットとして造形され、表情・口・尾の動きが分担して制御された。前2作のクリーチャー造形の蓄積が、本作の濃密な異形描写を支えている。
視覚効果
ILMはスピーダー・バイクの森林追跡、無数の艦艇が入り乱れるエンドア宙域の大規模宇宙戦、建造途上のデス・スター内部の突入など、本シリーズ最大規模の映像課題に取り組んだ。とりわけスピーダー・バイクの疾走は、低速で撮影した森の実写映像を高速再生して躍動感を生むなど、合成と実写を巧みに織り交ぜて実現された。
これらの成果により本作はアカデミー視覚効果特別業績賞を受賞し、ILMは三部作を通じて映画特撮の最前線を牽引し続けた。
音楽と音響
ジョン・ウィリアムズはロンドン交響楽団とともに、三部作の主題を総括するスコアを書いた。皇帝の不気味な合唱、イウォークの素朴な音楽、そして玉座の間のクライマックスを支える荘厳な楽曲が、贖罪という主題を音で語る。
終盤の祝祭曲は版によって異なる(後述)。前2作で確立された音響デザインも、ライトセーバー戦、フォースの稲妻、デス・スター崩壊などで世界の手触りを支えている。
公開と興行
1983年5月25日(前作からちょうど数年、奇しくも『新たなる希望』と同じ5月25日)に公開された本作は、旧三部作の完結編として世界的な大ヒットとなり、その年の興行を席巻した。以後も再公開を重ね、1997年には映像を改訂した特別篇として劇場へ戻った。
初公開時の北米興行収入はおよそ2億5千万ドル超、全世界では再公開分を含めておよそ5億7千万ドルに達した。アカデミー賞では視覚効果に対して特別業績賞が贈られ、美術賞・録音賞・作曲賞・音響編集賞などにノミネートされた。
批評・観客の評価はおおむね高いが、『帝国の逆襲』ほどの一致した絶賛ではなく、ベイダーの贖罪という情緒的クライマックスを高く買う声と、イウォークの可愛らしさや商業性を物足りないとする声に分かれた。それでも三部作を締めくくる作品としての重要性は揺るがず、各種の映画史的評価でも確固たる地位を占める。
特別篇とバージョン違い
本作も改訂を重ねた。1997年の特別篇では、ジャバの宮殿に新たな歌と踊りの場面(通称「ジェダイ・ロックス」)が追加され、サルラックに嘴が付け足され、ラストの祝祭が差し替えられた。オリジナル版の素朴なイウォークの歌「ヤブ・ヌブ」は、より荘厳な新曲「勝利の祝典」へ置き換えられ、銀河各地(コルサント等)で勝利を祝う群衆のショットが加えられた。
2004年のDVD版では、ラストに並ぶフォース・ゴーストのうちアナキンの姿が、プリクエルでアナキンを演じたヘイデン・クリステンセンの映像へ差し替えられ、賛否を呼んだ。2011年のBlu-ray版では、皇帝を投げ落とす直前にベイダーが「ノー!」と叫ぶ音声が追加され、これも長く議論される変更点となった。どの版で観ているかによってクライマックスとラストの印象が変わる。
批評・評価・文化的影響
本作は、アナキン・スカイウォーカーの転落と救済という六部作の縦軸に決着をつけた作品として記憶されている。「悪は外から倒すのではなく、内なる善を信じることで救われる」という主題は、勧善懲悪を超えた物語としてシリーズの精神性を象徴する。
一方、商品展開と強く結びついたイウォークの扱いは、後年「子ども向けへの傾斜」「商業主義」として批判の対象にもなり、続編・派生作品をめぐる評価の分かれ目をしばしば象徴する作品となった。それでも、玉座の間の対決とベイダーの最期は映画史に残る名場面として広く支持され、後年のシリーズが繰り返し参照する原点であり続けている。
舞台裏とトリビア
題名は当初『ジェダイの復讐(Revenge of the Jedi)』だったが、「ジェダイは復讐をしない」という理由で『帰還(Return)』へ改められた。撮影現場では情報統制のため、無関係なホラー映画を装ったコードネーム『ブルー・ハーヴェスト』が使われた。
森の月エンドアの巨木林は実在のレッドウッドの森で撮影され、スピーダー・バイクの疾走感は低速撮影の映像を高速再生して生み出された。皇帝パルパティーンを全身で演じたイアン・マクダーミドは当時まだ若い俳優で、特殊メイクで老人を演じており、後年プリクエルで同役を再演することになる。仮面を外したアナキンを演じたセバスチャン・ショウの素顔は、後の改訂で差し替えられ、版による違いの代表例となった。
テーマと解釈
中心にあるのは贖罪である。アナキン・スカイウォーカーは、外から討たれて滅びるのではなく、息子の信頼によって内側から救われる。悪を倒す物語ではなく、悪に堕ちた者の中の善を信じ抜く物語であり、これが三部作全体の倫理を決定づける。
もう一つの軸は、怒りの拒否である。ルークを勝者にするのは強さではなく、ライトセーバーを投げ捨てる選択——暴力ではなく自制こそがジェダイの本質だという思想である。前作の敗北を経たルークは、ここで力ではなく心によって勝つ。
さらに本作は、英雄の旅の「帰還」段階を描く。日常を離れ、試練と喪失をくぐり抜けた者が、得たもの(自制・赦し・絆)を携えて世界へ戻り、断絶していた父子と銀河を和解させる。ジャバの退廃、エンドアの素朴な連帯、玉座の間の冷たい権力という三つの空間の対比が、この主題を空間設計のレベルで支えている。
見る順番(補助)
初見なら『新たなる希望』『帝国の逆襲』に続けて本作を観る公開順が最も分かりやすい。本作は前2作の伏線(ベイダーの正体、もう一人のスカイウォーカー)を回収する完結編であり、単独で先に観るのは勧めにくい。
プリクエル三部作(エピソード1〜3)を先に観ていると、アナキンの転落を知ったうえでの贖罪となり、ラストの重みが大きく変わる。初見は旧三部作を公開順で通し、復習でプリクエルを補うと情報の出方が活きる。
- 前々作『新たなる希望』で最初のデス・スターを破壊
- 前作『帝国の逆襲』で出自の真実が告げられる
- 本作ハン救出、皇帝との決着、アナキンの贖罪で旧三部作が完結
よくある質問(補助)
「あらすじだけ知りたい」場合は、ハン・ソロ救出、エンドアのシールド攻略、玉座の間の決着という流れを押さえれば十分である。「結末・ネタバレを知りたい」場合は、皇帝の罠、ルークが怒りを拒む選択、アナキンの贖罪と最期までが核となる。
「評価を知りたい」場合は、贖罪の完結編という性格と、イウォークをめぐる賛否を分けて理解するとよい。「見る順番」は本作だけを先に観ず、必ず旧三部作を公開順で通すのが安定する。
参考資料・脚注
作品名、キャラクター名、画像、各種権利はそれぞれの権利者に帰属する。公開年・興行・制作・配信状況・外部評価は変動しうるため、視聴前に公式および各データベースの最新表示を確認されたい。本記事の本文は各種公開情報をもとに、Anna Movies用の独自の日本語文章として構成している。
参照・確認先
公式画像、作品名、キャラクター名、権利は各権利者に帰属する。公開年、配信状況、外部評価は変わる場合があるため、視聴前に公式・配信元・作品データベースで確認したい。