01ストーリー解説
碇シンジが降り立った第3新東京市は、住民が避難した後の無人の街だった。父・碇ゲンドウから「来なさい」とだけ書かれた手紙を受け取り、迎えのはずの葛城ミサトと連絡を取ろうとするが、非常事態のため電話は通じない。シンジはミサトから送られた写真を手にしているが、そこには胸元を指す矢印と「特にここ!」の落書きがあり、思わず赤面する。その直後、遠方の海から巨大な人型の生物——第3使徒サキエルが街へと侵攻してくる。
国連軍(戦略自衛隊)はVTOL機やミサイルでサキエルを猛攻するが、使徒はATフィールドで攻撃を弾き、損傷を負ってもみるみる再生してしまう。逃げ遅れたシンジが使徒と軍の交戦に巻き込まれ立ち往生していると、青いスポーツカーが急停車し、運転席のミサトが「乗って!早く!」と彼を車内へ引きずり込む。間一髪でその場を脱出する。

軍は決戦兵器である非核兵器・N2爆雷の投下を決断する。凄まじい閃光と爆発がサキエルを呑み込み、その衝撃波でミサトの車は横転してしまう。だがシンジとミサトは無事で、ミサトは横倒しの車を二人で押して立て直し、車内から私物を抜き取るちゃっかりした一面も見せる。サキエルが爆発を耐え抜いたことを確認しつつ、二人は特務機関NERVの本部へと向かう。
リニア式の車両で地底深くへ降りていくと、巨大な地下空間ジオフロントが広がる。緑と湖、そして天井から吊り下がるように建つビル群を目にしたシンジは、地下に作られた人類最後の砦に圧倒される。しかしNERV本部の内部は複雑で、ミサトは構造を覚えておらず迷子になり、同じ通路をぐるぐると回ってしまう。

迷う二人を、リツコ・アカギ博士が呆れ顔で出迎える。案内された薄暗い格納庫で照明が点灯すると、巨大な紫色の顔がぬっと浮かび上がる——汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン初号機だ。父の研究記録に「E.V.A.」とあったことを思い出すシンジに、リツコは「これが人類の切り札よ」と告げる。
そこへ、頭上の連絡橋から父・碇ゲンドウが冷たく見下ろす。数年ぶりの再会にもかかわらず、ゲンドウは「久しぶりだな、シンジ」とだけ言い、すぐさま「発進準備を急げ」と作業を指示する。シンジは、自分がこのエヴァのパイロットとして呼ばれたのだという衝撃の事実を、ここで初めて知らされる。

訓練も受けていない少年に乗れという無茶な命令に、シンジは「無理だよ、見たことも聞いたこともない!」と拒絶する。ゲンドウは取り合わず、「乗らないなら帰れ」と突き放したうえで、「綾波」と冷然と別のパイロットの名を呼ぶ。代わりに搭乗させようというのだ。
呼ばれて運び込まれてきたのは、全身を包帯で覆われ、担架で運ばれる重傷の綾波レイだった。激痛にうめきながらも命令に従い起き上がろうとするレイの姿を見て、シンジは動揺する。その瞬間、地上のサキエルの攻撃で本部が激しく揺れ、天井の照明や鉄骨が崩落してくる。すると停止していたはずの初号機がひとりでに腕を上げ、その手でシンジを庇った。誰もが「動いた…?」と絶句する。

満身創痍のレイを身代わりにする現実と、なぜか自分を守った初号機を前に、シンジはついに「乗ります……僕が乗ればいいんでしょう!」と覚悟を決める。エントリープラグに乗り込み、内部にLCLが満たされ、初号機が射出口へとセットされる。ミサトの号令とともに発進シークエンスが始まり、初号機が地上の戦場へと撃ち出される——そこで第壱話は幕を閉じる。


