06ストーリー解説
物語は前回の戦闘の失敗から続く。第3新東京市の上空に居座る第5使徒ラミエルは、青い正八面体の結晶体。前回出撃した初号機(碇シンジ)は、使徒が放つ高エネルギー収束砲によって装甲を一瞬で貫かれ、撤退を余儀なくされていた。さらにラミエルは地中へ巨大なドリルを伸ばし、ネルフ本部のあるジオフロントを目指して掘削を開始。本部陥落までのタイムリミットが刻まれていく。
葛城ミサトと赤木リツコは反撃作戦「ヤシマ作戦」を立案する。使徒の絶対的な攻撃半径の外側から、一撃で核を撃ち抜く長距離狙撃作戦だ。使用するのは試作段階の陽電子砲。だがこの一発を撃つには莫大な電力が必要で、日本中の電力を第3新東京市の一点へ集中させ、全国を停電させてまで賄うという前代未聞の規模の作戦となる。

狙撃地点には標高の高い二子山が選ばれる。狙撃手は初号機=シンジ、その盾持ちとして零号機=綾波レイが配置される。陽電子のビームは長距離を飛ぶ間に地球の自転や磁場の影響で軌道がわずかに逸れるため、リツコたちは命中までの補正を緻密に計算した。失敗すれば即座に使徒の反撃を受ける、文字どおり一発勝負の賭けだった。
作戦前夜。一撃必中という重圧の前で、シンジは「外したら死ぬ」という現実に怯える。ミサトはそんな彼を気遣いながらも、作戦の成功を信じて送り出そうとする。山中の陣地でシンジは慣れない巨大な狙撃装備に向き合い、逃げ出したい気持ちと、それでも引き金を引かねばならない役目との間で揺れていた。

待機の最中、シンジは隣にいるレイに「どうしてエヴァに乗るのか」と問う。レイは「絆だから」と短く答え、碇ゲンドウとの繋がりを理由に挙げる。父を信じきれない自分との違いを感じるシンジに、レイは「あなたはお父さんを信じていないのね」と静かに指摘する。価値観の異なる二人の間に、ぎこちない空気が流れる場面である。
決行の朝、日本各地から電力が第3新東京市へと送られ、街の灯が次々と消えていく。陽電子砲のチャージが始まり、ミサトの号令でカウントダウンが進行。シンジは初号機でライフルを構え、レイの零号機が特殊装甲の盾を掲げて隣に立つ。張り詰めた静寂の中、ついに記念すべき第一射の引き金が引かれる。

ところが同じ瞬間、ラミエルもエネルギーの集中を察知し、反撃の砲を放つ。両者のビームは空中で激突し、シンジの一撃は弾かれて大きく外れてしまう。撃ち返された使徒の砲撃を、レイの零号機が盾で受け止めるが、盾は高熱で溶解し零号機は炎上。シンジはレイの安否に動転し、彼女の名を叫ぶ。
ミサトは即座に第二射を指示。陽電子砲を予備電源へ切り替えて再チャージに入るが、ラミエルもまた次弾の充填を始める。どちらが先に撃てるかの一騎打ちとなり、わずかに早く満タンになった初号機が第二射を放つ。ビームはついにラミエルの核を正確に撃ち抜き、使徒は激しく砕け散って、ヤシマ作戦は成功を収める。

戦闘後、シンジは初号機を飛び出し、炎上した零号機へ駆け寄る。高熱で歪んだエントリープラグのハッチを、手を焼きながら素手でこじ開ける。中のレイは生きていた。安堵で涙を流すシンジに、レイは「こういう時、どんな顔をすればいいのか分からない」と戸惑う。シンジは「笑えばいいと思うよ」と告げ、レイはわずかに微笑むのだった。


