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人物

リスノース|サラサ事件の加害者と慈善家の顔

リスノースとサラサ事件の関係、マムズヘルプ会長としての顔、No.405の追悼報道を解説。クロロと幻影旅団の原点を、作中で示された事実と未解決の点に分けて整理します。

リスノースは、流星街の子供を狙った人身売買グループの一人である。サラサの殺害に関与した一方、表社会では子供の救済を掲げる財団「マムズヘルプ」の会長を務めていた。幻影旅団結成の契機となった過去の事件に関わる人物であるが、No.405の船内放送では、何者かに殺害されてから10年が経過した慈善家としてその功績が紹介されている。殺害の実行者は明かされていないが、その追悼報道に背を向けるクロロの姿が描かれ、旅団の過去と現在を結ぶ人物となっている。

基本情報

リスノースの基本情報
項目内容
表の肩書子供の救済財団マムズヘルプ会長
犯罪への関与流星街での人身売買とサラサ殺害
初登場No.395の過去編。名前はNo.405で判明
生死死亡。No.405の放送は殺害から10年と伝える
殺害の実行者未判明
年齢・念能力詳細は示されていない

年齢や念能力の有無、裏社会における詳しい所属組織は作中で明かされていない。老人のような風貌や財団会長という肩書を持つものの、マフィア組織などにおける具体的な地位を示す描写はない。作中で確認できる情報は、流星街での人身売買とサラサ殺害への関与、および後年の報道で明かされた財団会長としての姿に限られている。

流星街における子供の拉致計画

流星街は外の世界から捨てられた物や人間を受け入れてきた土地であり、住民の公的な記録が存在しないため、外部の犯罪者にとっても拉致の痕跡を追跡されにくい環境にあった。過去編が描かれた当時、子供の拉致は街全体で警戒される問題となっていた。

リスノースたちの一味は、あらかじめ引き渡す子供の人数を取り決め、計画的に拉致を進めていた。取引網の全容や引き渡し先は描かれていないものの、所定の人数を集めて配送する手順を確立させていた。

一味は現地の警戒が強まっている状況を察知しており、リスノース自身も流星街で標的を探せる時期が終わりに近づいていると認識していた。それでも犯行を中断することはなく、定められた人数を集め終えた後も、遭遇した子供を娯楽目的でいたぶって殺害しようと共犯者と謀議していた。

サラサの上映会と遺体の発見

クロロたちと吹き替え上映を行っていたサラサ。
クロロたちと吹き替え上映を行っていたサラサ。

サラサは、クロロたちとともに街に捨てられたビデオテープを回収し、自分たちで声を当てる吹き替え上映を行っていた仲間である。

上映会の準備中、約束の時間になってもサラサが戻らず、教会の大人たちも居場所を把握していなかった。クロロは集まった観客に上映中止を伝え、一人で帰したことを悔やみながら捜索を開始した。上映を待っていた子供たちも捜索に加わった。

クロロは地面に残されていたサラサの所持品や痕跡をたどり、ウガの森へと向かう。そこで仲間たちとともに、木に吊るされた袋とメッセージを発見した。袋の中に残されていたのは、残酷に傷つけられたサラサの遺体であった。

現場に残されたメッセージと快楽犯の痕跡

遺体発見現場には、木に残されたものと遺体に添えられたものの二つのメッセージが存在した。クロロはその文面を読んだものの、ウボォーギンに問い詰められても内容を明かさず、作中でも文章の全容は開示されていない。

また、遺体やメッセージが人目を引くよう意図的に配置されていたことや、離れた場所に吸い殻が残されていた状況から、クロロは犯行グループが殺害の様子を撮影し、それを他者に見せびらかす快楽犯であると推察した。

ただし、共犯者が複数いる現場において、リスノース個人が撮影を担当したのか、あるいはメッセージを執筆したのかといった個別の役割分担は作中では特定されていない。

遺体の修復と、仲間たちの別れ

サラサの遺体は流星街へ連れ帰られ、レンコという女性のエンバーミングによって、生前に近い姿へ修復された。教会に集まった仲間たちは、その姿を見て別れを告げる。クロロは見つけたポーチを棺へ入れ、ウボォーギンは自分たちでせりふを覚えたビデオテープを添えた。上映会をもう一度開くはずだった道具が、ここでは弔いの品になっている。

この場面でマチは、レンコの身体から出るオーラを見ていた。遺体を修復する技術を教わりたいと申し出たことで、特殊な力の存在を知る。サラサの死はクロロの復讐計画だけでなく、仲間がそれぞれ力を得ていくきっかけにもつながっている。

重要なのは、サラサの遺体を元の姿へ戻せても、上映会に集まっていた子供たちの関係まで元に戻るわけではないことだ。犯人は一人の命を奪っただけでなく、街の子供たちが一緒に作っていた楽しみも壊した。旅団の過去編は、犯行の残酷さを遺体の描写だけで説明せず、事件の前後で仲間の時間がどう変わったかによって伝えている。

クロロが求めた3年間の準備

サラサの埋葬後、激昂して即座に犯人を追おうとするウボォーギンに対し、クロロは3年間の猶予を求めた。犯人の顔も手がかりも持たないまま外部に出ても発見は困難であると判断し、その間に力を蓄え、犯人を誘い出す仕組みを整えることを提案した。

クロロは将来的な情報通信の普及に着目し、各国の取り締まりを受けない流星街の治外法権的な環境を利用して、猟奇的な犯罪者たちが殺害映像を持ち寄るネットワーク空間を構築する計画を立てた。そこに集まる利用者の中からサラサの加害者を探し出すという方針に対し、シャルナークも知識の習得や接触手段、実行力が必要であると同調した。

このときクロロは、サラサが望まない行為であると理解しつつも、将来的に自分自身が多くの人間を殺害する悪人として生きる決意を語っている。

救済財団マムズヘルプ会長としての報道

No.405の報道に映るリスノース。子供の救済財団の会長として紹介される。
No.405の報道に映るリスノース。子供の救済財団の会長として紹介される。

No.405において、リスノースは子供の救済財団「マムズヘルプ」の会長としてテレビ番組で紹介されている。番組は彼の慈善活動の功績を称え、早すぎる死を追悼する内容であった。

ただし、この報道内容のみから財団の活動実態や資金源、他の職員が過去を把握していたかなどの詳細を断定することはできない。表社会における高い評価と過去の人身売買という実態の落差は描かれているものの、その社会的地位を築いた具体的な過程は作中で明かされていない。

また、船内で番組を視聴していた乗客たちの受け止め方も一様ではない。当初出された犯行声明の報道が撤回された経緯について語り合い、ネット上の裏情報に言及しながら、慈善家としての美談を鵜呑みにする世論を冷ややかに捉える描写がなされている。

10年前に起きた殺害と船内のクロロ

リスノースの追悼番組に背を向けて歩くクロロ(No.405)。実行者の自白が描かれた場面ではない。
リスノースの追悼番組に背を向けて歩くクロロ(No.405)。実行者の自白が描かれた場面ではない。

ブラックホエール号の船内で流れた追悼番組では、リスノースが何者かによって殺害されてから10年が経過した未解決事件として報じられ、犯人の特定と逮捕を求める声が紹介されている。

この放送が流れるモニター画面に背を向けて歩き去る人物として、クロロが描写されている。

しかし、クロロ自身が殺害の実行犯であると自白する台詞や、殺害現場そのものの直接的な描写は作中に存在しない。幻影旅団がリスノースの所在を突き止めて報復を果たしたのか、共犯者たちをどう処分したのか、どのような手段で殺害されたのかといった真相は作中では開示されていない。

未解明の点と関連する描写

報道の通り、リスノース本人はすでに死亡している。未解決のまま残されているのは、殺害の実行者や詳細な経緯、サラサを襲った一味全体の行方、および旅団がどこまで真相を把握しているかという点である。

なお、リスノース一味が関与した残虐な殺害や撮影行為と、人体収集や残酷な芸術を好むカキン帝国第4王子ツェリードニヒの嗜好との類似性が取り沙汰されることもあるが、作中で両者の直接的な接点や取引関係を示す描写は確認されていない。

王位継承戦が進行するブラックホエール号内において、幻影旅団がヒソカを追跡する最中にリスノースの追悼報道が挿入されたことで、かつてサラサの加害者を追うために悪党となった旅団の原点が改めて描かれている。

慈善家の報道と旅団の原点

リスノースの登場は、旅団の復讐が正しかったと証明する場面ではない。クロロ自身、サラサが望まないと理解したうえで悪党になると決めている。犯人を追う動機には仲間を失った悲しみがあるが、その後に旅団が奪ってきた命まで消えるわけではない。被害者だった子供たちが、別の誰かにとって加害者になるという痛ましいつながりが残る。

そのうえでNo.405を読むと、テレビの語る慈善家像と、読者が知っている流星街での姿が正面から食い違う。番組だけを見た人物には、彼が子供の敵だったことは伝わらない。過去編を読んだ読者には、子供を救ったという称賛こそが不気味に響く。この情報の差があるため、長い説明を置かなくても、背を向けるクロロの一コマが重みを持つ。

旅団が現在追っている相手はヒソカであり、直接のきっかけはシャルナークとコルトピを殺されたことにある。仲間の死を受けて犯人を追う現在に、サラサを失った過去の報道が重なる。リスノースはすでに死んでいるが、彼らが旅団になる原因を作った事件は、クロロの現在から切り離されていない。

過去編では、リスノースは少年クロロの前へ現れて名乗る敵ではない。読者は犯行グループの会話を見ているが、捜索する子供たちはその情報を持たず、落とし物や現場の痕跡からたどるしかなかった。だからクロロは、単に強くなって目の前の敵を倒すのではなく、どこにいるかもわからない犯人を探す仕組みを必要とした。情報通信を利用する計画には、この非対称な状況への答えがある。

後年の放送は、顔に名前と社会的な肩書を与える一方、事件の解決までは語らない。読者がリスノースを特定できることと、作中の警察や一般人が彼の過去を知っていることは同じではない。この差を保って読むと、慈善家の美談と犯罪者の顔が一人の人物に同居している怖さが見えてくる。

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