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ジョジョ百科事典ANNA MOVIES
Part 7 / 人物

ニコラス・ジョースター

にこらすじょーすたー

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 7「シビル・ウォー」から最終話まで

# ニコラス・ジョースターニコラス・ジョースターは、第7部『スティール・ボール・ラン』に登場するジョニィ・ジョースターの兄である。父ジョージ・ジョースターⅡ世から将来を期待された天才騎手で、愛馬ブラック・ローズの走行時間を正確に合わせる技術を持つ。弟を気遣い、飼いネズミのダニーを逃がす計画にも協力する優しい兄だった。

十四歳で落馬事故により死亡し、その喪失と事故を巡る罪悪感が、ジョニィの家庭崩壊と長い自己否定の原因になる。

基本情報

一八六七年にジョースター家の長男として生まれ、一八八一年に十四歳で亡くなる。父はジョージ・ジョースターⅡ世、母はアンで、ジョニィより五歳年上である。米国ケンタッキー州の競走馬を扱う家庭で育ち、幼い頃から馬術の才能を示す。愛馬はブラック・ローズで、少年の時点ですでに家族と周囲から優れた騎手として認められていた。

スタンド回転を使う人物ではなく、物語開始以前に現実的な落馬事故で命を落としている。

ジョースター家の長男

ニコラスは家の名誉と馬術の将来を担う長男として育てられる。父ジョージは競馬と馬の調教へ強い価値を置き、長男の才能をジョースター家の誇りと見る。弟ジョニィも騎手を目指すが、家庭内で二人への期待は同じではない。ニコラスが生きている間、彼自身が弟を見下したり、父の偏愛を利用したりする描写はない。

兄弟間の亀裂より、父が才能を比較して愛情の差へ変えたことが後の悲劇を深くする。

愛馬ブラック・ローズ

ブラック・ローズはニコラスが騎乗する馬である。彼は馬の歩幅、速度、呼吸を理解し、指定された距離を要求どおりの時間で走らせられる。二百メートルを何秒で走れと言われても正確に合わせる技量があったと語られる。単に全力で速く走るのではなく、馬の力を一定に制御し、騎手の判断を動きへ伝える能力である。

後にジョニィも一流騎手となるが、家庭で最初に天才と呼ばれたのはニコラスだった。

弟ジョニィとの関係

ニコラスは年下のジョニィへ親しく接し、困り事へ一緒に対応する。父が二人を比較する家庭でも、兄自身が弟を競争相手として排除した形跡はない。ジョニィにとってニコラスは、父から評価を奪う相手である前に、頼ることのできる兄だった。そのため事故後の感情は嫉妬や解放ではなく、愛する兄を自分の行動で死なせたという罪悪感になる。

兄への記憶は、ジョニィがレースを進む中で最も触れたくない過去の一つとして残る。

ネズミのダニー

幼いジョニィはダニーという白いネズミを飼っていた。父は家に置くことを認めず、ジョニィへ川へ捨てるよう命じる。ジョニィは本当に殺すことができず、ニコラスへ相談する。ニコラスは弟を責めず、ダニーを死なせたように見せかけて森へ放す案に協力する。

小さな動物と弟の気持ちを守ろうとする行動から、彼の思いやりと機転が分かる。

ダニーを逃がした計画

兄弟は父の目をごまかし、ダニーが処分されたと思わせる。実際には森へ逃がし、ネズミが生き延びられる道を選ぶ。この行為は父の命令へ背くものだが、ニコラスは弟だけへ責任を押し付けない。少年二人にとっては命を救う小さな成功だった。

しかし後に白いネズミが事故現場へ現れたことで、ジョニィはその選択と兄の死を結び付けてしまう。

事故の日

ニコラスはブラック・ローズとは別の荒い馬へ騎乗し、走行の調整を試みる。ディエゴ・ブランドーがホットウォーカーとして馬の世話に関わっていた時期の出来事である。道へ白いネズミが飛び出し、驚いた馬が急に姿勢を崩す。ニコラスは落馬し、馬体の下敷きになって致命傷を負う。

優れた技術を持つ少年でも、突然の動物の動きと重量から身を守れない事故だった。

白いネズミの正体

事故現場のネズミが、兄弟の逃がしたダニーだったかどうかは確定していない。ジョニィは白い姿を見てダニーだと信じ、自分が父の命令どおり処分しなかったため事故が起きたと考える。森には別の白いネズミがいた可能性があり、ダニーが同じ場所へ戻った証拠は示されない。しかし罪悪感にとって事実の確定は必要なく、ジョニィの中では自分の選択と兄の死が直結する。

この不確かさが、誰にも解決できない後悔を長く残す。

父ジョージの反応

長男を失ったジョージは深い悲嘆に陥る。悲しみを受け止める代わりに、生き残ったジョニィへ怒りと失望を向けるようになる。兄のブーツを巡る争いでは「神は連れていく息子を間違えた」と告げ、弟の存在そのものを否定する。この言葉は、事故の責任を自分へ負わせていたジョニィへ決定的な傷を与える。

ニコラスの死後、本人の意思とは無関係に、その名が父による比較と虐待の基準へ使われた。

家出へ至るジョニィ

父の言葉を受けたジョニィは、家を出て騎手として独立する。天才だった兄に代わりたいのではなく、兄の影と父の否定から離れるための出発でもある。若くして成功し名声を得るが、他者を見下す態度や特権意識を強めていく。その後の銃撃で下半身不随となり、社会的な成功も自信も失う。

ニコラスの死は、ジョニィが家を離れ、成功し、転落する人生の最初の分岐点に位置する。

「シビル・ウォー」での再現

第7部後半、アクセル・ROのスタンド「シビル・ウォー」は、標的が捨てた物や罪悪感を形にして襲わせる。ジョニィの前には、ニコラスの姿が過去の罪として現れる。実際の兄が蘇ったのではなく、ジョニィが背負う記憶と自責を能力が具現化した存在である。そのため現れたニコラスの言葉や攻撃を、生前の本人の意思として受け取ることはできない。

優しい兄の記憶が最も苦しい責めへ変わる点に、シビル・ウォーの残酷さがある。

ジョニィの罪悪感

ジョニィはダニーを逃がしたこと、父に逆らったこと、自分ではなく兄が死んだことを一つの罪として抱える。事故へ直接手を下したわけではなく、ネズミの同一性も不明である。それでも父の拒絶が、自分は兄より価値がなく、生き残るべきではなかったという考えを固定する。シビル・ウォーとの戦いは敵を倒すだけでなく、過去の因果をどのように引き受けるかを問う。

兄の死を忘れるのではなく、自分が前へ進む選択をすることがジョニィの成長になる。

ジョージが持参したブーツ

大陸横断レースの終盤、父ジョージは観客の前へ現れ、ジョニィを応援する。その際、亡きニコラスのブーツを持参している。かつて兄の遺品を巡って息子を傷つけた父が、二人の息子を切り離さずに応援へ来たことを示す品である。ニコラスを忘れたのではなく、その記憶をジョニィの否定に使う態度から変わろうとしている。

ブーツは家族の断絶を作った遺品から、父が謝罪と承認を示す媒介へ意味を変える。

ニコラスとジョニィの才能

ニコラスは生前から完成度の高い騎乗技術を持ち、父が理想とする息子だった。ジョニィは兄の死後に騎手として名を上げ、さらに回転とタスクを学んで未知の領域へ進む。二人の才能を単純に優劣へ並べる情報はない。父の比較は家庭内の感情であり、競技条件の異なる兄弟の能力を客観的に測るものではない。

物語はジョニィが兄を超えたと宣言するより、自分の歩みを選べるようになる過程を描く。

人物像

ニコラスは、短い回想の中で才能と優しさを両立した少年として示される。弟の相談へ応じ、動物の命を守るため父の命令へ背く。馬術では正確な技量を誇るが、それを使って弟を侮辱することはない。十四歳という若さで亡くなったため、成人後にどのような人物になったかは分からない。

残された家族が理想化した像と、生前の本人の限られた描写を区別することが人物理解には欠かせない。

物語上の役割

ニコラスは、ジョニィがなぜ父の承認を求め、同時に自分を否定しているのかを説明する中心人物である。彼の死は主人公の過去を悲惨にする装飾ではなく、罪悪感、家出、成功への執着、家族との断絶を連鎖させる。シビル・ウォー戦では、その記憶が現在の生命を奪う具体的な力となる。最終局面で父がニコラスのブーツを持って現れることで、長く閉じなかった家族の傷にも変化が生まれる。

生前の登場が少なくても、第7部におけるジョニィの精神的な旅を始点と終点から支える存在である。

第一世界線の兄との違い

ニコラスは第7部の第二世界線に属する人物であり、第1部から第6部までのジョースター家へ同名の兄がいたという設定ではない。ジョナサン・ジョースタージョセフ・ジョースターとの血縁を、第一世界線の家系図へそのまま接続することもできない。第7部ではジョニィがジョナサンに対応する名と位置を持つが、家族構成や人生は新たに組み直されている。ニコラスの役割は、過去作の人物を置き換えることではなく、第7部のジョニィ固有の罪悪感を成立させることである。

対応関係を探す場合も、同一人物や転生として断定せず、別世界に配置された独立した家族として扱う必要がある。

死者の記憶と本人

作中で読者が見るニコラスの多くは、ジョニィの回想、父の言葉、シビル・ウォーが作る像を通している。回想は愛情と罪悪感に影響され、父の評価は長男を失った悲嘆に偏り、スタンドの像は標的を責めるために形を取る。これらをすべて生前の本人の性格と同一視すると、弟へ優しく接した実像が見えにくくなる。確認できる本人の行為は、馬術を磨き、ジョニィの相談へ応じ、ダニーを救う計画に協力したことである。

死後に家族が背負わせた象徴と、十四歳の少年自身を分けることが、この人物を理解する要点となる。

関連項目

- [ジョニィ・ジョースター](jojo-character-7-8-johnny-joestar)- [ジョージ・ジョースターⅡ世](jojo-character-7-george-joestar-ii-steel-ball-run)- [ダニー](jojo-character-7-danny-steel-ball-run)- [シビル・ウォー](jojo-stand-7-civil-war)

- [第7部 スティール・ボール・ラン](jojo-part-7)