ディエゴ・ブランドー
でぃえごぶらんどー
ネタバレ範囲: Part 7完結まで
# ディエゴ・ブランドーディエゴ・ブランドーは、第7部『スティール・ボール・ラン』に登場する英国出身の天才騎手であり、通称を「Dio」という。イギリス競馬界の貴公子と呼ばれる優勝候補で、騎乗馬シルバー・バレットとともに北米大陸横断レースへ参加する。幼少期に母を貧困と虐待の中で失った経験から、社会の頂点へ立って自分たちを見下した人間を支配する野心を抱く。
旅の途中で恐竜化能力スケアリー・モンスターズを獲得し、ジョニィとジャイロの競争相手であると同時に、聖なる遺体を狙う第三勢力になる。
基本世界のディエゴと並行世界版
第7部終盤には、ファニー・ヴァレンタインが別の並行世界から連れてきたもう一人のディエゴが登場する。本記事で扱うのは、レース開始時から基本世界に存在し、スケアリー・モンスターズを使うディエゴである。並行世界版は外見と騎乗技術がよく似る一方、時間停止能力を持つTHE WORLDの使用者であり、基本世界版の死後に現れる。二人は同時に接触すると消滅を引き起こす同一存在の別世界個体であり、一人が途中で能力を変更したわけではない。
公式画像、戦績、台詞、スタンドを整理する時は「スケアリー・モンスターズのディエゴ」と「並行世界から来たディエゴ」を分ける。第一世界線のディオ・ブランドーとも対応する名前と性質を持つが、石仮面で吸血鬼になったディオ本人ではない。
外見と騎手としての評価
ディエゴは帽子の下から明るい髪をのぞかせ、競馬服を思わせる身体へ密着した衣装を着る。帽子や服には「DIO」の文字や格子状の模様が配され、鞭を持って騎乗する。公式アニメ人物紹介は、彼をイギリス競馬会の貴公子と呼ばれる天才騎手で、レースの優勝候補の一人とする。20歳ですでに名声を得ており、馬の呼吸、脚運び、路面、他の騎手の癖を読む能力が高い。
騎乗馬シルバー・バレットは4歳のアラブ・サラブレッドで、加速と機動力を生かして上位争いを続ける。ディエゴの強さはスタンド獲得後に突然生まれたものではなく、能力を持つ前からジョニィやジャイロと競える騎乗技術にある。
生い立ちと母の選択
ディエゴは1870年ごろ、貧しい両親のもとに生まれる。育てられないと判断した両親は、赤ん坊の彼を土へ埋めて捨てようとする。直後の嵐で土が流れ、赤ん坊は増水した川へ押し流される。母は選択を悔い、父ダリオの制止に逆らって川へ入り、ディエゴを救う。
ダリオは二人を見捨て、母子は流された先の農場で保護される。母はブランドー姓を名乗って働き、幼いディエゴも厩舎で生活する。生まれた時に両親から捨てられた事実だけでなく、その後に母が命を懸けて救い、二人で生き直したことが人格形成の土台になる。
熱いスープと母の死
母子を農場へ置いた男は、後に母へ性的な要求をし、拒絶されると食事用の器へ穴を開ける。ディエゴは靴を器の代わりに使おうとするが、母は貧しくても尊厳を捨ててはならないとして止める。代わりに熱いスープを自分の両手で受け、息子へ食べさせる。火傷した手で働き続けた母は、翌年に破傷風へ感染して23歳で死亡する。
作中のディエゴは、火傷と十分な助けを与えなかった農場の人々が母の死へつながったと理解する。他者の善意を信じるのではなく、自分が社会の上へ立ち、見下した側を支配するという目標を作る。母が教えた尊厳は受け継ぐが、弱者を守る形ではなく、自分だけは二度と踏みにじられない地位への執着へ変わっていく。
ジョースター家との過去
若いディエゴは馬を扱う才能を認められ、英国に滞在していたジョースター家の牧場で働いた時期がある。ジョニィの兄ニコラスが落馬事故で死亡した現場にも居合わせる。その後、職業騎手として成功し、ジョニィと同じレースを走って勝った経験を持つ。二人は幼なじみとして親密だったわけではなく、競馬界で実力と過去を知る競争相手である。
ジョニィが事故後に失意へ沈んだ一方、ディエゴは競馬界で地位を上げ続ける。大陸横断レースで再会した時、ジョニィにとってディエゴは失った過去と現在の実力差を突きつける存在にもなる。
富と地位への上昇
ディエゴは騎手としての賞金と名声だけでなく、社会階層そのものを上がろうとする。20歳の時に83歳の富裕な女性と結婚し、女性は半年後に死亡する。財産目的の結婚や殺害の噂が作中世界で語られるが、殺害の手順が確定描写されたわけではない。事実として扱えるのは、高齢の資産家との結婚後に財産と立場を得たこと、周囲が動機を疑ったことである。
スティール・ボール・ランへの参加も、優勝賞金だけでなく、世界的な勝者として社会の頂点へ近づく機会になる。公式アニメ人物紹介が「卑怯な手段もいとわない冷徹な野心家」とするのは、貧困からの上昇を手段の制限なく追う性質を表す。
レース序盤の競争
ディエゴはスタート時から先頭集団へ入り、ジャイロの技術とジョニィの変化を観察する。他の騎手の進路を妨げ、馬同士を接触させる危険な駆け引きも使う。競技規則の内側と外側を見極め、自分が処罰されにくい方法で相手の速度を落とす。ただし無意味にすべての相手を殺そうとするのではなく、レース上の利益と危険を計算して動く。
ジャイロが攻撃的な妨害へ出た時には、これ以上近づけば反撃すると警告する場面もある。単独行動を好み、協力が必要な時も相手へ完全な信頼を預けない。
スケアリー・モンスターズの獲得
ロッキー山脈で、フェルディナンド博士はスケアリー・モンスターズを使い、生物を恐竜へ変えて操る。ディエゴも感染させられ、当初は博士の能力の影響下で恐竜化する。戦いの後に博士が倒れると、遺体の左眼を得たディエゴ自身へ能力が定着する。以後は自分の意志で身体の一部または全身を恐竜化し、周囲の生物も小型恐竜へ変えられる。
博士の能力を永続的に借り続けているのではなく、途中からディエゴ固有のスタンドとしてスケアリー・モンスターズを扱う。海外版ゲームなどで名称が変更される場合があるため、原作名とローカライズ名は別名欄で管理する。
恐竜化による戦闘能力
恐竜化したディエゴは脚力、咬合力、感覚、反応速度を高める。全身を獣へ変えるだけでなく、目、爪、顎など必要な部分を選んで変化させ、人間の判断力と恐竜の身体能力を組み合わせる。動く対象を視覚で捉える性質を利用し、相手のわずかな動作を追う。感染させた動物や人間を群れとして動かし、探索、包囲、攻撃へ使うこともできる。
騎手としての姿勢制御と恐竜化の敏捷性が合わさり、馬上でも地上でも高速戦闘へ対応する。弱点として、変化した生物は能力の支配関係や解除条件に影響され、どの環境でも無制限の軍勢を作れるわけではない。
遺体をめぐる立場
レースの裏目的を知ったディエゴは、遺体を国家へ渡す義務や宗教的使命より、自分の地位を上げる資源として見る。不利になればヴァレンタインへ協力を提案し、その対価としてマンハッタンの市長職を要求する。協力者になっても大統領へ忠誠を誓うわけではなく、より利益の大きい機会があれば奪う側へ回る。ホット・パンツから父ダリオの情報を提示されると、共通の敵を倒すため手を組む。
過去への憎しみ、権力への欲望、目の前の生存が一致する範囲だけで同盟を作る人物である。
大統領への反撃と死
ディエゴはウェカピポやホット・パンツと接触しながら、D4Cの並行世界移動を分析する。別世界の同一人物同士が接触すると、互いが崩壊して消滅する規則にも迫る。大統領を追い詰める局面では、騎乗技術、恐竜化、観察力を使って攻撃を仕掛ける。しかしヴァレンタインは並行世界のディエゴを利用し、基本世界のディエゴへ同一存在を接触させる。
ディエゴはD4Cの規則によって致命的な消滅を起こし、レース完走前に死亡する。社会の頂点へ立つという目標も、遺体を手に入れる計画も達成されない。大統領へ無条件で従わず、その能力の核心へ自力で迫ったことは、敵対者としての知性と執念を示す。
並行世界版が引き継がないもの
基本世界のディエゴが死んだ後、大統領は別世界のディエゴへ遺体奪取を依頼する。並行世界版も野心的な天才騎手だが、母との過去、博士から得たスケアリー・モンスターズ、基本世界での同盟を同じ経験として共有したとは示されない。THE WORLDで時間を止めてジョニィと戦う最終局面は、基本世界版の能力強化ではなく別個体の戦闘である。ルーシーが基本世界版ディエゴの頭部を利用して並行世界版を倒すため、二人の物理的な同一性は最後に決着へ使われる。
記事画像で最終ステージの時間停止場面を掲載する場合は、キャプションに「並行世界版」と明記し、通常のディエゴの画像として流用しない。
物語上の役割
ディエゴは、主人公と同じく貧困や喪失から上へ進もうとするが、その痛みを他者への支配で埋めようとする競争相手である。母から尊厳を学び、馬への才能も託された点には成長の可能性がある。しかし助け合いを選ぶジョニィとジャイロに対し、ディエゴは人間を利用価値で測り、孤立を深める。レースでは純粋な騎乗技術の最高水準を示し、遺体争奪戦ではどの陣営にも固定されない危険な第三者になる。
第一世界線のディオを思わせる名前と野心を持ちながら、吸血鬼ではなく騎手と恐竜の能力者として再構成された人物である。
アニメ版での扱い
アニメ公式サイトは、ディエゴを優勝候補の天才騎手、上昇志向の強い冷徹な野心家として紹介する。騎乗馬がシルバー・バレットであることと、通称がDioであることも公式プロフィールに明記される。日本語版の声は石川界人が担当する。過去のゲーム版では別の配役があるため、声優や台詞を示す際はアニメ版とゲーム版を分ける。
原作完結までを扱う記事では、基本世界版の死と並行世界版の登場が重大な先行情報になるため、公開時の警告範囲をPart 7完結までとする。