JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 9 / 人物

チャーミング・マン

ちゃーみんぐまん

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 9 第32話まで

# チャーミング・マンチャーミング・マンは、第9部『The JOJOLands』に登場する21歳のハワイ島出身者であり、ジョディオ・ジョースターたちの仲間となるスタンド使いである。最初は溶岩を取り戻すため一行を襲う敵として現れるが、失踪した弟を捜すという目的が分かり、利害の一致から行動を共にする。岩や砂のような皮膚を動かすスタンド「ビッグマウス・ストライクス・アゲイン」により、景色への擬態、他人への変装、身体の分解を行う。

警戒心が強く現実的な判断をする一方、仲間の能力を見極めると危険な救出や戦闘にも加わる。

基本プロフィール

チャーミング・マンはハワイ島で暮らしてきたハワイ人で、年齢は21歳である。大柄で筋肉質な体格を持ち、肌には岩肌を思わせる粗い質感がある。頭部には幾何学的な刈り込みと長く伸びた部分があり、身体や衣服にも角張った模様が使われる。自転車を高い水準で操り、倒木を跳び越えるような走行ができる。

近接戦ではナイフを用いるが、力比べの殴り合いより、擬態で位置を誤認させて不意を突く戦法を好む。ジョディオたちと出会う以前から、三匹の猫「ワイルド・キャット・サイズ」を飼っている。

弟の失踪

チャーミング・マンが一行を追う直接の理由は、弟マウカの失踪である。マウカはフアラライ山のHOWLER社所有地で姿を消し、周囲は災害や事故として処理しようとする。チャーミング・マンは説明を信じず、土地で起きた異常と弟の行方を自分で調べる。彼はジョディオたちが持つ溶岩を見て、弟の失踪と土地に関係する未知の現象へつながる物だと考える。

石を奪おうとした行動は金銭目当てだけではなく、手掛かりを確保して弟を捜すためだった。この事情が判明すると、敵対していた一行との交渉が成立する余地が生まれる。

ワイルド・キャット・サイズ

ワイルド・キャット・サイズは、チャーミング・マンが飼う三匹の猫の呼称である。猫たちはスタンド「キャット・サイズ」を使い、周囲へ伸びたワイヤー状の紐で標的を拘束する。チャーミング・マンは自分が直接姿を見せる前に猫を送り、ジョディオたちをジャングルで追跡させる。一行は猫が独自に石を狙ったと考えるが、背後には飼い主の目的がある。

後にチャーミング・マンは、三匹の首が切断されたように見える光景を作り、相手の反応を試す。実際にはジャガイモへ擬態を施した偽装であり、猫の死を示す場面ではない。動物を捨て駒として殺したのではなく、相手の視覚と感情を揺さぶるために、自分のペットの姿を罠へ利用した。

高級時計店での追跡

岸辺露伴から託された溶岩の性質を試すため、ジョディオたちは高級時計店で実験を行う。第3巻の公式紹介は、金目の物を引き寄せる溶岩を確かめる一行へ、石を取り戻そうとする謎の追っ手が迫る展開を示す。追っ手の正体がチャーミング・マンである。彼は店内と周囲の景色へ溶け込み、視線の外側からジョディオたちを観察する。

ドラゴナが見た鳥や時計の動きにも擬態が使われ、触れるまで像の不自然さが分からない。相手が石の力をまだ理解していない段階で接近し、奪取の機会を待つ。

パコへの変装

チャーミング・マンは皮膚の粒子を積み重ね、自分の外見をパコ・ラブランテスへ変える。偽のパコはジョディオへ近づき、至近距離から攻撃を仕掛ける。見た目は精密に再現され、ジョディオは本物のパコが別方向から現れるまで入れ替わりに気付かない。変装は衣服を着替える技術ではなく、身体表面そのものを別人の輪郭へ作り替えるスタンド能力である。

内部へナイフを隠したまま腕の位置を偽ることもできる。ノーヴェンバー・レインの重い雨を受けると積み上げた表層が崩れ、変装が解除される。

パコとの戦闘

正体を現した後、チャーミング・マンはナイフと擬態を組み合わせてパコと戦う。身体の一部を背景へ溶け込ませ、腕が空や車体の遠い位置と連続しているように見せる。見る側は距離と方向を誤認し、刃の軌道を読みづらくなる。パコはザ・ハッスルで筋肉を物体へ食い込ませ、姿が見えにくい相手を触覚と反射で迎え撃つ。

格闘能力だけならパコが優位に立つが、チャーミング・マンは視覚を崩して一撃の機会を作る。互いの戦いは、身体表面を変える能力と筋肉を操作する能力が、異なる方法で肉体を武器にする対比になっている。

仲間になるまで

戦闘後、チャーミング・マンは弟を捜していることと、フアラライ山の土地に異常があることを説明する。ジョディオたちは溶岩を使って大金を得ようとしており、チャーミング・マンは土地の内部へ入る理由と知識を持つ。メリル・メイ・チーは双方の情報を結び付け、HOWLER社が所有する500億ドル規模の土地権利を次の標的に定める。第4巻の公式紹介でも、仲間へ迎えられたチャーミング・マンの弟が消息を絶った土地を、ジョディオたちが狙う流れが明記される。

加入は長年の友情によるものではなく、失踪者の捜索と金儲けが同じ土地へ向かうため成立した協力である。そのため彼は一行の目的へ全面的に賛同するのではなく、自分の利益と安全を測りながら参加する。

警戒心と現実的な判断

チャーミング・マンは、出会ったばかりの相手をすぐには信用しない。ウサギが急激に体調を崩した時も、当初は薬物の影響や本人の問題を疑う。病院へ運べば身元と行動の記録が残るため、救急車を呼ぶことにも反対する。冷淡に見えるが、潜入中の犯罪者集団として発見される危険を考えた判断でもある。

同じ症状の病院職員を見て敵の攻撃だと確認すると、自分の誤りを認め、ウサギの対処を評価する。事実が変われば判断も変えるため、猜疑心だけで仲間を見捨て続ける人物ではない。

ウサギの体内を調べる

バグス・グルーヴは人体内部へ入り、血管や臓器に病変を起こす遠隔スタンドである。チャーミング・マンは自分の眼球を皮膚粒子のように分解し、ウサギが作った管の内部へ通す。眼球を体内で再構成し、血管を進む小さな敵を視認して追跡する。ビッグマウス・ストライクス・アゲインは外見を偽るだけでなく、身体の一部を偵察器官として使えることが示される。

敵へ触れたことでチャーミング・マン自身も病変を受けるが、調査によって攻撃が実在すると仲間へ伝えられる。その後もMRI画像から敵の位置を探し、スムース・オペレイターズによる捕捉を助ける。

ビッグマウス・ストライクス・アゲイン

ビッグマウス・ストライクス・アゲインは、チャーミング・マンの皮膚へ統合された現象型のスタンドである。皮膚の深い層から生まれる細胞を急速に押し上げ、約45秒をかけて硬い表層へ変える。表面は細かな石片や砂粒のように分かれ、身体の周囲で並び替えられる。粒子は本人の近くを動き、背景から反射する光の見え方をずらして輪郭を隠す。

身体を透明にするというより、見る位置に応じて背後の像を表面へ組み、距離感を誤らせる能力である。他人の顔や衣服をかたどる、物体を別の物へ見せる、身体の一部を分散させて攻撃を避けるという複数の用途が、皮膚片の再配置から生まれる。

擬態の限界

皮膚片は本人の表面から大きく離れて常時活動するものではなく、通常は身体のごく近くで動く。背景の再現は見る者の視点へ依存するため、接触、角度の変化、強い衝撃によって偽装が崩れることがある。砂のような感触まで完全に消せず、擬態した車体へ触れたジョディオは表面の違和感を得る。変装を破壊されても本体が即座に死亡するわけではないが、新しい硬い皮膚を作るには時間が必要である。

攻撃を避けるため首の表層を崩すような使い方は、銃弾の軌道を外せる一方、肉体と能力の位置が近い危険な操作でもある。視覚を支配する強さは、相手が能力の原理と触覚による確認を知るほど低下する。

病院での銃撃

ボビー・ジーンは速度を抑えた銃弾を空間へ並べ、遅れて標的へ到達させる。チャーミング・マンは首の皮膚を崩し、銃弾が深く入るのを避ける。仲間と共にウサギのMRI画像を確認しながら、見えない射手と体内のスタンドを同時に警戒する。単独で勝利を得る場面ではないが、身体分解、医学的な観察、危険の共有によって救出へ貢献する。

最初はウサギを置いていく案を出した人物が、最終的には自分の眼と身体を危険へさらして原因を突き止める。信頼が一度に完成するのではなく、仲間の行動を見て評価を更新する過程が表れる。

ヨット上の攻防

アッカ・ハウラーのヨットでは、チャーミング・マンは銀行員の「横浜」へ変装する。キー・ウエストウエスト・エンド・ガールが身分証の隙間から襲い、カードを胸や背中へ食い込ませる。ドラゴナに傷口ごとカードを引き抜かせた後、皮膚を動かして欠損部をふさぐ。さらにスタンドが潜んだ捜査官を押さえ、帽子を外して溶岩の位置を露出させる。

その際に銃撃を受けて腹部を負傷するが、土地交換の決着時には再び立ち上がり、変装を解除する。擬態は攻撃だけでなく、契約の場へ入る身分、負傷の応急処置、見えない敵の捕捉に使われる。

物語上の役割

チャーミング・マンは、敵として登場した能力者が利害を説明し、チームの一員へ変わる過程を担う。弟の失踪によってHOWLER社の土地には金融価値以外の危険があると示し、次の標的を物語へ接続する。加入後も用心深さを失わず、仲間を無条件に美化しないため、ジョディオたちの大胆な判断を外側から測る視点になる。ビッグマウス・ストライクス・アゲインは、変装、偵察、回避、応急処置を一つの皮膚操作へまとめ、潜入を中心とする第9部の作戦へ適応する。

弟マウカの所在は未解決であり、仲間入りによって当初の目的が消えたわけではない。彼が土地交換後も一行へ同行する理由は、金銭だけでなく、失踪とHOWLER社の関係を追う必要が残っているためである。