JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 9 / 人物

ワイルド・キャット・サイズ

わいるどきゃっとさいず

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 9 第34話まで

# ワイルド・キャット・サイズワイルド・キャット・サイズは、第9部『The JOJOLands』に登場する三匹の猫の集団である。ハワイ島に生息する同じ種類の猫で、チャーミング・マンに飼い慣らされている。三匹は共通のスタンド「キャット・サイズ」を使い、毛から作った透明な糸で獲物を追跡し、締め上げ、網へ捕らえる。

岸辺露伴の別荘を監視した後、溶岩を持って逃げるジョディオ・ジョースターたちを密林まで追う。

三匹で一つの呼称

ワイルド・キャット・サイズは一匹の固有名ではなく、三匹をまとめた呼称である。三匹には作中で個別の名前が示されず、外見にも明確な描き分けがない。細い胴体、長い尾、とがった耳を持ち、顔と四肢の先端には身体より濃い模様がある。顔の模様は口元だけを開けた覆面のように見え、穏やかな姿でも独特の警戒感を与える。

能力を強く発動すると耳を伏せ、牙を見せ、全身から多数の糸を出す。個体ごとの性格を推測で分けるより、連携して行動する三匹の一群として記録するのが適切である。

ハワイ島固有の猫

三匹はハワイ島に由来する珍しい種類として説明される。一般的な野良猫が偶然同じスタンドへ目覚めた集団ではなく、同じ身体的特徴と能力を共有する。チャーミング・マンは三匹を飼い慣らし、監視と追跡へ使う。猫たちは人間の命令だけで機械的に動くのではなく、周囲を観察し、相手の能力範囲を測り、仲間が攻撃されると怒りを示す。

動物の狩猟本能とスタンドを使う判断力が結び付き、一匹を追えば残り二匹が別方向から糸を送る。

フアラライ山の溶岩との接触

猫たちはフアラライ山の斜面で、小さな溶岩のかけらを転がして遊んでいた。岸辺露伴は画材に使う自然物を採取するため立入制限区域へ入り、猫と石の周囲で紙幣が動く現象を見る。落とした金が二つの石へ引き寄せられたことで、露伴は溶岩が価値ある物を集める性質へ気付く。石を見つけた主体は猫だが、猫たちがその経済的な価値を理解していたとは示されない。

転がして遊ぶ動作が、露伴にとっては未知の仕組みを発見する観察機会になる。後にチャーミング・マンは、露伴が石を持ち去ったと知り、猫を監視役として送り込む。

岸辺露伴の別荘への侵入

ジョディオたちが600万ドルのダイヤモンドを盗むため別荘へ近づくと、一匹の猫が門から敷地へ入る。猫はドラゴナたちの近くを通り、花の匂いを嗅ぎ、屋根へ移動する。岸辺露伴は見慣れない猫が突然現れたことを不自然に感じ、飼い主がいる可能性を考える。一行は猫が攻撃者だと知らず、音を立てなければ問題にならない動物として見過ごす。

猫は戦闘を急がず、人間たちの位置と逃走経路を見てから糸を仕掛ける。無害に見える外見が、能力の発見を遅らせる最初の防御になる。

キャット・サイズ

キャット・サイズは三匹が共有する、毛と一体化した複数使用者型のスタンドである。身体や尾から釣り糸に似た細い線を作り、標的へ接近させる。糸は光の加減で半透明になり、廊下や植物の間では見失いやすい。手足へ巻き付くと自動的に締まり、時間がたつほど皮膚へ食い込む。

一本だけで足を拘束するほか、複数の糸を結んで二人を縫い合わせるように固定できる。三匹が同時に毛を出すと広い網となり、逃げ道ごと獲物を包む。

最初の糸による攻撃

露伴の別荘から逃げようとするパコの足へ、透明な糸が巻き付く。ドラゴナが外そうとすると、その腕にも別の糸が絡む。ウサギへ向かった糸は足元で避けられるが、廊下へ戻る途中に透明になり、発生源を見えにくくする。ウサギは猫がスタンド使いで、最初から一行を狙っていたと判断する。

ドラゴナはスムース・オペレイターズで腕の表面を移動させ、締め付ける糸から抜ける方法を試す。糸は身体から外れると崩れて消え、猫の毛から作られた能力であることが分かる。

一行を追う理由

三匹は露伴のダイヤを守る警備動物ではない。飼い主チャーミング・マンの目的は、露伴がフアラライ山から持ち去った溶岩を取り戻すことである。ジョディオたちが露伴から石を受け取ったため、猫たちの追跡対象も一行へ移る。別荘でダイヤを盗んだ事実と猫の攻撃が連続するため、当初は露伴の能力や防犯設備と誤解しやすい。

実際には露伴、一行、チャーミング・マンが同じ溶岩を別々の目的で追う構図に、猫たちが先行して介入している。

密林での包囲

別荘を出た一行が密林を進むと、三匹は植生へ隠れて再び攻撃する。一本の糸がジョディオの足首へ巻き付き、身体を木から逆さに吊るす。別の糸はドラゴナの腹部を刺し、助けに来たパコと身体を縫い合わせる。猫たちは風上から糸を送り、草木の揺れと空気の流れへ細い線を紛れ込ませる。

ジョディオは発生位置を見つけ、ノーヴェンバー・レインの重い雨で一度目の攻撃を壊す。雨が降る範囲を避け、残った猫は角度を変えて包囲を続ける。

狩猟のような連携

三匹は個別に糸を投げるだけでなく、互いの配置を利用して一枚の罠を作る。一匹が標的を吊り上げ、二匹が移動を制限し、残った経路へ網を広げる。ドラゴナは、獲物を捕らえて食べるために発達した能力ではないかと考える。猫たちは相手が反撃できる距離を見ながら藪へ隠れ、攻撃された個体をかばうように他の二匹が糸を増やす。

人間のスタンド使いのように作戦を言葉で相談する場面はないが、三匹の動きには役割分担がある。

キャビアを使った罠

ウサギは露伴の冷蔵庫から持ち出したキャビアをハンバーガーへ入れ、猫たちへ食べさせる。キャビアを体内に入れた猫は、直前より金銭的な価値を持つ存在として溶岩の作用を受ける。ウサギが石を落とすと、二匹の身体がその方向へ引かれ、走行と攻撃の姿勢を崩す。価値ある物が石の持ち主へ近づく現象を、敵そのものへ一時的に適用した罠である。

ウサギは変身させたザ・マッテクダサイの網を使い、滑ってきた猫を捕らえる。溶岩が猫を服従させたのではなく、価値の流れと能力の網を組み合わせて拘束する。

ノーヴェンバー・レインへの対処

ジョディオは木へ吊られた状態から身体を振り上げ、一匹へ重い雨滴を当てる。撃ち飛ばされた個体が作っていた糸は緩み、拘束された仲間の負担が減る。しかし三匹すべての糸が同時に消えるわけではなく、残る二匹は網を厚くして攻撃を続ける。キャット・サイズが一匹の本体から出る単独能力ではなく、複数個体が同種の効果を重ねる仕組みだと分かる。

一匹ずつ能力源を減らせば網は弱くなるが、攻撃中に残りの位置を把握しなければ拘束を解けない。

捕獲後の生存

ザ・マッテクダサイの網へ捕らえられた猫たちは、その後に網を破って密林へ逃げる。ジョディオの雨を受けた個体を含め、三匹の死亡は確認されない。後に食料袋の中へ切断された三つの猫の頭があるように見えるが、これはチャーミング・マンの擬態である。実物は三つのジャガイモで、ビッグマウス・ストライクス・アゲインが猫の頭へ見せている。

威嚇用の幻を、三匹が殺された証拠として扱ってはならない。第9部の現行範囲でワイルド・キャット・サイズは生存している。

名称と登場範囲

三匹の集団名とスタンド名は似ているが、ワイルド・キャット・サイズが使用者側、キャット・サイズが能力側の名称である。一匹ごとに別のスタンド名があるわけではなく、三匹はいずれも同じ種類の糸を作る。初めて猫が姿を見せる時点と、糸が能力として認識される時点、名称が示される時点は一致しない。登場順だけを見て露伴の飼い猫や独立した野良猫と分類すると、後に判明するチャーミング・マンとの所有関係を落とす。

反対に、飼い主が判明した後の情報を使い、最初から一行が指示者を知っていたように書くこともできない。読者と登場人物が段階的に正体を知る構成を保つことで、別荘の監視と密林の襲撃が同じ三匹の行動だと理解できる。

チャーミング・マンとの関係

チャーミング・マンは猫たちの飼い主であり、露伴とジョディオたちの監視へ使う。三匹は命令を理解し、対象を追跡できる程度に彼と連携している。一方でフアラライ山で溶岩を転がす行動には、任務ではない動物としての遊びも見える。飼い主がジョディオたちの仲間になった後、猫たちがチームの正式な戦力として同行する描写はない。

所有関係が判明したことと、一行へ常に従うようになったことを混同しない。

三匹が示す知性

猫たちは人間の会話を行わないため、動機を台詞から説明できない。それでも屋敷への潜入、攻撃開始までの待機、風向きの利用、三方向からの網形成から、高い判断力が読み取れる。一匹が攻撃されると残りが牙をむき、糸の数を増やす行動には仲間への反応もある。キャビアの罠では食欲を利用されるが、そのことだけで知性が低いとは言えない。

獲物を誘う人間側が、猫の習性と溶岩の仕組みを同時に使った結果である。

物語上の役割

ワイルド・キャット・サイズは、第9部で人間以外の生物も複数でスタンドを共有できる例を示す。別荘の背景にいた一匹の猫を、逃走後の密林戦へ続く追跡者へ変え、溶岩を狙う第三者の存在を早くから知らせる。キャット・サイズの糸は、屋敷では見えない防犯装置のように働き、密林では獲物を狩る網へ変化する。三匹の由来は、露伴が溶岩を発見した経緯とチャーミング・マンが一行へ接触する理由もつなぐ。

小動物だから脇役として処理できる存在ではなく、溶岩の発見、能力の実験、次の仲間の登場を連結する集団である。