JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 9 / スタンド

ビッグマウス・ストライクス・アゲイン

びっぐまうすすとらいくすあげいん

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 9第31話まで

# ビッグマウス・ストライクス・アゲインビッグマウス・ストライクス・アゲインは、第9部『The JOJOLands』に登場するチャーミング・マンスタンドである。使用者の砂のような皮膚を細かな層へ分解し、身体の周囲で移動、積層、硬化させる一体化型の能力を持つ。背景の光景を皮膚へ重ねる擬態、他人の外見を作る変装、物体を別の物に見せる偽装、身体部位の分離と偵察へ応用できる。

皮膚片は見た者の距離感と輪郭認識を狂わせるが、触れれば粗い砂の感触が残り、強い衝撃を受ければ積層が崩れる。攻撃力より、見えている対象の正体と位置を信用できなくすることに強みがある現象型スタンドである。

基本情報

使用者はハワイ島出身の21歳、チャーミング・マンである。第8話「フアラライ山 キャット・サイズ その3」で偽装状態の能力が初登場し、第9話で本格的な戦闘へ入る。名称は雑誌掲載では第15話、単行本では第13話末の解説で先に示される。英語表記はBig Mouth Strikes Againで、ザ・スミスの楽曲「Bigmouth Strikes Again」に対応する。

独立した人型のスタンド像はなく、チャーミング・マン自身の皮膚と身体変化が能力の外見になる。

生来の皮膚とスタンドの区別

チャーミング・マンの皮膚は、能力を使っていない時から粗い砂や細かな岩片に近い質感を持つ。本人によれば、この肌質は生まれた村の住民にも共通する特徴である。しかし皮膚を動かし、擬態や分離へ使えるスタンド能力はチャーミング・マン固有である。村人全員が同じスタンドを持つと説明したり、岩人間のような別種族へ分類したりする根拠はない。

身体的特徴を素材として、ビッグマウス・ストライクス・アゲインが通常では不可能な移動と積層を行う。

皮膚の硬化過程

能力は皮膚の最も深い基底層で作られる細胞を、真皮側から表皮へ順に押し上げる。通常より速い細胞の入れ替わりが層ごとに進み、約45秒をかけて表面が細かな石のように硬化する。硬くなった層はパズルの小片のように砕け、身体の輪郭に沿って移動できる。一瞬で無限の砂を生み出す能力ではなく、使用者の皮膚を変化させた有限の層を操作している。

準備時間と皮膚の状態は、変装を維持したまま次の防御や修復へ移る判断に関わる。

皮膚片の通常範囲

分離した皮膚片は、基本的に身体の表面から十数センチメートルほどの範囲を衛星のように回る。近距離で密集させれば、外見の輪郭、色、光の反射を細かく調整できる。この範囲は、偵察用に眼球を分離してウサギの体内へ進ませた例にはそのまま当てはまらない。身体部位を目的の経路へ送り込む応用では、通常の皮膚層より離れて活動できる。

すべての皮膚片が無制限に遠距離へ飛べるとせず、身体周辺の操作と特定部位の遠隔利用を分けて記録する。

背景への擬態

チャーミング・マンは、見る者の視線の先にある景色を皮膚片へ重ね、自分の身体を背景の一部に見せる。擬態面には地面、車体、空、雲など距離の異なる像が同時に配置される。能力を解除して姿を現す瞬間、身体の各部が遠近の別々な景色から抜け出すため、立体の位置関係が分断されたように見える。パコは土片の集まりが距離感を狂わせると分析し、見た目だけでは敵の実際の位置を測れない。

透明になるのではなく、視線方向に対応する背景を再現し、輪郭を認識させない光学的な偽装である。

部分擬態と奇襲

全身を隠すだけでなく、腕、手、武器など一部だけを背景へ溶け込ませられる。パコとの戦闘では、ナイフを持つ腕を空や周囲の景色へ重ね、攻撃方向を読ませず接近する。見える胴体と見えない腕の距離が一致しないため、相手は刃の到達位置を誤る。擬態を解く直前まで武器の存在を伏せられることは、直接の腕力以上に奇襲の成功率を上げる。

一方、パコのように筋肉で広い範囲を受け止める相手には、位置を隠しても打撃そのものを回避される余地がある。

パコへの変装

チャーミング・マンは皮膚を積み重ね、顔、体格、服装をパコと同じ外見へ作り替える。ジョディオは偽物から攻撃を受けても、背後に本物のパコが現れるまで入れ替わりに気づかない。表面の再現は離れて見る限り精密で、顔だけでなく全身の輪郭を模倣できる。変装の内側へナイフを隠し、仲間へ近づいてから攻撃することも可能である。

皮膚片には色の違いがあり、崩れ始めると複数色の粒が外見の層を作っていたことが分かる。

身分証とヨコハマへの偽装

土地登記所へ入る際、ドラゴナが用意した偽の運転免許証へ顔を合わせ、別人の身分で受付を通る。後のHOWLER社土地交換では、ドルフィン銀行の営業部長ヨコハマへ変装し、顧客対応の担当者としてアッカ・ハウラーへ接近する。外見だけでなく、衣服、姿勢、場面に合う身分証や会話をそろえて初めて偽装が成立する。能力は記憶、声、職歴を自動取得しないため、作戦側が標的人物の情報を用意しなければならない。

変装能力と社会的な成り済ましを同じものにせず、見た目以外は本人の演技と仲間の準備が補う。

物体の見え方を変える

皮膚片はチャーミング・マンの身体だけでなく、周辺の物体へ広げて別の像を作れる。三つのジャガイモを、殺されたワイルド・キャット・サイズの頭部であるかのようにジョディオへ見せる。ドラゴナが溶岩の作用を試す腕時計では、鳥が時計を奪ったような光景を作って注意を外す。車のドアへ擬態を伸ばせば、実際の車体と異なる面を見せて潜伏できる。

対象の物質そのものが頭部や鳥に変わるわけではなく、触れた時には元の形と砂状の表面が露見する。

触覚で見破る方法

ビッグマウス・ストライクス・アゲインは視覚情報を精密に再現するが、素材はチャーミング・マンの皮膚である。ジョディオが車のドアへ触れると、塗装面ではない粗い砂の感触を得る。ドラゴナが偽の時計へ接触した時も、見えていた像と物体の位置関係が崩れる。見る角度だけで判別しにくい擬態でも、手で触れる、物を投げる、雨を当てるなど物理的な検査が有効である。

変装した人物へ接近を許す前に、足跡、接触音、表面の質感を照合すれば奇襲を減らせる。

強い衝撃による崩壊

積層した皮膚は、十分に強い衝撃を受けると砕けて元の外見が露出する。ジョディオのノーヴェンバー・レインが落とす重い水滴は、変装の層を打ち崩して偽物のパコを解除する。擬態は攻撃を透過させる無敵状態ではなく、像を作っている皮膚自体が物理的な対象である。広い範囲へ継続して衝撃を与えれば、隠れた身体の正確な位置を知らなくても表面をはがせる。

身体を崩す防御

チャーミング・マンは皮膚と身体の一部を砂状に分散させ、攻撃の接点をなくすことができる。グローリー・デイズの低速弾が首へ食い込もうとした時、命中位置の皮膚を崩して弾の圧力を逃す。弾丸を破壊したのではなく、貫くべき連続した肉の表面を一時的に分けている。狭い範囲の斬撃や刺突には有効だが、全身を覆う爆発や重い雨へ同じように対応できるとは限らない。

攻撃を避けた後は、分散した層を戻して身体の輪郭を整える必要がある。

眼球の分離と体内偵察

ウサギがバグス・グルーヴに侵入された際、チャーミング・マンは自分の右眼球を細かな皮膚片へ崩す。粒をストロー状の経路へ通し、ウサギの体内で眼球の形へ戻して微小な敵を探す。発見した個体を眼球と皮膚片で押さえ、血管内から引き離そうとする。視覚器官を遠隔の観察装置として使いながら、接触した病変の影響は自分の眼窩へ返る。

対象へ直接触れた結果、右目周辺に腫瘍状の異常が生じ、能力使用が無傷の遠隔操作ではないことも示す。

傷の閉鎖と外見の修復

ウエスト・エンド・ガールの攻撃で身分証が胸へ食い込み、ドラゴナがカードを引き抜くと皮膚が大きく裂ける。チャーミング・マンは分散した皮膚層を傷の周囲へ戻し、表面を覆って動ける状態を作る。これは欠損した内臓や血液まで復元する治癒ではない。船上で銃撃を受けた後も立ち上がるが、負傷自体が完全に消えたという説明はない。

外見を整える能力と身体内部の回復を分離し、表面処置を万能な再生として扱わないことが必要である。

ウエスト・エンド・ガール戦

チャーミング・マンは、FBI捜査官の帽子や衣服の隙間に潜るウエスト・エンド・ガールを追う。皮膚を硬化させて捜査官のヘルメットを払い、内側に隠れた敵と溶岩を露出させる。しかし敵は捜査官の腕を操って発砲し、チャーミング・マンの脇腹へ弾を当てる。擬態と皮膚操作は隠れた標的を外へ出す手段になるが、発見後の銃撃を自動で防ぐ能力ではない。

強み

本人、他人、物体、背景を同じ皮膚片で偽装し、潜入と奇襲の両方へ使える。視線方向に合わせて遠近の景色を重ねるため、単純な色合わせより立体的な擬態になる。一部の身体だけを隠し、武器や攻撃方向を相手の視界から消せる。皮膚を分散して刺突を避け、分離した眼球で狭い体内を調査するなど、視覚操作以外の用途も多い。

変装と身分証を組み合わせれば、武力だけでは入れない登記所や商談へ侵入できる。

弱点と制約

皮膚片は物理的な素材であり、触れば砂の質感が残り、強い雨や衝撃で積層が崩れる。約45秒の硬化過程があり、破壊された層を無制限に即時補充できるとは限らない。通常の操作範囲は身体の周囲十数センチメートルで、広域を覆う遠隔幻覚ではない。変装は外見を作っても声、知識、指紋、行動履歴まで自動的に複製しない。

眼球の遠隔使用では接触した敵の影響を受け、分離した部位を危険へさらす。擬態の位置を推測して面攻撃を加える相手には、視覚を欺いても身体への損傷を避けきれない。

関連項目

- チャーミング・マン- パコ・ラブランテス- ジョディオ・ジョースター- ドラゴナ・ジョースター

- ウサギ・アロハオエ- バグス・グルーヴ- グローリー・デイズ- ウエスト・エンド・ガール