バグス・グルーヴ
ばぐすぐるーゔ
ネタバレ範囲: Part 9第30話まで
# バグス・グルーヴバグス・グルーヴは、第9部『The JOJOLands』に登場するルルのスタンドである。ルルが指定した物体へ罠として潜み、対象が触れると微小な個体が体内へ侵入する。血管を移動して肺動脈、脳、心臓などを内側から傷付け、肺水腫、出血、腫瘍に似た症状を段階的に引き起こす。
外見上は病気の急変に見えるため、被害者は襲撃を受けた事実も侵入経路も理解しにくい。遠隔、自動、群体という性質を持つ一方、一体ごとの力と移動速度は弱く、位置を特定して捕まえることが攻略の要点になる。
基本情報
使用者はHOWLER社側のエージェントとして行動する少女ルルである。第14話「500億ドルの土地を狙え その1」では症状だけが現れ、第15話でスタンド像が初めて描かれる。能力名が判明するのは第16話「バグス・グルーヴのルルちゃん その1」である。英語表記はBags' Grooveで、マイルス・デイヴィスの同名楽曲およびアルバムと同じ綴りを持つ。
作中表記には一時的に「バグズ・グルーヴ」と読める揺れもあるが、単行本と基本名は「バグス・グルーヴ」で整理される。
外見
個体は人間の血管内を移動できる微小な大きさである。頭部と胴体を包帯のような帯で覆い、ミイラと機械を組み合わせた人型に見える。細い目の上には球状の先端を持つ触角があり、顔の中央と側面には下向きの矢印状の模様が入る。肩と胸には装甲、両手には三本の鋭い指、脚部には三方向へ分かれた足先を持つ。
背中の突起は昆虫の外殻に近く、血管内の異物または病原体を思わせる造形になっている。
罠を仕込む能力
ルルは、選んだ物体へバグス・グルーヴを潜ませ、触れた者を自動的な標的にできる。代表的な設置先は、ハワイ州土地登記所が保管するHOWLER社の土地権利書原本である。ジョディオたちが広大な土地の権利を奪おうと原本へアクセスすることを予測し、捜査対象そのものを感染源にする。罠は一度発動すると消える使い捨てではない。
同じ原本へ触れた職員ソフィー・ホワイトとウサギの双方に症状が現れ、一つの設置物から複数人を攻撃できる。敵を直接見つけず、機密資料へ触れるという行動を侵入条件へ変える監視兼殺傷手段である。
接触と侵入
罠の物体へ手を触れると、肉眼では認識しにくい個体が対象の身体へ入る。皮膚を大きく破る入口は残らず、被害者は感染の時点で痛みや攻撃を自覚しない。侵入後は血管を使って特定の臓器へ移動し、内部組織を爪や打撃で損傷させる。ルルが被害者の近くにいる必要はなく、作動後も遠隔地から攻撃が続く。
一方、ルルが自分で触れた物体へ即時に仕込み、相手が触れた瞬間に攻撃を開始する使い方も可能である。
最初の標的
ウサギは土地登記所で権利書原本を扱った後、首に岩のような発疹が生じる。症状は単なる皮膚病に見えるが、体内ではバグス・グルーヴが右肺へ向かっている。同じ資料に触れたソフィー・ホワイトも後に発症し、標的がジョディオのチームだけに限定されないことが分かる。自動型の個体は、設置物に接触した理由や所属を判断せず、条件を満たした者を等しく襲う。
機密文書を守る能力でありながら、登記所の職員も巻き込む無差別性を持つ。
右肺への攻撃
バグス・グルーヴは最初に標的の右肺へ達し、肺動脈の壁へ穴を開ける。血液と水分が肺へたまる肺水腫が起こり、ウサギは白く濁った液体を吐く。本人は水中で溺れているような呼吸困難を訴え、短時間で自力呼吸が危うくなる。パコは緊急処置として胸部へ管を通し、たまった液体を外へ排出して一時的に呼吸を戻す。
しかし管は症状を軽減するだけで、体内のスタンドを除去しない限り攻撃は次の段階へ進む。
脳へ向かう進行
肺を傷付けた個体は血管を上り、脳へ向かう。進行すると眼球から血が噴き出し、身体状態が急速に悪化する。微小なスタンドは外側から位置を見られず、通常の診察だけでは原因を確定できない。チャーミング・マンは、体内の異常を画像で捉えるにはMRIが必要だと判断する。
一行がパール総合病院へ侵入する目的は治療薬を得ることではなく、検査画像で敵の現在位置を割り出すことである。
病気に見せる殺傷
攻撃で生じる肺水腫、発疹、腫瘍、出血は、外見上それぞれ医療上の疾患に見える。被害者が死亡すれば、超常の襲撃ではなく病気による急死として処理される可能性が高い。発動地点と死亡地点が離れ、使用者も現場にいないため、能力犯罪の証拠はさらに残りにくい。土地権利書へ触れた者を後から静かに消す用途では、派手な破壊力より原因を偽装する性質が有効になる。
ルルとボビー・ジーンは、症状から病院へ向かう標的を追跡し、治療場所で二重の攻撃を仕掛ける。
チャーミング・マンの眼球
チャーミング・マンはビッグマウス・ストライクス・アゲインで自分の右眼球を変形させ、ウサギの体内へ入り込ませる。眼球でバグス・グルーヴの個体を見つけ、押さえ込んで移動を止める。しかし直接接触したことで、チャーミング・マンの眼窩へ痛みのない腫瘍状の塊が発生する。体内へ侵入する罠だけでなく、個体へ触れた相手へも病変を伝えられることが分かる。
接触を離すと影響が戻る場面があり、外傷そのものを永久に作るというより、個体が存在する間に組織異常を維持する性質が強い。
MRIによる位置特定
一行はウサギをMRI装置へ入れ、身体の断面画像から微小な敵を探す。画像を見たチャーミング・マンが異常の位置を絞り、スムース・オペレイターズを体内へ送り込む。ドラゴナの四体はバグス・グルーヴをつかみ、血管や臓器から引き離そうとする。群体同士の戦いになると、複数のバグス・グルーヴが四体へ集まり、小さな腕で殴って抵抗する。
検査、観察、侵入、捕獲を別々の仲間が担当しなければならず、単一の治療能力だけでは攻略できない。
弱い個体を守る条件
一体ごとの身体能力は低く、移動も速くない。チャーミング・マンの眼球は、見つけた個体を比較的容易に押さえ込める。弱さを補うのが微小な大きさ、体内という戦場、複数個体、自動進行である。外へ出て正面戦闘をすれば不利でも、肺や脳の血管内では相手が攻撃する空間と方法を持たない。
能力の強さは個体の腕力ではなく、発見される前に重要臓器へ到達できる配置にある。
ルルの感情による解除
病院でボビー・ジーンが死亡すると、ルルは遺体を見て泣き崩れる。その瞬間、ウサギ、ソフィー、ジョディオらの体内で活動していた個体がルルのもとへ戻る。スタンドが抜けると病変は回復へ向かい、進行していた症状も鎮まる。ルルが意識的に全員へ解除を命じたか、感情の崩壊で能力維持が切れたかは明言されない。
少なくとも遠隔自動型であっても本体の精神状態と完全に独立しておらず、大きな動揺が全個体へ影響する。
傷の可逆性
バグス・グルーヴによる病変は、個体が体内へ残る間に維持される。個体を排出または解除できれば、損傷した部位と症状は回復する余地がある。ただし重い出血や呼吸停止が先に起きれば、解除まで身体が耐えられない。可逆性は安全を意味せず、肺動脈への穴と脳へ向かう進行には即時の救命処置が必要である。
作中の回復例から、通常のがんや感染症を治したと説明することもできない。能力が作った病変が能力の消失に伴って戻った結果である。
レム・チャバンへの攻撃
後にルルはIKO IKOでレム・チャバンに銃を向けられ、裏切りの意図を問いただす。レムが銃を接触可能な距離へ近づけた時、ルルは銃へ触れてバグス・グルーヴを仕込む。個体はレムの身体へ入り、心臓を内側から攻撃して呼吸を奪う。レムは発砲して抵抗するが狙いを定められず、弾を使い切った後に倒れる。
権利書のような事前設置だけでなく、戦闘中に触れた武器を即席の侵入口へ変えられる使用例である。相手が攻撃に使う道具ほど手元から離しにくく、接触後の異変にも気づきにくい。
強み
使用者が現場から離れたまま、設置物へ触れた複数人を同時に攻撃できる。身体内部へ侵入するため、通常の防具、筋力、外側の装甲では防ぎにくい。症状が病気に似ており、攻撃の発見、敵の特定、治療法の選択を遅らせる。罠は繰り返し作動し、機密資料や武器など相手が触れざるを得ない物へ仕込める。
肺から脳へ進む一定の手順が、時間の経過そのものを致死圧力に変える。
弱点と対策
個体は弱く遅いため、MRIなどで位置を特定し、体内へ干渉できる能力があれば捕獲できる。罠の存在を知っていれば、設置物へ直接触れず、手袋や遠隔操作で接触条件を避ける余地がある。胸腔の排液は能力を倒さなくても肺水腫の症状を一時的に軽減する。本体ルルの強い精神的動揺は全個体を撤退させ、被害を回復へ向かわせる。
自動攻撃は味方や無関係の職員を識別せず、守るべき組織側にも被害を出し得る。
関連項目
- ルル- ウサギ・アロハオエ- チャーミング・マン- ソフィー・ホワイト
- レム・チャバン- ビッグマウス・ストライクス・アゲイン- スムース・オペレイターズ- HOWLER社