JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 9 / 人物

ボビー・ジーン

ぼびーじーん

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 9 第20話まで

# ボビー・ジーンボビー・ジーンは、第9部『The JOJOLands』に登場する捜査官であり、HOWLER社から命令を受けて行動するスタンド使いである。ルルちゃんと組み、HOWLER社の土地権利書を閲覧したジョディオ・ジョースターたちの抹殺を試みる。スタンド「グローリー・デイズ」は発射した弾丸の速度を変え、撃たれた側がすぐには着弾を理解できない攻撃を作る。

法的に所持を許可された拳銃と捜査官の肩書を利用しながら、企業の私的な利益のために病院内で殺人を実行する人物である。

捜査官としての立場

ボビーは捜査の訓練と権限を持ち、拳銃を合法的に携行している。しかし作中で受ける任務は、公的な犯罪捜査ではなく、HOWLER社の資産を狙う者の排除である。アッカ・ハウラーは、土地の原本書類へ接触した集団を追うため、ルルちゃんとボビーを送り出す。ボビーは監視、写真照合、追跡、銃撃を一続きの仕事として処理する。

相手が未成年に見えても、報酬の対象なら殺すことをためらわない。一方で契約外の負担まで背負う意志は薄く、任務と私生活の費用を細かく分けて考える。

外見と装備

ボビーは口ひげ、長いもみあげ、後ろで束ねた髪を持つ男性として描かれる。帽子には照準器を思わせる記号が繰り返し配置され、射撃を得意とする人物像へつながる。長い襟の付いた身体に沿うシャツを着用し、背面には三輪の花の図柄がある。短いパンツ、膝より上まで伸びる靴下、靴を組み合わせる。

拳銃は短い銃身の自動式で、消音器を取り付けて使う。銃本体はスタンド像ではなく現実の武器であり、能力は弾丸の速度へ作用する。

ルルちゃんとの任務

ルルちゃんは人体へ小型スタンドを潜ませ、血管や臓器に病変を起こすバグス・グルーヴの使い手である。ボビーは彼女の付き添い役を務め、外部へは子守をしているように振る舞う。ルルちゃんは欲しい物を買うようねだり、感情が高ぶると彼へ要求を重ねる。ボビーはなだめながら任務を続けるが、彼女の願いをすべて受け入れるわけではない。

遠隔で病気を進行させるルルちゃんと、見えにくい弾道を作るボビーは、標的が攻撃の原因をつかめないまま傷つく組み合わせである。第5巻の公式紹介も、ジョディオたちが二体のスタンドによる同時攻撃へ防戦を強いられると整理する。

家族と養子の会話

ボビーには妻と三人の子供がいる。ルルちゃんは両親がいないと話し、自分を養子にしてほしいと頼む。ボビーは四人目の子供を育てる費用を理由に断り、妻もルルちゃんの存在を知らないと説明する。彼女の要求が多いことにも不満を示すが、泣き始めると落ち着かせようとする。

この会話には日常的な家計感覚と、直前に子供を含む標的を殺そうとした冷酷さが並ぶ。自分の家族には生活費としつけを考える父親でありながら、依頼対象の家族や年齢を道徳的な制限にしない。

原本の権利書を見た者

ジョディオたちはHOWLER社の土地を奪う計画のため、州の土地登記所で原本の書類を確認する。バグス・グルーヴは書類へ接触した人物を追跡する罠として働き、ウサギと窓口職員に同じ症状を起こす。アッカの側から見れば、原本を調べる行為は土地の所有と融資を崩す攻撃の兆候である。ボビーの任務は、動機や計画を法廷で立証することではなく、該当者を特定して生存者を残さないことである。

証拠を集める捜査官の技能が、証拠を消す企業の暗殺へ反転している。

病院を先回りする

ウサギが肺水腫のような症状を起こすと、ジョディオたちは敵を体内で見つけるため病院へ向かう。ルルちゃんは、標的がMRIを利用すると予測して同じ病院へ進む。ボビーは地下階へ入り、電話でアッカからの指示を受ける。ルルちゃんはドラゴナの頭部にある花の飾りを手掛かりに、一団が追跡対象だと判断する。

ボビーは確実な身分確認を終える前に消音器を装着し、病院内で発砲する。患者や職員がいる場所であっても、任務達成のための制約にはならない。

グローリー・デイズ

グローリー・デイズはボビーの身体や銃へ統合された能力で、独立した人型のスタンド像を持たない。発射した弾丸の銃口速度を操作し、通常より遅い状態で直線上を進ませる。遅い弾丸は無害になるのではなく、標的へ届けば同じ角度から肉体へ食い込む。光をまとった弾頭が空中を漂うように見えても、触れた人間へ致命傷を与えられる。

発射音と着弾の時間が離れるため、撃たれた側は射手の位置と攻撃開始を判断しにくい。ボビーは撃った後に薬莢を回収し、銃撃の証拠を残しにくくする。

弾丸を遅くする利点

速度を落とす能力は、単に着弾を遅延させるだけではない。ボビーは異なる位置と時刻に発射した弾丸を空間へ並べ、後から複数方向の攻撃として標的へ到達させる。敵が射手へ接近した時には、すでに背後や逃げ道へ弾丸が置かれている場合がある。通常の射撃なら銃口から直線を読んで身を伏せられるが、発射を見ていない弾丸が遅れて現れると回避の基準が崩れる。

遅い弾頭を視認できても、身体へ触れた後は継続して内部へ進むため、止める手段が必要になる。速度、発射方向、着弾時刻を組み合わせることで、拳銃一丁を時間差の包囲網へ変える能力である。

能力の制約

グローリー・デイズは弾丸の速度を変えるが、撃った後に自由な曲線を描かせる能力ではない。各弾は基本的に発射された直線上を進む。敵の移動先を予測しなければ、遅い弾丸は何もない場所を通過する。弾頭自体を消したり無敵にしたりするわけでもなく、スタンド能力で軌道を止める、肉体から取り除く、障害物を使う対処が可能である。

ボビー本人は人間の射手なので、攻撃へ集中する間も周囲の位置を読み、反撃から身を守らなければならない。能力が強いのは、銃撃が始まったことを相手が理解する前に配置を済ませられる場合である。

最初の一斉射撃

ボビーが放った弾丸は、地下階にいたジョディオ、ドラゴナ、パコ、チャーミング・マンへ遅れて到達する。一行は光を帯びて接近する物体を認識するが、弾丸だと理解した時には肉体へ食い込み始める。ドラゴナはスムース・オペレイターズを使い、パコの体内へ進む弾頭の位置をずらす。チャーミング・マンは皮膚を粒子状に崩し、首へ向かう弾丸が深く入るのを防ぐ。

ジョディオはノーヴェンバー・レインの重い雨滴を弾幕として利用する。各人が能力の違いを使って防御したため、ボビーとルルちゃんが想定した全滅は起きない。

エレベーターの罠

ボビーとルルちゃんが地下階を出る際、パコは入れ替わるようにエレベーターへ乗る。ボビーはすれ違いざまに通常の速さで撃つのではなく、あらかじめ遅い弾丸を内部へ配置する。扉が閉じた後、パコは逃げ場の少ない箱の中で複数の弾頭に囲まれる。ザ・ハッスルで筋肉を壁面へ固定し、体勢と防御を保ちながら攻撃へ耐える。

ボビーは狭い空間と遅延着弾を組み合わせ、相手が射手を追う時には罠だけが残る状況を作る。この銃撃の一発は病院へ来た銀行員の横浜にも当たり、無関係な人間を巻き込む。

ジョディオとの読み合い

ジョディオはボビーの位置を探り、背後から奇襲しようとする。しかしボビーは追跡される可能性を見越し、自分の後方へも遅い弾丸を撃っておく。ジョディオが攻撃距離へ入った時、事前に配置された弾丸が進路を遮る。ボビーは銃口を相手へ向け続けなくても、数秒前の射撃を現在の護衛として使える。

ジョディオも雨を落とす位置と弾丸の列を見ながら、相手が安全だと考える空間を狭める。戦闘は反射速度だけではなく、先に置いた攻撃が次の位置選択をどう変えるかという予測の勝負になる。

弾幕とノーヴェンバー・レイン

ボビーは複数の角度から弾丸を放ち、ジョディオの周囲へ死角の少ない弾幕を作る。ジョディオはノーヴェンバー・レインを頭上へ出し、重い雨滴で接近する弾丸を受け止める。雨は広い床面を濡らすだけでなく、一点へ大きな重量を与えるため、遅い弾頭の進行を妨げられる。ボビーは敵が防御へ集中したと見て射線を重ねるが、ジョディオは雨の範囲を自分の盾と反撃経路の両方にする。

速さを奪って時間を支配するグローリー・デイズに対し、落下する重さで空間を封じるノーヴェンバー・レインが対抗する。

ボビー・ジーンの最期

戦いの終盤、ジョディオはボビーの弾丸を雨で防ぎながら、本人を降雨範囲へ誘導する。重い雨滴はボビーの頭部を貫き、致命傷を与える。ボビーが倒れると、彼が制御していた弾幕も任務を完遂できなくなる。死亡は推測ではなく、以後の登場人物が彼の死を調査し、HOWLER社側の新たな行動理由として扱う出来事である。

キー・ウエストたちは病院で起きた殺害を追い、ジョディオたちへ接近する。一人の追っ手を倒したことが追跡の終了ではなく、企業の別の人脈を動かす引き金になる。

物語上の役割

ボビー・ジーンは、HOWLER社が土地を守るために公的権限を持つ人間まで使えることを示す。捜査官、夫、三児の父という社会的な顔と、報酬のため未成年を撃つ実行者の顔が同じ人物に並ぶ。グローリー・デイズは銃弾の威力を増幅する能力ではなく、速度を遅くすることで攻撃の時刻と方向を組み替える。その性質によって、病院という長い廊下、エレベーター、待合空間が時間差の射撃場へ変わる。

彼の死はルルちゃんから協力者を奪い、キー・ウエストたちへ復讐と調査の動機を与える。短い登場範囲の中で、会社の命令が連鎖し、次の刺客を呼ぶ構造を担う人物である。