JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 7 / 人物

ポーク・パイ・ハット小僧

ぽーくぱいはっとこぞう

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 7第2ステージ「牙(タスク)」まで

# ポーク・パイ・ハット小僧ポーク・パイ・ハット小僧は、第7部『スティール・ボール・ラン』に登場するファニー・ヴァレンタイン配下の刺客である。第2ステージ終盤、モニュメント・バレーへ向かうジョニィとジャイロを遠距離から襲い、聖人の遺体の左腕を奪おうとする。スタンド「ワイアード」は口内の巻き上げ機から二本の釣り針を伸ばし、水面と羽根などを門として離れた場所へ出現させる。

奇妙な言動を繰り返す一方、ジャイロを人質にし、スロー・ダンサーの帰巣行動を索敵へ使うなど、罠を組み替える判断力を持つ。遺体を奪うことには一度成功するが、ジャイロが左腕の爪へ仕込んだ回転を見抜けず、顔面へ爪弾を受けて戦闘不能となる。

名前と表記

日本語名は「ポーク・パイ・ハット小僧」で、英字ではPork Pie Hat Kidと表す。海外版ではBamboo Hat Kidへ変更される場合がある。本名ではなく帽子と年少に見える外見を表す呼称で、姓や家族名は明かされない。作品内でジョニィの名を正確に発音できず、独特に崩した呼び方を繰り返す。

人物名、スタンド「ワイアード」、同時期の「牙(タスク)」エピソードは別記事として整理する。

外見

ポーク・パイ・ハット小僧は小柄で痩せた青年または少年のような体格を持つ。頭髪はなく、竹の棒を組み合わせたような帽子で頭部を覆う。角張った大きな顎と、常に見える歯、黒目の大きな眼が目立つ。服は背中を紐で閉じた袖なしの衣装で、胸と脚へ鋲が縦に並び、肩へ短い羽根を付ける。

両手首には葉を飾った大きな腕輪を着け、腰回りは短い布が広がる独特の形である。

口内の構造

ワイアードはポーク・パイ・ハット小僧の口と一体になっている。舌には二本の釣り針を収める穴があり、口の底には鋼線を巻き取る二つの車輪がある。針が伸びる時は舌と口内の装置が巻き上げ機として動き、獲物を高速で引き寄せる。通常の食事や発声へどの程度影響するかは説明されない。

身体へ統合されたスタンドであるため、針だけを破壊しても本体と無関係な道具として切り離すことはできない。

性格

ポーク・パイ・ハット小僧は常識から外れた行動を取り、意味の分かりにくい叫び声を発する。筆記具のインクを飲んで味を喜び、コーヒーポットの中身を容器ごと口へ入れるような食行動を見せる。折れた自分の歯まで食べられるか考え、荷物を普通に開けず石で叩いて調べる。他者から軽く見られている自覚があり、遺体を得れば無敵で賢いと認められ、地位を上げられると期待する。

奇行と承認への欲求が目立つが、戦闘中は相手の目的と行動を読み、複数の罠を組み立てる。

ヴァレンタインの配下

ポーク・パイ・ハット小僧は政府の側で働き、ヴァレンタインの列車の屋根を警護する姿が先に描かれる。ルーシーがコーヒーポットを大統領へこぼしかけると、ワイアードで奪い取り、中身を飲んでから返す。その後、ジョニィたちが持つと疑われる聖人の遺体を回収する任務へ送られる。遺体の正体や大統領の最終目的を深く理解しているわけではなく、回収成功による昇進を望む。

国家理念への忠誠より、周囲から能力を認められることが本人の動機に近い。

襲撃場所の準備

ポーク・パイ・ハット小僧はモニュメント・バレー手前の岩場へ陣取る。自分の近くに水を張った皿を置き、その水面からワイアードの針を別の場所へ送る。上空を飛ぶ禿鷹の羽根を媒介にし、落ちる羽根の裏側から針を出す。標的からは遠くの鳥と羽根しか見えず、刺客の本体や水皿の位置を直接確認できない。

高所の監視、離れた本体、空から降る門を組み合わせ、広い砂漠で待ち伏せを成立させる。

ワイアード

「ワイアード」は二本の釣り針と長い鋼線で構成されるスタンドである。口内の巻き上げ機から伸びた針を水面へ入れると、羽根や昆虫など別の媒介の裏側から出現させられる。針は肉眼で追いにくい速度で動き、人間を持ち上げ、蛇を引き裂く力を持つ。鋼線はジョニィの回転する爪でも簡単に切れない。

物体の大きさに関係なく門を通せるため、人間や馬も小さな水面と羽根の間を損傷なく移動する。

水面による観察

ポーク・パイ・ハット小僧は水皿を上からのぞき込み、針を送った先の様子を見る。映る範囲は狭く、標的を主に上方から観察する視点となる。媒介が動けば視界も移動し、羽根や昆虫の位置に攻撃範囲が左右される。見えている情報だけを頼りに針を操作するため、地面の陰へ隠れた相手や囮を誤認しやすい。

門は一方向の窓ではなく、標的側からも物体や攻撃を送り返せる。

ジャイロの捕獲

ポーク・パイ・ハット小僧は、遺体を持っていると疑ったジャイロを最初に狙う。落下する羽根の裏から針を出し、ジャイロと愛馬ヴァルキリーをジョニィの視界から奪う。捕らえたジャイロを岩場へ運び、髪で吊るして動きを封じる。荷物を調べても遺体が見つからないため、所持者がジョニィである可能性へ切り替える。

ジャイロは殺さずに残し、ジョニィを誘い出す餌として使う。

スロー・ダンサーの転送

次にジョニィの愛馬スロー・ダンサーを針で捕らえ、水面の門を通して移動させる。馬の身体は小さな羽根と皿の大きさに合わせるように歪むが、通過後に負傷は残らない。乗り物を失ったジョニィは地面へ落ち、下半身が動かない状態で取り残される。ポーク・パイ・ハット小僧は馬を奪うことで移動速度と逃走手段を同時に封じる。

後には同じ馬を解放し、主人のいる方向へ戻る本能を索敵へ利用する。

ジョニィの左腕

ジョニィはブンブーン一家との戦いを経て、聖人の遺体の左腕を自分の身体へ取り込んでいる。ポーク・パイ・ハット小僧は荷物に遺体がないこととジョニィの反応から、左腕そのものに隠されていると判断する。甲虫の腹側から針を出し、ジョニィの左腕へ直接食い込ませる。遺体を身体から引き抜こうとした時、タスクの像が現れてジョニィを助ける。

刺客の攻撃が、ジョニィにレースの真の目的と遺体の存在を明確に理解させる契機となる。

タスクと爪弾

タスクはジョニィへラテン語の言葉を残し、足の爪へ回転を与える。ジョニィは回転する足爪を撃ち、甲虫を貫いて門の向こうの本体へ攻撃を返す。ポーク・パイ・ハット小僧は身体を大きく反らして回避し、針を一度引く。門が攻撃者だけの通路ではないと分かったことで、ワイアードの安全な遠隔攻撃へ弱点が生まれる。

ジョニィは自分の新しい能力を「タスク」と名付け、以後の反撃へ使う。

ジャイロが送った手掛かり

捕らえられたジャイロは、針と水面のつながりを利用して鉄球を皿側へ通す。小さな溝や鉄球の痕跡がジョニィへ刺客の方角を知らせる。直接会話できなくても、ワイアードの門を逆用して位置情報を渡す。ポーク・パイ・ハット小僧はジャイロを拘束したが、鉄球へ触れる機会を完全には奪っていない。

この見落としにより、ジョニィは本体のいる岩場へ少しずつ近づける。

地面へ隠れるジョニィ

下半身を動かせないジョニィは、地面を這いながら土を身体へかぶせて姿を隠す。ポーク・パイ・ハット小僧は水面から周囲を観察しても、土と同化した身体を見つけられない。石を広い範囲へ投げ、反応や血痕から位置を探ろうとする。上方からの限られた視界だけでは確定できず、別の方法へ切り替える。

ジョニィは動けない不利を、動かず地形へ溶け込む潜伏へ変える。

馬の本能を使った索敵

ポーク・パイ・ハット小僧は捕らえていたスロー・ダンサーを解放する。馬が主人のジョニィへ戻ろうとする方向を観察し、潜伏場所を絞る。人間の目で見つけられない標的を、動物の嗅覚と結び付きで探す作戦である。ジョニィは馬を呼び止められず、位置を知られる危険へ直面する。

刺客は奇行が多くても、手元の資源を新しい索敵手段へ変える柔軟さを持つ。

油と炎

標的の範囲を狭めたポーク・パイ・ハット小僧は、門を通して油を送り、火を放つ。炎が地面を広がれば、土へ隠れた人間も輪郭を現す。彼は燃える人影へ針を撃ち込み、身体を引き裂いたと判断する。しかし攻撃したのは、ジョニィが回転する爪で木を削って作った人形だった。

偽の人影へ二本の針を使ったため、本体側の防御と攻撃手段が遠くへ伸びきる。

羽根を通した反撃

ジョニィは近くの羽根の裏へ爪弾を撃ち込み、門を逆向きに通す。攻撃は水皿の側へ現れ、離れたポーク・パイ・ハット小僧の顔面へ命中する。ワイアードの鋼線を切るのではなく、同じ通路を使って使用者を直接狙う攻略である。刺客は倒れたように見せるが、意識を失っておらず次の罠を準備する。

遠隔能力の入口と出口を理解した者同士の戦いは、一度の命中だけでは終わらない。

ジャイロを使った最後の罠

ポーク・パイ・ハット小僧は負傷したまま、救助に来るジョニィを待つ。ジャイロの身体を門として針を出し、近づいたジョニィを友の身体越しに捕らえる。ジョニィが爪弾を撃てばジャイロも傷つくため、反撃できない。二人を同じ針で拘束し、遺体の左腕を渡さなければ殺すと迫る。

標的の友情と救助行動を予測し、人質を能力の出口へ変えた計画である。

左腕の強奪

ジョニィはジャイロの命を守るため、自分の身体から聖人の左腕を外して渡す。遺体が離れるとタスクも一時的に消え、ジョニィは抵抗手段を失う。ポーク・パイ・ハット小僧は回収成功を喜び、自分の賢さと無敵さが認められて昇進できると考える。約束どおり二人を解放するのではなく、遺体を持ち帰る前に殺そうとする。

任務達成より承認への興奮が先に立ち、奪った品を安全に確認する手順を怠る。

ジャイロの仕込んだ回転

左腕がジョニィから外される間、ジャイロは遺体の爪へ回転を与える。ポーク・パイ・ハット小僧が左腕を手にして確認すると、回転した爪が射出される。爪弾は至近距離から顔面へ突き刺さり、刺客を再び倒す。人質にされた状態でも、ジャイロは相手が遺体を手に取る未来を反撃条件へ利用する。

ポーク・パイ・ハット小僧はジョニィのタスクを警戒したが、ジャイロが遺体へ同じ原理を施せることを見抜けない。

戦闘後の状態

ポーク・パイ・ハット小僧は顔面へ爪を受け、任務を続けられない重傷を負う。政府側の会話では死亡していないものの、回復が難しい状態だと扱われる。明確な死亡場面はないため、状態は死亡ではなくリタイアまたは再起不能に近い戦闘不能とする。聖人の左腕はジャイロが回収し、ジョニィへ返す。

本人が後の遺体争奪やレースへ復帰することはない。

能力の強み

ワイアードは本体を遠くへ隠し、上空の小さな媒介から高速の針を出せる。人間だけでなく馬や荷物も門へ通し、標的の移動手段を丸ごと奪える。針の巻き上げ力は強く、二本を別々の対象へ使って人質と攻撃を同時に管理できる。羽根、甲虫、身体など出口を替えれば、相手が一つの媒介を避けても別方向から狙える。

観察、捕獲、輸送、拘束を一能力で行うため、回収任務へ適したスタンドである。

能力の弱点

水面から得る視界は狭く、主に上方から見るため、土へ隠れた標的や囮を見誤る。針を遠くへ伸ばすと本体の近くに防御手段が残らず、反撃を受けやすい。門は双方向に利用でき、ジョニィやジャイロも鉄球と爪弾を送り返せる。羽根や昆虫の位置が攻撃地点を示すため、規則を理解されると出口を逆探知される。

本体の耐久力は針ほど高くなく、顔面へ投射物が届けば戦闘を維持できない。

物語上の役割

ポーク・パイ・ハット小僧の襲撃により、ジョニィは自分の左腕に聖人の遺体が融合していると確信する。タスクが明確な像と言葉を持って現れ、足の爪まで回転させる能力の範囲が示される。ジョニィは遺体と友の命を比較して一度手放し、ジャイロは遺体へ興味がなくても反撃と救助へ使う。戦闘後の会話で、レースが遺体を集めるための大規模な計画だと二人が理解する。

遠隔の罠、友情を利用した人質、遺体による逆転を通じ、物語の目的を競走から遺体争奪へ切り替える刺客である。

関連項目

- ワイアード- ジョニィ・ジョースター- ジャイロ・ツェペリ- ファニー・ヴァレンタイン

- 聖人の遺体- タスク- 牙(タスク)- モニュメント・バレー