Uボート
ゆーぼーと
ネタバレ範囲: 小説『JORGE JOESTAR』全編
# UボートUボートは、公式スピンオフ小説『JORGE JOESTAR』に登場する群体型スタンドである。第37巡目の世界に存在するナランチャ・ギルガが使用し、百隻を超える小型潜水艦を操る。艦隊は合体して巨大化できるほか、人間の血液、皮膚、歯、体液、ほかのスタンドなどへ潜航する異質な能力を持つ。
原作漫画第5部のナランチャとエアロスミスから着想を得た対応関係はあるが、本編と同じ人物や同じスタンドではない。
媒体と世界線の区分
Uボートが登場する『JORGE JOESTAR』は、舞城王太郎による公式ノベライズ作品である。原作漫画の第1部から第3部に由来する人物や事件を再構成し、複数の世界と宇宙を横断する独自の物語を描く。本記事のUボートは小説内の設定であり、荒木飛呂彦による本編漫画の第一世界線や第7部以降の第二世界線へそのまま組み込めない。第37巡目という語も小説固有の世界構造を示すため、本編の世界一巡と同一の仕組みだと断定してはならない。
能力や使用者を参照する際は、媒体を『JORGE JOESTAR』、世界を小説世界として区別する必要がある。
名称と使用者
日本語表記はUボート、英語表記はU-Boatである。名称はドイツ語のUnterseebootを短縮した呼称に由来し、一般にはドイツの潜水艦を指す。最初の使用者は、小説世界の[ナランチャ・ギルガ](/jojo/character-1-2-3-narancia-ghirga-jorge-joestar/)である。このナランチャは第37巡目の世界に暮らす人物で、原作第5部に登場する同名人物とは別世界の存在として扱われる。
Uボートは後にスタンドDISCとして複数の人物の手へ渡り、使用者と能力の関係が変化する。
外見と基本構成
基本単位は第一次世界大戦から第二次世界大戦期を思わせるドイツ式潜水艦である。百隻を超える艦が一つのスタンドを構成し、艦ごとに潜航、浮上、魚雷発射などの動作を行う。小型の状態では人体や物質の内部へ入り込み、肉眼で把握しにくい位置から移動できる。各艦は群体の一部だが、一定数を集めて一隻の大型潜水艦へ変形することも可能である。
機体の規模が変化しても、潜水艦としての形、兵装、探知機能が能力の中心に残る。
合体と巨大化
分散した艦隊は合体し、用途に合わせて船体の大きさを調節できる。全艦がまとまった形態は少なくとも全長百メートル級となり、人間が内部へ乗り込める空間を備える。艦内には潜水艦の設備に相当する区画が形成され、単なる巨大なスタンド像ではなく乗り物として利用できる。複数の人物を運びながら移動する場面では、群体型と搭乗型の性質が同時に表れる。
合体に使う艦数を変えられるため、潜入向けの小型編成と輸送向けの大型編成を選び分けられる。
生体への潜航
Uボートは海や水中だけでなく、生物の組織を潜航可能な領域として扱う。血液、皮膚、歯、体液などへ入り込み、宿主の身体を潜水艦にとっての海のように移動する。通常なら固体である部分にも潜れるため、外傷を与えず内部へ接近する潜入手段となる。艦隊が潜んだ人物や体液が別の生物へ接触すると、新しい宿主へ移ることができる。
一人の体内へ入って終わる能力ではなく、接触の連鎖を利用して目標まで経路を伸ばせる。
スタンドへの潜航
Uボートが進入できる対象は生身の肉体に限られず、ほかのスタンドの内部も含まれる。スタンドを一種の移動空間として利用し、通常の距離や障害を越えて攻撃地点へ近づく。物質と精神エネルギーの境界を横断する性質は、小説内で展開される大規模なスタンド戦へ適応している。相手のスタンドに潜んだ状態から兵装を使えば、防御の内側で攻撃を発生させることもできる。
ただし潜航先と接触経路を確保する必要があり、あらゆる場所へ条件なしで瞬間移動する能力ではない。
魚雷とミサイル
各潜水艦は魚雷やミサイルを備え、艦隊の規模に応じた集中攻撃を行う。宿主の体内に潜航していても兵装を発射でき、弾体は皮膚などを突き破って外部へ到達する。攻撃位置を外から見抜きにくいため、体内へ潜んだ艦隊は奇襲兵器として機能する。小説では宇宙規模の距離から放たれた攻撃が地球を通過するなど、現実の潜水艦では成立しない挙動も示される。
兵器の外見は軍用潜水艦に基づくが、射程と移動法はスタンド能力として扱う必要がある。
防御と救助
Uボートは攻撃だけでなく、使用者や同伴者を守る防御手段にもなる。飛来する弾丸を潜水艦の船体で受け止め、人体へ到達する前に捕らえることができる。多数の艦を周囲へ配置すれば、別方向からの攻撃へ複数の防御点を作れる。大型化した艦内へ人を収容する運用は、危険な空間からの退避や集団移動にも向く。
一隻の装甲だけに依存せず、分散、合体、潜航を切り替えて生存経路を作る能力である。
飛行能力
名称と外見は潜水艦だが、Uボートは空中を移動できる。水面へ浮上しなければ活動できない制限はなく、地上や空中でも艦隊を展開する。飛行によって生体間の接触だけに頼らない位置取りが可能となり、巨大化した船体で長距離を移動できる。潜航という語は水深だけでなく、物質や身体の内外を移る能力全体を表すものとなっている。
海軍兵器の規則を出発点にしながら、戦場の種類を選ばない機動力へ広げられている。
潜望鏡と索敵
使用者は潜望鏡を模したヘッドセットを装着し、Uボートが捉えた視界を受け取る。離れた位置や人体内部へいる艦の映像を確認し、標的をロックオンできる。潜望鏡は長距離の偵察と照準を兼ね、分散した艦隊へ攻撃目標を与える操作装置となる。外見だけでは状況を把握できない潜航中も、艦からの情報によって作戦を続けられる。
群体型の広い行動範囲を、使用者の認識へ結び付ける重要な装備である。
ソナーと通信
Uボートはソナーを使い、潜航している宿主の状態や周囲の対象を探知する。遠方の音を拾って増幅することもでき、視界が通らない場所の情報を補う。艦隊には無線通信の機能があり、離れた人物同士の連絡へ利用される。索敵、映像、音声、通信がそろうことで、Uボートは単なる攻撃群ではなく情報拠点として働く。
広い範囲へ艦を分散させても、潜望鏡型装置と通信によって一つの作戦へまとめられる。
スタンドDISCとしての移動
小説ではUボートの能力が[スタンドDISC](/jojo/item-disc/)となり、元の使用者以外へ貸し渡される。[ジョージ・ジョースター](/jojo/character-1-2-3-jorge-joestar-37th-universe/)は、状況に応じてDISCと能力を扱う立場になる。さらに[ペネロペ・デ・ラ・ロサ](/jojo/character-1-2-3-penelope-de-la-rosa/)へ一時的に貸され、移動や戦闘に用いられる。同じ能力でも使用者の経験、目的、同伴者によって運用が変わり、所有と貸与が物語の展開に関わる。
本編第6部にもスタンドDISCは登場するが、小説内の人物関係と出来事は独自設定として区別される。
Uボート・アルティメット
小説世界の[カーズ](/jojo/character-1-2-3-kars-jorge-joestar/)は、観察したスタンドを理解し、強化した形で再現する力を示す。彼がUボートを複製した形態はUボート・アルティメットと呼ばれる。基本の艦隊、潜航、索敵という特徴を保ちながら、カーズの能力によって性能が引き上げられている。強化されたソナーは対象の内部で音を増幅し、身体へ破壊的な影響を与える攻撃にも転用される。
元のUボートとアルティメット版は関係が深いが、使用者と能力の由来が異なるため別形態として整理する必要がある。
エアロスミスとの関係
原作第5部のナランチャは、戦闘機型スタンド[エアロスミス](/jojo/stand-5-aerosmith/)を使用する。エアロスミスは機銃、爆弾、二酸化炭素を捉えるレーダーを備え、航空機と索敵を組み合わせる。Uボートは潜水艦、魚雷、ソナーを中心とし、兵器と探知を組み合わせる発想を別の海軍体系へ置き換えている。両者の使用者はナランチャという名を共有するが、能力名、世界、物語上の経歴は一致しない。
対応関係を知ることで小説の再構成を理解しやすくなる一方、Uボートをエアロスミスの進化形や本編での別名と呼ぶのは誤りである。
強み
百隻以上の艦を分散させることで、偵察、攻撃、防御、輸送を同時に進められる。生体やスタンド内部への潜航は、通常の壁や装甲を回避する侵入経路となる。合体すれば複数人が乗れる巨大な船体となり、分離すれば把握しにくい小型群へ戻れる。魚雷、ミサイル、ソナー、無線、潜望鏡がそろい、単独の能力として対応できる任務が多い。
海中へ限定されない飛行と物質内移動によって、戦場の環境を選びにくい。
弱点と運用上の注意
多数の艦へ指示を与えるには索敵情報と状況判断が必要であり、誤った標的へ展開すれば強みを生かせない。小型艦は発見されにくい一方、一隻ごとの耐久力と攻撃規模は大型形態より限られる。合体すると輸送力と火力は増すが、巨大な船体は位置を隠しにくくなる。生体間の移動には接触や体液を経路として使うため、目標までの接続を確保できない場面もある。
能力の描写は小説固有の物理法則と世界構造に強く結び付いており、本編スタンドとの単純な性能比較には向かない。
物語上の役割
Uボートは、異なる世界を移動する登場人物たちに戦闘手段と移動拠点を与える。能力がDISCとして移されることで、スタンドと生まれつきの使用者が必ず一対一ではない小説世界の状況も示す。ナランチャ、ジョージ、ペネロペ、カーズへ関係が広がり、一つの艦隊が複数の人物を結ぶ装置となる。兵器を模した分かりやすい外見に対し、生体、スタンド、宇宙規模の距離まで潜航領域を拡張する発想が作品の過剰なスケールを象徴する。
関連項目
- [ナランチャ・ギルガ](/jojo/character-1-2-3-narancia-ghirga-jorge-joestar/)は、第37巡目の世界でUボートを使用する人物である。- [ジョージ・ジョースター](/jojo/character-1-2-3-jorge-joestar-37th-universe/)は、DISCとなった能力を扱う小説の中心人物である。- [スタンドDISC](/jojo/item-disc/)は、Uボートを別の使用者へ移す媒体となる。- [ペネロペ・デ・ラ・ロサ](/jojo/character-1-2-3-penelope-de-la-rosa/)は、一時的にUボートを借り受ける。
- [エアロスミス](/jojo/stand-5-aerosmith/)は、本編第5部のナランチャが使う別世界のスタンドである。
出典
- [JOJO PORTAL SITE「ABOUT」](https://jojo-portal.com/about/)- [JoJo's Bizarre Encyclopedia「U-Boat」](https://jojowiki.com/U-Boat)- [JoJo's Bizarre Encyclopedia「JORGE JOESTAR」](https://jojowiki.com/JORGE_JOESTAR)