ペネロペ・デ・ラ・ロサ
ぺねろぺ・で・ら・ろさ
ネタバレ範囲: 小説『JORGE JOESTAR』全編とペネロペの結婚後まで
# ペネロペ・デ・ラ・ロサペネロペ・デ・ラ・ロサは、舞城王太郎による公式ノベライズ『JORGE JOESTAR』の主要人物である。カナリア諸島ラ・パルマ島でジョージ・ジョースターと出会い、密室殺人事件の被害者から協力者へ変わる。強い恐怖や怒りに反応して密室と道化師を作る「ウゥンド」を持ち、本人が意識しない遠い未来にはスタンド「キューブハウス」も発現させる。
ジョースター家と暮らしてジョージの姉役と家庭教師を務め、後に第37宇宙へ移って新しい家族を築く。
媒体と正史区分
『JORGE JOESTAR』は集英社の「VS JOJO」企画から刊行された小説で、著者は舞城王太郎、原作は荒木飛呂彦である。公式出版物だが、漫画第1部から第3部の出来事と同じ連続性を保証する作品ではない。ペネロペ、ウゥンド、キューブハウス、第37宇宙の家族関係は小説独自の設定として扱う。漫画本編のジョージ・ジョースターⅡ世やエリナの記事へ、ペネロペとの生活を正史の出来事として追加しない。
基本情報
ペネロペはスペイン領カナリア諸島のラ・パルマ島で暮らす女性である。ジョージより年上で、事件解決後はエリナ・ジョースターの家へ迎えられる。エリナの会社スターマーク・トレーディングで働きながら、ジョージへ学問を教える。親族ではない時期から姉のように彼を守り、後には別宇宙のジョースター家へ結婚によって加わる。
小説内で生年月日と正確な年齢は示されず、第一宇宙と第37宇宙の時間差を単純な年表へまとめられない。
名前と表記
日本語表記は「ペネロペ・デ・ラ・ロサ」で、ラテン文字ではPenelope de la Rosaと書かれる。元交際相手から短い愛称で呼ばれる場合があるが、記事名にはフルネームを用いる。第37宇宙で結婚した後の姓と出生名を別人として分割せず、時期ごとの名称として保持する。同名の実在人物と作品内人物を混同せず、検索結果では『JORGE JOESTAR』を併記する。
外見
ペネロペは細身で、首元までの波打つ髪と若い顔立ちを持つ。縞模様のワンピースを着て、必要に応じて肩へ薄い布を掛ける。恐怖や怒りによってウゥンドが強く表れる時、髪が伸びたように見え、表情と身体の反応が大きく変わる。小説の本文描写と公式イラストの色は区別し、挿絵の髪色だけを文章設定の絶対値としない。
性格
初期のペネロペは不安が強く、道化師を連想するだけで呼吸と意識を保てなくなる。自分の能力が他人を傷つけることを恐れ、部屋へ閉じこもる。ジョースター家と生活する中で自信を得て、ジョージを守るため自分から危険な場所へ向かうようになる。説明と学習を助ける知性を持つ一方、親しい人が傷つけられると激しい怒りに任せて能力を使う。
優しさと攻撃性は別人格ではなく、恐怖から大切な相手を守ろうとする同じ感情の異なる表れである。
家族と元交際相手
ペネロペの両親は離婚し、彼女は母イサベラと暮らす。母へ父を奪われたという感情を持ち、親子関係は悪化する。元交際相手エドヴァルド・ノリエガはペネロペへ暴力を振るい、所有物を売り、関係を利用する。それでもペネロペは相手が戻ることを待ち、自分を守れない状態へ追い込まれる。
家庭と交際関係で積み重なった恐怖と怒りが、後のウゥンドを理解する背景になる。
道化師への恐怖
ペネロペは夢の中へ現れる道化師に強い恐怖を抱く。発作では冷汗、動悸、浅い呼吸、失神に近い状態が起こり、周囲から信じてもらえない。道化師は単なる苦手な外見ではなく、ハビエル・コルテスが彼女を操るために利用する恐怖の形である。ペネロペは母を傷つける密室を自分が作るのではないかと恐れ、外部との接触を避ける。
能力名と症状を現実の医学的診断へそのまま置き換えず、小説内の超常現象として記述する。
十五の密室殺人
ラ・パルマ島では、閉じた部屋で被害者が死亡する事件が連続する。ジョージと加藤九十九十九は十五の密室を調べ、ペネロペも事件の標的だったと知る。ハビエル・コルテスは夢と恐怖へ介入し、ペネロペの能力を使って母を殺させようとする。ペネロペは一方的な犯人ではなく、能力を誘導された被害者であり、事件の構造を明らかにする証言者でもある。
彼女の協力によりジョージたちは黒幕へ到達する。
ジョースター家へ移る
事件後、元の家で安全に暮らせなくなったペネロペをエリナが迎える。ペネロペはスターマーク・トレーディングのラ・パルマ事務所で働き、生活を立て直す。ジョージにとっては年上の同居人、家庭教師、姉のような保護者になる。エリナとジョージの家は、恐怖で孤立していたペネロペが他者との信頼を回復する場所になる。
家庭教師としての関係
ジョージは九十九十九のように考えられる人物を目指し、学問を学び直そうとする。ペネロペは概念を分かりやすく説明し、勉強を継続できるよう助ける。彼が学校で傷つけられれば強く怒り、能力を使ってでも守ろうとする。過保護と攻撃性が問題を生む場合もあるが、ジョージが一人で抱え込まないための支えになる。
二人の関係は恋愛ではなく、家族に近い姉弟関係として描かれる。
ウゥンドという能力
小説では、強い心の傷から生じる超常能力を「ウゥンド」と呼ぶ。ペネロペのウゥンドは、周囲の扉と窓を閉ざし、空間を脱出困難な密室へ変える。内部には道化師が現れ、ペネロペの友人ではないと判断した者へ首を吊るよう迫る。能力は恐怖、怒り、混乱によって自動的に広がり、初期の本人は開始と解除を十分に管理できない。
スタンドのキューブハウスとは由来と作用を分けて説明する必要がある。
密室と道化師の規則
ペネロペが扉の前へ立つだけで室内が閉ざされる時期があり、本人の明確な命令を必要としない。道化師は室内の人物をペネロペの味方かどうかで選別する。敵と判断された者へ自死の形を強いるため、外から見ると施錠された場所の不可解な死になる。ペネロペの精神状態が悪化すれば範囲は拡大し、離れた場所へも保護役の道化師を残せる。
強さは本人の望みと常に一致せず、守ろうとする気持ちが過剰な殺傷へ変わる危険を持つ。
キューブハウス
ペネロペは自覚しないまま、遠い未来の第37宇宙へスタンド「キューブハウス」を発現させる。キューブハウスは八つの部屋から成る四次元立方体のような構造を持つ。内部では同じ方向へ進み続けても空間がつながり、中央の扉を通る方法によって時間移動が起こる。少女の姿を持つ存在が家の壁と構造を操作し、独立した自我を示す。
第一宇宙のペネロペが意識して遠隔操作するスタンドではなく、失われたジョージを探す願いが宇宙と時代を越えて形になったものとして描かれる。
矢十字屋敷への変化
キューブハウスに関わる少女が「矢」に触れると、建物は矢十字屋敷へ一時的に発展する。四方向を囲む構造が加わり、壁の操作と空間の封鎖が強化される。対象を生死の中間に近い状態で建物の下へ閉じ込め、保護または拘束に用いる。この変化は漫画第5部のレクイエムと似た語で説明される場合があるが、小説固有の条件と建物型スタンドの現象である。
イングランドでの生活
エリナ、ジョージ、ペネロペはラ・パルマからイングランドへ移る。ペネロペはスターマーク・トレーディングで働き、ジョージの成長を見守る。ジョージが殺人事件の容疑を掛けられ、行方を失う局面でも、彼が戻る可能性を捨てない。リサリサとはジョージを巡って衝突するが、敵として排除する関係に固定されず、後には家族の誕生を喜ぶ。
終盤の行動
ペネロペはジョージたちの戦いへ加わり、自分の密室能力を広い範囲の保護と拘束へ使う。巨大な存在を維持するために複製を取り込ませるなど、カーズの時間操作と自分のウゥンドを組み合わせる。城字からUボートのDISCを借り、エリナを最終局面へ連れて行く役割も担う。彼女は守られる被害者として始まるが、最後には誰を連れて行き、何を守るかを自分で選ぶ。
第37宇宙の家族
戦いの後、ペネロペは自分のスタンドと出会うため第37宇宙の日本へ移る。そこでジョンダ・ジョースターと結婚し、城字・ジョースターの養母になる。二人の間には娘ジョエコ・ジョースターが生まれる。第一宇宙でジョージの姉役だった人物が、第37宇宙では別のジョージの母になる構図である。
同名人物と複数宇宙を扱うため、家族欄には宇宙番号と養子関係を明記する。
成長
初期のペネロペは、自分の恐怖を誰にも信じてもらえず、部屋から出られない。事件を解決しジョースター家へ迎えられた後、仕事、教育、移住を通じて生活を再建する。恐怖が消えたわけではなく、怒りへ変わると能力を暴走させる危険も残る。それでも終盤には他者を守る場所へ道化師を残し、自分は別の危険へ向かう判断をする。
受動的な被害者から、能力の責任を引き受けて家族を選ぶ人物へ変化する。
物語上の役割
ペネロペは小説の奇数章と偶数章をつなぐ人物の一人である。第一宇宙ではジョージの成長と密室事件を支え、遠い未来ではキューブハウスが時間と宇宙を接続する。ウゥンドとスタンドを一人の中へ併存させ、小説独自の超常能力が漫画のスタンドだけではないことを示す。
書籍と画像の扱い
ペネロペを扱う画像には、集英社公式の書影とVS JOJO公式イラストを優先する。漫画やテレビアニメにペネロペ本人は登場しないため、似た人物のアニメ画像で代用しない。道化師、密室、キューブハウスのどれを示す画像かをキャプションで区別し、人物像と能力像を混同しない。
未判明事項
ペネロペの生年月日、第一宇宙での正確な年齢、ウゥンドが最初に発現した日付は明かされない。密室が作れる最大数、道化師が味方を判断する基準、キューブハウスとの意識共有範囲も定量化されない。第37宇宙へ移った後の仕事と、ジョエコ誕生後の詳細な生活も描かれない。小説本文で確認できる出来事と、複数宇宙を統合する推測を分けて記述する必要がある。