キャッチ・ザ・レインボー
きゃっちざれいんぼー
ネタバレ範囲: Part 7でブラックモアが雨を固定してルーシー、マウンテン・ティム、ジョニィ、ジャイロを追跡し敗北するまで
# キャッチ・ザ・レインボーキャッチ・ザ・レインボーは、第7部『スティール・ボール・ラン』に登場するブラックモアのスタンドである。触れた雨粒を空中へ固定し、足場、障壁、刃、止血材として利用する。さらに本体の肉体を雨と一体化させ、離れた雨粒から身体の一部を現し、降雨域を高速移動できる。能力は雨が降っている環境でのみ成立する。嵐の夜には空間全体を支配する一方、雨が止み、蒸発し、固定した水滴が失われると急速に選択肢が減る。
基本情報
使い手はヴァレンタイン大統領の部下ブラックモア。顔へ装着する仮面状のスタンドで、近距離型かつ人工的な非人型に分類される。破壊力C、スピードC、射程距離B、持続力B、精密動作性D、成長性D。雨粒を広い範囲へ固定できるため、仮面自体の近距離性と環境操作の射程は分けて考える必要がある。初登場時、ブラックモアは大統領邸へ侵入した人物を追跡し、雨を介して建物外と空中を移動する。
外見
スタンド像はブラックモアの顔を覆う仮面として現れる。複数の色帯を思わせる区画があり、目と口の周囲を硬質な面が包む。独立して歩く人型像は持たず、装着中の本体と一体になって能力を発動する。雨と融合した際には身体に水滴が通る穴が開き、離れた場所へ口や手足を移す。カラー版の配色は固定設定ではなく、能力条件は仮面の色ではなく降雨と接触にある。
雨粒の固定
ブラックモアが触れた雨粒は、落下の途中で空中に静止する。固定された水滴は形を保ち、通常の雨とは異なる硬さを持つ。一滴ずつを選んで止めるだけでなく、周囲の広い範囲へ大量の雨粒を残せる。降り続く雨の中では、地面から上空まで多数の足場と罠が存在する状態になる。停止した雨は時間を止められた物体ではない。スタンドの操作によって位置と形が保持されており、能力や熱で状態を崩せる。
空中歩行
固定した水滴はブラックモアの体重を支える足場になる。階段のように順番に踏み、壁や屋根のない空中を歩ける。建物の上階を外側から調べ、地上の追跡者が届かない高度へ移り、飛ぶ鳥より上へ出ることもできる。足場は本人が位置を知る雨粒であり、相手からは安定した地面に見えない。進路を予測しにくい三次元の移動が、追跡と狙撃を有利にする。
障壁としての雨
大量の水滴を密集させると、飛来物を受け止める障壁として働く。ジャイロの鉄球も固定雨へ衝突し、軌道と勢いを妨げられる。通常なら鉄球が水滴を散らすだけだが、能力で硬さと位置を与えられた雨は複数の接触点を作る。ただし絶対に壊れない壁ではなく、熱で蒸発させられれば防御は消える。固定した範囲と相手の攻撃方法によって効果が変わる。
刃への変化
雨粒を薄く鋭い形へ固定し、接触した相手の肉体を切り裂ける。敵が自分から雨の中を動けば、空間に並ぶ刃へ全身を通すことになる。マウンテン・ティムはオー! ロンサム・ミーでロープ上を移動するが、出口と経路を覆う雨に触れて深い傷を負う。ブラックモアは手にした武器を振るだけでなく、降雨域そのものを攻撃面へ変える。視認しにくい水滴が多数あるため、すべてを避けることは難しい。
傷口の止血
負傷したブラックモアは固定した雨粒を傷口へ当て、栓のように血を止める。液体を固体に近い状態へ保つ能力の医療的な応用である。組織を治癒して傷を消すわけではなく、出血を一時的に抑える処置にすぎない。雨が消えたり能力が解除されたりすれば、傷そのものは残る。致命傷を完全に回復する能力ではないため、受けた損傷が蓄積すれば本体は行動不能になる。
雨との一体化
ブラックモアは身体へ雨を通し、肉体の一部を水滴と同化させられる。雨粒が身体を通る位置に穴が開いても、通常の欠損のようには出血しない。分離した口を遠くの雨から現して会話し、相手の近くへ声だけを届ける。手足や身体全体を雨へ移せば、物理的な射線を外して高速移動できる。これは常時の水中化ではなく、降っている雨を媒体にした移送である。乾いた場所へ無制限に転移することはできない。
無形化と銃弾回避
身体を雨へ融合させた状態では、銃弾が肉体のあるはずの場所を通り抜ける。攻撃が当たる瞬間に水滴へ移ることで、通常の物理攻撃を避ける。同時に別の位置から身体を再構成し、追跡者の背後や上空へ回れる。回避と移動を一つの操作で行うため、雨天時のブラックモアを捉えることは難しい。ただし聖人の遺体を見た際の高揚や、ルーシーを急いで追う判断により、無敵化を維持し続けるわけではない。
遠距離への声と攻撃
口だけを雨へ移せば、本体が離れていても相手へ話しかけられる。ブラックモアは追跡対象を威圧し、自分の位置を限定させずに情報を得ようとする。同様に身体の一部を局所的に現せるため、攻撃が来る方向と本体の位置が一致しない。一方、現れた部位と本体は同じ生命に属し、相手が能力の仕組みを理解すれば、再構成の瞬間を狙う余地がある。
ルーシーの追跡
ブラックモアは大統領側の情報を探った侵入者がルーシーだと突き止め、嵐の中で追跡する。足跡だけでなく、建物外へ移動した経路を雨上から調べる。固定した水滴を足場にすれば、扉や階段を通らず上階を確認できる。ルーシーが通常の逃走経路を選んでも、上空から先回りできる。雨という偶然の天候が、追跡者に圧倒的な地形優位を与えた局面である。
マウンテン・ティムとの戦い
ティムはルーシーを守るため投げ縄でブラックモアへ攻撃する。オー! ロンサム・ミーにより身体をロープへ移し、死角から銃を向ける。ブラックモアは雨を刃として配置し、移動してくる身体を切り裂く。一本の線に沿うティムの能力に対し、周囲全域へ攻撃判定を置ける点が有利に働いた。ティムは致命傷を負い、ルーシーは再び追われる。救助向きの能力と雨天特化の制圧能力の相性が結果へ直結する。
ジョニィとジャイロへの攻撃
ブラックモアは遺体の一部をめぐり、ジョニィとジャイロの進路も雨で封じる。固定雨を足場と障壁へ使い、鉄球や爪弾の軌道を制限する。二人が地上で動けば雨の刃へ触れ、上空の本体を狙えば多数の水滴に攻撃を阻まれる。接近、逃走、射撃のどれにも危険がある包囲となる。ジャイロは鉄球の回転と摩擦で熱を生み、水滴を蒸発させる。能力を直接破壊するのではなく、材料である水を気体へ変える攻略である。
雨が止む弱点
キャッチ・ザ・レインボーは雨が存在しなければ、足場、刃、障壁、移動媒体を作れない。晴天の屋内で同じ規模の能力を発揮する描写はない。降雨はブラックモア自身が発生させるものではなく、天候へ依存する。戦闘開始時に有利でも、雲が通過すれば能力環境は失われる。固定済みの雨粒も蒸発させられる。ジャイロの熱利用は、降り続く水滴へ一つずつ対処せず、能力の物質的な前提を崩した。
聖人の遺体による変化
ブラックモアは追跡中に聖人の姿を見て、自分の行動が祝福されたと確信する。遺体との接近が能力と精神へ影響した可能性が示される。しかし、信仰による高揚は判断を冷静にするとは限らない。目的へ突進し、負傷を雨で塞ぎながら戦いを続けた結果、弱点を突かれる。聖人の遺体がキャッチ・ザ・レインボーを恒久的に別能力へ進化させたとする名称や形態は、作中で示されていない。
強み
降雨時には、移動、防御、攻撃、止血、偵察を一つの能力で行える。特に空中の広い範囲へ罠を置くため、近距離型の相手も接近前に傷つけられる。本体を雨へ逃がす回避は、銃弾や通常の打撃へ強い。足場を自由に選べるため、地形の高低差も障害になりにくい。雨粒は周囲に無数に存在し、相手が一滴を壊しても別の水滴を使える。嵐が続く時間ほど持続的な優位が大きくなる。
弱点
能力の根本が天候へ依存し、雨を自力で降らせることはできない。水滴を蒸発させる熱や、降雨域から離れる移動が有効な対策となる。本体の傷を治す能力ではなく、止血を続けても体力は回復しない。雨から肉体へ戻った瞬間には物理攻撃を受け得る。空間制圧が強い分、能力への確信が過剰になると、相手が水の状態変化を利用する発想を見落とす。
名称と海外版表記
名称はロックバンド、レインボーの楽曲「Catch the Rainbow」に由来する。雨の上を歩く能力は曲名の言葉を視覚的な動作へ変えたものとされる。英語版ではStroboscopeという変更名が使われる場合がある。これは権利処理上の表記差で、別能力ではない。同名の物語区分「キャッチ・ザ・レインボー(嵐の夜に…)」とは、スタンド記事とストーリーアーク記事を分ける。
物語上の役割
キャッチ・ザ・レインボーは、天候が背景ではなく戦闘システム全体になる能力である。雨の降る夜を、地面のない立体的な追跡空間へ変える。ルーシーの秘密行動を大統領側が察知する局面で使われ、非戦闘員の逃走と、助けに入るティムの犠牲を連続させる。攻略では威力の競争より、雨を熱で蒸発させる物理的な理解が決め手となり、第7部の戦いが環境と技術の読み合いであることを示す。
関連人物・能力
使い手の忠誠、追跡、最期はブラックモアの記事で扱う。逃走するルーシー、対戦したマウンテン・ティムとオー! ロンサム・ミーが主要な関連先となる。ジョニィ、ジャイロ、タスク、回転の記事から、固定雨を突破した攻撃と状況判断を追える。聖人の遺体と第7部の記事へ進むと、ブラックモアが見た聖人と嵐の戦いの時系列を確認できる。