JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 7 / 人物

マウンテン・ティム

まうんてんてぃむ

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 7第37話「緑色の墓標 その2」まで

# マウンテン・ティムマウンテン・ティムは、第7部『スティール・ボール・ラン』に登場するワイオミング出身のカウボーイ、賞金稼ぎ、保安官助手である。全米で知られる騎手としてレースの優勝候補に挙げられ、第1ステージを4位で終える。しかし、競技中の連続殺人を捜査するため順位争いを離れ、ジョニィとジャイロへ協力する。

スタンド「オー!ロンサム・ミー」は身体を投げ縄に沿って分割し、移動、拘束、回避へ使う能力である。後半では政府施設へ閉じ込められたルーシーを救い、彼女の名を明かさないままブラックモアに射殺された。

基本情報

マウンテン・ティムは1859年生まれの31歳で、米国ワイオミング州の出身である。職業はカウボーイと賞金稼ぎで、捜査時には地元保安官から正式に助手へ任命される。騎乗馬は5歳のマスタング「ゴースト・ライダー・イン・ザ・スカイ」である。毎年およそ4,000キロの放牧地を移動し、3,000頭の牛を扱ってきた経験を持つ。

北のモンタナから南のテキサスまで指名手配犯を追い、多くの友人と司法関係者から信頼を得る著名人だった。

外見

マウンテン・ティムは長身で引き締まった体格を持ち、明るい長髪を首の後ろへ流す。つばの広い帽子には牛の頭骨を思わせる飾りが付き、縞や斑点の模様が入る。首元と袖へ毛皮柄を配した服、銃弾を収めた腰帯、拳銃、投げ縄を装備する。西部劇の保安官を思わせる姿であり、武器とスタンドの両方がカウボーイの技術へ結び付く。

政府施設へ忍び込む時にも大きく変装せず、ロープを建物内の移動経路として利用する。

16歳で迷い込んだ悪魔の手のひら

1875年、16歳のティムはすでに軍へ所属し、部隊とともにアリゾナ砂漠の未踏地域を調査する。一行が入った場所は移動する地形「悪魔の手のひら」で、方角を失って水源へ戻れなくなる。最初に馬が死に、兵士も脱水で倒れ、ティム自身も乾き切って意識を失う。夜中に目を覚ますと、縄へ付いたわずかな露を、縄と融合した身体が吸収していた。

そこでオー!ロンサム・ミーが発現し、彼だけが部隊の中で生還する。生存のために得た能力であるため、後の戦闘でも身体を縄へ逃がし、致命的な損傷を避ける使い方が中心となる。

オー!ロンサム・ミー

オー!ロンサム・ミーはティムの身体を輪切りのような部分へ分け、投げ縄に沿って滑らせる。分割されても出血や機能停止は起こらず、縄の上で位置を変えた後に元の身体へ戻れる。指だけを遠くへ運ぶ、上半身を高所へ移す、狭い隙間を全身で通るなど、移動単位を自由に調整できる。他人の身体にも作用させられ、ルーシーを細い通気口へ通して救出した。

縄そのものを精密に操る力もあり、離れた物をつかみ、敵の首や手足へ巻き付ける。人型の像が殴る能力ではなく、本人の投げ縄技術を異常な空間移動へ拡張する一体型スタンドである。

騎手としての評価

馬はティムが近づくと頭を下げるほど彼を信頼し、動物との関係が他の騎手からも注目される。レース開催前の記者会見では、長距離放牧と賞金稼ぎの実績から有力候補として紹介される。第1ステージは5番目にゴールし、先着したジャイロの降着により正式順位は4位、35ポイントを得る。第2ステージでは大きな先行差があるジョニィとジャイロへ捜査を続けながら追いつく。

競技へ専念していれば上位を維持できる能力を持つが、殺人事件を放置して賞金を追うことを選ばない。

連続殺人の捜査

第1ステージ後、レース経路で3人の参加者が内臓をえぐられた死体として見つかる。ティムは現場の蹄跡を調べ、蹄鉄中央に三角形のへこみを持つ馬が死体付近で一時的に制御を失ったと読む。被害者のジーンズから自然には外れにくいボタンが落ちており、金属へ干渉する能力の手掛かりになる。保安官は先頭集団のティムも標的になると考え、犯人追跡を依頼する。

ティムは公表せずに順位争いから離れ、捜査を優先する。この現場でルーシーと初めて会い、野の花を摘んで渡す。

偽のジョニィを追う

ティムは特徴的な蹄跡を追い、ジョニィの姿へ変装したベンジャミン・ブンブーンと遭遇する。偽者は蹄鉄を投げてティムへ血を浴びせ、いばらの茂みへ逃げる。ティムは縄で首を捕らえ、切られそうになる部分へ自分の身体を移して追跡を続ける。相手が顔を元へ戻して逃げた瞬間を見られず、本物のジョニィを殺人犯と誤認する。

血に触れたことでトゥーム・オブ・ザ・ブームの磁力条件も満たし、知らないまま罠へ組み込まれる。

ブンブーン一家との戦い

ジョニィとジャイロへ近づくほど、三人の血中の鉄分が互いを引き寄せ、衝突すれば身体が破裂する状態になる。ティムは磁力で馬から飛ばされるが、縄へ身体を分けて高い岩へ移り、直接衝突を避ける。二人の説明と敵の再出現から誤認を解き、ブンブーン一家が殺人犯だと理解する。磁力で武器と身体を操られる中、三人は協力し、聖人の遺体から発現したジョニィのタスクによって危機を脱する。

ティムは周辺が悪魔の手のひらへ変わっていると気付き、自分の過去を語って速やかな離脱を促す。彼の体験が、地形とスタンド発現の関係を主人公たちへ最初に教える。

オエコモバの爆弾

次の中継地でティムは、ジャイロの荷物を調べるオエコモバを発見する。肩をつかんだ時に皮膚の一部が剥がれ、その小片が爆弾となって爆発する。直撃を受けながらも身体を縄へ分散し、損傷を一か所へ集中させずに生き延びる。オエコモバがジャイロへ接近すると、触れた物を爆弾へ変える能力だと警告する。

負傷は重く、第2ステージで順位を得られず、回復と保安官への協力のためレースから正式に退く。最終成績は35ポイントだが、離脱は敗走ではなく捜査を最後まで担う選択だった。

ルーシーとの関係

ティムは最初の出会いからルーシーへ好意を抱き、彼女が既婚者だと知って残念がる。年齢差は大きく、ルーシーは14歳で、ティムは31歳である。後に想いを告げるが、ルーシーが夫スティーブンへの忠誠を伝えると、その意思を受け入れる。求愛が受け入れられなくても保護を取り消さず、次の危機にはジョニィとジャイロを頼るよう助言する。

恋愛感情は救出の動機の一部でも、彼女の名前を守って死ぬ選択は見返りを求めない。

政府施設からの救出

ルーシーはリンゴォの伝書鳩が運んだ遺体の座標を政府施設から盗み、ヴァレンタインとブラックモアに侵入を察知される。建物は封鎖され、彼女はトイレへ隠れて電話でティムへ助けを求める。ティムは政府側の危険を知りながら直ちに施設へ入り、投げ縄を通気口へ通す。オー!ロンサム・ミーをルーシーにも作用させ、二人の身体を縄へ分散して細いダクトから脱出する。

能力が殺傷ではなく他者の救命へ使われる代表的な場面である。

告白と別れ

施設を離れた二人は倉庫へ身を隠し、ティムは最初の出会いから愛していると告げる。ルーシーは自分の態度が期待を持たせたなら申し訳ないと謝り、スティーブンの妻であることを改めて選ぶ。ティムは落胆しても彼女を責めず、遺体を巡る敵が同じジョニィとジャイロへ向かうよう勧める。別行動になった後も、誰から電話を受けたかを口外しない。

短い会話で、欲しい相手を所有するのではなく、相手が戻りたい場所を尊重する人物像が示される。

ブラックモアとの戦い

電話の経路を追ったブラックモアは雨の市街でティムを待ち伏せし、呼び出した人物の名を問う。ティムは拳銃で胸を撃つが、ブラックモアはキャッチ・ザ・レインボーで雨粒と身体を一体化させ、弾道を外す。ティムは身体を縄へ分けて背後へ回り、相手を縛って頭部へ射撃しようとする。ブラックモアは空中で固定された雨粒を足場と刃に使い、縄を引いてティムの顔を雨粒の軌道へ通す。

固定された水滴が刃のように頭部を切り裂き、ティムは地面へ倒れる。

最期の拒絶

ブラックモアは呼び出した人物を言えば助けるという選択を示す。ティムはルーシーの名を答えず、カウボーイとしてベッドで穏やかに死ぬとは思っていなかったと語る。望んでいたのは旅を終えた後に帰れる場所だけだったと述べ、ブラックモアの銃弾を頭部へ受ける。遺体に残った湿った部分から、小柄な女性が直前まで彼を抱えていたことは推測されるが、本人は情報を渡さない。

結果としてブラックモアは別の手掛かりからルーシーへ追いつくものの、ティム自身は最後まで約束を破らなかった。

性格

マウンテン・ティムは落ち着きがあり、犯罪の兆候を見つけると賞金や順位より捜査を優先する。馬の扱い、蹄跡の読み、投げ縄、射撃に習熟し、能力だけへ頼らない。誤認でジョニィを追った時も、証拠と説明が変われば判断を修正し、協力へ切り替える。ルーシーへの求愛には現代的に見て大きな年齢差があるが、拒絶後に強制や報復へ進まない。

西部劇の白い帽子の保安官に近い正義感と、帰る家庭を持てない孤独が同居する。

名前と表記

日本語名は「マウンテン・ティム」、英字表記はMountain Timである。名称はオールマン・ブラザーズ・バンドの楽曲「Mountain Jam」に由来するとされる。スタンド名「オー!ロンサム・ミー」はドン・ギブソンの楽曲名と同じで、海外版ではLasso Bluesへ変更される場合がある。騎乗馬「ゴースト・ライダー・イン・ザ・スカイ」も楽曲名に由来するが、人物、能力、馬は別記事として管理する。

アニメ版の日本語声優は前野智昭で、公式紹介ではレース参加者としてポコロコホット・パンツの間に掲載される。

物語上の役割

マウンテン・ティムは、スタンドが悪魔の手のひらで生き残るために発現し得ることを最初期に説明する案内役である。連続殺人の捜査を通してブンブーン一家を主人公の前へ結び付け、オエコモバの能力を知らせる。後半ではレース参加者からルーシーの協力者へ役割を変え、遺体の座標が政府の外へ運ばれる時間を作る。身体を分ける能力は本人の孤独を連想させるが、最後には他人を逃がす一本の道として使われる。

優勝候補が競技より事件と救助を選び、帰る場所を得ないまま死ぬ結末は、第7部の西部劇的な倫理を担っている。