JOJOジョジョの奇妙な冒険 百科事典
Part 7 / 人物

ポコロコ

ぽころこ

第二世界線main_manga

ネタバレ範囲: Part 7最終話まで

# ポコロコポコロコは、第7部『スティール・ボール・ラン』に登場するジョージア州出身の農夫で、北米大陸横断レースの最終的な総合優勝者である。占い師から今後二か月は50億人に一人の幸運期だと告げられ、農作業で得た参加費を使ってレースへ出場する。特別な武術や血統を持たないが、危険へ飛び込むほど偶然が味方し、スタンド「ヘイ・ヤー!」の励ましでその流れを迷わず選ぶ。

物語の中心にある聖人の遺体争奪には関与せず、競技者として全9ステージを走り切る。最終ステージでは2着だったものの、先着した並行世界のディエゴが失格となり、累計398ポイントで優勝と5,000万ドルの賞金を得た。

基本情報

ポコロコは1869年生まれで、レース開催時の年齢は21歳である。肌は濃く、頭頂部で束ねた複数の編み込み髪と、額を囲む装飾が外見の特徴となる。胸元を大きく開けた上着、渦巻き模様の手袋、脚へ巻いた布を身に着け、乗馬時にも陽気な表情を崩さない。騎乗馬は4歳のクォーターホース「ヘイ!ヤア!」で、スタンドの「ヘイ・ヤー!」とは日本語表記が近いが別の存在である。

馬の状態を糞から読み取り、牝馬の妊娠時期まで見抜くため、農夫として動物へ接してきた経験も持つ。

貧しい農夫としての出発点

ポコロコの父と祖父は奴隷制廃止によって自由を得たが、その後も生活は楽にならなかった。祖父は働かなければ生きられない現実を語り、沼地の森を一か月で農地へ変える仕事をポコロコへ任せようとする。本人は雲を数えながら寝転び、条件の悪い土地で働くことを嫌がる。祖父が交渉した報酬は1,200ドルで、新聞に載っていたスティール・ボール・ランの参加料と同額だった。

偶然見つけた一致を好機と受け取り、仕事を終えて参加費を用意したと考えられる。彼の出場は名誉や復讐のためではなく、予告された幸運を賞金へ変え、暮らしを良くしたいという素朴な賭けから始まる。

占い師の予言

1890年9月20日、ポコロコは町で賭けに負けた後、夏だけ路上へ出る占い師に未来を見てもらう。占い師は最悪の運勢とは正反対の位置におり、今後二か月で人生最大の幸運期が訪れると伝える。その確率は50億人に一人と表現され、実際にレース期間の大部分と重なる。予言は具体的な勝利方法を教えず、何をしても成功するという保証も与えない。

ポコロコがその言葉を信じ切り、危険な選択でためらわなくなったことが行動を変える。幸運そのものと、幸運を信じる心理が分離できない形で彼の強さになる。

レース当日の寝坊

開催前夜のポコロコは興奮で眠れず、9月25日のスタート時刻に寝坊する。起きた時には3,000頭を超える馬がすでに出発し、周囲のキャンプは空になっていた。普通なら致命的な遅れだが、大量の馬が砂地を踏み固めたため、後発の彼は走りやすい道を使える。前方の馬が跳ね上げた糞を浴びて運が尽きたと思うと、その中から金貨を見つける。

不運に見えた出来事が直後の利益へ裏返る流れが、最初のステージから繰り返される。彼は遅れを慎重に取り戻すのではなく、予言が効いている証拠と受け取り、さらに大胆になる。

サンドマンとの崖越え

先頭集団へ迫ったポコロコは、サンドマンが徒歩で崖を越える姿を見る。他の騎手が馬の負傷を恐れて迂回する中、自分の幸運を信じて同じ近道へ跳ぶ。跳躍は完全には届かず、馬とともに谷へ落ちかける。近くにいたサンドマンからロープを使うよう助言され、危機を脱して崖上へ戻る。

結果だけ見れば幸運な成功だが、他者の判断を聞いて行動できなければ助からなかった。ポコロコの幸運は危険を消す力ではなく、失敗した瞬間にも使える物や人が残る形で働く。

森を目を閉じて抜ける

第1ステージの森林では、低い枝が密集し、多くの騎手が衝突して落馬する。ポコロコは馬へ進路を任せ、目を閉じたまま走ることで人間の過剰な操作を止める。それでも枝へぶつかって鞍から外れるが、片足が鐙へ引っ掛かり、高い枝の下を吊られた姿勢で通過する。さらにジャイロの鉄球が動かした木の反動を偶然受け、鞍の上へ跳ね戻される。

複数の危機が次の回避へつながり、本人はほとんど損傷せずに上位集団へ追いつく。技術的に再現できる走法ではないが、馬へ任せる決断と恐怖を抑える自信はポコロコ自身のものだった。

ヘイ・ヤー!の発現

第1ステージ終盤、ポコロコの背中に小型の人型スタンド「ヘイ・ヤー!」が現れる。ヘイ・ヤー!は未来を確定させたり幸運を生み出したりする能力ではない。使用者の耳元で励まし、進路を指示し、自信を失いそうな時に肯定的な言葉を送り続ける。ポコロコには元から異常な幸運期があり、スタンドはそれを利用する勇気を保たせる役割を担う。

幸運を与えるスタンドだという説明は正確ではなく、幸運な本人が助言を信じることで好機を逃さなくなる。能力値は低いが、精神状態が判断へ直結する長距離レースでは非常に有効な相棒となる。

牛の皮を使った下り坂

急な下り坂を前にしたポコロコは、馬の力を温存して後半へ備えようと考える。ヘイ・ヤー!は牛を思い出して進めと促し、本人は説明を理解し切らないまま速度を上げる。馬が足を取られて転倒した先には死んだ牛があり、ポコロコと馬はその皮の上へ落ちる。皮はそりのように斜面を滑り、馬の体力を使わずに高速で下る手段へ変わる。

事前に牛の位置を知っていたかのように見えるが、ヘイ・ヤー!の能力は透視ではなく、偶然を肯定する助言として描かれる。ポコロコは皮から降りた後も休ませた馬で加速し、先頭争いへ残る。

木の枝を使う最終加速

第1ステージの残り距離が短くなると、ヘイ・ヤー!は左へ進むよう指示する。その進路にはしなった枝が隠れており、馬と騎手を前方へ弾き出すばねになる。ポコロコは一気に順位を上げ、ジャイロ、サンドマンらとゴールを争う。最初に線を越えたのはジャイロだったが、サンドマンへの妨害行為によって21位へ降着する。

ポコロコは最終的に第1ステージ3位となり、40ポイントを獲得した。大幅な寝坊から表彰圏へ入った結果は、占いへの信頼を本人の中で確信へ変える。

中盤ステージの安定

ポコロコは序盤だけの偶然で消える参加者ではなく、以後も全ステージで上位を維持する。第2ステージ9位、第3ステージ5位、第4ステージ2位、第5ステージ1位と順位を上げる。第5ステージ終了時点では累計233ポイントで総合首位へ立ち、1万ドルのステージ賞金と一時間の時間ボーナスも得る。遺体を巡る戦闘へ巻き込まれないこと自体が大きな幸運であり、彼は競技の規則に集中して得点を積む。

ジョニィ、ジャイロ、ディエゴが互いの能力と大統領の刺客へ体力を消耗する間も、ポコロコは馬を生存させて走り続ける。単発の1着より、悪い日でも得点圏から落ちない安定が総合優勝の基礎になる。

凍った海峡

第6ステージではミシガン湖周辺の氷上を走り、ジョニィとジャイロから先頭を守ろうとする。ポコロコが進路を変えたため、ジャイロは氷の下へ丸太を敷いた先住民の道を発見したのだと警戒する。実際のポコロコは道を見つけておらず、割れない場所を探りながら慎重に進んでいた。ヘイ・ヤー!は風を利用して落ち着くよう励まし、追いつかれても運が続いていると自信を保たせる。

ジョニィとジャイロは雪に隠れた裂け目へ向かうが、スタンドと回転で越えて1位と2位を取る。ポコロコは驚きながらも3位へ入り、40ポイントを追加して総合首位を維持する。

第7・第8ステージ

第7ステージでも3位、第8ステージでは4位となり、累計点は348まで伸びる。この時期、主要人物は大統領の護衛や聖人の遺体を巡って死亡し、競技から離脱していく。ポコロコには裏の目的が知らされず、レースが国家規模の遺体回収計画であることも理解しない。戦わない姿勢は臆病さではなく、彼の検索目標が最初からゴールと賞金だけだった結果である。

競技順位を得るために余計な対立を避けることは、長期戦では合理的な選択になる。幸運はその一貫した目的を邪魔する事件から、彼を遠ざけ続ける。

最終ステージと優勝

最終ステージで最初にゴールした名義上の選手は、ファニー・ヴァレンタインが別世界から連れてきたディエゴ・ブランドーだった。そのディエゴはジョニィから聖人の遺体を奪って保管庫へ運ぶ途中、ルーシーの策で死亡する。運営側には失踪として扱われ、正式な完走者として認められない。2着でゴールしたポコロコが繰り上がって総合優勝者となり、最終ステージの50ポイントを加えた398ポイントで大会を終える。

5,000万ドルの優勝賞金に第5ステージの1万ドルを合わせ、獲得額は5,001万ドルとなる。最大の競争相手が自分の知らない場所で失格する結末まで、予言された幸運の範囲に収まる。

騎手としての実力

ポコロコを幸運だけで説明すると、6,000キロを走り切った体力と馬の管理を見落とす。荒野、砂漠、山岳、湖、雪原を越えるには、毎日の給餌、蹄の確認、速度配分、休息の判断が欠かせない。彼は全9ステージで得点し、39人しか残らなかった完走者の中でも上位を維持した。卓越した技を見せるディエゴや、回転を使うジャイロとは型が違うが、馬を壊さず走らせる基礎は備えている。

ヘイ・ヤー!の指示へ即応できる身体操作も、騎乗の経験があってこそ成立する。運が入口を開き、本人の技量と自信がそこを通り抜ける関係である。

性格

ポコロコは楽天的で怠け者に見え、危険の中でも歌い、他の騎手を挑発する。寝坊や賭けの失敗に落ち込んでも、良い兆候を見つけるとすぐ気持ちを切り替える。自信が強まると崖へ馬ごと飛ぶほど無謀になるが、サンドマンの助言やスタンドの指示を拒まない柔軟さもある。他者を殺して順位を奪おうとはせず、レース中の敵意は競争の範囲に収まる。

聖人の遺体を巡る主人公たちの重い目的と対照的に、賞金を得て幸福になりたいという欲望を最後まで変えない。その単純さが、複雑な陰謀へ入らず完走する強みとなる。

名前と表記

日本語名は「ポコロコ」、英字表記はPocolocoである。ポコロコという語はスペイン語で「少し狂っている」を意味する表現と同じ綴りを持つ。騎乗馬は原作で「ヘイ!ヤア!」、スタンドは「ヘイ・ヤー!」として区別される。英語表記では馬名と能力名の類似がさらに強く、検索時にはPocoloco本人、Hey Ya!のスタンド、騎乗馬の記事を分離する必要がある。

アニメ版の日本語声優は松田健一郎で、公式キャラクター紹介でも農夫、50億人に一人の幸運、賞金目的の参加が明記される。

物語上の役割

ポコロコは聖人の遺体を集めず、敵のスタンド使いを倒さず、主人公の旅路を直接変える場面も少ない。それでも彼が優勝することで、スティール・ボール・ランが能力者同士の戦いだけではなく、最後まで競技結果を持つレースだったと示される。ジョニィとジャイロは精神的な目的へ到達する一方、公式順位と賞金は別の人物へ渡る。努力、技術、陰謀を押しのける偶然が存在し、その偶然を信じて走り続けた者が現実の勝者になる。

ヘイ・ヤー!は運を作らないが、ポコロコが好機の中で臆さない精神を作る。幸運を能力として単純化せず、偶然、自信、基礎技術の組み合わせで優勝を描く点に、この人物の独自性がある。