11ストーリー解説
冒頭、キュゥべえはほむらの時間遡行で疲弊したまどかに、インキュベーターが人類史を陰で導いてきた事実を語る。クレオパトラやジャンヌ・ダルク、卑弥呼ら歴史上の女性も魔法少女だったと示し、絶望から生まれるエネルギーが文明を支えてきたと説く。そしてほむらが幾度も時を繰り返したせいで、まどかに膨大な因果が集中し、史上最強の魔法少女の素質が宿ったと明かす。
場面は見滝原の街へ。巨大な台風が接近し、住民に避難勧告が出される。まどかの家でも避難の準備が進み、まどかは母・詢子に「もし大事な友達が間違った道へ進もうとしていたら、止めるべきか」と相談する。詢子は酒を片手に、優等生ほどたまには間違える勇気が必要で、悪いと分かっていても踏み出すことが正しい場合もあると諭し、まどかの背中を押す。

一方ほむらは、ワルプルギスの夜を一人で迎え撃つ覚悟を固めていた。まどかと再会した彼女は、家族と共に街を離れて安全な場所へ避難するよう強く促す。ほむらは自分が何度も時間を遡り、まどかを救おうとしてきたことをほのめかしつつ、「これは私一人の戦い」と告げ、まどかを巻き込むまいとする。
ほむらは決戦の地となる駅前の高層ビル屋上へ向かう。彼女は盾の中に隠し持った膨大な兵器——自衛隊から奪った銃器・対戦車ミサイル・爆薬・タンクローリーなどを準備し、たった一人で最強の魔女に挑む態勢を整える。荒れ狂う暴風雨の中、まどかは避難所へと送られていく。

やがてワルプルギスの夜が姿を現す。それは逆さ吊りの巨大な舞台女優のような魔女で、無数の歯車仕掛けと玩具を従え、空中で甲高い哄笑を響かせながら街を踏み潰していく。決して身を隠さない最強の魔女は、ビル群を瓦礫に変え、洪水を引き起こしながら見滝原を破壊していく。
ほむらは仕掛けておいた爆弾でビルを崩落させ、ミサイルや銃弾の雨を浴びせ、果てはタンクローリーごと魔女に叩きつける猛攻を繰り返す。だがワルプルギスの夜は意に介さず再生し、ほむらの攻撃をことごとく無効化する。時間を止めて何度仕掛け直しても、巨大な魔女には決定打が通じない。

避難所でその惨状を目にしたまどかは、ほむらを見捨てられずに飛び出していく。寄り添うキュゥべえは、今のまどかなら桁外れに強力な魔法少女になれると囁き、契約を促し続ける。豪雨と濁流の街を、まどかは傘も差さずほむらのもとへと駆けていく。
戦場のほむらはすでに満身創痍だった。何度も時を巻き戻して戦い続けた末にソウルジェムは濁りきり、力も尽きかけている。倒すどころか勝機すら見えず、絶望に呑まれそうになる彼女の姿が、瓦礫と水に沈む街に取り残される。

そこへまどかが駆けつける。ほむらは涙ながらに真実を吐露する——まどかを救うために時を繰り返すたび、まどかに集まる因果が増幅し、結果として最強かつ最悪の魔法少女・魔女になる運命を自分が作ってしまったのだと。だからこそ「契約しないで」「もう私一人でいい」と必死に懇願し、まどかを止めようとする。
それでもワルプルギスの夜は頭上で哄笑を続け、ほむらは最後の力を振り絞って単身立ち向かおうとする。傷つき泣きじゃくる親友を前に、まどかの中では一つの決意が固まり始める——母の言葉を胸に、自らの手で運命を選び取ろうとするまどかの覚悟が、次回の契約へと繋がっていく。


