ボルサリーノは、海軍本部の大将であり、通称を「黄猿」という。 自然系悪魔の実「ピカピカの実」の能力者で、身体を光へ変え、光速の移動、レーザー、光の剣を使う。 ゆっくりと間を延ばす話し方とは対照的に、攻撃へ移った後の速度は作中でも最高水準にある。
海軍の命令を淡々と実行する人物として登場したが、エッグヘッド編では任務の対象に旧知のベガパンク、戦桃丸、ボニー、くまが含まれた。 命令へ逆らわず攻撃しながらも、感情まで消せたわけではない。 黄猿の「どっちつかずの正義」は、立場を選ばない中立ではなく、組織の側へ立ちながら割り切れなさを抱える姿として表れる。
基本情報
- 所属:海軍本部
- 役職:大将
- 通称:黄猿
- 悪魔の実:ピカピカの実
- 誕生日:11月23日
- 掲げる正義:どっちつかずの正義
- 声優:石塚運昇、置鮎龍太郎
ONE PIECE.comは、光を駆使した強烈な技を使い、飄々とした口調に反して敵へ容赦なく攻撃する海軍大将として紹介している。 大将は海軍本部の最高戦力であり、ボルサリーノは世界政府の重要任務へ直接投入される。
外見と話し方
ボルサリーノは黄色い縞模様のスーツと色付き眼鏡を身に着ける。 海軍本部のコートを肩に掛け、身長は300cmを超える。 口調は穏やかで、強敵を前にしても「怖いねェ」と評するなど、緊迫した場面でも調子を変えない。
この言葉だけを額面どおりに受け取ると、相手へ恐怖を感じているようにも見える。 実際には、相手の危険性を認めながら行動を止めず、直後に攻撃へ移ることが多い。 軽く聞こえる言葉と、任務の遂行を分けている人物である。
海兵としての経歴
ボルサリーノはサカズキと同時期に海軍へ入り、若い頃から高い戦闘力を示した。 物語開始時点では、サカズキ、クザンと並ぶ三大将の一人である。 頂上戦争後にサカズキが元帥となり、クザンが海軍を去った後も大将の地位に残った。
世界徴兵でイッショウとアラマキが加わってからも、旧体制を知る大将として本部にいる。 元帥の座を争った二人と異なり、ボルサリーノが昇進を望んだ様子はない。 最高位の命令を受け、現場で戦力を行使する役割へとどまっている。
シャボンディ諸島への出動
ルフィが世界貴族チャルロス聖を殴った事件を受け、ボルサリーノはシャボンディ諸島へ出動する。 到着すると、バジル・ホーキンス、ウルージ、X・ドレーク、スクラッチメン・アプーを短時間で圧倒した。 光速の蹴りとレーザーは、超新星たちが攻撃を認識しても防ぎ切れない速度と威力を持つ。
戦桃丸とパシフィスタも投入され、麦わらの一味は分断される。 ロロノア・ゾロへ止めを刺そうとした場面では、シルバーズ・レイリーが介入した。 ボルサリーノは光の剣「天叢雲剣」でレイリーと斬り結び、その隙にくまが一味を各地へ飛ばす。
任務上は海賊を取り逃がしたが、この時点でボルサリーノはレイリー、くま、戦桃丸、パシフィスタという複数の要素を同時に相手にしている。 一人の大将が島全体へ与える圧力を示した編である。
マリンフォード頂上戦争
頂上戦争では処刑台の前に座る三大将の一人として、白ひげ海賊団を迎え撃つ。 白ひげへ直接レーザーを放ち、マルコの蹴りを光の身体で受け、ジョズが投げた氷塊を破壊した。 戦場を長距離から狙えるため、前線へ出なくても要所へ攻撃を届かせられる。
ルフィが処刑台へ近づくと、ボルサリーノは鍵をレーザーで破壊し、救出を妨害する。 一方、ベン・ベックマンに銃を向けられた際は一度手を止めるが、その後すぐ潜水艦を攻撃した。 相手の覇気や射程を警戒しても、命令を放棄したわけではない。
ベガパンクとの関係
ボルサリーノは、海軍科学班の護衛としてベガパンク、戦桃丸、くまと以前から関わっていた。 エッグヘッドの回想では、四人とボニーが食事をし、ニカのリズムに合わせて踊る姿が描かれる。 戦桃丸からは「オジキ」と呼ばれ、単なる上官より近い関係にあった。
ピカピカの実のレーザーは、ベガパンクがパシフィスタへ実装した光学兵器の基礎にもなった。 ボルサリーノの攻撃データと能力は、世界政府の兵器開発へ転用されている。
エッグヘッドでの任務
世界政府がベガパンク抹殺を決めると、ボルサリーノは大艦隊とともにエッグヘッドへ向かう。 任務は研究所からの脱出を阻止し、ベガパンクを排除することだった。 島内へ入るには戦桃丸を倒し、旧友が守る防衛線を突破する必要がある。
ボルサリーノは戦桃丸へ降伏を求めるが、相手が退かないと分かると正面から戦う。 勝利後も、その覚悟と成長を認めていた。 次にベガパンクを追い、ギア5となったモンキー・D・ルフィと戦う。
ルフィは光速の移動へ追いつき、ボルサリーノを島外へ投げ飛ばす。 ボルサリーノは光の分身で追跡を分散させ、守るべき対象を狙うことでルフィへ選択を迫った。 戦闘の目的が決闘ではなく暗殺であるため、相手を倒し切るより標的へ到達することを優先している。
ベガパンクへの攻撃
戦況の中でボルサリーノはベガパンクをレーザーで貫く。 旧友を自分の手で傷つける任務を遂行した後、普段の軽い口調は保てなくなる。 サターン聖や海軍の目があるため表立って背くことはないが、倒れたまま動こうとせず、精神的な傷を口にする。
エッグヘッド事件後、サカズキは通信でボルサリーノの働きを責める。 これに対しボルサリーノは、親友を殺した経験があるのかと激しく言い返した。 任務中に見せなかった怒りが、戦いが終わった後に元帥へ向かう。
この反応は、密かにベガパンクを逃がしたと確定する証拠ではない。 ボルサリーノは実際に攻撃し、脱出を妨げている。 それでも、従うことと納得することが同じではなかった点は明確である。
ピカピカの実
ピカピカの実は、身体を光へ変える自然系悪魔の実である。 物理攻撃を受け流す自然系の性質に加え、直線上を光速で移動し、指先や足からレーザーを放てる。 鏡や反射を利用して移動経路を作る「八咫鏡」も使う。
蹴りには移動速度が加わり、着弾地点で大規模な爆発を起こす。 遠距離技「八尺瓊勾玉」は多数の光弾を広範囲へ放ち、空中や海上の敵にも届く。 「天叢雲剣」では光を剣の形へ固定し、覇気を使う剣士と近距離で戦う。
能力には移動経路が直線になりやすい制約がある。 八咫鏡は反射点を設定して進路を変えるが、相手に軌道を読まれれば途中で妨害される。 また武装色の覇気をまとった攻撃は光の身体にも届くため、自然系であることだけで無敵にはならない。
覇気と戦闘判断
ボルサリーノは武装色と見聞色の覇気を使う。 頂上戦争では他の大将とともに白ひげの衝撃波を防ぎ、エッグヘッドではギア5の動きへ対応した。 光速で動けても、攻撃対象、進路、着地点を判断する見聞色がなければ能力を活かせない。
戦い方は相手の感情へ乗らず、任務の条件を先に見る。 海賊との一対一へ固執せず、護衛対象があれば回り込み、目的が暗殺なら標的へ直行する。 速度は身体能力であると同時に、敵へ複数の判断を同時に迫るための手段になっている。
「どっちつかずの正義」
ボルサリーノが掲げる標語は「どっちつかずの正義」である。 サカズキの徹底した正義、クザンのだらけきった正義と比べ、強い理念を言葉で押し出さない。 だからといって、海賊と海軍の中間に立つ人物ではない。
シャボンディでも頂上戦争でも、世界政府の命令を実行し、多数の海賊を攻撃した。 エッグヘッドでは個人的な友人が標的になっても任務を遂行した。 ただし、その結果を感情の外へ置くことはできず、戦いの後に傷として残る。
「どっちつかず」とは、何も決めないことではない。 組織の側を選び続けながら、その選択へ完全な確信を持てない状態である。 エッグヘッド編は、その曖昧さが初めて大将本人を壊すほどの負担になった事件だった。
戦桃丸との関係
戦桃丸はボルサリーノを「オジキ」と呼ぶが、血縁関係を示す呼称ではない。 海軍科学班と行動を共にする中で築かれた、年長者への親しみを含む呼び方である。 シャボンディ諸島では二人が同じ作戦へ参加し、戦桃丸がパシフィスタを指揮しながらボルサリーノへ状況を伝えていた。
エッグヘッドでは、その関係が敵味方に分かれる。 戦桃丸はベガパンクを逃がすため海軍へ反抗し、ボルサリーノは政府の命令で防衛線を破る。 ボルサリーノは旧知の相手だから攻撃を避けたのではなく、正面から覚悟を確かめたうえで倒した。 それでも戦いを軽い仕事として処理できず、戦桃丸の防御を以前より強くなったと認める。
同じ相手を尊重することと、その相手の側へ立つことは別だった。 ボルサリーノは関係を断ち切れないまま命令を優先し、その選択による痛みを後から引き受ける。 ベガパンクへの攻撃だけでなく、戦桃丸との戦闘もエッグヘッドで消耗した理由の一部である。
関連項目
- モンキー・D・ルフィ
- バーソロミュー・くま
- サカズキ
- クザン
- エッグヘッド編
- シャボンディ諸島編
- マリンフォード編


