01来歴

ルミナーラ門下での修行
バリス・オフィーは、ミリアラン族のジェダイ・パダワンとして、同種族のジェダイ・マスター、ルミナーラ・ウンドゥリ(Luminara Unduli)に師事する。マスターとパダワンが同じ種族・剣技・内省的な気質を共有する珍しい組として、デイヴ・フィローニ(Dave Filoni)監督のアニメ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ(Star Wars: The Clone Wars)』全般で対の存在として描かれる。ルミナーラ譲りのフォームIII(ソレス)寄りの防御重視の剣風と瞑想を通じた精神統御を身につけ、後年の内側からの告発の伏線となる人物像を積み上げる。
ジオノーシスでの実写初登場
クローン戦争の発端となるジオノーシス(Geonosis)の戦い(22 BBY)に、ルミナーラ率いるジェダイ部隊の一員として参戦する。ジョージ・ルーカス(George Lucas)監督『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃(Star Wars: Episode II – Attack of the Clones)』2002年7月13日日本公開(米国2002年5月16日公開)本編終盤のアリーナ場面では、闘技場で戦うジェダイの一人として実写初登場する。実写映画では同作1作品のみの出演で、以降のプリクエル三部作『シスの復讐』やオリジナル三部作、シークエル三部作には登場しない。
ジオノーシス再戦アーク
『クローン・ウォーズ』第2シーズンのジオノーシス再戦アーク(第5話『ランディング・アット・ポイント・レイン』2009年11月6日米国配信〜第7話『レガシー・オブ・テラー』同月20日配信)と第8話『ブレイン・インベーダーズ』12月4日配信で本格的に物語の中心に置かれる。第6話『ウェポンズ・ファクトリー』11月13日配信では、セパラティスト製ドロイド工場破壊作戦でアソーカ・タノ(Ahsoka Tano)と組んで潜入し、二人で工場内に閉じ込められる。この場面がアソーカとの友情の起点となる。第8話ではジオノーシアン・ブレイン・ワーム(Geonosian brain worm)に脳幹を寄生されたバリスがアソーカを襲うが、極低温による寄生体解除を経て両者の信頼が危機を超える。
キリオス奴隷救出アーク
第4シーズンの3部構成『キッドナップド』2011年11月11日米国配信/『スレイヴズ・オブ・ザ・リパブリック』同月18日配信/『エスケープ・フロム・キャダヴォ』12月2日配信で、惑星キリオス(Kiros)のトグルータ(Togruta)の子供たちが奴隷商人ザイガリアン(Zygerrian)に拉致される事件の解決に従事する。アナキン・スカイウォーカー(Anakin Skywalker)、オビ=ワン・ケノービ(Obi-Wan Kenobi)、アソーカらと共闘し、潜入・実務工作の担当として描かれる。この時点で前景化する爆破物・実務工作技能は、後年のジェダイ寺院格納庫爆破事件の動機・手段の伏線として機能する。
ジェダイ寺院爆破事件
第5シーズン終盤の4部構成『サボタージュ』2013年2月9日米国配信/『ザ・ジェダイ・フー・ニュー・トゥ・マッチ』同月16日配信/『トゥ・キャッチ・ア・ジェダイ』同月23日配信/『ザ・ウロング・ジェダイ』3月2日配信で、コルサント(Coruscant)のジェダイ寺院(Jedi Temple)格納庫を狙ったブラスト・コンパウンド(Nano-Droid)爆破事件と、その嫌疑をアソーカに被せる一連の事件の真犯人として描かれる。第17話『サボタージュ』では捜査要員として現場検証に加わる偽装を行い、第18話ではコルサント警察軍部隊(Coruscant Guard)にアソーカを追わせ、第19話ではアサジ・ヴェントレス(Asajj Ventress)からマンダロリアン製の鎧とブラスター類を受け取り、アソーカを下層街まで追い詰める。
軍法裁判とアソーカ離脱
終話『ザ・ウロング・ジェダイ』の終盤、アナキンがコルサント下層街でヴェントレスを装ったバリスを捕縛して法廷へ引き出した直後、バリスは銀河共和国軍法裁判(Republic military tribunal)の証言台で『あなたたちジェダイは戦士になってしまった(The Jedi are the ones responsible for this war.)』と告発し、爆破事件の実行犯が自分自身であることを認める。本場面はアソーカがジェダイ・オーダーを離脱する直接の原因として位置付けられる。バリスはこれ以降、第6シーズン(2014年3月7日Netflix配信開始)・第7シーズン(2020年2月21日Disney+配信開始)には登場せず、本編から一度退場する。
インクィジトリウス徴用
Disney+配信アンソロジー『テイルズ・オブ・エンパイア(Tales of the Empire)』2024年5月4日Disney+配信開始の後半3話『ザ・パス・オブ・フィア』『ザ・パス・オブ・アンガー』『ザ・パス・オブ・ヘイト』(第4〜6話)で、収監されたまま19 BBYのオーダー66(Order 66)を生き延びたバリスが、銀河帝国(Galactic Empire)成立後にインクィジトリウス(Inquisitorius)へ徴用されインクィジター(Inquisitor)へ転落していく経緯が描かれる。本拠地ニュア・スター(Nur)で訓練を受け、青色ライトセーバーを取り上げられた末、標準装備の二枚刃赤色ライトセーバー(double-bladed spinning lightsaber)を与えられ、上位インクィジターのリン・ラキッシュ(Lyn Rakish)の後輩格として任務に従事する。
最終対峙と隠遁
終話『ザ・パス・オブ・ヘイト』では、インクィジターとしての任務に疑問を抱いたバリスが、上位インクィジターのリン・ラキッシュと正面から対峙する。二枚刃赤色ライトセーバーを構えてライトセーバー決闘を交えるが、決闘の末バリスは敗北する。一方でリンはバリスの命を奪う最終一撃を保留し、バリスは生命を保持したままインクィジトリウスを離れて荒野で隠遁する道を選ぶ。これ以降の正史上の位置付けは続編による更新を待つ状態にあり、実写ドラマ群には本人は登場しない。
02能力・特徴

- ジェダイ・パダワン位のフォース運用:師ルミナーラ譲りの落ち着いたフォース運用を行い、フォース・プッシュやフォース・ジャンプといった標準技に加え、ミリアラン族特有の内省的な瞑想を通じた精神統御に長けたパダワンとして描かれる。
- 青色ライトセーバー戦闘術(パダワン期):青色ブレードの片手剣を主武装とし、ルミナーラ譲りのフォームIII(ソレス)寄りの防御重視の剣風で描かれる。終話直前の下層街ではヴェントレスを装いアナキンと一時的に互角に渡り合う技量を見せる。
- 二枚刃赤色ライトセーバー戦闘術(インクィジター期):インクィジトリウス標準装備の二枚刃赤色ライトセーバー(円形スピンブレード機能付き)を用い、パダワン期からの制止重視の剣風を保ったまま、武器の特性で攻撃範囲を補う造形で描かれる。
- 潜入・実務工作と爆破物取り扱い:第2シーズンのドロイド工場破壊作戦や第4シーズンのキリオス奴隷救出作戦で実務・潜入工作の担当として配置される。爆破物取り扱いに精通し、これが後のジェダイ寺院格納庫爆破事件の伏線として機能する。
- 戦争への懐疑と内側からの告発:ジェダイが軍司令官として戦争に従事すること自体への根本的な懐疑から、オーダー内部からの暴力的告発という極端な行動に出る。この行動はアソーカがオーダーを離脱する直接の原因となる。
- 贖罪の弧と隠遁の選択:帝国期にインクィジトリウスへ徴用された後、リン・ラキッシュとの最終対峙で任務への懐疑を再び表明し、決闘に敗北しつつも命を保って荒野へ隠遁する。正史では珍しい『ダーク・サイドからの離脱』を体現する。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

『エピソード2』ジオノーシス・アリーナで、ミリアラン族の顔の刺青を施した姿でジェダイ部隊の一員として実写初登場する場面。
第2シーズン『ウェポンズ・ファクトリー』で、ドロイド工場破壊作戦中にアソーカと組んで潜入し、二人で工場内部の瓦礫に閉じ込められる。アソーカとの友情の起点となる場面。
第5シーズン終話『ザ・ウロング・ジェダイ』の軍法裁判で、『あなたたちジェダイは戦士になってしまった』と告発し、寺院爆破事件の実行犯であることを認める。アソーカ離脱の直接の原因となる名場面。
『テイルズ・オブ・エンパイア』第4話で、本拠地ニュア・スターでインクィジター訓練を受け、パダワン期の青セーバーを取り上げられ二枚刃赤セーバーへ転換する主要転回点の場面。
終話『ザ・パス・オブ・ヘイト』で、リン・ラキッシュと二枚刃赤セーバーによる最終決闘を交え、敗北しつつも命を保って荒野へ隠遁する道を選ぶ終端場面。
06制作背景

バリス・オフィーを実写で演じるのはオーストラリア在住の俳優ナリニ・クリシュナン(Nalini Krishan)である。『エピソード2 クローンの攻撃』本編終盤のジオノーシス・アリーナ場面にジェダイ部隊の一員として出演し、実写映画本編でバリスを演じた唯一の俳優となる。師ルミナーラ・ウンドゥリの実写はメアリー・オクサ(Mary Oksa)が演じた。
アニメ版の声優は、米国の俳優・声優メレディス・セレンジャー(Meredith Salenger/1970年3月14日米国ニューヨーク州出生)が担当する。デイヴ・フィローニ監督のアニメ劇場版『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(2008年9月19日米国公開)から、2024年の『テイルズ・オブ・エンパイア』第4〜6話に至るまで約16年間一貫して同役を務めた。劇場版『ナチュラル』(1985年米国公開)でナティ・ガン役の主演デビューを経て、声優業を複数作品で務める。ルミナーラの声はオリヴィア・ダボ(Olivia d'Abo)が担当した。
アニメ本編を手がけたのはデイヴ・フィローニ監督で、TVシリーズ全7シーズン(最終第7シーズンは2020年2月21日Disney+配信開始)を通じてバリスの物語が展開された。第5シーズン終盤4部作はCartoon Network放送期の最終アークにあたり、当時シリーズ存続の不透明性が公式に明言される中で配信された。『テイルズ・オブ・エンパイア』は5月4日(公式「スター・ウォーズ・デー」)のDisney+配信開始という公開戦略で届けられ、リン・ラキッシュの声は米国の俳優リア・キルステット(Rya Kihlstedt)が担当した。
07評価・考察

バリス・オフィーは、『クローン・ウォーズ』が全7シーズンかけて描き続けた『ジェダイ・オーダーの戦時堕落』という主題を、一人の人物造形に集約する役割を担うよう設計されている。第5シーズン終話の軍法裁判での台詞『あなたたちジェダイは戦士になってしまった』は、シリーズの自己批判的主題の総決算として企画段階から繰り返し言及される名場面となっている。
アソーカ・タノとバリスは、同世代のパダワン2人がそれぞれ正反対の結論(自発的離脱/暴力的告発)へ向かう対の人物として配置されている。アソーカが後年『反乱者たち』『マンダロリアン』『アソーカ』へ展開する一方、バリスはダーク・サイドの側からの対の存在として『テイルズ・オブ・エンパイア』第4〜6話に並列に置かれ、両者で一つのシリーズ全体テーマを構成する設計と制作陣によって繰り返し説明されている。
『テイルズ・オブ・エンパイア』は、第5シーズン終話以来約11年間爆破事件の犯人として描かれたままだったバリスに贖罪の弧を与える正史上の大きな更新となった。上位インクィジターからの一方的な処刑ではなく『隠遁』という結末は、正史では珍しい『ダーク・サイドからの離脱』の事例として位置付けられる。約16年間声を務めるメレディス・セレンジャーが、告発場面と隠遁場面の双方を同一の声で連結させた点も、キャラクター・アーク完結の重要な要素とされる。
08トリビア
- 実写のナリニ・クリシュナンはオーストラリアの俳優で、『エピソード2』のジオノーシス・アリーナ場面にミリアラン族の刺青姿で出演し、実写映画本編でバリスを演じた唯一の俳優となる。
- 声のメレディス・セレンジャーは1970年3月14日米国ニューヨーク州出生。2008年のアニメ劇場版から2024年『テイルズ・オブ・エンパイア』まで約16年越しの再キャストとして公式宣伝でも強調された。
- インクィジター・ライトセーバーは円形スピンブレード機能を持つ二枚刃赤色型で、リーヴァ・センティスやグランド・インクィジターら既存インクィジターと同系統のデザイン。青から赤への転換が主要ビジュアルの中軸に用いられる。
- 第5シーズン終盤4部作はアニメTV版のCartoon Network放送期の最終アークにあたり、シリーズ存続が不透明とされる中で配信された。バリスがアソーカを冤罪に陥れ、アソーカが離脱を宣言する構図は正史の重要な転換点となった。
- 『テイルズ・オブ・エンパイア』は5月4日(公式『スター・ウォーズ・デー』)配信開始で、全6話のうち前半3話でモーガン・エルスベスの前史を、後半3話でバリスの贖罪の弧を並行する伝記体構成で描いた。
09よくある質問
実写映画『エピソード2 クローンの攻撃』のジオノーシス・アリーナ場面で初登場し、本格的な活躍はアニメ『クローン・ウォーズ』の第2・第4・第5シーズンで描かれる。最新の主要登場はDisney+のアンソロジー『テイルズ・オブ・エンパイア』第4〜6話である。
実写はオーストラリアの俳優ナリニ・クリシュナンが『エピソード2』で演じた。アニメ版は米国の俳優・声優メレディス・セレンジャーが、2008年のアニメ劇場版から2024年『テイルズ・オブ・エンパイア』まで約16年間一貫して声を担当している。
『クローン・ウォーズ』第5シーズン終盤4部作で描かれる、コルサントのジェダイ寺院格納庫を狙ったブラスト・コンパウンド爆破事件で、真犯人はバリス本人である。バリスは嫌疑をアソーカ・タノに被せて冤罪に陥れ、終話の軍法裁判で自ら実行犯であることを認める。この事件はアソーカがジェダイ・オーダーを離脱する直接の原因となる。
第4〜6話で、オーダー66を生き延びたバリスがインクィジトリウスへ徴用されインクィジターへ転落し、上位インクィジターのリン・ラキッシュと最終決闘を交える。終話『ザ・パス・オブ・ヘイト』で決闘に敗れるが、命を奪われることなく、荒野で隠遁する道を選ぶ結末となる。
両者は第2シーズン以来の同世代の友人だが、第5シーズン終盤4部作でバリスが寺院爆破事件の嫌疑をアソーカに被せて冤罪に陥れ、これがアソーカのオーダー離脱の直接の原因となる。シリーズ全体では、同世代のパダワン2人が正反対の結論(自発的離脱/暴力的告発)へ向かう対の人物として配置されている。