01来歴

ダソミア誕生
ダソミアのナイトシスターの族長マザー・タルジンの息子として54 BBY前後に生まれる。ナイトブラザーのサヴェジ・オプレス、フェラル・オプレスとは同母兄弟である。幼少期にダース・シディアスに発見され、母タルジンからシディアスへ譲渡される形で、シスの見習いとして連れ去られた。その出自は後年のアニメやコミックで詳細に補完されている。
シディアスの見習い
シディアス(後の銀河帝国皇帝シーヴ・パルパティーン)の徹底した暗殺者訓練を幼少から受け、シスの伝統である師弟2人体制『Rule of Two』の見習いとして育つ。ダブルブレード・ライトセーバーの使用法と、激情を制御して攻撃に転化するフォームVII(ジュヨー/ヴァーパード)の応用形を体得した。
ナブー危機
シディアスの命でナブー貿易封鎖事件の解決工作を担う。タトゥイーンでクワイ=ガン・ジン、パドメ女王、アナキン少年の宇宙船を発見して奇襲し、砂漠での短い剣戟で初めて接触する。終盤のナブー宮殿のリアクター炉室でクワイ=ガン・ジンを殺害し、直後の続戦でオビ=ワン・ケノービに胴を上下に切断され、炉のシャフトに落下して死亡したと見做された。
ロソ・マイナー隠遁
切断された上半身がシスの暗黒面の激情と憎悪のみで生命を維持し、廃棄惑星ロソ・マイナー(銀河系最大のゴミ惑星)に運ばれる。クモ型の機械の脚で接続された半狂乱の状態で約12年を過ごし、ナブーの敗北の場面を反芻し続けた。この生存は後のアニメシリーズで公式に明示されている。
復活と兄弟結成
母マザー・タルジンの命で弟サヴェジ・オプレスがロソ・マイナーへ送られ、モールを救出する。ダソミアでタルジンのダーク・マジックによりサイボーグの脚(クモ型から始まり、後に二足歩行型)を授かり、正気と記憶を取り戻す。サヴェジを弟弟子として『闇兄弟』を結成し、ジェダイとオビ=ワンへの復讐、シスの権力奪還に動き出した。
シャドウ・コレクティブ結成
ブラック・サン、パイク・シンジケート、ハット家を統合した『シャドウ・コレクティブ』を創設し、デス・ウォッチのプリ・ヴィズラを利用してマンダロアを掌握する。直後のシングル・コンバットでプリ・ヴィズラを倒し、ダークセーバーを奪取してマンダロアの真の支配者に就く。サツィン・クライズ公爵を処刑し、オビ=ワンを誘き出した。
シディアスによる幽閉
シディアスがマンダロアに自ら降臨し、モールとサヴェジを二対一で迎え撃つ。サヴェジは殺害され、モールは『お前は私の弟子ではない』と告げられて幽閉される。後にダソミアでの対決を経て、最終アーク『シージ・オブ・マンダロア』でアソーカ・タノに敗れ、再度シディアスから自由になった。
クリムゾン・ドーン首領
『ハン・ソロ』終盤、ホログラム通信でクリムゾン・ドーンの首領として登場し、トバイアス・ベケット殺害後の犯罪組織の主としてキーラを呼び寄せる。シャドウ・コレクティブの後継組織として『クリムゾン・ドーン』を率いる、暗黒時代の生存者であることが明示される。銀河の暗黒街に依然として影響力を保持し続けている姿が示された。
タトゥイーン最終決着
エズラ・ブリッジャーを餌にして、タトゥイーンの砂漠でオビ=ワン・ケノービと再度対峙する。約30年振りの再戦はわずか3振りの剣戟で決着し、オビ=ワンに胴を斬られて致命傷を負う。臨終の場面でオビ=ワンが守る存在(ルーク・スカイウォーカー)が『チョーズン・ワン』かを問い、『そうだ』と答えられて『He lives.』『He will avenge us.』と呟いて息絶えた。ナブー宮殿の決闘から約30年越しの因縁の決着となった。
02能力・特徴

- ダブルブレード・ライトセーバー:両端が発光する二段刃のダブルブレード・ライトセーバー(セーバースタッフ)の名手。ナブー宮殿の決闘で象徴的に使いこなし、SF映画史に残る殺陣を演じた。
- ジュヨー/ヴァーパード(フォームVII):激情を制御して攻撃に転化するセーバー形の応用形を体得する。メイス・ウィンドゥの用いるヴァーパードと同系統で、シスでは異例の選択肢であり、習得難度が高い。
- シスの暗黒面の生存力:ナブー宮殿の決闘で上下に切断されたのち、憎悪と復讐の念だけでフォースを介して生命を維持し、ロソ・マイナーで約12年生存する。『憎しみが私を生かしている』と本人が語る極限的応用例である。
- 犯罪組織統合の政治能力:ブラック・サン、パイク・シンジケート、ハット家、デス・ウォッチを統合した『シャドウ・コレクティブ』を創設する。剣戟以外のフィクサーとしての才能で、後のクリムゾン・ドーンを含む暗黒街の枠組みを形成した。
- 暗殺者・追跡者としての隠密戦闘:シディアスの徹底した暗殺者訓練を背景に、タトゥイーンでの不意打ちやナブー宮殿への単身潜入を完遂する。激情型のジュヨーとは裏腹に、潜伏・追跡・奇襲の戦術判断にも優れる。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

『デュエル・オブ・ザ・フェイツ』(ナブー宮殿のリアクター炉室):同名楽曲をバックに、クワイ=ガン、オビ=ワン、モールの三つ巴の剣戟が展開される、SF映画史屈指の殺陣。
クワイ=ガン殺害と上下切断(ナブー宮殿):レーザーバリア越しにクワイ=ガンを刺殺した直後、オビ=ワンのフォース・ジャンプとセーバー奪取の連続技でモールが上下に切断され、炉のシャフトへ落下する。
『憎しみが私を生かしている』(ロソ・マイナー):クモ型の脚に接続された半狂乱のモールが、サヴェジとマザー・タルジンの介入で正気と記憶を取り戻す、約12年振りの本格復帰場面。
プリ・ヴィズラ撃破とダークセーバー奪取:マンダロア掌握直後、モールがプリ・ヴィズラと単身決闘し、ダークセーバーを奪取する。長期的な継承系譜の起点となる。
タトゥイーンの最終決闘(『双子の太陽』):エズラを餌にオビ=ワンと再対峙し、3振りで胴を斬られる。臨終で『He will avenge us.』と呟いて息絶える、約30年越しの決着。
06制作背景

実写の身体演技はレイ・パーク(Ray Park、1974年8月23日生まれ、英国スコットランド・グラスゴー出身)が担当した。武術・スタント出身で、武術指導者ニック・ジレーラに見出されたキャスティング経緯を持つ。『X-メン』(2000年、トード役)や『G.I.ジョー』(2009年、スネーク・アイズ役)でも知られる。台詞数の少ない悪役のため、声はピーター・セラフィノヴィッツ(Peter Serafinowicz、1972年7月10日生まれ、英国リヴァプール出身のコメディアン)が分担する古典的手法が採られた。
後年のアニメと実写復帰では、サム・ウィットワー(Sam Witwer、米国の俳優・声優)が声を継承している。LucasArtsのゲーム『Star Wars: The Force Unleashed』のスターキラー(ガレン・マレック)役でデイヴ・フィローニに見出され、2012年の『クローン・ウォーズ』S4『兄弟』からモール役を担当した。『反乱者たち』『バッド・バッチ』『ハン・ソロ』終盤の実写場面、S7最終アーク『シージ・オブ・マンダロア』、さらにDisney+企画『マウル/シャドウ・ロード』まで、10年以上にわたり同役を継続する希有な声優である。
ナブー宮殿の決闘の伴奏曲『デュエル・オブ・ザ・フェイツ』は、ジョン・ウィリアムズが作曲した。ウェールズ詩『Cad Goddeu』から翻訳したラテン語の合唱を伴う大編成曲で、以後のサーガで繰り返し使用される代表的テーマとなった。長期的な物語の弧は、ジョージ・ルーカスから引き継いだデイヴ・フィローニが拡張カノンで再構築したもので、『反乱者たち』S3『双子の太陽』の最終決闘では、アキラ・クロサワ的な剣戟哲学を取り入れ、約22秒・3振りで決着させる演出が用いられた。
07評価・考察

ダース・モールは、登場時点の台詞数が極端に少ない悪役として設計されながら、武術出身の身体演技、『デュエル・オブ・ザ・フェイツ』、ダブルブレード・ライトセーバーの斬新さという三要素で映画史に残る象徴的悪役となった。直後のオビ=ワンによる切断で一作限りの登場に終わるはずだったが、『クローン・ウォーズ』S4以降の復活、『反乱者たち』での約30年越しの決着、『ハン・ソロ』の実写復帰と、拡張カノンで最も長期にわたり展開された悪役の一人となった。
この長期的な物語の弧は、ジョージ・ルーカスから引き継いだデイヴ・フィローニによる拡張カノンの代表例であり、本編実写で一度死んだ悪役をTVシリーズで叙事詩に再構築した物語設計として高く評価されている。『双子の太陽』の最終決闘は約22秒・3振りで決着するよう演出され、エピソード1の約4分に及ぶ三つ巴の剣戟と劇的な対照を成す。『熟達した剣士は最小限の動きで決着させる』というクロサワ的な剣戟哲学の反映である。
ダブルブレード・ライトセーバーは、単剣が基本だった本編実写に対し両端発光式の二段刃という新機軸をもたらし、SF映画の武器デザインに長期的影響を与えた。以後のアニメシリーズでも、アサージ・ヴェントレスの二刀流やグリーヴァス将軍の四刀流など、モールが切り拓いた非標準ライトセーバー設計の系譜が拡張カノンで多数発展している。
08トリビア
- レイ・パークはエピソード1のキャスティング時、武術指導者ニック・ジレーラに見出された25歳の無名の武術・スタント俳優だった。本作で世界的に注目され、『X-メン』のトード役や『G.I.ジョー』のスネーク・アイズ役で知られる俳優となった。
- 『ハン・ソロ』終盤のクリムゾン・ドーン首領としての実写復帰は、公開時に観客の予想外のサプライズとして話題となった。レイ・パーク本人が20年振りに身体演技で復帰し、エピソード1から19年越しの本編実写復活となった。
- 『デュエル・オブ・ザ・フェイツ』は、ウェールズ詩『Cad Goddeu』から翻訳したラテン語の合唱を伴う大編成曲。『シスの復讐』『双子の太陽』『フォースの覚醒』など、以後のサーガで繰り返し使用される代表的テーマとなった。
- 『双子の太陽』の最終決闘は当初長時間の剣戟が計画されていたが、フィローニがクロサワ的哲学を導入し約22秒・3振りに書き換えた。『二人とも長年戦い続けてきたから、もはや派手な殺陣は必要ない』と本人はコメントしている。
- 『シージ・オブ・マンダロア』は、2014年の打ち切りから6年振りに『クローン・ウォーズ』が復活した最終アーク。アソーカとモールのマンダロアでの対決を描き、『シスの復讐』の同時並行イベントとして位置付けられた。
09よくある質問
実写の身体演技はレイ・パーク、声はピーター・セラフィノヴィッツが分担で担当した。『ハン・ソロ』でもパークが身体演技で復帰している。後年のアニメと実写場面の声はサム・ウィットワーが一貫して担当する。
ナブー宮殿でオビ=ワンに上下を切断されて落下したが、生き延びていた。憎悪のみで生命を維持し、廃棄惑星ロソ・マイナーで約12年生存していたことが『クローン・ウォーズ』S4『兄弟』で明示された。後にサイボーグの脚を得て復帰する。
映画『ファントム・メナス』と『ハン・ソロ』、アニメ『クローン・ウォーズ』『反乱者たち』に登場する。加えてDisney+企画『マウル/シャドウ・ロード』が計画されている。
『反乱者たち』S3『双子の太陽』で、タトゥイーンでオビ=ワンと約30年振りに再戦し、3振りで斬られて致命傷を負う。オビ=ワンの腕の中で『He lives.』と問い、息絶える。ナブーの決闘からの因縁の決着である。
両端から発光する二段刃のセーバースタッフで、ナブー宮殿の決闘で象徴的に使われた。オビ=ワンに半分に切断され、後年は単剣へ移行する。別に、プリ・ヴィズラから奪ったダークセーバーも所持した。
10出典
- StarWars.com 公式キャラクターデータベース: Darth Maul
- StarWars.com 公式: The Phantom Menace
- StarWars.com 公式: Star Wars Rebels - Twin Suns
- StarWars.com 公式: The Clone Wars
- StarWars.com 公式: Solo - A Star Wars Story
- IMDb: Ray Park
- IMDb: Sam Witwer
- IMDb: Peter Serafinowicz
- Wookieepedia: Maul
- Wookieepedia: Darksaber
- Wookieepedia: Savage Opress
- Wookieepedia: Mother Talzin
- Wookieepedia: Shadow Collective
- Wookieepedia: Crimson Dawn
- Wookieepedia: Dathomir