01来歴

ファースト・オーダー将軍として登場
ジェネラル・ハクスは、J.J.エイブラムス監督『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(The Force Awakens)』2015年12月18日米国公開でファースト・オーダーの若き将軍として初登場する。銀河帝国崩壊後にウンノウン・リージョンズへ逃れた帝国残党が再編した新興軍事勢力の中で、若くして将軍の地位に就いた人物として描かれる。本作では最終兵器スターキラー基地(Starkiller Base/惑星を丸ごと改造した超兵器)の建設責任者・指揮官を務め、新共和国議事星ホズニアン・プライム(Hosnian Prime)系を含む共和国中枢惑星群を一斉破壊する場面で軍事的扇動演説を行う。
カイロ・レンとの確執
リアン・ジョンソン監督『スター・ウォーズ/最後のジェダイ(The Last Jedi)』2017年12月15日米国公開では、ファースト・オーダー旗艦スプリマシー(Supremacy)/ダレッドノート級スタードレッドノート『フルミナトリックス(Fulminatrix)』指揮官として登場する。冒頭ではポー・ダメロンの通信攪乱コメディに翻弄され、シリーズのユーモア要素を担う場面の中心人物となる。スノーク暗殺後にカイロ・レンが最高指導者の座を奪うクライマックスでは、意識を取り戻したハクスが反逆を考える視線をカメラに向け、続編への伏線として配置される。
レジスタンスへの内通スパイ
J.J.エイブラムス監督『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(The Rise of Skywalker)』2019年12月20日米国公開では、ハクスはレジスタンス側への内通スパイ役として再定義される。レイ/フィン/ポー・ダメロンら主人公チームを意図的に脱出させる場面で正体を明かし、自身の動機を『カイロ・レンに負ければよい』という個人的怨恨に集約させる。直後にアレジン将軍(General Pryde)に内通の証拠を察知され銃殺され、シークエル三部作におけるハクスの物語が完結する。
派生小説・コミックの補完
ハクスの本名アーミテージ・ハクス(Armitage Hux)と、父ブレンドル・ハクスの帝国軍将校としての経歴は、チャック・ウェンディグ著『Star Wars: Aftermath: Empire's End』2017年2月Del Rey刊などのカノン小説で初めて公式に補完された。さらにディライラ・S・ドーソン著『Star Wars: Phasma』2017年9月Del Rey刊では、キャプテン・ファズマの過去とともに若きハクスがファースト・オーダー内部で台頭する過程が描かれる。映画本編が省略したファースト・オーダーの結成過程を補強する役割を担う。
02能力・特徴

- 戦略指揮と扇動演説:スターキラー基地発射時には隊列の前で軍事的扇動演説を行い、軍の士気を煽る。直接戦闘より戦略指揮を担う造形が三部作を通じて一貫する。
- 兵器プロジェクト統括:最終兵器スターキラー基地の建設責任者・指揮官として、新共和国議事星ホズニアン・プライム系の一斉破壊作戦を統括する。旗艦フルミナトリックスの戦闘指揮も担う。
- 内通と政治的駆け引き:レジスタンス側への内通スパイとして、カイロ・レンへの個人的怨恨を動機に、レイ/フィン/ポー・ダメロンら主人公チームを意図的に脱出させる二重スパイ行為を実行する。
- 観察者代理視点:スノーク/カイロ・レン/アレジン将軍と立場が入れ替わる中、敵勢力内部の権力構造の変化を可視化する観察者代理視点として機能する。
- 歴史の反復としての悪の体現:扇動演説は20世紀の全体主義的集会の意匠を引用したと評され、グランド・モフ・ターキン以来のスター・ウォーズ敵側軍指揮官の系譜を新世代に継承する。
03関連人物

04登場・関連作品
05名場面

『フォースの覚醒』:スターキラー基地発射シーンで隊列の前で軍事的扇動演説を行い、超兵器の発射を承認する。共和国中枢惑星群を一斉破壊する場面の指揮を担う。
『最後のジェダイ』冒頭:旗艦スプリマシーの通信にポー・ダメロンが割り込み『こちらレジスタンスのポー・ダメロン、聞こえますか』と攪乱するコメディ場面。
『最後のジェダイ』後半:スノーク死亡後、意識を取り戻したハクスがカイロを撃つか逡巡し、反逆を考える視線をカメラに向ける。続編への伏線となる場面。
『スカイウォーカーの夜明け』中盤:正体を明かし『私がスパイだ』と告白し、動機を『カイロ・レンに負ければよい』と語る。ハクス像の最終解像度を提示する場面。
『スカイウォーカーの夜明け』後半:内通の証拠を察知したアレジン将軍にブラスターで銃殺されるハクスの最期。三部作のハクスの物語に終止符を打つ場面。
06制作背景

ジェネラル・ハクスを演じるのは、アイルランド・ダブリン出身の俳優ドーナル・グリーソン(Domhnall Gleeson/1983年5月12日生まれ)である。父はアイルランドを代表する俳優ブレンダン・グリーソン。本シリーズと並行して、レニー・アブラハムソン監督『ルーム/Room』2015年でジャック・ニューサム役、アレックス・ガーランド監督『エクス・マキナ/Ex Machina』2014年でケイレブ役、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督『レヴェナント/The Revenant』2015年でアンドリュー・ヘンリー隊長役を演じ、英語圏映画の中堅俳優として急速に台頭した。ハリー・ポッター映画シリーズではビル・ウィーズリー役を演じている。
シークエル三部作は、J.J.エイブラムス(『フォースの覚醒』『スカイウォーカーの夜明け』を監督)とリアン・ジョンソン(『最後のジェダイ』を監督)の二監督交互体制で制作された。製作総指揮はルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディが務め、ルーカスフィルム製作・ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ配給で、2012年のディズニーによるルーカスフィルム買収後の最初の本編三部作となった。主要撮影はイギリスのパインウッド・スタジオ(ロンドン近郊バッキンガムシャー)で行われ、『フォースの覚醒』は2014年、『最後のジェダイ』は2016年、『スカイウォーカーの夜明け』は2018年に撮影された。
劇伴は、オリジナル三部作『新たなる希望』1977年以来スター・ウォーズ実写映画本編全9作を担当する作曲家ジョン・ウィリアムズ(John Williams/1932年2月8日米国ニューヨーク州生まれ)が三部作全3作を手がけ、スターキラー基地発射シーンやファースト・オーダー進軍シーンの音楽も同氏の作曲による。造形面では原作三部作のグランド・モフ・ターキン(演ピーター・カッシング)を継承する役回りとして配置され、扇動演説には20世紀の全体主義的集会の意匠が引用された。
三部作完結後、ハクスは扇動演説者、コメディ・リリーフ、内通スパイと各作で役割が変転し、三監督の作家性の違いを最も鮮明に体現したキャラクターとして評価される。グリーソンは公開後インタビューで、初登場時のスターキラー基地演説シーンを『キャリアで最も印象的な撮影日のひとつ』と語っている。
07評価・考察

ジェネラル・ハクスは、ファースト・オーダー敵側で軍指揮系統と暗黒面騎士系統の路線対立を象徴する人物として配置されている。原作三部作のグランド・モフ・ターキンとダース・ベイダーの関係を新世代に転写する役回りと読むことができ、スターキラー基地発射シーンの扇動演説はナチス・ドイツ的な集団演説の意匠を引用したと評され、シリーズの『歴史の反復としての悪』というモチーフの中心を担う。
『最後のジェダイ』でハクスをコミック・リリーフに振り切った解釈は、シークエル三部作の作家性の違いを象徴する場面として議論を呼んだ。冒頭のポー・ダメロンによる通信攪乱コメディは、シリーズで最も明確なコメディ・シーンのひとつとして記憶されている。
『スカイウォーカーの夜明け』でハクスをレジスタンス内通スパイ役として再定義した点は、続編が前作の作家性をどの程度継承するかという問いを観客に提示するアークとして機能した。動機を『カイロ・レンに負ければよい』に集約させる選択は、二系統の路線対立を最終的に勝者敗者の二項対立へ閉じる帰結として理解できる。
08トリビア
- 本名はアーミテージ・ハクス(Armitage Hux)。劇中では本名が一度も呼ばれず、カノン小説『Star Wars: Phasma』などで公式に定着した。
- 父ブレンドル・ハクスは帝国軍士官学校アーケニス・アカデミーの指揮官で、補完小説『Aftermath: Empire's End』で描かれる帝国残党のウンノウン・リージョンズ移動を主導した人物の一人。アーミテージはその私生児として描かれる。
- 『最後のジェダイ』冒頭のポー・ダメロンによる通信攪乱コメディは、後年のドキュメンタリー『The Director and the Jedi』でリアン・ジョンソン本人が意図的に挿入したと語っている。
- ハクスを銃殺するアレジン将軍を演じたリチャード・E・グラントは、『ウィズネイルと僕』で知られる英国俳優で、『ある女流作家の罪と罰』2018年でアカデミー助演男優賞にノミネートされた。
- ハクスを早期退場させた脚本上の選択は、2018年のコリン・トレヴォロウ降板を経た『スカイウォーカーの夜明け』の急ピッチな書き直し体制の影響として、公開後に複数の関係者が語った。
09よくある質問
『フォースの覚醒』で初登場し、『最後のジェダイ』『スカイウォーカーの夜明け』と続くシークエル三部作の全3作に登場する。
アイルランド・ダブリン出身の俳優ドーナル・グリーソンが演じている。父はアイルランドを代表する俳優ブレンダン・グリーソン。『ルーム』『エクス・マキナ』『レヴェナント』などで知られる。
本名はアーミテージ・ハクス。帝国軍将校ブレンドル・ハクスの私生児として描かれる。劇中では本名が呼ばれず、カノン小説で公式に定着した。
ファースト・オーダー内部での最大の政敵。軍指揮系統(ハクス)と暗黒面騎士系統(カイロ・レン)の路線対立として描かれる。『最後のジェダイ』の最高指導者交代で立場が決定的に逆転する。
『スカイウォーカーの夜明け』でレジスタンスへの内通スパイと再定義され、主人公チームを脱出させた直後に、内通を察知したアレジン将軍に銃殺される。